助産師の志望動機を書くポイント。例文やNG例もチェックしよう

助産師を志望し、転職・就職を考えているなら、志望動機はよく聞かれる質問です。書く内容やポイント、注意点を解説します。新卒や未経験者、看護師・助産師経験者、それぞれの例文も確認しましょう。うまく内容をまとめられれば、自分の魅力をアピールできます。

助産師の志望動機に書く内容

妊婦と女性医師

(出典) pixta.jp

出産のサポートや産後の指導まで、幅広く活躍する助産師を目指す場合、志望動機には何を書くのでしょうか?職業の特徴や仕事内容を踏まえ、盛り込む内容を紹介します。

助産師として働きたい理由

職種に対する関心や熱意は、納得感のある志望理由です。なぜ出産に関わる職業に就きたいと考えたのか、きっかけやエピソードを具体的に交えて説明しましょう。

助産師は医療職の中でも、妊娠・出産・産前産後ケアに特化した職業です。妊婦や、幼い子どもを持つ母親と関わる機会が多いでしょう。

妊娠・出産への強い思い入れや、実際に経験したエピソードがあれば積極的に盛り込むのがおすすめです。特に、看護師からの転職であれば、方向性を変えた明確な理由として、助産師を目指した思いを伝えるのが重要になるでしょう。

応募先を選んだ理由

助産師の就職先は、産婦人科のある病院・クリニックが一般的です。そのほかに、助産所・保健所・行政機関で働くケースもあります。

それぞれ仕事内容や特徴が異なるため、なぜ応募先を選んだのかを具体的に書きましょう。応募先が分類されるカテゴリだけでなく、施設独自の特徴を盛り込むのがコツです。

仕事内容が似ていたとしても、規模・方針・設備・導入している出産方法などは施設によって異なります。応募先を選んだ理由を明確にできれば、志望度の高さもアピールできるでしょう。

将来的なビジョン

将来のビジョンが明確な人は、目標を持っています。働く上で、目標があるのとないのとでは、熱意に差が生じるでしょう。

志望動機には、キャリアや興味のある分野を含めたビジョンを盛り込むのがおすすめです。応募先の施設でどんな仕事をしたいのか、採用後はどのようなキャリアを歩んでいきたいのかしっかり説明できれば、応募先が求める人材とマッチしているか判断しやすくなります。

求める人物像と一致していればアピールにつながり、採用の可能性も高まるでしょう。あらかじめ希望を伝えることによってミスマッチが減り、応募者側にもメリットがあります。

助産師の志望動機を書くポイント

妊婦のおなかをさする医師

(出典) pixta.jp

志望理由や動機を書く際には、ポイントを押さえた上で書き始めるのが大切です。書く前にやっておきたいことや盛り込む内容を紹介します。

応募先をリサーチする

応募先の特徴を理解していなければ、魅力的な志望動機は書けません。仕事内容や募集要件といった最低限の情報だけでなく、細かい部分までリサーチするのが大切です。

公式サイトを持つ医療機関であれば、理念や院長の考え方、対応している診療科など基本的な情報はすぐにチェックできます。他の施設との違いや、その施設独自の目的を理解するためにも確認しておきましょう。

インターネット以外に、施設見学や患者として訪れた際の雰囲気もヒントになります。見学を実施している場合は、積極的に参加しましょう。応募先に合う動機をピックアップするには、リサーチを全て終えた状態で書き始める必要があります。

自己アピールを入れる

助産師に必要なスキル・資質・経験を持っていれば、自己アピールが可能です。動機と絡めて、「スキルを生かしたい」「性格的な特徴が助産師に向いている」といった内容を盛り込むと効果的でしょう。

あくまでも「志望動機」を中心に書くのが重要ですが、魅力をアピールできれば印象アップにつながるだけでなく、採用側も施設が求める人材と一致しているか確認できます。

助産師の志望動機の例文

赤ちゃんを抱く女性

(出典) pixta.jp

状況によって、志望動機の書き方やポイントは異なります。新卒・看護師からの転職・助産師経験者のケースで、例文をそれぞれ見ていきましょう。

新卒の場合

助産師になるには助産師課程に進み、国家資格を取得しなければなりません。看護師資格も必要なため看護師と助産師の同時受験が可能な学校もありますが、助産師課程へ進む場合は「助産師として働きたい」という強い思いを持っている人が多いでしょう。

経験がない分、熱意や気持ちをアピールするのが大切です。新卒では全員が未経験のため、経験や技術よりも応募先を選んだ理由や、将来のビジョンが重要になるでしょう。新卒で志望動機を書く場合の例文を紹介します。

