性格診断の幹部(ESTJ)タイプが輝ける職業は?性格的特徴と強み・弱みを解説

性格診断テスト「16Personalities」における幹部タイプは、伝統や秩序に重きを置く傾向とされます。自分の長所や強みを生かすなら、どのような職業を目指せばよいのでしょうか?幹部の性格的特徴や職業の向き・不向きを解説します。

性格診断の「幹部(ESTJ)」とは?

自信ありげな男性

(出典) pixta.jp

幹部(ESTJ)とは、性格診断テスト「16Personalities」の性格タイプの1つです。16Personalitiesはユングのタイプ論などをベースにした性格診断テストで、特定のタイプに属する人にどのような思考や行動の傾向があるかを示します。

自分の性格タイプを知ることで、仕事のキャリアアップや自己成長、対人関係の改善などに役立てられます。幹部とは、どのような特徴を持ったタイプなのでしょうか?

幹部の5つの性格側面

性格タイプは全16種類で、「ESTJ-A」や「ESTJ-T」のように4つのアルファベットと2つの特性の組み合わせで表されます。最初の4文字は、性格タイプの主軸となる要素です。幹部は以下の要素で構成されています。

  • Mind(心):外向的(E)
  • Energy(エネルギー):観察的(S)
  • Nature(自然):思考的(T)
  • Tactics(戦術):判断力のある(J)

幹部は伝統や秩序に重きを置く人々で、不正や怠惰を嫌う傾向があります。家族やコミュニティーでは、リーダーシップを発揮するケースが多いでしょう。

さらに幹部は、「ESTJ-A」と「ESTJ-T」に区別されます。「-A」や「-T」はそれぞれが持つアイデンティティーで、優劣の差はありません。

  • A(Assertive):自己主張が強く、自分に自信がある
  • T(Turbulent):完璧主義で、ストレスに敏感

参考:Free personality test, type descriptions, relationship and career advice | 16Personalities

性格診断が「幹部(ESTJ)」の性格傾向

握手をするビジネスマン

(出典) pixta.jp

どの性格タイプにも、強みと弱みがあります。性格傾向への理解は、自己成長をもたらすきっかけとなるはずです。私たちの行動や思考は、環境や過去の経験、目標によっても左右されるため、性格タイプの内容が絶対的なものではない点に注意しましょう。

幹部の強み

マネジメント能力に長けた幹部タイプは、コミュニティーにおけるリーダー役です。自らがしっかりと手本を示しながら人々を導くため、周囲の信頼を獲得します。環境に秩序と安全性をもたらすべく、ルールや構造、役割の確立に力を尽くすでしょう。

仕事やビジネスでは、事実やデータなどに基づいた具体的なアクションプランを策定し、周囲の環境を把握しながら物事を進めていくのが特徴です。明晰な思考と判断力が強みで、幹部の手にかかれば複雑なタスクも分かりやすく整理されます。

タスクや責任を公平かつ客観的に配分できるため、有能なリーダーとして周囲に一目置かれるでしょう。

幹部の弱み

伝統や秩序、ルールを重視しすぎると、周囲からは融通が利かない頑固者と見なされます。物事を正しくすることが自分の責務であると考えているため、周囲への評価は自ずと厳しくなるでしょう。

特に、ルールを守らなかったり、基準を満たさなかったりする「逸脱者」には、容赦なく厳しい意見をぶつけます。精査されていない解決策や新しいアイデアを試さざるを得ない状況になれば、ストレスや不安を抱えるかもしれません。

社会的地位を失うことを恐れ、周囲の期待に敏感になりすぎるのも幹部の弱みです。とりわけESTJ-Tのタイプは、他者の期待に応えることに注力するあまり、自分自身のニーズを満たせなくなる可能性があります。

性格診断が「幹部(ESTJ)」の仕事の特徴

経営者の資料

(出典) pixta.jp

強みや弱みを探っていくと、幹部タイプに向いている職業と向いていない職業の傾向が明らかになります。就職・転職において「自分にどんな仕事が合うか分からない」と悩んでいる人は、性格診断の結果を参考にしましょう。

幹部に向いている職業

幹部はルールや秩序が整った環境で、長く働くことを望みます。上下関係や役割、昇進のルートが明確化されていた方が、安心感を覚えるでしょう。

キーワードは、伝統・安定性・安全性です。不確実性の高い仕事や急成長するスタートアップ企業よりも、伝統のある組織や大手企業で働くのが適しています。向いている職業・職場の一例は、以下の通りです。

  • マネージャー
  • 監査役
  • 財務責任者
  • 経営管理者
  • 裁判官
  • コーチ
  • 法執行機関
  • 法律事務所
  • 病院
幹部に向いていない職業

