不機嫌ハラスメントにはどう対処?発生する心理的要因を紹介

ビジネスシーンで不機嫌さを露骨に表に出すと、周囲に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに近年ではハラスメントの一種とされているので、注意が必要です。不機嫌ハラスメントが発生する心理的要因、対処法を解説するので、参考にしましょう。

不機嫌ハラスメントとは?

怒っている上司

(出典) pixta.jp

機嫌の波は誰にでもあるものですが、ビジネスシーンにおいて不機嫌な態度で周りに迷惑をかける行為は「不機嫌ハラスメント」として問題とされています。まずはどういったハラスメントなのか、基本的なところを理解しておきましょう。

不機嫌な態度で周囲を不快にさせること

不機嫌ハラスメントとは、不機嫌な態度で周りにいる人を不快にさせるハラスメントです。物に当たったり、話しかけても反応しなかったりなど、さまざまなパターンがあります。

特定の人に攻撃的な話し方をする人もおり、ハラスメントの一種として問題視されています。

ビジネスシーンでは、予期せぬトラブルに遭遇したり、仕事が思い通りに進まなかったりするケースは珍しくありません。

常に機嫌よく仕事ができるとは限りませんが、仕事のストレスから不機嫌さを露骨に表に出してしまうと、周りにも悪影響を及ぼす可能性があります。特に部下を持つ管理者の機嫌は周囲への影響が大きいため、十分に注意しなければいけません。

不機嫌ハラスメントの例

不機嫌な態度を表して周囲に不要な不快感や緊張感を与えるのが、不機嫌ハラスメントです。例えば、仕事の最中に舌打ちしたり、怒鳴り声を上げたりする行為は、周囲にストレスを与えます。物に当たる行為には、恐怖を感じてしまう人もいるでしょう。

さらに、特定の人や立場の弱い人などに対してだけ不機嫌な口調で攻撃的に話すのも、不機嫌ハラスメントの一種であり、パワーハラスメント(パワハラ)でもあります。

たとえ露骨な行動に出なかったとしても、あいさつをしなかったり無視したりする行為も、周囲を不快にする行為といえるでしょう。

不機嫌ハラスメントは伝染する

不機嫌な態度を取る人が社内にいると、周囲にも徐々にそのイライラが伝染して、オフィス全体の雰囲気が悪化します。

個人の業務効率や仕事へのモチベーションが低下するのに加えて、周りに不機嫌が伝染することで、組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼすケースも、決して珍しくありません。

たとえ原因となった社員のイライラが収まったとしても、周囲に伝染した後では、すでに個人で完結する問題ではなくなっています。

結果的に組織全体に迷惑をかける形になるため、特にビジネスシーンでは感情をうまくコントロールする方法を知っておくことが重要です。

不機嫌ハラスメントをする人の心理

不機嫌な男性

(出典) pixta.jp

不機嫌ハラスメントをしてしまう人の心理としては、自分の気持ちを言語化するのが苦手だったり、周囲にかまってもらいたい気持ちがあったりするケースがほとんどです。

不機嫌になってしまう人は、まず自分の心理をよく理解して、改善に努める必要があります。

気持ちを言語化するのが苦手

自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手なことから、まるで幼い子どものように感情的になり、不機嫌な態度を取ってしまう場合があります。

精神的に幼い部分がある人はもちろん、ストレスのコントロールが苦手で、自分の中にため込んでしまいがちな人も少なくありません。

ストレスが許容範囲を超えると表に出してしまい、結果的に不機嫌ハラスメントにつながる可能性があるので、注意しなければいけません。

また意図的に不機嫌な態度を取ることで、相手を萎縮させコントロールしようとする人もいます。故意に相手を萎縮させる行為はパワハラでもあるため、不機嫌ハラスメント以上に問題になる可能性もあります。

かまってほしい

わざと不機嫌な態度を取ることで周囲の気を引き、気遣ってもらおうとするのも、不機嫌ハラスメントをしてしまう人にありがちです。

精神的に未熟で自己中心的な考え方をする人に多く、子どもの頃に同じような振る舞いをして、両親をはじめ周りに気遣ってもらった体験を引きずっているケースが考えられます。

不機嫌さをアピールして相手の行動を促すような行為は、ビジネスシーンにおいては不適切です。組織全体にも悪影響を及ぼすので、そういった傾向のある人は感情のコントロール方法を学ぶなどして、早急に改善する必要があります。

