ヒューマンスキルに含まれる7つのスキルとは?転職にも重要な理由

ビジネスパーソンとして活躍するのに欠かせないスキルの1つが、ヒューマンスキルです。ヒューマンスキルにはどのようなものが含まれるのでしょうか。具体的なスキルの内容と転職で必要とされる理由、スキルアップのコツを併せて紹介します。

ヒューマンスキルの特徴

握手をするビジネスマン

(出典) pixta.jp

ヒューマンスキルという言葉を知っている人も少なくありません。しかしどのようなものなのか理解しにくいと感じている人もいるでしょう。ここでは、ヒューマンスキルが何を指すのかについて解説します。

人間関係を構築・維持するのに欠かせないスキル

他者と良好な人間関係を築き、スムーズかつ誤解がないようコミュニケーションを取るのに必要なスキルをまとめて、ヒューマンスキルと呼びます。相手の話を聞いて理解し、自分が伝えたいことを正確に伝えるスキルともいえます。

ヒューマンスキルは、上記の目的を果たすために必要なスキルの総称で、何か特定の1つを指すものではありません。転職市場においても、複合的なスキルを習得しているかが重視される傾向にあります。

そのため、特定のスキルのみを習得するのではなく、幅広くスキルを習得することが大切です。

ポータブルスキルに含まれる

転職において必要とされるスキルは多種多様です、それらのスキルは以下のように分類されます。

  • ポータブルスキル:ビジネスの種類を問わず求められる汎用性の高いスキル
  • テクニカルスキル:担当する業務を遂行するのに必要な専門性が高いスキル
  • コンセプチュアルスキル:複雑な状況や問題を大局的な視点から理解し分析するスキル

ヒューマンスキルは、上述のうちポータブルスキルに含まれます。他者との円滑なコミュニケーションは、ビジネスの種類を問わず必要とされるため、汎用性が高く重要なスキルといえます。

ヒューマンスキルに含まれる7つのスキル

交渉

(出典) pixta.jp

どのようなスキルがヒューマンスキルに含まれるのかを詳しく見ていきましょう。ここでは、ビジネスパーソンとして活躍する上で欠かせない7つのスキルを紹介します。

コミュニケーションスキル(意思疎通力)

他者とコミュニケーションを取る際に、誤解を防ぐためにも必要なスキルをコミュニケーションスキルと呼びます。具体的には、以下のようなスキルを含みます。

  • 伝えたいことを適切な方法で表現するスキル
  • 非言語(表情・ジェスチャーなど)コミュニケーション関連のスキル
  • 相手の伝えたいことを正確に把握するスキル

自分が伝えたいことを正確に伝えるだけでなく、相手が伝えたいことを理解するスキルも含みます。この分野が難しいと感じているのであれば、自分から積極的に話しかけて会話する時間をつくるなど、日頃からトレーニングすることが欠かせません。

ネゴシエーションスキル(交渉力)

ビジネスにおいては、取引先との契約や関係部署との調整などを含む、さまざまなシーンで交渉する必要があるでしょう。交渉が必要なときに、できるだけ有利な条件を引き出すようにうまく進めるスキルがネゴシエーションスキルです。

ネゴシエーションスキルに含まれるスキルの例には、以下のようなものがあります。

  • 必要な戦略を策定するスキル
  • 相手の意図や目的を正確に把握するスキル
  • 状況に応じて臨機応変に対応するスキル

まず相手の話を聞いて意図や目的を理解した上で、自分が伝えたいことを明確に伝え、妥協点を探っていくことが求められます。交渉に臨むときは、常に意識するとよいでしょう。

スキルアップするには、交渉が成功したとき、失敗したときのどちらでも、その経験を振り返って良かったポイントと、改善しなければならないポイントを探ることが大切です。

その上で、次回以降の交渉に生かせることを探して反映します。

プレゼンテーションスキル(主張力)

自社の商品に対して興味を持ってもらい、購入を促すには魅力的なものとしてアピールする努力が欠かせません。積極的にアピールするためには、プレゼンテーションスキルを高めることが重要です。

伝え方によって、相手が受け取る印象は大きく異なり、購入につながるかどうかも左右される傾向にあります。プレゼンテーションで意識したいことは、以下の通りです。

  • 簡潔かつ明確にまとめる
  • 要点・主張を正確に伝える
  • 相手が興味を持っていることを把握する

上記のスキルを高めるにはプレゼンテーションを行う機会を増やしつつ、毎回成果を振り返ることが大切です。プレゼンテーションの様子を撮影しておき、自分より高い成果を上げている人にフィードバックしてもらうのも効果的です。

