臨床工学技士の面接には、一般的な面接とは異なる点がいくつかあります。面接でよく聞かれる一般的な質問と回答例、臨床工学技士の面接で想定される質問内容、面接におけるマナーを確認して、自信を持って面接に臨めるようにしましょう。
面接でよく聞かれる一般的な質問と回答例
まずは職種に関係なく聞かれる可能性が高い、一般的な質問と回答例を紹介します。志望動機や自己PRなど、どの職種の面接でも聞かれる質問について確認しましょう。
志望動機と経歴
志望動機は、なぜ臨床工学技士になりたいのか、なぜその応募先を選んだのかを伝えるものです。学生時代に力を入れてきたことや前職での経験談を織り交ぜて、一貫性のある志望動機を語れるようにしましょう。
数ある病院・クリニックがある中で、なぜその応募先を選んだのかという質問は、必ず聞かれると想定して準備しておくのがおすすめです。自分が関心のある仕事ができる、実際に利用したことがあり親切な対応に心をひかれたなど、具体的な理由があると説得力が増します。
【回答例】
私が御院を選んだ理由は、御院が〇〇の業務に力を入れているためです。私は〇〇の業務に興味があり、これまでにも◯年間の研究実績があります。さらに臨床実習や実務で習得してきたことを活かしたいと考えています。
御院では〇〇の業務に関して高い技術や実績を持っており、そこで働くことで自分のスキルや知識をさらに向上させられると思いました。
また、御院の理念や方針にも共感しました。御院は患者さんの立場に立った医療の提供を目指しており、チーム医療にも力を入れています。私はそうした御院の姿勢に賛同し、一員として貢献したいと思いました。
自己紹介や自己PR
自己紹介や自己PRでは、自分に関する基本情報や強み、特徴などを短く簡潔に伝えましょう。履歴書に書いてある内容や口頭で伝えた情報の中で気になるポイントがあれば、面接官から質問がされます。
自分の強みや特徴は、具体的なエピソードや成果などで裏付けるように意識しましょう。
【回答例】
私の強みは積極性と継続力です。私は新しいことに挑戦するのが好きで、常に学び続ける姿勢を持っています。例えば、大学時代も講義で基礎知識を身に付けるとともに、第2種ME技術実力検定試験の対策をしてきました。
第2種ME技術実力検定試験に合格し、現在は第1種ME技術実力検定試験の勉強を進めております。
臨床実習では、医師や看護師など他の医療従事者に積極的にアドバイスを求めたり、フィードバックを受けたりしました。その結果、臨床工学技士として必要なスキルや知識を高めることができたと考えています。
私はこのように、積極性と継続力を忘れず、臨床工学技士として活躍したいと思っています。
逆質問の目的と具体例
逆質問は面接の最後に設けられるケースが多く、志望者から面接官に質問する時間です。志望者の志望度を測るとともに、志望者の質問を自由に受け付けることを目的としています。
逆質問の時間を設けてもらったら、何も聞かずに終わるのはNGというのが大前提です。「志望度が低い」「興味・関心が薄い」と見なされてしまう可能性があります。
そこで、面接に臨む前に、以下のような質問を用意しておきましょう。
- 臨床工学技士として働く上で、特に重視されるスキルや資質は何か
- 教育や研修制度はどのようになっているか
- スキルアップするためにはどのような取り組みが必要か
- 今から入社までに準備しておくとよいこと
逆質問には、マイナスなイメージを持たれてしまうものも存在します。例えば、説明会やWebサイトなどでも確認できる、理念や求める人物像、給与に関する質問です。
臨床工学技士の面接で想定される質問内容
臨床工学技士の面接では、一般的な質問だけでなく、医療機器に関する内容や臨床工学技士の役割、業界動向についても聞かれます。これらの質問は、臨床工学技士として働く上で必要な、専門性や適性を測るものです。
医療機器の知識に関する質問
医療機器の知識に関する質問は、応募者が医療機器の原理や操作法、安全性、効果などについて理解しているかを確認する質問です。医療機器の知識は、臨床工学技士を志望する上で重要な項目といえます。
例えば以下のような質問が想定されるでしょう。
- 扱ったことのある医療機器は何か。またその機器の原理や操作法、安全性、効果についての説明
- 興味のある医療機器は何か。その機器の特徴やメリット、デメリットについての説明
臨床工学技士の役割や業界動向に関する質問
臨床工学技士の役割や業界動向は、臨床工学技士としての適性や志望度を測る質問です。例えば以下のようなものが想定されます。
- 臨床工学技士としてどのような役割を果たしたいか。また、その役割を果たすためにどのような取り組みをしているか
- 臨床工学技士の業界動向についてどのように考えているか。またそれに対応するために、どのようなスキルや知識を身に付けているか
臨床工学技士の面接におけるマナーや服装
面接でのマナーは多岐にわたりますが、臨床工学技士として働くことを前提としたマナーもいくつか存在します。業界特有の面接マナーを確認しましょう。
業界特有の面接マナー
臨床工学技士は、スーツを着て業務にあたる仕事ではありません。ただし、医療現場で働く以上、清潔感が重要視される仕事です。清潔な印象を与えるという点では、面接にはスーツを着用するのが無難でしょう。
また、臨床工学技士は機器と向き合う仕事と思うかもしれませんが、チームメンバーや患者と関わる機会も多々あります。
円滑なコミュニケーションが取れるという印象を与えられるよう、面接官に聞こえる声で、ハキハキと快活にあいさつや受け答えをしましょう。
事前の研究や業界動向に合わせた自己PR
臨床工学技士の面接では、志望度を測るためにあらゆる角度から質問されます。事前に応募先や業界動向をしっかり研究しておくという姿勢が重要です。
特に自己PRの内容は、どうすれば面接官に欲しい人材だと思われるかという点を意識して考えましょう。
例えば、業務を円滑に進める上でチーム内のコミュニケーションを重視する職場において、「1人で黙々と作業を続けられる集中力」を強みにしても、あまり効果的ではありません。常にアンテナを張って情報収集を行いましょう。
要点を押さえて臨床工学技士の面接に臨もう
臨床工学技士の面接は、他の職種の面接とは異なる点がいくつかあります。それは、臨床工学技士として働く上で必要な、専門性や適性に関する質問です。
面接では、応募先に関する情報や臨床工学技士の業界動向に基づいて、自分の強みや特徴をアピールすることが重要と考えましょう。さらに、業界特有の面接マナーにも注意する必要があります。
面接に臨む前に、応募先や業界動向をしっかり調べた上で、志望動機や自己PRをまとめておきましょう。
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「kakotto.」代表。臨床工学技士として大学病院等での勤務経験を活かし、2016年にライターに転身。現在は、医療・福祉・ヘルスケア中心のライター・編集者として活動している。「易しく、優しい文章を」をモットーに、難しい医療のことを分かりやすい解説を心がける。薬機チェックにも対応。
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