不機嫌ハラスメントの原因

悩む男性

(出典) pixta.jp

不機嫌ハラスメントの原因としては、主に仕事上のストレスが挙げられますが、睡眠不足や体調不良などにより、精神的な余裕がなくなることで起こる可能性があります。

職場での自分の評価に対する不満から、周囲に八つ当たりをしてしまうケースも考えられるでしょう。代表的な原因について解説します。

ストレス

仕事がスケジュール通りに進まない、努力しているのに成果が上がらないなど、ビジネスシーンではさまざまな原因からストレスがたまるものです。その結果、精神的な余裕がなくなり、周囲に不機嫌ハラスメントをしてしまうケースがあります。

自分が不機嫌になっていることを自覚している場合もありますが、無意識のうちに他者に厳しい態度を取ったり、無視してしまったりする人も少なくありません。

気付かないうちに他者に不快感を与えている可能性があるので、仕事でストレスを感じているならば、態度に出ていないか自分なりに確認してみることが大切です。

睡眠不足や体調不良

睡眠不足や体調不良、疲れがたまっているときなど、身体的な原因からイライラしてしまい、不機嫌ハラスメントをしてしまう場合もあります。

身体的な不調は仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼすため、体調に問題がないときはスムーズにこなせる仕事でも、なかなか進まない事態に陥ることもあるでしょう。

結果として精神的にも余裕がなくなり、ストレスから周囲を不快にする行動を取ってしまう人もいます。特に残業や休日出勤が続いているときに起きやすいので、無理をせず休むことも重要です。

自分の評価に対する不満

自分に対する評価に満足していない場合も、不機嫌ハラスメントの原因になる可能性があります。組織から正当に評価してもらえないと感じている人は、仕事へのモチベーションも上がりづらく、上司や組織への不満が態度に出ることは珍しくありません。

上昇志向やキャリア志向の強い人に多い傾向があり、評価された同僚に対して攻撃的な発言をしてしまったり、嫌味を言ってしまったりするケースがあります。

人事評価に納得がいかない場合は、周囲に不快感を与える行動ではなく、上司や管理者・人事部などに相談するようにしましょう。

不機嫌ハラスメントへの対処法

相談を受ける上司

(出典) pixta.jp

自分が不機嫌ハラスメントをしてしまっている場合は、周囲に迷惑をかける行為をしないように、自分で感情をコントロールして問題の解決を図らなければいけません。

一方、周りに不機嫌ハラスメントをする人がいる場合は、距離を置いたり、上司や人事部などに相談したりすることが大事です。

距離を置く

近くに不機嫌な態度で周囲を不快にする人がいる場合には、適度に距離を置くのがおすすめです。相手と関わるとネガティブな感情が伝染したり、場合によっては暴言を吐かれたりするなど、直接的な被害を受ける恐れもあります。

距離を置いて必要最低限の業務連絡だけにとどめれば、接点を減らせるため、さほど影響を受けずに済むでしょう。

また、相手が露骨に不機嫌になっている場合は、一時的に席を外すなど物理的に距離を置くのが有効です。無理に機嫌を取ろうとすると、攻撃のターゲットにされてしまう恐れもあるので注意しましょう。

上司や社内の相談窓口に相談する

小規模なチームで不機嫌ハラスメントが起きている場合などは、距離を置くのが難しい場合もあるでしょう。

その際には上司や社内の相談窓口に状況を伝えて、対応してもらうのがおすすめです。まずは直属の上司に相談し、改善が見られない場合には、人事部門をはじめ社内の相談窓口に掛け合ってみましょう。

相談の際には、具体的にどういった行為がなされており、結果としてどのくらい業務効率が低下しているかなど、できる限り情報を具体的に分かりやすく提示することが大事です。

業務に支障が出ていることを具体的に伝えられれば、話が進みやすくなります。複数のメンバーで相談を持ちかければ、よりスムーズに対応してもらえるでしょう。

周囲に悪影響を及ぼす不機嫌ハラスメント

叱責する上司

(出典) pixta.jp

不機嫌ハラスメントは周囲に不快感を与えることで、組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。

個人的な問題では済まなくなる可能性があるので、露骨に不機嫌な態度を取ったり、物に当たったりする行為をしないように注意しましょう。あいさつをしなかったり、無視したりする行為も、ハラスメントに該当します。

自分が不機嫌ハラスメントをしないように注意するのはもちろん、不機嫌ハラスメントを受けた場合には、相手との距離を取るようにしましょう。

それでも改善が見られない場合には、上司や人事部門などに相談し、対応してもらうことが大事です。一人一人が協力し、組織全体でハラスメントを許さない環境をつくる姿勢が求められます。

日常的に不機嫌ハラスメントを受けており、組織として改善が見込めないならば、転職するのも有効です。「スタンバイ」ならば業界トップクラスの求人掲載数を誇り、さまざまな観点から自分に合った仕事先を見つけられます。

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