「ジョブチェンジ」とは?成功させるためのポイントと注意点を解説

就職して一定のスキルを身に付けた後や、仕事が向いていないと感じたときに「ジョブチェンジ」を視野に入れる人もいます。ジョブチェンジとは、具体的にどのような意味を持つ言葉なのでしょうか?意味やメリット・デメリット、成功のコツを紹介します。

ジョブチェンジの意味とは

履歴書とペン

(出典) pixta.jp

ビジネスの場面で、「ジョブチェンジ」はどのような意味を持つ言葉なのでしょうか?転職を検討している際に聞く機会が多い用語です。基本的な意味と、キャリアチェンジとの違いについて解説します。

職種を変えること

ジョブチェンジは、英語の「Job」と「Change」を組み合わせた和製英語です。そのまま訳すと「転職」という意味になりますが、和製英語では「職種を変える」意味が強まります。

ファンタジー設定のゲームやノベルでも、「ジョブチェンジ」は頻繁に使われる言葉です。キャラクターの職業を変更する意味で使われており、和製英語の意味はゲームやノベルと近くなっています。

近年では、メディアや企業が「職種を変える」意味で「ジョブチェンジ」を使うケースも増えており、ビジネス用語としても定着しているようです。

なお、英語では単に「仕事を変える」「勤め先を変える」意味で使われる言葉であり、「職種変更」に限定して使われるわけではありません。

社内ジョブチェンジという方法も

企業によっては、社内の部署異動や系列会社への出向を、制度化しているケースがあります。希望すれば異動・出向がかなう場合、社内ジョブチェンジも可能です。

制度を利用すると、社内や身近な系列会社で新しいチャレンジができます。給与形態や労働環境が分かりやすく、ジョブチェンジのリスクが低い点がメリットです。

しかし、職種の変更によって、実績・経験が生かせなくなる可能性もあります。新しい部署や系列会社に異動するため、人間関係もほとんどはリセットされるでしょう。

他の企業でチャレンジするよりもハードルが低いとはいえ、十分に検討する必要があります。

キャリアチェンジとの違い

厚生労働省では、キャリアチェンジを「職種間移動」と定義しています。つまり、職種を変更する意味で使われており、ジョブチェンジとほぼ同義です。

企業の求人情報やメディアでは、「キャリアチェンジ」を異業種転職や未経験分野への転職の意で使うケースが多いでしょう。職種変更にとどまらず、広い範囲で使われる言葉といえそうです。

どちらの言葉も、使う場面や人によって少しずつ意味合いが変わってくるため、前後の文章や意図を理解した上で判断するよう心掛けましょう。

ジョブチェンジを成功させるポイント

考える男性

(出典) pixta.jp

職種を変える「ジョブチェンジ」を成功させるには、一般の転職よりも準備に時間をかけなければなりません。転職前にやっておきたいことと、面接時のアピール方法を紹介します。

ジョブチェンジの理由・目的を明確にする

職種の変更は、大きな転機になります。ジョブチェンジを検討している場合は、なぜ異職種に転職したいのかよく考えましょう。

経験・実績が生かせない転職は、収入の減少や評価の低下にもつながります。それでも新しい分野にチャレンジする明確な意思を持っているか、自分に問いかけてみましょう。

強い熱意・目的がなければ、ジョブチェンジが失敗するリスクは高くなります。なんとなくで判断せず、同職種への転職が難しい理由と、ジョブチェンジ後の目的を考えることが重要です。

職種の研究をしっかり行う

異なる職種にチャレンジする前に、該当の職種について詳しく調べましょう。現状への不満や新しい分野に対する興味だけで決めてしまうと、ミスマッチが起きやすくなります。

実際の仕事内容や、転職先候補となっている企業の特徴を把握し理解できていれば、転職後にミスマッチ・イメージの相違で悩むリスクは少なくなるでしょう。

研究だけでなく、新しい職種に必要な資格・スキルを身に付けるための勉強も必要です。転職前にスキルを磨いておけば、採用にも近づくでしょう。

面接時は意欲と汎用スキルをアピール

新しい職種に挑戦する場合、採用担当者は「意欲」を重視します。実務経験がない以上、職種に対する思いや長く働いていきたい気持ちは欠かせません。

専門的なスキルを身に付けていたとしても、経験者に比べると見劣りするため、他の部分でのアピールを考えるのがポイントです。どの職種でも生かせるスキルや、性格的な長所を積極的に伝えるよう心掛けましょう。

例えば、コミュニケーション能力は職種を問わず、顧客・取引先・同僚・上司と接する際に役立ちます。課題・問題を解決する力も、職種を問わず使えるスキルです。

これまで経験した職種と、チャレンジする職種に共通点があれば、共通して役立つスキルをアピールするのもよいでしょう。

ジョブチェンジをするべきか迷うときは?

