「準社員」とは何か?応募時のポイントからメリット・デメリットまで

雇用形態の種類を見ると、「準社員」という形態を設けている企業があります。準社員とは、何を指すのでしょうか?言葉の意味や、正社員との違いを解説します。準社員になるメリット・デメリットと、応募時のチェックポイントも確認しましょう。

準社員はどう定義されている?

男性社員

(出典) pixta.jp

求人情報に「準社員」と書かれている場合、待遇・条件はどうなっているのでしょうか?準社員の定義はあるのか、また正社員や他の働き方との違いも解説します。

明確には定められていない

「準社員」という言葉には、法律による明確な定めがありません。企業によって、使い方は異なります。幅広い意味で使われており、はっきりとした定義を確認するには企業への問い合わせが確実です。

例えば、フルタイムパートを「準社員」と定義している企業もあります。何らかの基準を設けている企業が多いですが、雇用形態はパート・アルバイトとほぼ同じです。

正社員登用を前提に、月給制で働く「準社員」もいます。待遇・条件は、有期雇用の非正社員と同等と考えられるでしょう。

中には、限定正社員と似た意味で、「準社員」を使用している企業もあります。待遇は正社員とほぼ同じですが、何らかの制限が設けられている点が特徴です。

準社員の定義は、企業によって自由に決定できます。他にもさまざまなパターンがあり、非正社員である点以外で全てに共通点を見いだすことは難しいでしょう。

正社員との違い

「正社員」にも、法律上特別な定義は設けられていません。分類上、無期雇用かつフルタイム勤務で、月給制・年俸制の社員を指すケースが多くなっています。

準社員と正社員の違いは、企業によって異なります。何らかの制限がある正社員を「準社員」と定義している企業では、主に勤務地・労働時間に違いがあると考えられるでしょう。

正社員登用前提で働く非正社員を準社員と定めていれば、雇用期間・給与に違いがあるといえます。

フルタイムパートを準社員としている企業では、時給制・月給制の違いや、福利厚生の有無も異なるでしょう。

他の働き方との違い

非正社員の中には、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトが含まれます。

契約社員は、有期雇用の社員です。企業によっては、契約社員を準社員と定義しているケースもあります。

派遣社員は、派遣会社に登録し、派遣元から指定された会社で働く雇用形態です。準社員とは、雇用元が異なります。

パート・アルバイトは、主に短時間労働者を指します。パート・アルバイトの一部を準社員と定義する企業もあり、基準の違いは各企業に確認が必要です。

準社員として働くメリット

パソコンを操作する男性社員

(出典) pixta.jp

準社員として働くと、正社員と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか?一般的なメリットと、特徴を紹介します。

正社員より業務負担は軽め

準社員は、一般の正社員と比べると業務負担が少なく設定されています。どの程度負担が少なくなるかは、各求人の条件を確認する必要があるでしょう。

例として、パート・アルバイトとそれほど変わらない募集条件であれば、残業がほとんどなく簡単な業務が多くなります。短時間の勤務や、シフトの変更もしやすいでしょう。

月給制の準社員であっても、何らかの負担軽減が考えられます。正社員だけに任される仕事もあり、シフトの融通が利くなどのメリットもあるかもしれません。

限定正社員と似た形態で雇用される場合は、勤務地・労働時間など何らかの条件が設定され、負担が軽くなるでしょう。

転勤の可能性が低い

準社員は、転勤の可能性が低い働き方です。正社員と仕事内容や待遇が異なるため、管理職として各地を異動するような役割はほとんど求められません。

基本的には、同じ店舗・支店で働き続けることを想定されています。特に、雇用形態がパート・アルバイトと同じであれば、働いている店舗が閉店しない限り、別店舗への異動はまれでしょう。

しかし、正社員登用前提の準社員の場合、評価制度により正社員登用が決まると、転勤の対象となる可能性もあります。応募前に、条件や企業の考え方を把握しておきましょう。

プライベートを充実させやすい

正社員は、責任のある仕事を任されるため、残業・休日出勤の可能性が高くなります。一方、準社員は残業がほとんどない条件での募集も多く、プライベートを重視する人にもおすすめです。

週5日8時間労働の勤務形態以外に、柔軟に曜日・日数を設定できるタイプの求人もあります。働ける時間に多少の制限があるものの、正社員に準じる働き方をしたい場合も、準社員が向いているでしょう。

ただし、残業の有無やシフトの設定は、求人によって大きく変化します。募集条件をよく読み、プライベートの充実が期待できるかを見極める必要があるでしょう。

準社員として働くデメリット

考え事をする男性社員

(出典) pixta.jp

準社員という雇用形態で働く場合、デメリットもあります。応募前に把握しておきたい注意点を紹介します。

正社員と比べ給与が低めで福利厚生の範囲が狭い

準社員は、企業が定める「正社員」の待遇とは異なります。基本的に、正社員よりも給与が低く設定され、福利厚生の範囲も狭くなると考えておきましょう。業務内容や勤務時間が正社員と異なる分、給与・福利厚生に影響があります。

