管理職に向いていないと思ったら?辞めたいと感じたときの対処法を紹介

管理職に昇格した人の中には、自分に向いていないと思いながら仕事をしている人もいるかもしれません。管理職に向かないと感じたときの対処法を紹介します。向いていない人の特徴や、求められる役割についても解説するので参考にしてみてください。

管理職に向いていない人の3つの特徴

悩む男性社員

(出典) pixta.jp

管理職に向いていないのはどのような人なのか、まずは主な特徴を3つ見ていきましょう。

プレイヤーとしての視点が抜けない人

いつまでもプレイヤーとしての視点が抜けない人は、管理職に向いていません。プレイヤーとして成果を上げた結果、管理職となった人もいるでしょう。しかし、そもそもプレイヤーと管理職とでは、期待されている役割が異なります。

プレイヤーは自分自身の仕事をして成果を出す必要があります。一方、管理職は組織全体に目を向けて、仕事を振ったり指示したりしなければなりません。

チームのリーダーではあるものの、自分が率先して動くわけではないのが管理職です。そのため、組織のメンバーと同じ目線で仕事をしてしまう人や、何でも自分でやろうとする人は、不向きといえるでしょう。

感情的になりがちな人

管理職には常に冷静さが求められるため、感情の起伏が激しい人も不向きです。ささいなミスでも厳しく叱ったり、不機嫌さが顔に出てしまったりすると、部下は上司の顔色をうかがうようになってしまいます。

落ち込みやすい管理職の下では、組織全体の士気も下がり、十分なパフォーマンスを発揮できなくなるでしょう。

また、感情的に声を荒らげるようなことがあればパワハラと判断されて、最悪の場合は部下のメンタルに悪影響を及ぼす可能性もあります。日頃からカッとなりやすい人は、感情をコントロールできるようになることが必要です。

コミュニケーション能力が低い人

部下とうまくコミュニケーションが取れない人にも向いていないでしょう。管理職は、組織内のメンバーに仕事内容を指示するのが仕事です。ミスコミュニケーションばかりでは、部下に正確な指示を与えられません。

コミュニケーション能力は、部下の話を聞いたり悩みの相談に乗ったりする上でも必要です。また、コミュニケーションが必要なシーンは、部署内だけではありません。

上司への報告や他部署との連携、社外パートナーとの信頼関係構築など、さまざまな場面でコミュニケーション能力は求められます。

管理職の主な役割・仕事とは

重役会議

(出典) pixta.jp

管理職の立場には、どのような役割が求められているのか知っておくことが必要です。主な役割や仕事についても確認しておきましょう。

経営層と社員の橋渡し役

管理職は、会社の経営層と一般社員である自分の部下との間の橋渡し役でもあります。会社全体が利益を出し、事業を継続していくには、社員が全員同じ方向を向いていなければなりません。そのために、経営理念やビジョンを部下に伝え、組織に浸透させるのが管理職の仕事です。

抽象的に表現されることが多い経営理念やビジョンを具体的に説明し、実現に向けた取り組みのために、方向性や目標設定などを決めていきます。また経営層に対しては、プロジェクトの進捗状況や部下からの要望などを報告することが必要です。

組織全体の管理

業務の進捗状況や部下の働き方など、組織全体の管理も重要な仕事の1つです。業務の進捗に遅れが出て目標達成が難しい場合は、原因を探って軌道修正するための対策を講じます。

業務の振り分けに問題があれば、適切な配分を考えることも必要でしょう。また、部下の労働時間や職場環境に問題があるときは、働きやすい環境づくりをしてサポートすることも大切です。

仕事が多くて労働時間が長くなっている場合は業務量を調節したり、人手が不足していれば会社側に人材の補充を相談したりすることもあります。

人材育成・チームビルディング

部下のモチベーションを上げ、1人1人が十分なパフォーマンスを発揮できる組織づくりも欠かせません。生産性を上げて強い組織をつくるには、メンバーを適材適所に配置する必要があります。

そのためには、部下それぞれの強み・弱み・適性などを把握し、優れた人材に育成することも管理職の重要な仕事です。

スキルが足りていない部下がいれば適切なアドバイスによってサポートしたり、悩みを聞いて解決へ導いたりしながら人材育成を図ります。

管理職に求められる資質・適性

中堅ビジネスマン

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管理職として仕事をするために必要な資質や適性についても確認しておきましょう。主な資質・適性を3つ挙げて解説します。

論理的な思考力

課題解決のためには、問題を客観的に捉えて原因や対策を冷静に考える必要があります。問題が起きたときに感情的に判断してしまうと、物事の本質を見抜けないために、適切な対策を講じることができません。

