早期離職にはデメリットもある?一般的な期間や転職への影響を解説

入社から短期間での離職を「早期離職」と呼びますが、何年以内に退職すると早期離職になるのでしょうか?目安となる期間について解説します。早期離職の現状や、理由・原因も確認しましょう。面接で、退職理由を質問されたときの答え方も紹介します。

早期離職とは何年以内?現状もチェック

退職届を書く

(出典) pixta.jp

入社から短期間で退職すると、「早期離職」と呼ばれます。早期離職は、どのくらいの期間で退職した場合に該当するのでしょうか?一般的な目安と、早期離職の現状を解説します。

入社から3年以内の離職を指すケースが多い

「早期離職」は、入社から数年以内の離職を指します。明確な定義はありませんが、目安として3年以内とするケースが多いでしょう。

新卒で入社し3年以内に離職した場合、「第二新卒」として、新卒採用や第二新卒限定採用に応募できる企業も多くなっています。

企業によって、実務経験者が「新卒採用」「第二新卒限定採用」に応募できる年数は異なり、おおむね最初の就職から1〜5年以内が一般的な範囲です。

就職後初めての離職に限ると、再度新卒採用や第二新卒として受け入れられる年数での離職は、「早期離職」と捉えられる可能性があります。

入社後3年以内の離職率は3割を超えている

厚生労働省は、新規学卒就職者の離職状況を公開しています。2023年に公開された「新規学卒就職者の就職後3年以内離職率」を見ると、学歴を問わず3割を超えている状況です。

新規高卒就職者は37.0%、新規大卒就職者は32.3%となっています。3年以内の離職率は例年3割を超える傾向が続いており、多くの人が短期間で転職を考えていることが分かります。

事業所規模別に見ると、規模が小さい方が離職率が高い傾向です。また、業種別では宿泊業・飲食サービス業・娯楽業などの離職率が高くなっています。

出典:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します|厚生労働省

早期離職の理由・原因

無気力な女性社員

(出典) pixta.jp

若年層の早期離職者は、どのような理由・原因で退職しているのでしょうか?よくある理由や傾向を紹介します。

出典:令和4年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省

業務に興味を持てなかった

実際の業務がどのようなものか理解せずに就職すると、業務に興味が持てず早期離職となるケースがあります。特に新卒や業界未経験では、業務内容を想像するしかできず、離職の原因となりがちです。

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」の「転職入職者が前職を辞めた理由」でも、退職理由を「仕事の内容に興味が持てなかった」とする若い世代が多くなっています。

企業研究が足りず、実際の業務内容について知識を得る機会が少ないと、起こりやすい問題といえるでしょう。

労働条件・待遇に不満があった

労働条件が合わず、早期離職を決める人もいます。「求人情報と実際の労働条件が異なる」「実際に働いてみると無理があった」のようなパターンに分かれるでしょう。

求人情報との相違があり、相談しても改善されないとなれば、早期離職の原因になります。特に収入・休暇・残業の有無など、重要な労働条件に相違があると生活設計・体調管理が難しくなり、短期間で勤務の継続ができなくなるのはごく自然なことです。

また、「1日2時間程度の残業は受け入れられる」「休暇が月6日でも問題ない」と思っていても、体がついてこないといった問題もあるでしょう。

同僚・上司と合わなかった

人間関係のトラブルや気が合わないといった問題で、早期離職を決める人もいます。人間関係は「令和4年雇用動向調査結果の概況」の前職を辞めた理由を見ても、世代を問わず多くなっている原因です。

早期離職ではなく、ある程度耐えた上で退職を決める人も多いですが、10代の退職理由にも挙がっており、入ってすぐ辞める人も多いといえるでしょう。

「職場の雰囲気を見ただけで合わないと感じた」「耐えられないくらいに苦手な同僚がいる」など、短期間で辞めなければならない状況もあり得ます。

早期離職のデメリットと転職への影響

考え事をする男性

(出典) pixta.jp

早期離職をして転職を考えた場合、デメリットや影響はあるのでしょうか?退職を申し出る前に、把握しておきたいポイントを紹介します。

根気・忍耐力がないと判断されやすい

離職までの期間が短いほど、「根気・忍耐力がない人」と捉えられるリスクが上がります。転職活動でも、「少し嫌なことがあれば、またすぐ辞めるのではないか」と判断されやすい点がデメリットです。

どのような職場でも、苦手な人・不得手な仕事が全く存在しないケースは、考えにくいでしょう。ある程度の忍耐力は必要と考える採用担当者は多く、早期離職が転職活動に悪い影響を与える可能性はあります。

特に、早期離職を何度も繰り返していると「すぐに辞めそうな人」と判断されるリスクは高いでしょう。

失業保険が受けられないケースがある

短期間で退職すると、失業保険の対象外となるケースがあります。自己都合では、退職した日以前の2年間に、被保険者期間が通算して満12カ月必要です。

12カ月以内に自己都合による早期離職をしてしまうと、前職での被保険者期間がなければ失業保険が受けられません。辞めてから仕事を探そうとすると、生活費や転職活動にかかる費用の捻出が難しくなるでしょう。

短期間で仕事を辞める場合、転職先を見つけてからの退職を検討するか、失業保険が受給できる程度の期間は継続して働く根気が求められます。

出典:雇用保険を受給するためには、何ヶ月加入していればよいのですか | 北海道ハローワーク

面接で離職理由を聞かれたときの答え方

面接の様子

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面接では、退職理由を質問されるケースがあります。短期間で前職を辞めていると、退職理由を質問される可能性が高いでしょう。答え方や、押さえておきたいポイントを紹介します。

人間関係のトラブルが原因の場合

人間関係のトラブルで早期離職した場合、面接での回答に悩むケースは多いでしょう。離職の理由を聞かれたときは、前職の悪口にならないよう端的にまとめ、控えめに答えるのが無難です。

「人間関係に問題があった」と伝えるだけでも、不安を持つ採用担当者は多いものです。うそをつくのはいけませんが、人間関係以外にも退職の理由があるなら、別の理由を選択する方が話しやすくなります。

人間関係について触れるとすれば、「個人主義よりも協力し合える仕事の方が合うと感じた」など、仕事内容に関するポジティブな内容に置き換えるのもおすすめです。

仕事にやりがい・興味を持てなかった場合

仕事が合わなかった場合、面接でも正直に「合わなかった」と伝えるのは問題ありません。ネガティブにならないよう、どこが合わなかったのか、なぜ応募先を選んだのかを伝えましょう。

異業種・異職種の転職の場合、仕事が合わなかったと伝えてもマイナスのイメージはそれほどありません。同じ職種の場合は、応募先が合うと思った理由を伝えましょう。

【例文1】

実際に仕事をしてみると、パソコンに向かって細かい計算を繰り返す事務作業が合わないと気付き、営業職へ転職しようと決意しました。

【例文2】

前職でも営業として入社しましたが、人員が少なく裏方の作業が増えたことが退職のきっかけです。異動や業務内容の変更が難しく、やはり営業に専念したいという思いが強かったため、転職を決めました。

早期離職で転職を成功に導くコツ

履歴書を提出する

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早期離職でも、次の転職先で長く働けるよう慎重に企業選びをすれば、成功の確率は高くなります。転職活動時の注意点や、コツを確認しましょう。

企業規模や収入だけに固執しない

早期離職を決め、転職先を探すときは「何を優先するのか」「本当にやりたい仕事は何か」を具体的に考えなければなりません。

1度問題が起きた以上、企業規模や収入面だけで転職先を決めると、また同じ結果になるリスクがあります。

合わない職場を経験して見えてきた優先順位と、やりたい仕事を重視して転職先を選ぶのが大切です。自分が重視する条件をクリアしていれば、長く働ける可能性は高いでしょう。

やりがいがあり楽しめる仕事なら、多少条件が合わなくても継続できる人もいます。企業について詳しく調べ、自分が続けられそうな仕事内容・条件であるか確認するのがポイントです。

企業研究や自己分析を重ねる

早期離職を決めた原因によっては、転職先を決める前に企業研究・自己分析を徹底しましょう。

特に「仕事が合わない」「労働環境が合わない」のようなミスマッチが原因の場合、企業研究・自己分析をおろそかにすると、新しい職場でもすぐに嫌になる可能性があります。

企業研究を徹底すると、仕事の内容や目指す方向性、社風などが分かります。安易に興味のある分野を選ぶのではなく、本当にやりたい仕事なのかを見極めることが重要です。

自己分析では、「本当に自分がやりたい仕事」「自分の得意な作業」「向いている職種」などが判断しやすくなります。過去の経験や自分の性格を把握し、転職先選びに役立てましょう。

早期離職後の転職は企業研究・自己分析が重要

手帳に書き込む男性

(出典) pixta.jp

早期離職後の転職を成功させるには、企業研究と自己分析を徹底し、次も同じトラブルが起きないよう心掛けることが大切です。

何度も繰り返す前に、自分の特性に合う職場が見つけられれば、昇進や活躍も期待できます。転職を検討している場合は、多くの企業を比較できる求人サイトを活用するのがおすすめです。

「スタンバイ」でも、第二新卒OK・未経験OKなど、チャレンジしやすい求人情報をチェックできます。この機会に、スタンバイで自分の状況に合う企業を探してみましょう。

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