出社拒否とはどんな状態?出社したくないと感じる原因や対処法を解説

仕事のストレスなどで心身のバランスが崩れてしまい、出社を拒否する人は決して少なくありません。出社拒否の主な原因や有効な対処法を解説します。会社を無断欠席すると懲戒処分を受ける恐れもあるため、どのように対応すべきか確認しておきましょう。

出社拒否とは?

眠い男性

(出典) pixta.jp

日々働く中で、一度は「会社に行きたくない」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか?

無断欠勤は問題ですが、人によっては無理に出社すると体を壊してしまう恐れもあるので、状況を改善するための工夫が必要です。まずは、出社拒否とはどのような状態か理解しておきましょう。

出社したくないと思う状態

出社拒否とは、社員が会社に出社したくない場合や、実際に出社していないことを指す言葉です。会社側から出社しなくてよい旨を伝えられているのではなく、社員側が自らの意思で出社をしない、あるいは出社したくないと考えている状態です。

ただし一般的には、出社したくてもできない状態に追い込まれている人を指す場合が多く、社会的な問題として広く認識され始めています。

出社しようとしてもできない状態

単に「サボりたい」「仕事を放棄したい」といった理由から、出社拒否を考える人もいます。しかし、出社拒否で問題とされているのは、主に「出社しようとしてもできない状態」の人です。

これは出社拒否症とも呼ばれるもので、目まいや頭痛・動悸(どうき)などの拒否反応が起こってしまい、出社できない人が増えています。

自分の意思ではどうしようもない症状の人もおり、無理に出社すると体を壊してしまう恐れがあるので、状況によっては通院が必要です。

考えられる出社拒否の原因

仕事疲れ

(出典) pixta.jp

仕事量の多さや職場の人間関係が悪いことなどから、出社拒否に至る人も珍しくありません。また、仕事内容が自分に合わず、モチベーションが低下している場合も考えられます。よくある出社拒否の原因を見ていきましょう。

激務・勤務時間が長い

日々の仕事が激務であったり、勤務時間が長かったりすることから、精神的に疲弊している人は少なくありません。

仕事を続けていると、誰でもストレスは感じるものです。しかし能力や適性に合わない仕事を任せられたり、上司から過度なプレッシャーを与えられたりすると、肉体的・精神的に疲労がたまりやすくなります。

ストレスは適度にリフレッシュすれば基本的には解消されるものです。しかし、ほとんど休みがなかったり、長時間労働を強いられたりしている場合、気付かないうちに限界を超えてしまう恐れがあります。

そうなると無意識のうちに出社を拒否するようになり、無理に出社しようすれば、体に異常が現れる恐れもあるでしょう。

人間関係によるもの

職場の人間関係に悩みを抱える人は多くいます。自分の強みを生かせる仕事でも、人間関係が悪ければ日常的にストレスを抱えることになるでしょう。職場でのいじめが原因で出社を拒否してしまう人もいます。

また、上司からの叱責が原因で仕事へのモチベーションを失ってしまい、出社したくないと感じる人も少なくありません。過度な叱責を受けたりパワハラを受けたりして、出社拒否に至るケースも問題視されています。

仕事内容が合わないと感じる

適性や能力に合っていない仕事を続けている場合、やりがいを感じられず、出社したくなくなる可能性もあります。業務内容のミスマッチはやる気の低下を招くだけでなく、自信の喪失につながるケースも珍しくありません。

さらに仕事内容のミスマッチから自信を失っていたところに、業務時間の問題や人間関係のストレスが重なることで、出社拒否に至る場合もあるでしょう。

出社拒否を続けた場合の会社の対応は?

