若者向け「わかものハローワーク」とは?転職に向けた活用方法を紹介

若者向けの「わかものハローワーク」では、正社員を目指す若年層に対して、さまざまな就職支援を行っています。転職を検討している人はサービスを賢く活用しましょう。ハローワークとの違いやサービス内容、利用時の留意点を解説します。

若者向けの「わかものハローワーク」とは?

ハローワークの看板

(出典) pixta.jp

「ハローワークはいつも混み合っていて相談がしにくい」「正社員を目指しているが、なかなかチャンスがない」という人におすすめなのが、わかものハローワークです。若年層を対象とした就職支援施設で、マンツーマンの支援を受けられます。

施設の概要とハローワークとの違いを見ていきましょう。

正社員になりたい若者のための就職支援施設

わかものハローワークとは、国(厚生労働省)が運営する就職支援施設の1つです。自治体によっても異なりますが、正社員を目指すおおむね35歳未満の若年層が利用できます。

以前は対象年齢を45歳未満としていましたが、2020年4月1日に年齢が引き下げられました。実際は自治体ごとに対象年齢が異なるため、最寄りのわかものハローワークに確認しましょう。

例えば、東京ハローワークは35歳未満が対象ですが、札幌わかものハローワークは就職氷河期世代(55歳未満)も利用が可能です。

拠点数は全国21カ所で、わかものハローワークがない自治体でも、ハローワーク内に「わかもの支援コーナー」や「わかもの支援窓口」を設けているケースがあります。

参考:わかものハローワーク|厚生労働省

一般的なハローワークとの違い

ハローワークは、国が運営する総合的雇用サービス機関で「公共職業安定所」とも呼ばれます。

わかものハローワークは正社員を目指す若年層を対象としていますが、ハローワークには年齢制限が設けられていません。若年層はもちろん、60歳以上の人でも利用できます。

全国500カ所以上に拠点があり、職業紹介や雇用保険の手続き、雇用対策まで幅広く手掛けます。

他方、わかものハローワークは就職支援に重きが置かれているのが特徴です。職員がマンツーマンで支援するスタイルで、ハローワークよりも手厚いサポートが受けられます。

参考:ハローワーク |厚生労働省

わかものハローワークでは何ができる?

履歴書

(出典) pixta.jp

正社員経験や就職・転職経験が少ないと、「履歴書の書き方が分からない」「自分に合った職場が見つからない」といった壁に直面します。わかものハローワークは就職支援メニューが充実しているので、就職・転職に向けたサポートとして有効です。

具体的なサービス内容を確認しましょう。

就職支援ナビゲーターによる個別サポート

サービスのメインといえるのが、就職支援ナビゲーターによるマンツーマンの就職支援です。就職の妨げとなる課題の解決や強みの発見を手助けしてくれるため、自分に自信が持てるようになるでしょう。

就職支援ナビゲーターは、若者のキャリア形成に詳しいプロフェッショナルです。キャリアコンサルタントや産業カウンセラーの有資格者も多く、より具体的なアドバイスが得られます。サポート内容の一例は、以下の通りです。

  • 正社員としての就職に向けた支援プランの作成
  • 職業相談・職業紹介
  • 履歴書・職務経歴書のアドバイスと添削
  • 面接の指導

セミナーやグループワークへの参加

わかものハローワークでは、年間を通じて、セミナーやグループワークが開催されています。コミュニケーションスキルの向上や自己分析の方法など、就職・転職に役立つ情報が得られるため、積極的に参加しましょう。

グループワークでは、同じ悩みを持った仲間たちとの交流が可能です。例えば、東京わかものハローワークには就活応援塾「ジョブクラブ」があり、自分の考えを伝える技術やリフレーミングの活用、面接の手順などを学べます。

セミナーやグループワークの内容は拠点ごとに異なるため、Webサイトを確認しましょう。

参考:ジョブクラブってなあに?|東京わかものハローワーク

適職診断・心理カウンセリング

わかものハローワークでは、「キャリア・インサイト」を活用した適職診断を行っています。適性評価や職業リストの参照、キャリアプランニングなどができるキャリアガイダンスシステムで、利用者の自己理解と職業選択をサポートします。

長引く就職・転職活動で心が折れそうになったときは、心理カウンセリングを利用しましょう。専門家が各人の悩みを受け止め、適切なアドバイスを行います。

カウンセリングは基本的に予約が必要です。相談回数に制限を設けているケースもあるため、利用前に電話で確認しましょう。

参考:キャリア・インサイト(統合版)|労働政策研究・研修機構(JILPT)

就職した後も支援を受けられる

在職者支援窓口を設置し、就職後のフォローや職場定着の支援、労働条件の相談などにも応じています。

社会経験の少ない若年層は特に、過剰なノルマや残業代の未払い、極端な長時間労働といったトラブルに巻き込まれやすい傾向があります。

ブラック企業に就職すると、過労死寸前の状態にまで追い込まれるケースも珍しくありません。心身が疲弊してどうしようもなくなる前に、わかものハローワークに相談しましょう。

サービスを利用する際の留意点

資料に書き込む

(出典) pixta.jp

わかものハローワークは、一般的なハローワークとはサービス内容が異なります。個別支援を受けるにあたり、利用登録や予約が必要になる点に留意しましょう。

初回は利用登録が必要

初回利用時は利用登録を行います。初めて利用する旨を窓口で伝えましょう。

予約は必須ではないものの、職業相談を受けたい場合は、予約を入れた方がスムーズです。登録作業とガイダンスに30分ほどの時間を要するため、時間に余裕を見ておくことをおすすめします。利用するサービスにもよりますが、2回目以降は予約制です。

求人の紹介を受けるには、利用登録のほかに「ハローワークの求職登録」が必要です。自宅にネット環境がある人は、ハローワークインターネットサービスで先に登録を済ませておきましょう。

ハローワークインターネットサービス - トップページ

雇用保険に関する手続きは行えない

わかものハローワークでは、雇用保険に関する相談は行っていません。雇用保険の手続きや認定については、居住地を管轄するハローワークに問い合わせましょう。

就職に必要な知識やスキルを身に付けたい人に対しては、職業訓練(ハロートレーニング)の情報提供を行っています。職業訓練とは、労働者の能力開発を目的とした講座で、離職者訓練と求職者支援訓練の2つに大別されます。

わかものハローワークで実施しているのは、職業訓練の相談や情報提供のみで、申し込みはハローワークで行うのが基本です。

参考:ハローワークインターネットサービス - 雇用保険手続きのご案内

ハロートレーニング|厚生労働省

サポートを活用して正社員を目指そう

スーツの女性

(出典) pixta.jp

わかものハローワークでは、おおむね35歳未満を対象に、さまざまな就職支援を提供しています。厚生労働省が運営する公的機関のため、利用料金はかかりません。就職支援ナビゲーターを味方に付ければ、就職・転職が今までよりもスムーズに進みます。

就職・転職を検討している人は、わかものハローワークのサービスと並行して、求人検索サイト「スタンバイ」を活用しましょう。未経験でも応募ができる正社員の求人が豊富にあります。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら