日々の仕事に集中して取り組めず、自分には向いていないと思う人は珍しくありません。仕事にやりがいを感じられず、向いていないと思ってしまう原因や、仕事を続けるリスクなどを解説します。自分にどれくらい当てはまるか確認し、対処法を考えてみましょう。
仕事に向いていないと感じた場合の対処法
仕事に対するモチベーションが上がらず、自分には向いていないと感じている場合、どうすればよいでしょうか?まずは3つの対処法を見ていきましょう。
誰かに相談してみる
仕事に行き詰まり、やる気を感じられないならば、まずは同僚や友人など身近な人に相談してみましょう。自分だけで思い悩んでいると、悪い方向にばかり考えてしまう可能性があります。
自分の置かれた状況を客観視して、最適な判断をするためにも、自分以外の視点を参考にすることが大切です。
さらに悩みを他人に話すことにより問題点や課題を整理できるので、結果的に自己解決につながるケースも珍しくありません。
相談を通じて解決のヒントが得られる可能性も高いため、信頼できる人に仕事の現状とともに、自分の思いや考えなどを伝えてみるとよいでしょう。
転職を考えてみる
目の前の仕事が明らかに自分に向いておらず、この先同じような思いをし続けると感じるならば、転職を考えるのもよいでしょう。今の仕事ではやりたいことができない人は、早いうちに転職して、異なるキャリアを目指すのも有効です。
特に将来に向けて明確な指針を持っている人は、転職を視野にひとまず情報収集をしてみましょう。やりたい仕事が本当に自分に向いているのか確認するためにも、具体的な仕事内容や、多くの人が進んでいるキャリアなどを調査することが大事です。
なお、近年は兼業や副業をする人も増えています。転職先の仕事が本当に自分に合っているか確認するために、まずは副業からスタートするのもおすすめです。
キャリアカウンセリングを受ける
現職も含め、自分に向いている仕事が分からない人も多いでしょう。何を目指せばよいか迷っている場合は、キャリアカウンセリングを受けるのも効果的です。キャリアカウンセリングは対話を通じて、相談者に望ましいキャリア開発の支援をするもので、一般的には専任のキャリアカウンセラーが担当します。
相談者は適宜カウンセラーからアドバイスを受けながら、自分の強みや価値観などを理解し、仕事に対する視野を広げることが可能です。仕事に関する内容のみならず、日常生活の不安や悩みも相談できるので、自分に合ったキャリアを前向きに検討できるようになるでしょう。
キャリアカウンセリングは民間の転職エージェントをはじめ、ハローワークやキャリア形成サポートセンターなどの公的機関でも受けられます。自分のキャリアに行き詰まったら、気軽に相談してみるとよいでしょう。
出典:個人(在職者)向け無料キャリアコンサルティング申込受付中 | キャリア形成・学び直し支援センター(厚生労働省委託事業)
仕事の向き不向きを相談する相手もチェック
今の仕事に向いていないと感じたときには、上記のように誰かに相談するのが有効ですが、相談すべき相手をよく検討することも重要です。
転職を考えていない場合と、すでに転職を視野に入れている場合とで、相談に適した相手は変わってくるので注意しましょう。
転職を具体的に考えていない場合
現状転職を具体的に考えておらず、単に仕事がうまくいかないことに悩んでいたり、自分のキャリアに不安を感じていたりする場合は、上司や同僚に相談してみましょう。
同じ仕事に関わっている上司や同僚ならば、仕事内容を詳しく説明する必要もなく、相談者がどのような状況に置かれているか、理解している人も多いでしょう。
仕事で直面している問題や課題について、本人よりも客観的に把握できている場合も多いので、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
一方、仕事の愚痴を聞いてほしいだけの場合や、業界・職種に関係なく仕事全般の悩みを打ち明けたいならば、家族に相談するのもおすすめです。
特に、職場の人間関係で悩んでいる場合、社内の人に相談すると、うわさが広まりトラブルになる恐れもあります。社内で問題になりそうな話題に関しては、利害関係のない社外の人に相談するとよいでしょう。
転職を視野に入れている場合
すでに転職を視野に入れているならば、職場の元上司や元同僚などに相談するのがおすすめです。
同じ仕事を経験した人ならば、基本的に仕事内容に関して詳しく説明する必要がありません。同じような問題や悩みを抱えていた可能性もあるので、話を理解してもらいやすいでしょう。
特に転職して別の業界や業種に移った人ならば、転職のメリット・デメリットや注意点などを理解している場合が多く、有益なアドバイスを受けられます。
なお、転職を考えている場合は、現職の上司や同僚には相談しない方がよいでしょう。社内で転職のうわさが広がってしまうリスクや、引き留められる可能性があります。
こちらの事情や気持ちを考えず、単に仕事が忙しくなるといった理由から、引き留めようとする人もいるでしょう。転職活動に支障を来さないためにも、相談相手はよく選ぶことが大切です。
仕事に向いていないと感じる原因は?
今の仕事に向いていないと感じる理由は人それぞれですが、大まかなパターンに分けると、主な原因は共通しています。よくある原因を見ていきましょう。
思っていた仕事と違ったように感じる
業務内容が入社前のイメージと異なることから、自分のやりたい仕事ではないと感じ、結果的に仕事自体が自分に向いていないと判断する人は多くいます。
入社前に期待していた仕事ではなく、地味な作業をする時間が長かったり、仕事内容が想像以上に厳しかったりする場合、不満やフラストレーションを抱える人は少なくありません。
事実、理想と現実のギャップから、自分のやりたい仕事ではないと判断し、早々に転職を考える人もいます。
周りに置いていかれているように感じる
職場の同期や後輩に優秀な人材が多く、業務をこなすスピードで抜かれていたり、自分だけ遅れていると感じたりすることから、仕事が向いていないと考える人もいます。
周りの成長スピードが速いと、たとえ仕事をうまく進めていたとしても、劣等感を抱いてモチベーションが下がってしまう場合もあるでしょう。
特に仕事でミスが重なった日などは、周りとの差を感じやすくなり、より自分に合った仕事を求めて離職や転職を検討し始める人もいます。
失敗は誰でもすることではありますが、日頃から自分と周囲を比べがちな人は、職場に迷惑をかけないために、転職を考えることも珍しくありません。
上司・同僚に「向いてない」と言われた
上司や同僚などから、直接的に「仕事に向いていない」と言われてしまった場合や、怒られることが多い人などは、離職や転職を検討しやすい傾向にあります。
相手の仕事への向き合い方や実績などを度外視して、一時的な感情で部下を叱ってしまう人は多くいます。部下の立場からすれば、仕事に適性がないと考えてしまう大きな要因となり、仕事へのモチベーションも下がってしまうでしょう。
実際、ミスが原因で適性を疑われる発言をされたり、飲み会などで「お前は向いていない」といった発言をされたりして、落ち込んでしまう人もいます。
しかし、最終的に仕事の向き・不向きを決めるのは自分自身です。周囲からの助言やアドバイスを受けつつも、自分の強みや望んでいるキャリアなどを考慮して、このまま仕事を続けるのか、転職に踏み切るのか冷静に判断する必要があります。
実際のところ仕事に向き不向きはあるのか?
仕事の適性は、自分の状況をさまざまな角度から客観視して判断する必要があります。しかし実際のところ、仕事に向き・不向きはあるのでしょうか?どのようなキャリアを歩むにせよ、現実をしっかりと見据えて判断することが重要です。
仕事に向き不向きはある
仕事の向き・不向きの有無に関しては、さまざまな意見があるものの、近年は科学的な見地から、人間には生まれ持った適性があるという認識が広まっています。
人によって向いている仕事と、そうではない仕事があるため、できる限り自分の強みを発揮できる職種を選択することが大切です。
自分の好きな仕事に適性があるとは限らず、反対につまらないと感じる仕事でも周囲よりうまくできるケースは決して珍しくありません。
ただし、一時的に結果を出せなかったり、業務の中に不得意な作業があったりするケースも多いため、適性の有無はささいな理由で決め付けないようにしましょう。
仕事の向き不向きを見極めるポイント
仕事の向き・不向きを見極めるのは簡単ではありませんが、さまざまな観点から診断することで、ある程度は自分の適性を把握できます。次の基準をベースに、今の仕事が自分に向いているか考えてみましょう。
- 毎日の仕事にやりがいを感じられるか
- 仕事で安定した結果を出せているか
- 仕事で結果を残すために、努力を続けられるか
- これからのキャリアをイメージできるか、または望んでいるキャリアを実現できそうか
- 自分の価値観と仕事がマッチしているか
- 仕事とプライベートを両立でき、どちらも充実しているか
これら全ての要素を完全に満たす必要はありませんが、適度なワークライフバランスを維持しつつ、安定して仕事を続けられるか自分なりに確認することが大事です。
もし仕事にやりがいを感じられず、この先も望むキャリアの実現が難しいならば、転職を検討するのもよいでしょう。
向いていない仕事を続けるリスク
今の仕事が自分に向いていないと知りながらも、長く続けてしまう人は少なくありません。しかし、明らかに向いていない仕事を続けていると、以下のリスクを抱えやすくなるため、思い切って離職や転職を決断することも大切です。
仕事の効率が上がらない