私が助産師を目指したのは、幼いころ立ち会い出産を経験したのがきっかけです。子どもにとっては衝撃的な出来事でしたが、その分赤ちゃんが生まれてくることの素晴らしさや、大変さを考えるようになりました。

同じように立ち会い出産を希望されるご家族にも、自分の経験からメリットやデメリット、子どもの性格による違いなど、説明できる部分があると考えています。貴院では立ち会い出産を選択されるご家族も多いと伺い、応募いたしました。

看護師から転職する場合

看護師になってから助産師を目指し、転職するケースもあります。助産師資格を持っているのであれば、未経験OKの求人に応募が可能です。

未経験から助産師への転職を考えている場合の例文を紹介します。

新卒から、看護師として〇〇科で2年間勤務しています。助産師資格を生かしたいと考え、近いうちに産科への配属を希望していたのですが、人員配置の都合上、異動が難しくなってしまったため転職を決意しました。

妊娠・出産だけでなく産後ケアに力を入れているところや、できるだけ妊婦の希望を取り入れるという考え方に魅力を感じ、ぜひ貴院で働きたいと思っております。

助産師経験者の場合

助産師経験者の場合、スキルや経験がある分、転職は有利です。助産師から助産師への転職と、過去に助産師経験があり看護師として働いているケースの例文を紹介します。

【助産師から助産師へ転職する場合の例文】

〇年間、総合病院で助産師として勤務しています。主に、リスクのある方の緊急的な転院や救急での対応が多く、1人の方に関わる時間が短くなってしまうのが悩みでした。

妊娠初期から産後ケアまでトータルで診療を担当する専門クリニックで働きたいと考えるようになり、転職を決意しています。

貴院は県内のクリニックの中でも歴史が長く、母や親戚が通い、私もこの場所で生まれていますので、地域医療に貢献したいとの思いもあり、応募しました。

【助産師経験があり、現職が看護師の場合の例文】

現在、看護師として〇〇病院に3年間勤務しています。〇〇科配属ですが、それまでは産科で助産師として働いていました。

配属先の変更により〇〇科で活躍する道を模索していましたが、新生児を迎えるお手伝いはやりがいも大きく、大変であってもすてきな仕事だと思っています。

もう一度産科で働きたいと考えていたところ貴院の求人を拝見し、妊産婦へのフォローやカウンセリングに対する方針に共感し、応募いたしました。

助産師の志望動機の注意点

妊婦と女性医師

(出典) pixta.jp

採用の可否の判断にも関わる志望動機には、書かない方がよい項目もあります。内容を考えるときに気を付けたいポイントと、避けた方がよい表現を覚えておきましょう。

ネガティブな表現を使わない

現在の職場に不満や問題があると感じているからこそ、転職に踏み切るケースは多いものです。しかし、志望動機や退職理由で、そのまま伝えるのはよくありません。

トラブルや問題にはなるべく触れず、前向きな理由に置き換えるのが大切です。「給料が低い」「労働環境が悪い」など、何かしらの本音があったとしても、ネガティブな表現をすると、文句が多い人と捉えられてしまいます。

給料が低いのであれば、「キャリアアップを目指したい」「いずれ管理職になりたい」など、前向きな方向に言い換えられるでしょう。

労働環境が悪い場合、「ワーク・ライフ・バランスを重視して仕事をしていきたい」「効率的に仕事を進めたい」など、表現はいくつもあります。

曖昧な内容、ありきたりな内容はNG

志望動機は、具体性を重視して明確に書くのがポイントです。職種や応募先を問わず使えるような曖昧な内容は、熱意が感じられません。他の応募先にも使い回していると疑われそうな内容は避けましょう。

ありきたりなエピソードや理由も、印象に残りにくくなります。自分の想定とは違う形で受け止められる可能性もあるため、具体性を持たせるのが大切です。

珍しいエピソードやインパクトの強い理由を書く必要はありませんが、自分なりに感じたことや本当に起きた出来事を書いていれば、自然とオリジナリティが生まれるでしょう。

志望動機で助産師への熱意を伝えよう

赤ちゃんを抱く女性

(出典) pixta.jp

助産師を目指すには、資格を取得しなければなりません。志望動機を書くにあたり、助産師になりたい理由や応募先を選んだ理由を盛り込みましょう。

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古市菜緒
【監修者】バースコンサルタント代表、助産師・看護師・保健師古市菜緒

助産師として1万件以上の出産に携わり、8千人以上の方を対象に産前・産後のセミナー講師を務める。海外での生活を機にバースコンサルタントを起ち上げ、現在「妊娠・出産・育児」関連のサービスの提供、アドバイスを行う。関連記事の執筆・監修、商品・サービスの監修、産院のコンサルタント、国・自治体の母子保健関連施策などに従事。

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