考え事をする男性

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今の仕事を続けるべきか、ジョブチェンジするべきか迷ったときは、何をすればよいのでしょうか?判断や後押しのきっかけとして、まず自分の中で整理しておきたいポイントを紹介します。

悩みの本質を考える

ジョブチェンジをするべきか迷う場合、自分の悩みが明確になっていない可能性があります。まずは、なぜジョブチェンジをしたいのか考えましょう。

今のままでは何がいけないのか、ジョブチェンジをしなければならない理由は何なのかを明確にするのが大切です。

ジョブチェンジをしなくても解決する問題であれば、あえて未経験の分野にチャレンジする必要はなくなります。悩みが複数ある場合、どれが自分にとって重要なのか、優先順位を付けてみるのもよいでしょう。

もし、最優先の悩みが「収入に満足していないから」だとすれば、ジョブチェンジをしなくても問題が解決する可能性があります。昇進や資格取得、同じ職種で転職を検討するなど、他の選択肢も視野に入れてみましょう。

ジョブチェンジしたいと考える目的

ジョブチェンジの目的は、人によってさまざまです。今の会社や職種ではかなえられない目的があれば、実際にチャレンジしてみてもよいでしょう。

例えば、複数の業務経験や資格が必要な職業に就きたい場合、1つの会社で働くよりも、職種を何度か変えてスキルを身に付けるのが近道です。

特に、今の会社では昇進や必要なスキルを身に付ける機会がないとはっきりしているのであれば、ジョブチェンジを考える目的になります。

また、他にやりたい仕事を見つけたときや、今の仕事が向いていないと感じたときも、ジョブチェンジを考えるタイミングといえるでしょう。

ジョブチェンジを成功させやすい人の特徴

ミーティング風景

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ジョブチェンジを成功させるには、自分の価値を把握し、条件設定がきちんとできていなければなりません。成功に近づける人の特徴を紹介します。

自分の市場価値を理解している

自分の価値を正しく評価できていると、ミスマッチを防げます。高すぎる評価は、採用を勝ち取るチャンスが少なくなる以外に、入社後求められる要求を満たせないリスクが高まるでしょう。

逆に低い自己評価をしていると、魅力ある企業との縁がなくなるデメリットがあります。自分のスキル・経験を客観的に判断し、転職先候補を絞り込めれば、企業側からも歓迎されるでしょう。

市場価値は、年齢や学歴、これまでに身に付けたスキルなどの総合評価です。ジョブチェンジを伴う転職であれば、未経験の職種にチャレンジする点も加味して判断しなければなりません。

希望する条件の優先順位が定まっている

ジョブチェンジをすると、今までの労働環境とは一変します。転職先の労働条件や仕事内容を理解した上で、優先順位を明確にしなければなりません。

そのためには、自分が何を重視しているか理解しておかなくてはならないでしょう。給与・労働時間・休暇の有無・仕事内容など、重要な条件はいくつかあります。

例えば、「年収400万円以上」「月平均の残業時間が10時間以下」が外せない条件であれば、チャレンジしたい職種で条件を満たす企業を見つけるだけで済みます。

条件に合う企業がなければタイミングを変え、納得いく職場選びができれば、成功の確率は高まるでしょう。

他者からの意見を素直に受け取れる

新しい職種にチャレンジする場合、未経験の身では判断が難しくなります。本当に自分に向いているのか、転職後のミスマッチはないか判断するには、他者からの意見を受け入れるのも大切です。