ヒアリングスキル(傾聴力)

他者とスムーズにコミュニケーションを取るには、相手の話をきちんと聞いて、何を伝えたいのかを把握することが大切です。相手の話を聞くために求められるスキルを総称してヒアリングスキルと呼び、以下を意識する必要があります。

  • 相手が話し終わるまで聞く
  • 適切に相づちを打つ
  • 相手の話を言い換えて正しく理解できているか確認する
  • 適切な質問を用いて相手の考えを引き出す

相手の話を聞かなければ、何を求めているのかを正確に理解することは難しいでしょう。話をきちんと聞かない人であるという印象を与えかねません。

そのため、相手が話すときには注意深く聞くことを意識しましょう。必要に応じて質問を用いれば、分からない部分を確認したり、本心を理解したりできます。

サポートスキル(支援力)

1つのチームとしてビジネスを進める上で、他者と助け合うスキルは欠かせません。助け合いに必要なスキルを総称して、サポートスキルや支援力と呼びます。具体的なスキルの例は以下の通りです。

  • 相手が置かれている状況を正しく把握するスキル
  • 目的を果たすのに必要な助けを差し伸べるスキル
  • 自分の役割を果たすようにメンバーを動かすスキル

サポートスキルを高めるには、一人一人が周囲に気を配る必要があります。日頃から協力する姿勢を示し、チームとしての生産性を高めるために自分ができることがないかを探すとよいでしょう。

リーダーシップ(統率力)

スピード感を持ってビジネスを推し進めるには、リーダーやマネージャーがリーダーシップを発揮してチームを導かなければなりません。リーダーシップとは、以下の要素を含む複合的なスキルの総称です。

  • 達成しなければならない目標を明確に掲げる
  • 目標を達成するために必要な調整を図る
  • 一人一人がやらなければならない仕事にコミットできる環境を用意する
  • イレギュラーが発生したときに迅速に対応する

チームをきちんと統率しないと、全体の目標を達成するのは難しくなるでしょう。そのため、リーダーにはきちんとチームを管理し、一人一人が自分のスキルを発揮できる環境を整えて、目標を達成する責任があります。

リーダー業務にチャレンジする機会が訪れたら、積極的に挑戦して経験を積むのがおすすめです。

ファシリテーションスキル(進行力)

ミーティングや、セミナー・研修をスムーズに進行するために必要なスキルをまとめて、ファシリテーションスキルと呼びます。

どのようなビジネスでも定期的なミーティングは欠かせないものです。生産性を高めるには進行をスムーズにし、短時間で求められる結果を得なければなりません。そのためには、以下のようなスキルが必要です。

  • 参加者に積極的な発言を促す
  • ミーティングを時間通りに進める
  • 意見を整理する
  • 出た結果に対して合意形成を図る

ミーティングはさまざまな理由によって議論が本筋から外れたり、途中で問題が発生したりする場合もあります。そのようなときに軌道修正し、目的達成にコミットすることは重要です。

ヒューマンスキルが必要な理由

ミーティング風景

(出典) pixta.jp

ビジネスにおいて、ヒューマンスキルが重要といえる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、高度なヒューマンスキルを有している人材が集まると、どのように良い影響があるのかを解説します。

社内・社外のコミュニケーションを円滑にする

ヒューマンスキルの定義は、他者との良好な人間関係を維持するためのスキルです。そのため、十分なスキルを有している人材が集まれば、必要なコミュニケーションをスムーズに取り、良好な職場環境を維持できます。

ビジネスにおいてはチームメンバーや、社内の別部署・社外のステークホルダーといった関係者同士のコミュニケーションが欠かせません。取引先との関係を維持することも大切です。

そのため、必要なコミュニケーションを取るために求められる基本的なヒューマンスキルは、重要といえます。

作業効率化や職場環境の改善につながる

コミュニケーションをスムーズに取ることは、職場環境を改善したり業務全体を効率化したりする効果にも期待できます。

社員同士が進んで協力する環境であれば、分裂しているチームより高い成果を上げることは容易に想像できるでしょう。さらに、働きやすい職場を実現して、社員のエンゲージメントを高める効果にも期待できます。