無理に自分に向いていない仕事を続ける場合、日々の業務へのモチベーションが高まらず、なかなか効率も上がらないでしょう。嫌々仕事をしていると創意工夫が生まれず、単に仕事の時間が終わるのを待つだけの生活になってしまう可能性があります。
そうなると生産性も低くなるため、所定の労働時間で業務をこなせずに、残業や休日出勤などが増えてしまうケースも考えられます。仕事のストレスからプライベートまで楽しめなくなり、リフレッシュして仕事に臨めなくなるでしょう。
自分の強みを生かせない
向いていない仕事を続けていると、自分の強みや適性分野のスキルを身に付けられないケースもあります。
将来自分に合った職種に転職をする際に、十分な経験やスキルを積んでいないため、書類選考や面接でうまくアピールできない可能性もあるでしょう。結果として、採用につながらない事態になりかねません。
年齢に応じた経験やスキルを身に付けて、転職活動の際に十分なアピールをするためには、早い段階で自分の目指すキャリアを明らかにすることが大事です。その上で、自分の強みを発揮できる分野のスキルを、しっかり磨いておく必要があります。
体調不良につながる恐れも
適性がない仕事を長く続けると、過度なストレス状態に置かれやすいため、結果的に体調不良につながる恐れもあります。実際、胃腸の調子が悪くなったり、慢性的な頭痛に悩まされたりしている人は少なくありません。
また、上記のように向いていない仕事は生産性を高めづらく、長時間労働になる傾向にあるため、身体的・精神的に負荷がかかりやすいのが特徴です。
無理に続けると精神的にも追い詰められてしまい、無気力な状態やうつ病を発症する可能性もあります。異常を感じたら周囲に相談したり、積極的に休みを取ったりして、症状を悪化させないようにしましょう。
自分に向いた転職先を探す方法
今の仕事が自分に向いていないと感じ、仕事の効率が全く上がらなかったり、体調不良になったりしているならば、本格的に転職を検討するのがよいでしょう。自分に合った転職先を探すには、以下のポイントを押さえることが大事です。
自己分析で自分を理解する
転職先を探すに当たり、まずは自己分析を通じて、自分をよく理解する必要があります。得意なことや苦手なことを整理し、仕事で何を望んでいるのか明らかにしてみましょう。
適職が何かを見つけるには、自分の強みを明確にして、それを生かせる仕事か判断するのがポイントです。
強みや特性は自分では分からなかったり、気付いていなかったりする場合も多いので、周囲に聞いてみるのもよいでしょう。自分の過去や望んでいるキャリア・ライフスタイルなどを整理しつつ、どのような職種で仕事がしたいか明確にすることが重要です。
徹底した企業研究を行う
自己分析を通じて、自分の強みや適性を明らかにするとともに、徹底した企業研究をすることも大切です。職業や転職先を選ぶ際には、イメージだけで選ばず、業界の実態や具体的な仕事内容などを十分に理解する必要があります。
業界紙や業界を代表する企業の事業内容・ワークスタイルなどを確認し、特に興味を持った企業の公式サイトや、SNSでの発信情報などをチェックしましょう。
自分が希望する仕事や働き方・キャリアを実現できるか、多角的に判断することが大事です。求人情報や募集要項なども、しっかり読み込みましょう。
時間をかけて分かることもあると知る
自分に全く向いていないと分かっても、仕事に慣れないうちに転職を検討するのは避けた方がよいでしょう。ある程度は長く仕事を続けなければ、本当にその仕事が不向きなのか、正確に判断できません。
すぐに仕事が自分に向いていないと判断しがちな人は、転職先でも同じように考える傾向があります。結果的に転職を繰り返す場合もあるので、仕事に必要な経験やスキルを身に付けるまでは、じっくりと腰を据えて取り組む姿勢が必要です。
向き不向きを見極めて自分に合った仕事を
仕事に向いていないと感じている場合は、同僚や友人などに相談したり、キャリアカウンセリングを受けたりするのが有効です。
自分に全く向いていない仕事を続ける中ではモチベーションを上げることが難しく、生産性の向上も見込めないため、転職を検討するのがよいでしょう。
ただし、安易に転職を決めてしまうと、自分に合わない仕事を繰り返す事態になりかねません。まずは自己分析を通じて自分の強みや特性を明確にし、本当に自分に合った仕事を選ぶことが大切です。
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