仕事ができる人になりたいのであれば、その特徴やマインド、仕事の進め方に倣うことが有効です。それによって仕事のポジションアップや、好条件の転職にもつながるかもしれません。ぜひ『仕事のできる人』へのステップアップ法をチェックしてみましょう。
仕事ができる人とは?
仕事ができる人になるためには、まず『仕事ができる人』が示す本質的な意味を明確にする必要があります。仕事ができる人とは、どういった人のことを指すのでしょうか。
周りからの評価が高くて信頼できる人
仕事ができる人とは、一般的に周囲から高い評価を得ている人を指します。高評価を得るためには、仕事で成果を収めているのはもちろん、信頼に足る人物であることが大事です。
仕事を任せたり相談を持ちかけたりしたいと思えるような人物であることも仕事ができる人の要素です。同僚や取引先と円滑なコミュニケーションができるほか、時間厳守や仕事への熱意があるなど、普段から好印象を与えるような姿勢を持ち合わせています。
仕事ができる人の具体的な特徴
仕事ができる人には、ある程度共通する特徴があります。仕事ができる人の特徴や、仕事ができる人が身につけている能力について紹介します。
身だしなみ・身の回りが整っている
仕事ができる人は清潔感があり身だしなみが整っています。これは他者からの印象を意識して、時と場所に合わせて相手を不快な気持ちにさせないよう、服装や髪型に気を配っているからでしょう。
身だしなみが整っていると、相手に与える第一印象が良く、信頼を得やすいものです。自分の気持ちを引き締めることにもつながり、仕事のパフォーマンスが上がることも期待できます。
カバンの中身や机の上を整理することも大切です。身の回りを整えておくと、よく使うペンやメモ帳を探す手間が省けたり、書類の紛失を防止できたりするので、仕事の効率がよくなる上、視界に余計なものがないことで集中力も向上するでしょう。
コミュニケーション能力が高い
仕事ができる人はコミュニケーション能力が高いのも特徴です。普段から相手の目をしっかり見てハキハキとあいさつをしていると話しかけやすくなります。あいさつのときは相手の名前を呼ぶことも大切です。
また、仕事では基本的な「報・連・相」をしっかりと行い、相手に合わせた接し方を工夫し、相手の要求をすばやく理解することも大切です。コミュニケーション能力が高いと、ビジネスを円滑に進められるでしょう。
論理的・客観的に考える力がある
物事を論理的・客観的に考えられることも特徴です。
論理的・客観的に考えることができれば、相手を問わずに説得力がある提案をすることができます。ビジネス上の数多くの問題を解決する上でも必須の能力です。意思決定のプロセスをいくつか持っておくことで、適切な対応が取れるようになります。
論理的・客観的に考えた思考を言語化して相手に伝える能力も重要です。数字を使うと説得力が増し、分かりやすく伝えられます。
当事者意識が高く、能動的に行動する
当事者意識が高いことも仕事ができる人の特徴の1つです。責任感を持って仕事に取り組むため、成果を上げるために工夫したり周囲のミスをカバーしたりできます。
能動的に改善を積み重ねていくため、自然とスキルアップにつながるほか、昇進後に必要となる大局観やマネジメント能力も身につけられるでしょう。
能動的に行動することは、仕事に取り組む上で大切な姿勢であり、将来にも生きてきます。
判断や行動にスピード感がある
判断や実行のスピードが速いのも、仕事ができる人の特徴です。目の前の仕事をテキパキと効率良くこなし、今できる仕事を後回しにしません。仕事は期日ギリギリに終わらせるのではなく、期日よりも早く完了させるよう努めています。
メールの返信もできる限り早く行います。返信を後回しにすると、相手は確認してもらえたのか不安になるかもしれません。相手を不安にさせないように、すばやいレスポンスが大切です。
仕事とプライベートにメリハリがついている