契約社員や地域限定社員のような形で準社員を募集している場合、正社員との差は小さいでしょう。パート・アルバイトに近い形で募集されている場合、給与は時給制で福利厚生の範囲も狭くなる可能性が高くなります。

もし、給与・福利厚生を重視するのであれば、正社員を目指す方が有利です。

大きな仕事は任せてもらえない

準社員には制限が多く、正社員のように責任のある仕事を任せてもらえるとは限りません。多くの場合、業務内容や出世には制限があります。

キャリアアップを前提としている働き方であっても、大きな仕事を任されるのは雇用形態が正社員に切り替わった後でしょう。

やりがいや出世を求めている人で、正社員として雇用されるチャンスがある場合は、正社員として採用される可能性を追求した方がよいといえます。

準社員に応募する際のチェックポイント

スマホで検索する男性

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準社員の求人は、企業によって待遇・条件が大きく異なります。チェックポイントを把握しておき、求人情報を確認する際に役立てましょう。

希望の仕事を見つけるためには、条件を細かくチェックする必要がありますが、好条件だけにこだわらないことがポイントです。

雇用期間の有無

準社員の雇用期間は、企業によってさまざまです。無期雇用であれば、短期間で雇用を打ち切られる心配はありません。

有期雇用の場合、契約社員またはパート・アルバイトと似た雇用形態であることが考えられます。定期的に契約を更新するため、更新時の状況によっては契約の解除も考えられるでしょう。

応募前に雇用期間の設定を確認しておくと、企業がどのような働き方を想定しているのか判断しやすくなります。無期雇用の場合、正社員に近い待遇で働ける可能性が高いでしょう。

給与関係

準社員は、企業によって給与形態にばらつきがあります。時給制であれば、パート・アルバイトとの違いを確認しておきましょう。準社員と一般のパート・アルバイトでは、時給に差をつけているケースがあります。

月給制であれば、基本給・賞与・昇給などの待遇を確認するのも大切です。福利厚生の一環である退職金や手当の有無も、正社員と異なる可能性があります。

募集の条件によっては、正社員よりも大幅に収入が低くなるため、併せて正社員の待遇を把握した上で応募を検討しましょう。

業務内容

準社員は、正社員と業務内容が異なるケースがあります。しかし、求人情報の業務内容欄を確認しただけで、全ての業務を把握できるとは考えにくいでしょう。

雇用期間・給与形態を見るだけでも、業務内容はある程度想像できます。月給制で正社員と給与がほとんど変わらないのであれば、正社員とほぼ同等の仕事を任されると考えておきましょう。

雇用形態がパート・アルバイトに近い場合は、簡単な作業が多くなります。ただし、正社員の人数が少ない場合、準社員が現場の仕事の多くを任される可能性も考えておきましょう。

もし求人情報だけで判断ができないときは、問い合わせや面接での質問を活用すると、希望条件に合う仕事を見つけやすくなります。

準社員から正社員を目指す際のQ&A

会社員の後姿

(出典) pixta.jp

正社員を目指す場合、準社員からスタートすると経験を積みやすくなります。まずは、希望する職種で準社員として働きましょう。

同じ会社で正社員にキャリアアップできるのか、転職時に職歴をどう書くかなど、よくある疑問について解説します。

同じ会社で正社員になれる?

準社員として働き、経験を積むと正社員になれるケースもあります。正社員登用制度を設けている企業なら、チャンスは大きいでしょう。

しかし、全員が正社員になれるとは限りません。企業が定める一定の基準を満たし、高い評価を得られれば正社員登用の打診があります。

正社員登用の制度がなく、ステップアップが想定されていない企業では、可能性は低いでしょう。

履歴書に準社員としての経歴は書くべき?

職歴に空白を作るよりも、準社員としての経験を書く方が有利です。履歴書に書くことは、問題ありません。

しかし、勤めていた企業が定める「準社員」が何に該当するかによって、判断は変わるでしょう。

例えば、フルタイムパートを準社員と定義する企業で勤めていた場合、他の社員経験と同列に書くと違和感があります。

また、履歴書を見る側が、準社員の定義を全て把握しているわけではありません。客観的に見て分かりやすい表現を追記するなど、配慮が求められます。

契約社員に近い待遇であれば、その旨を追記する方が採用側にとっては判断しやすいでしょう。

準社員の働き方を把握しておこう

会社員の男性

(出典) pixta.jp

準社員は、正社員登用ありの求人を探している人や、シフト・勤務地に融通が利く働き方をしたい人に向いている形態です。企業によって定義が異なるため、募集条件を詳しく確認した上で応募を検討しましょう。

「スタンバイ」でも、準社員の募集を探せます。多くの求人の中から希望に近い条件を見つけるには、キーワードだけでなく、雇用形態・給与形態でも絞り込むと探しやすくなるでしょう。

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