経験者の話や、自分の性格的な長所・短所を聞き素直に受け止められれば、どの職種にチャレンジするべきか見えてくるでしょう。

職種選び・転職先選びで迷ったとき、他者の意見を客観的に判断し受け入れられる人は、自分に合う職種・職場を見つけやすくなります。

ジョブチェンジを行うメリット

男性ビジネスマン

(出典) pixta.jp

ジョブチェンジには、さまざまなメリットがあります。職種を変えようと考えているなら、まずはメリットに目を向けてみましょう。新しい分野で働くことで、どのような利点があるのか紹介します。

新鮮な気持ちで仕事ができる

新しい職種に就くと、気分が一新されます。気持ちを切り替えて新たな目標を設定できるジョブチェンジは、モチベーションの維持・向上に最適です。

今の仕事に飽き、マンネリ化して意欲が消えてしまったときは、ジョブチェンジのタイミングです。新たな場所で刺激を受け、チャレンジする気持ちが生まれれば変化が現れるでしょう。

新たな目標に向かって努力することで、自分自身の成長にもつながります。転職先で必要となるスキルを身に付けていけば、今後のキャリアも広がるでしょう。

キャリア形成に強みができる

職種を変更したからといって、これまでのスキル・経験が全く使えなくなるわけではありません。関連する職種を選び、順を追ってスキル・経験を身に付けていけば、最終的にキャリア形成に役立ちます。

新たな職種にチャレンジすると、1つの企業で働いているだけでは身に付かないスキルも学べます。

例えば、最初に専門職であるエンジニアを経験し、転職先で営業の知識を身に付ければ、システム開発の専門知識を持つ営業担当として活躍できる可能性もあるでしょう。

複数の職歴を生かし、新たな職種に挑戦できるのがジョブチェンジのメリットです。最終的な目標・理想像がある場合は、関連する職種を経験して幅広いスキルを身に付けるのがおすすめです。

やりたかった仕事に就ける

ジョブチェンジは、興味・憧れを持っている仕事に就くチャンスです。最初に就職し、就いた職種が自分に一番合っているとは限りません。

特に、若いうちにジョブチェンジをすれば、やりたい仕事に就いて十分な経験を積むことも可能です。今の仕事が合わないと感じるのであれば、早いうちに職種の変更をした方が活躍できる可能性があります。

本当に今の仕事が合わないのか、数年経験を積めば変わってくるのかは、先輩の状況を見た上で自分自身の長所・短所を分析して判断しましょう。

知っておくべきジョブチェンジのデメリット

デスクワーク

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ジョブチェンジには、デメリットもあります。転職や職種の変更によって、起こり得る問題を確認しておきましょう。もし、デメリットを受け入れられないようなら、別の方法を検討する必要があります。

仕事に慣れるまで時間がかかる

ジョブチェンジをすると、今までとは業務内容が大きく変化します。仕事に慣れるには、時間がかかると考えておきましょう。

ある程度企業研究を重ねて、職種について勉強していても、実務では初めての作業が多くなります。先輩に教えてもらうことも多く、しばらくは気を使う場面もあるでしょう。

これまで経験を積み、指導する立場になっているなら、大きく環境が変わる点は覚悟しなければなりません。

仕事以外に、人間関係の構築も必要です。これまでの人間関係が良好であっても、転職先では同僚や上司の性格・特徴を把握して、仕事を進めなければなりません。

年収が減ってしまう可能性がある

基本的に、未経験からのチャレンジはこれまでのキャリアが生かせません。未経験採用は給与が低く設定されているケースもあり、年収が下がる可能性もあります。

長く働いていればいるほど、年収が下がるリスクは高いでしょう。反対に、就職から間もない場合や、昇給がなかったのであれば、大幅な年収低下は避けられます。

転職の際は、年収がどのくらい下がるのか、今後の挽回が可能な昇給形態なのかを確認しておきましょう。長い目で見て挽回が可能であれば、一時的に年収が減っても取り戻せます。

ジョブチェンジを考えるなら早めの実行が吉

ビジネスパーソン

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ジョブチェンジを考えるなら、転職に制限が少ない若いうちの転職がおすすめです。特に、今の仕事が向いていないと確信しているなら、早めの実行を検討しましょう。

条件を比較し、自分に向いている転職先を見つけるには求人サイトが役立ちます。条件を比較して、自分に合った仕事を見つけましょう。

「スタンバイ」でも、未経験でチャレンジできる求人を探せます。ジョブチェンジによって自分の才能を生かせる職種を発見できれば、今後の飛躍も可能になるでしょう。

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