そのときの感情によって行き当たりばったりの対応をしてしまうと、部下からの信頼を失ってしまうことにもつながります。

目標達成を目指し、効率的に業務を進めていくためにも、論点を正しく押さえて結論を導き出す論理的な思考力が求められるでしょう。

リーダーシップ・責任感の強さ

個性や価値観の異なる人材が集まった組織を統率するためには、優れたリーダーシップが必要です。ただやみくもに組織を引っ張っていくことがリーダーシップではありません。

リーダーシップにはさまざまなタイプがあり、状況や部下の性格などに応じて、最も適切な方法で組織をけん引していくことが求められます。

また、経営層から要求された目標を達成するには、責任感の強さも必要です。部下にとっても、トラブルなどが起きたときに責任を持ってバックアップしてくれる管理職がいれば、安心して仕事に取り組めるでしょう。

柔軟な対応力

管理職には柔軟性も必要です。目標達成のための戦略を立てても、全てが想定通りに進むわけではありません。軌道修正が必要だと判断されれば、その場の状況に応じて適切に決断することが求められます。

自分の考えだけに固執せず、周囲の意見を取り入れる柔軟性を持つことが大切です。また、近年の働き方の多様化によって、従来のマネジメント方法を変えなければならないケースもあります。

自分たちの世代とは価値観が異なる若手の部下に対しても、お互いの考え方を尊重しつつ、柔軟に対応していくことが必要とされるでしょう。

管理職を辞めたいと思う理由

デスクで悩むビジネスパーソン

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管理職の仕事は責任が重いため、ストレスが限界になって辞めたいと思う人もいるでしょう。管理職を辞めたいと思う主な理由を3つ紹介します。

業務量が多すぎる

管理職の仕事は多岐にわたるため、業務量が多くなりがちです。自分の仕事以外に、部下のサポートや組織全体の管理もしなければなりません。上司から仕事を振られることもあります。場合によっては、部下の業務を減らすために、自分が代わりに残業する人もいるでしょう。

しかし、いくら残業をしても手当は付かないため、業務の負担だけが増えてしまうこともあります。休日でも仕事が気になって休まらないなど、心にゆとりを持てなくなる人も少なくありません。

性格的に向いていない

そもそも性格的に管理職に向いていないことから辞めたいと思う人もいます。プレイヤーとして優秀な成果を上げた人が、マネジメントスキルにおいても優れているとは限りません。

マルチタスクが求められる管理職になるより、プレイヤーとして専門性を極め、スペシャリストになる方が向いている人もいます。

自分の性格や適性に合わない仕事をするのは、つらいことです。責任の重い管理職ともなれば、より強いストレスを感じてしまうでしょう。

相談できる相手がいない

管理職になると、気軽に悩みを相談できる相手が見つかりにくくなりがちです。部下として働いていたときは同僚や上司に相談できていたとしても、組織をまとめる立場となると、誰に話してよいか分からないという人もいるでしょう。

家族や友人に相談しても、相手にマネジメント経験がなければ、状況や問題を理解してもらえない場合もあります。

結果的に1人で悩みを抱えることになり、辞めてしまいたいというネガティブな思考に陥ってしまいやすいでしょう。

管理職に向いていないときはどうすればいい?

悩む男性社員

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管理職に向いていないと思ったまま役割を果たそうと頑張ると、業務に支障が出るだけでなく、組織全体のモチベーション低下にもつながります。どのような対策が必要なのか見ていきましょう。

降格や配置換えの相談をする

上司に降格や配置換えを相談してみましょう。その際は、自分が管理職を辞めたい理由を正直に伝えることが大切です。場合によっては、必要なサポートを提案してもらえることもあります。

管理職が少ない職場では、同じポジションで続けてほしいと言われる可能性もありますが、まずは相談してみることが状況を変える一歩です。

また、マネジメント職よりプレイヤーの方が向いていると思ったときは、スペシャリストとして活躍したい旨を伝えるという方法もあります。

時期や状況によってはすぐに対応してもらえない場合もありますが、希望を伝えておけば次の人事で考慮してもらえるかもしれません。

難しい場合は転職も検討する

降格や配置換えの相談をしても実現が難しいときは、転職を検討するのも1つの方法です。管理職の転職には2つの道があります。

1つは、一般社員として転職する方法です。性格的に向かない、プレイヤーとして活躍したいという人は、面接の際にも現場で働きたいことをアピールするとよいでしょう。

もう1つは、別の企業の管理職に転職する方法です。同じ管理職でも、企業によって役割が異なります。現職ではうまくマネジメントスキルを生かせない人も、職場の環境や人間関係が変われば、力を発揮できる可能性があるでしょう。

どちらの場合も、転職活動に時間がかかることを考慮して、在職中から転職先探しを始めるのがおすすめです。

管理職に向いていないと感じたら早めに対策を

シニアビジネスパーソン

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働き方や仕事への価値観が多様化している現代では、管理職への昇進だけがキャリアアップとは限りません。その人の適性に応じたポジションで活躍するのが、理想的な働き方といえます。

管理職になったものの、自分には向いていないと感じたときは、まず上司に相談をしてみることが大切です。降格や配置換えなど、社内での対応が難しいときは、転職も視野に入れて早めの対策を講じましょう。

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