ポータブルスキルとは?キャリアアップで大切なスキルを具体的に紹介

転職するときには、ポータブルスキルの有無が重視されることがあります。ポータブルスキルとは、具体的にどのようなスキルを指すのでしょうか。定義と含まれるスキルの具体例、転職において必要とされる理由を詳しく紹介します。

ポータブルスキルの定義

部下の指導

(出典) pixta.jp

ポータブルスキルとはどのようなものを指すのか、その定義について見ていきましょう。スキルの種類を勘違いしないためにも、ひと通りチェックしておくことをおすすめします。

職種や企業を問わず発揮できる汎用スキル

ポータブル(portable)とは、「携帯用の・持ち運べる」といった意味を持つ英単語です。ポータブルスキルとは、転職時に業種・職種を問わず持ち運びできるスキルを指し、どのような業務でも必要とされるスキルの総称といえます。

そのため、どのような業種・職種を目指す人でも培っておかなければならないスキルといってよいでしょう。

転職では即戦力として活躍するのに欠かせないテクニカルスキルが注目されがちですが、ポータブルスキルも同じように求められることを意識する必要があります。

業務遂行とコミュニケーションに関するスキル

一般的にポータブルスキルには、業務を遂行するのに欠かせない汎用性が高いスキルと、関係者とのコミュニケーションをスムーズに行うスキルの2種類が含まれます。

ただし、一言で業務を遂行するスキル、コミュニケーションを取るスキルといっても、その中に含まれるものは多種多様です。つまり、ポータブルスキルは単一のスキルを指す言葉ではありません。

関係するさまざまなスキルを包含したものの総称であり、培うためには長期的なトレーニングが求められるでしょう。

ポータブルスキルに含まれる具体的なスキル

ビジネスマン

(出典) pixta.jp

ポータブルスキルには、具体的にどのようなスキルが含まれるのでしょうか。ここではビジネスに欠かせない5つのスキルを紹介します。いずれも転職において重要視されるため、日頃からスキルアップを意識するとよいでしょう。

課題を適切に設定するスキル

日々のビジネスにおいては、解決しなければならない重大な問題に直面するケースがあります。そのようなときには、問題の背後に隠れている課題を特定して、適切な解決策を立案しなければなりません。

上記のシーンで必要になるのが、解決しなければならない課題を適切に設定するスキルです。

例えば、自社製品の売り上げが低迷しているという問題を抱えていたとします。そのような場合には、なぜ売り上げが低迷しているのかを追求し、適切な対策を考案しなければなりません。

原因を追求するには、売り上げやマーケティングに関するデータを分析し、そこから課題を発見しなければなりません。メインターゲットの顧客層に、マーケティングでアプローチできていないといった問題が見つかることもあるでしょう。

上記のように、抱えている問題と必要な資料・データから課題を発見するスキルを、課題設定力と呼びます。

必要な情報を収集するスキル

ビジネスでは、必要な情報を適切に収集して活用するスキルが欠かせません。重要な経営資源として、ヒト・モノ・カネ・情報の4つが並列されていることからも分かるでしょう。

必要な情報をスピーディーに収集するためには、十分な情報収集力を備えていなければなりません。情報収集は以下のように行えます。

  1. 自分が担当するビジネスを成功させるために必要な情報が何かを考える
  2. 必要な情報をどこから得られるのかを考える
  3. 信頼性が高い情報源から情報を収集する
  4. 集めた情報を整理して分析する

単純に情報を収集するだけでなく、そこから何が分かるのか、ビジネスにどのように生かせるのか考えるところまでを含みます。日頃からさまざまな物事に関心を持つことで、情報収集力を培えるでしょう。

イレギュラーな状況に対応するスキル

全てのことがうまく進むと考えるのは非現実的で、イレギュラーな事態が発生することは避けられません。予定通りに開発が進まない、災害によって大きな被害を受けた、取引先が倒産したなどの緊急事態は多くの場合、突然発生するものです。

上記のような状況では、臨機応変に対応するスキルが求められます。具体的には、以下のようなスキルが含まれます。

  • 状況を正確に把握するスキル
  • 問題点を発見するスキル
  • 解決しなければならない課題に優先順位を定めるスキル
  • 対応策を立案して実行するスキル

判断力や問題解決力など、一般的なビジネススキルの延長線上にあるスキルが多いことに気付くのではないでしょうか。日頃からこれらのスキルを高めることが、イレギュラーな状況への対応力を高めることにつながります。

他者と円滑にコミュニケーションを図るスキル

どのようなビジネスでも自分1人で進めるわけではなく、複数の関係者が存在します。そのため、他者と円滑にコミュニケーションを図るスキルが欠かせません。コミュニケーションに欠かせないスキルの具体例は、以下の通りです。

  • ヒアリングスキル
  • プレゼンテーションスキル
  • ネゴシエーションスキル
  • 表現力

上記のスキルを含めて総合的なコミュニケーションスキルを培うことで、社内外を問わず関係者と誤解のないスムーズなコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

リソースを適切にマネジメントするスキル

効率的にビジネスを進めるには、限られたリソースを効率的に運用することが欠かせません。与えられた人材や資金などのリソースを運用するためのスキルを、マネジメントスキルと呼びます。マネジメントスキルの具体例は以下の通りです。