懲戒規定

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出社したくてもできない状態が続いている場合、会社はどのように対応するでしょうか?多くの人が不安を感じるのは、懲戒処分を受けてしまうことでしょう。出社拒否による懲戒処分の条件や、対象になりにくいケースなどを解説します。

懲戒処分の有無

出社拒否で懲戒処分を受けるか否かは、基本的に就業規則の記載の有無によります。就業規則に出社拒否に関する項目が明記されている場合、業務命令違反と見なされ懲戒処分を科される可能性があるので注意しましょう。

多くの企業は出社拒否を懲戒事由の1つとして就業規則に記載しています。労働契約法第15条によると、懲戒処分を科すには合理的な理由があり、かつ社会通念上相当である必要があるため、会社から理由を問われることになるでしょう。

そこで十分な説明ができなければ、結果的に懲戒解雇に至る可能性もあるので、きちんと説明することが大切です。

出典:労働契約法 第15条(懲戒)|e-Gov法令検索

懲戒処分の対象になりにくいケース

企業が社員に懲戒処分を科すには、一般常識に照らして、妥当であると判断される理由が必要です。従って、出社拒否の原因が体調不良や職場環境にあるケースなどは、基本的に懲戒処分の対象にはなりません。

特に労働環境に問題がある場合、社員ではなく、企業側が積極的に状況を改善する義務があります(労働契約法第5条)。もし合理的な理由がないにもかかわらず懲戒解雇に至った場合は不当解雇と見なされ、解雇そのものが無効となります。

もし不当な解雇通告を受けたならば、労働基準監督署や労働組合などに相談しましょう。弁護士を通じて、解雇の撤回を求める方法もあります。

出典:労働契約法 第5条(労働者の安全への配慮)|e-Gov法令検索

出典:解雇に関する相談|長野労働局

出社拒否を改善するための対処法

考え事をする男性

(出典) pixta.jp

出社拒否は理由により懲戒処分になる可能性があるため、どのように対処すべきか知っておくことが大切です。以下のように、処分を科される前に上司や人事部門に相談し、状況によっては退職・転職を検討するのもよいでしょう。

上司・人事に相談

会社での働き方や人間関係などが原因で、出社したくてもできない状態に追い込まれてしまったら、上司や人事に相談してみましょう。働き方の変更や部門・部署の異動などで、ストレスを軽減できる可能性があります。

また、周囲との関わり方についてアドバイスをもらえる場合もあるので、1人で悩まずに積極的に相談することが大切です。相談の結果、状況の改善が難しければ、休職や通院などの選択肢も考えられます。

自分なりのストレス解消法を見つける

仕事先で日常的なストレスに悩まされているならば、うまく解消する方法を見つけるようにしましょう。何もせずにストレスをため込んでしまうと、出社拒否に至ってしまう可能性があります。

ストレスの解消法は人それぞれですが、有給休暇がたまっているならば、まとまった休みを取るなどして、リフレッシュ期間を設けるのもよいでしょう。

さらに適度な運動をしたり、休日は友人と積極的に出かけたりするなど、自分なりのストレス解消法を確立することが大切です。

今の会社を退職または転職する

どうしてもストレスの原因を取り除けず、出社拒否の状態がひどくなる可能性がある場合は、退職や転職も視野に入れてみましょう。

仕事内容や職場環境が全く自分に合っていないならば、無理に勤務を続ける必要はありません。より自分に合った職場への転職を考えることも大事です。

また、仕事で精神的に疲れ切っており療養が必要な場合は、いったん退職してしっかりと休む必要があるでしょう。ストレスから病を発症してしまう人もいるので、大事に至る前に思い切って仕事を辞めるのも有効な選択肢です。

心身ともに疲れているときは休むことも重要

伸びをする女性

(出典) pixta.jp

出社拒否とは、何らかの理由で出社したくない、もしくは出社したくてもできない状況を指します。会社に無断で出社拒否を続けた場合、懲戒処分を科される恐れもあるため、早めに上司や人事などに相談しましょう。

仕事のストレスが出社拒否の原因ならば、自分なりの解消法を身に付けることも大切です。状況の改善が見込めないようであれば、退職や転職という選択肢もあります。

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