一人一人の個性を生かして新たなビジネスを創出したり、問題を解決したりすることも可能になるでしょう。チームとして特定の目標を達成するには、各社員がヒューマンスキルを高めようとする努力も大切です。

ヒューマンスキルを高めるためにできること

ノートにメモをとる

(出典) pixta.jp

継続的にスキルアップするには、日頃からの努力が欠かせません。ヒューマンスキルを高めるには、どのようなことを行えばよいのでしょうか。ここでは、普段の業務を通じてスキルアップするための方法を2つ紹介します。

他人に興味・関心を持つ

まずは、普段から他人に興味・関心を持ちましょう。他人に興味を持たなければ、その人のことを知りたいとは思わないためです。そのため、最初は周りの人に関心を向けるところから始めるとよいでしょう。

自分から進んで人に声を掛け、短時間でも会話する時間を確保するのがおすすめです。チームメンバーなど、共に働く時間が長い人から始めます。

他人に興味を持つのが難しいと感じるなら、まずは相手の話を聞くことからスタートしましょう。話を聞くことで興味がある分野や共通点が見つかり、もっとよく知りたいと思うようになるものです。

相手の話を注意深く聞く

日頃のコミュニケーションでは、自分が話すよりも相手の話を聞きましょう。相手が伝えたいことを正しく理解していないと、誤解が生じる可能性が高いためです。

相手が話した内容を言い換えて確認するなど、きちんと話を聞いている姿勢や、理解したいと思っている気持ちを示せるとなおよいでしょう。

納得できない内容だったとしても、すぐに否定しない配慮も大切です。なぜそのように思ったのか、相手の考えを深く知るからこそ発言の背後にある意図を理解できます。

転職で有利になるその他のスキル

ミーティング

(出典) pixta.jp

転職においては、ヒューマンスキル以外にも必要とされるスキルがいくつかあります。ここでは、特に重要とされる3つのスキルについてチェックしていきましょう。より有利に転職するためにも、普段からスキルアップに励むのがおすすめです。

【テクニカルスキル】業務に必要な専門スキル

どのような業務にも、その業務を遂行するためには専門的なスキルが求められます。ITエンジニアとして働くなら、プログラミングスキルやITに関する全般的なスキルが、マーケターとして働くならデータ分析スキルが必要になるでしょう。

業務を遂行するのに必要な専門的スキルを、テクニカルスキルと呼びます。企業は転職者に対して、即戦力を求めている傾向にあるため、十分なテクニカルスキルが欠かせません。

日頃から時間を確保して学習に励むなど、スキルアップするための努力を惜しまないようにしましょう。

【コンセプチュアルスキル】本質を見極めるスキル

直面する複雑な事象を概念化し、本質を見極めるスキルをコンセプチュアルスキルと呼びます。複数の物事に共通する要素を発見し、問題点の洗い出しや解決につなげるために欠かせません。

コンセプチュアルスキルに含まれるスキルの例は以下の通りです。

  • ロジカルシンキング
  • ラテラルシンキング
  • アナロジー思考
  • 柔軟性

何らかの問題に直面したときに、固定観念にとらわれず、さまざまな方向から考えられるスキルが求められます。ビジネスシーンでは答えが明らかになっていない事柄に向き合う場面も多いため、柔軟な思考で本質にアプローチするスキルが大切です。

【マネジメントスキル】管理者として不可欠

1つの組織としてビジネスを進めるには、存在するリソースを適切に管理・運用するスキルが欠かせません。限られたリソースを適切に運用し、最大限の成果を出すために必要なのがマネジメントスキルです。

マネジメントスキルには、コミュニケーションスキルやリーダーシップといった、ヒューマンスキルと共通するものもあります。他にも以下のようなスキルがあるため、日頃からスキルアップを意識するとよいでしょう。

  • 各社員の強み・弱みを正しく把握して適材適所に配置するスキル
  • 短期的・長期的な目標を適切に定めるスキル
  • プロジェクトを予定通りに進めるスキル

転職によってマネージャーを含めた管理層にキャリアアップすることを目指している人にとっては、特に重要なスキルです。

ヒューマンスキルを高めて転職を有利に進めよう

笑顔のビジネスマン

(出典) pixta.jp

他者と良好な関係を維持し、チームとしてビジネスを前進させるために必要なスキルの1つがヒューマンスキルです。

業務に必要なテクニカルスキルや、課題解決に必要なコンセプチュアルスキルとセットで習得すると、自分の市場価値を高め、有利な条件で転職しやすくなります。

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