幹部には不確実性や変化を好まない傾向があります。抽象的な意見やアイデアよりも、客観的な事実やデータを重視するため、自由な発想を要する仕事や柔軟性が求められる仕事では、自分の能力を存分に発揮できない可能性が高いでしょう。

計画的に物事を進めるのは得意ですが、単純作業を1人で黙々とこなすタイプではありません。チームでは、タスクを分配したり、メンバーを導いたりするポジションを担うでしょう。向いていない職業の一例を列挙します。

  • クリエイティブ職(デザイナー・作家など)
  • 保育士
  • 事務員

性格診断が「幹部(ESTJ)」の適職

コーチの男性

(出典) pixta.jp

幹部は秩序やルールを重んじる現実主義者で、組織の中ではリーダーのポジションを務めます。複雑な物事の関係性を整理したり、問題解決の道筋を立てたりするのが得意なため、組織の中では頼りになる存在でしょう。

幹部に向いている職業のうち、「コーチ」「経理・財務担当者」「プロジェクトマネージャー」「裁判官」の仕事内容を、詳しく解説します。

コーチ(スポーツ指導者)

幹部には、人々をまとめ上げる能力があります。判断力と思考力に優れており、組織やチームでは、指導や助言をする役割を担うでしょう。組織づくりに興味がある人の場合、スポーツチームのコーチとして活躍できる可能性があります。

コーチとは、選手の育成・訓練・指導を行う人です。ただ技術や知識を教えるのではなく、それぞれの個性を生かしながら、チームを勝利に導きます。

プロの選手やチームを育成するコーチもいれば、スポーツ少年団や学校の部活動で指導するコーチもおり、活躍の場は多岐にわたります。

コーチに必要なスキル

スポーツチームのコーチを務めるには、選手としての優れた実績が必要です。スポーツ未経験者がコーチに就くケースはまれで、ほとんどは競技の経験者や元プロ選手です。

コーチには、技術や戦術に関する知識のほかに、選手を育てるスキルやカウンセリングスキルが求められます。

人の上に立つ者は、チームメンバーの信頼を得るのが第一歩です。人格者であると同時に、スポーツのマナーやエチケットをしっかりと守る人が向いています。選手との絆を強める上では、コミュニケーション能力も欠かせません。

コーチのなり方

コーチの多くは、体育系の大学や専門学校で、スポーツ学や体育学を体系的に学びます。各種競技の協会や実業団のある企業などに就職した後、初級指導者として経験を積むのが一般的です。優れた実績を残せば、監督への昇進が期待できるでしょう。

必要な資格は就職先や競技種目によって異なりますが、代表的な資格として公益財団法人日本スポーツ協会(旧・日本体育協会)の「スポーツ指導者」が挙げられます。5領域・全18種の資格が設けられており、指導対象や活動拠点に合わせて選択が可能です。

未経験者は、スポーツ指導者基礎資格の「コーチングアシスタント」や、競技別指導者資格の「スタートコーチ」などから始めるとよいでしょう。

参考:公認スポーツ指導者概要  - スポーツ指導者 - JSPO

経理・財務担当者

経理・財務担当者は、会社全体のお金の流れを把握した上で、資金計画を策定したり、入出金の管理を行ったりするポジションです。経営改善や事業戦略の提案などを行うケースもあり、経営状況が健全であるかどうかを見極める目が必要です。

主な業務内容には、入出金管理・帳簿の記帳・伝票整理・財務諸表の作成・予算編成・資金調達などがあります。

構造化と徹底性を好む幹部には、限られた時間の中で効率的に業務を進める能力があります。ルールに基づいた作業が得意なため、経理・財務の仕事は適職といえるでしょう。監査役や財務責任者のポジションにも向いています。

経理・財務担当者に必要なスキル

高度な計算能力は必要ありませんが、財務諸表から会社の財政状況や経営成績を判断できる能力が求められます。日常業務は専用のソフトやITツールを使って行うため、基本的なPC操作とツールを使いこなすスキルが必要です。

企業によっては、金融機関との関係性を構築したり、経営層に財務戦略を提案したりする業務も担います。経理・財務の専門知識に加え、コミュニケーション力や折衝力、プレゼンテーション力も欠かせないでしょう。

経理・財務担当者のなり方

経理・財務担当者になる上で、必須の資格はありません。ただし、大学で会計学や経営学を学んだ人は、就職・転職が有利に進む可能性が高いといえます。

企業や官公庁に事務職として採用された後、実務を通じて経理・財務のスキルを磨いていくのが一般的です。数ある業務の中でも「決算業務」は難易度が高く、慣れるまでには一定の期間を要します。