  • 目標を適切に設定するスキル
  • 工数を適切に見積もり、必要な人員を割り当てるスキル
  • 目標に向けてメンバーを動かすスキル
  • 必要に応じて軌道修正するスキル

マネージャーをはじめとした管理職として働く上では、上記のマネジメントスキルが求められます。いずれも一朝一夕で習得できるものではないため、日頃から意識して高める必要があるでしょう。

転職にポータブルスキルが欠かせない理由

履歴書とペン

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転職市場において、ポータブルスキルが重視される理由には、どのようなものがあるのでしょうか。ポータブルスキルが求められる2つの理由を紹介します。

労働生産性を高めるのに欠かせないため

ポータブルスキルは、企業の生産性を向上させるために欠かせないスキルです。一般的に、ビジネスを効率的に推し進めて高い成果を出すには、業務ごとに必要とされる専門スキルが必要であると考えられています。

しかし労働生産性を高めるには、個々の人材が専門的なスキルを有しているだけでは不十分です。そのスキルを十分に発揮できるよう、適切にマネジメントする必要があります。

その際に求められるのが、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルをはじめとしたポータブルスキルです。ポータブルスキルを適切に発揮し、適材適所の人員配置や適切な予算配分を実現することで、労働生産性を高められます。

転職先で即戦力として活躍するため

自分が担当する業務を遂行するのに必要な専門スキルとポータブルスキルを十分に備えている人材は、転職先で即戦力として最前線で活躍できます。

また、たとえテクニカルスキルが多少不足していてもポータブルスキルを有していれば、経験を積みながらスキルアップすることで、すぐに活躍できるようになるでしょう。

ポータブルスキルは汎用性が高いため、市場環境の変化などの原因でビジネスを取り巻く状況が変化したときに、適切に対応するためにも欠かせません。

対応力を強化するという観点でも欠かせないもので、高いレベルでポータブルスキルを有している人材の価値は高いといえるでしょう。

ポータブルスキルを培う方法

セミナー

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転職市場で高く評価されるポータブルスキルですが、どのように培えばよいのでしょうか。普段の業務を通じて培う方法と、積極的に学習する方法の2種類を紹介します。自分に合った方法でスキルアップに励みましょう。

リーダー業務・マネジメント業務に挑戦する

実務経験を通じてスキルアップすることを考えているのであれば、積極的にリーダー業務・マネジメント業務にチャレンジしましょう。

チームメンバーの一員として働くときより、マネジメント層として働くときの方が高いポータブルスキルが求められるためです。そのため、進んでマネジメント業務にチャレンジすることで、無理なくスキルを高められるでしょう。

社内公募制度の一環としてマネージャーを募集していたり、キャリアアップを打診されたりした場合はぜひ積極的に踏み出しましょう。

ビジネススクールに通う

より体系的に学び、スキルアップしたいと考えているのであれば、ビジネススクールに通うのがおすすめです。社会人を対象にしたビジネススクールもあるため、時間や費用に余裕があるなら、通うことを検討してもよいでしょう。

ビジネススクールに通うのは無理だとしても、ポータブルスキルにフォーカスしたセミナーが開催されることもあるため、積極的に参加するのも1つの方法です。職場で研修が実施される場合も同様です。

ポータブルスキルと併せて持つとよいスキル

パソコンを手にしている男性社員

(出典) pixta.jp

転職市場における自分の価値をさらに高めるには、ポータブルスキル以外のスキルを高めることも大切です。日頃からスキルアップを意識したい2種類のスキルを紹介します。

テクニカルスキル

自分が担当する業務を遂行する上で必要かつ専門性が高いスキルを、テクニカルスキルと呼びます。

ITエンジニアであれば、プログラミングスキルやデータベースを扱うスキルなどが該当します。マーケターであれば、データ分析スキルなどが該当するでしょう。

転職後に即戦力として働く上で、十分なテクニカルスキルは欠かせません。そのため、日頃の業務を通じて専門的なスキルを高めるという意識が大切です。それに加えて、日頃から専門性を高めるための学習に励むとよいでしょう。

プロフェッショナルマインド

ビジネスにおいては、プロフェッショナルマインドも欠かせないスキルです。プロフェッショナルマインドとは、自らの責任で判断し、必要な行動を取るスキルを意味します。プロフェッショナルマインドに含まれるスキルの一例は、以下の通りです。

  • 仕事の軸を明確に定めるスキル
  • 周囲の期待に応え成果を出すスキル
  • 自ら進んで問題解決を図るスキル
  • 関係者を巻き込んで前進するスキル

企業は自社で働く社員に対し、十分な成果を出すことを期待しています。そのため、自分の業務に対してプロ意識をもって取り組み、ビジネスを前進させることが必要です。

ポータブルスキルを強化して市場価値を高めよう

ビジネスマンの後姿

(出典) pixta.jp

ビジネスにおけるポータブルスキルは、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなど、どのような業務に取り組む際にも欠かせないスキルの総称です。

転職市場においても高く評価され、テクニカルスキルとセットで習得することで、より有利な条件で転職しやすくなります。日頃から意識するなど、スキルアップに励む姿勢が欠かせません。

自分のスキルを生かすには、そのスキルを高く評価してくれる企業を探すことが欠かせません。

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