未経験者は、簿記の基礎知識を身に付けるのがいいでしょう。商工会議所の日商簿記は初級・3級・2級・1級の4段階で、多くの企業が求めるレベルは2級以上です。

参考:簿記 | 商工会議所の検定試験

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトチームを統括する責任者です。品質(Quality)・プロジェクト原価(Cost)・納期(Delivery)の目標達成に向け、以下のようなマネジメント業務を担います。

  • 実行計画の作成
  • 予算の管理
  • 進捗の管理
  • 人員の管理

プロジェクトマネージャーは、現状を的確に把握すると同時に、将来起こり得る課題を早期に発見しなければなりません。プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、予算や進捗、人員を管理する重要性が増します。

プロジェクトマネージャーに必要なスキル

プロジェクトマネージャーに求められるスキルは複数ありますが、中でも重要なのがプロジェクトを円滑に管理するスキルです。

問題解決能力やマネジメント力、情報整理力といったさまざまな要素から成り立っており、一朝一夕で身に付くものではありません。

プロジェクトには多くの人が関わるため、情報を分かりやすく伝達する力や相手の言いたいことを理解する力が求められます。意見や利害が異なる人々をうまくまとめ上げていく上では、調整力や交渉力も必要でしょう。

会社の将来は、プロジェクトの成否にかかっているといっても過言ではありません。責任感が強く、目標に向かって計画を着実に進められる人が向いています。

プロジェクトマネージャーのなり方

プロジェクトマネージャーの多くは、IT業界で活躍しています。未経験者がすぐにマネジメント職に就くケースは少なく、経験を積みながらスキルを磨いていくのが通例です。

IT業界のプロジェクトマネージャーは、システムの開発から導入までの一連の業務を経験する必要があります。プログラマーからスタートし、システムエンジニアやプロジェクトリーダーを経て、プロジェクトマネージャーに就任するのが一般的でしょう。

必須の資格はありませんが、「プロジェクトマネージャ試験」や「ITストラテジスト試験」などの資格があると、就職・転職に有利です。

参考:プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

参考:ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

裁判官

裁判官は、憲法や法律に基づいて裁判を取り仕切る法曹です。裁判所には、最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の5つがあり、扱う事件が定められています。

裁判は、民事裁判と刑事裁判に大別されます。民事裁判は日常生活で起こる法律上の紛争を解決するのに対し、刑事裁判は国の法律に背いたかどうかを判断するものです。

いずれの裁判においても、裁判官は原告および被告人の話によく耳を傾け、中立公正な立場から判断を下す必要があります。

参考:裁判官 | 裁判所

裁判官に必要なスキル

大局的見地から公正な判断を下すには、「事実を調査する能力」「事実を分析する能力」「事実を確定する能力」が求められます。主観的な判断を避けるためにも、客観的な証拠に基づいた分析や検証を徹底しなければなりません。

扱う事件は多種多様なので、日頃から文献や判例を読み込み、知識を吸収し続ける必要があります。謙虚さや勤勉さ、向上心がなければ、裁判官は務まらないでしょう。

裁判官に必要なスキルは複数ありますが、より重要なのは、正義感や誠実さ、廉潔性といった人格面です。知識は後からでも身に付けられますが、人柄や性格を変えるのは容易ではありません。

裁判官のなり方

裁判官になるためには、司法試験の合格が大前提です。司法試験の受験資格を得るには、法科大学院(2年または3年)を修了するか、予備試験に合格する必要があります。

司法試験に合格した後は、司法修習生として約1年間の司法修習を経て、国家試験の司法修習生考試(二回試験)を受験する流れです。合格すると法曹資格取得となり、裁判官としての任務がスタートします。

裁判官として採用される人のほとんどは、成績上位者です。採用後は「判事補」の身分となり、合議体(複数の裁判官で構成される組織)の一員として裁判を担当します。

原則として、判事補は1人で判決を下せません。10年以上の実務経験を積んだ後に「判事」に任命されます。

参考:法務省:司法試験

性格診断で自分が輝ける仕事を探そう

裁判官

(出典) pixta.jp

16Personalitiesの幹部タイプは、ルールや秩序を大切にする性格特性で、組織化された環境を好む傾向があります。高い目標を掲げながら、強い責任感と誠実さで自分の任務を遂行していくでしょう。

どの性格タイプにも強みと弱みがあります。「自分に合った仕事が見つからない」「転職を繰り返している」という人は、自己理解を深める必要があります。診断結果を基に、求人検索サイト「スタンバイ」で自分が輝ける仕事を探してみましょう。

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