仕事ができる人は、プライベートも充実していることが多いでしょう。仕事を定時で終わらせるための効率を考え、仕事とプライベートのメリハリをはっきりさせて、心身をリフレッシュした状態で仕事に取り組むとよいでしょう。
プライベートでは、脳を休めることも大切です。休養を取ったり趣味に没頭したりして、日頃のストレスや疲労を癒しましょう。
仕事ができる人のマインド
仕事ができる人は、心の持ち方や物事の捉え方も大切にしています。仕事ができる人に共通しているマインドについて次に紹介します。
常に結果も大切にしている
仕事ができる人は、与えられた仕事をこなすだけではなく、改善点や効率を高める工夫について考え、常により良い結果を出すことを大切にしています。仕事ができる人は、課題発見能力や解決力が高いと言い換えることもできるでしょう。
仕事に責任感を持って取り組んでいるため、壁にぶつかったときもくじけずに取り組み続けることができます。最後まで仕事を完遂でき、良い結果を導くための過程で工夫もしているため、良い結果につながります。
失敗を次に生かす
仕事ができる人は、人から失敗や改善点を指摘されたときは素直に受け止める柔軟さを持ち合わせています。自分の欠点を認めて周りに協力してもらうことで、結果に結びつくだけではなく、より良い人間関係を築くこともできるでしょう。
たとえ失敗してもポジティブな気持ちを持ち、その失敗を次に生かすことが重要です。 ポジティブさは、失敗を引きずらないことや人間関係が良くなること以外にもメリットがあります。
仕事で壁にぶつかったり計画通りに物事が進まなかったりしても、ポジティブな考え方を持っていれば現状を前向きに捉えて、今できる最大限の努力をすることが可能でしょう。
仕事ができる人の仕事の進め方
仕事ができる人の特徴やマインドについて説明してきましたが、実際にどのように仕事を進めているのでしょうか。仕事ができる人の仕事の進め方について解説します。
目標と優先順位を明確にしている
仕事ができる人は、明確な目標を立てて仕事に取り組んでいます。自分1人の個人的な目標もあれば、チームとしての目標もあります。方向性をはっきりさせる上で、目標を立てることは重要です。具体的な数字や達成基準を設けると目標を意識しやすいでしょう。
目標を明確にすると優先順位も自ずと決まります。重要度と緊急度から、目標を達成するためにいつ、誰がやるべきか判断できるのです。必ずしも必須でない仕事や優先順位を下げる仕事を見極められると、無駄な時間と体力を浪費せずに済むでしょう。
周りと協力して仕事を進めている
周りと協力しないと良い結果が出せないことを知っているのも、仕事ができる人の特徴です。周りと協力して仕事をすることで、職場全体の成果が向上して雰囲気も明るくなるでしょう。仕事のしやすい環境が生まれて、大きなリターンが見込めます。
仕事ができる人は普段からコミュニケーションをとり、各々の適性を把握しておくことに加え、仕事を頼めるような関係性を築いています。
仕事を頼むときは、事前に依頼の準備をしてから声をかけるのが重要です。お願いしたい範囲と妥協できる範囲を明確にしておき、どうしても頼めなかったときの代替策を考えておくといいでしょう。
余裕を持った計画を立てる
仕事ができる人は計画的に仕事を進めます。目標から逆算して日々のタスクに細かく分けて進めていきます。細分化することで負担が分散され、モチベーションの低下を防ぐことも可能です。
とはいえ、仕事には想定外の出来事が起こることもあります。そのような、不測の事態に対応するためには、余裕を持った計画を立てておくことが大切です。そうすると計画を柔軟に変更することができます。
仕事ができる人になるには?
ここまで仕事ができる人について詳しく解説してきましが、ただ仕事ができる人について理解しただけでは自分も仕事ができるようにはなりません。自分自身も仕事ができる人になるために必要な基本的姿勢について解説します。
仕事ができる人に倣う
まずは目標とする姿を具体的に想像して、理想の条件を書き出してみましょう。
ゴールが明確でないと方向が定まらず、モチベーションも続きません。身近にいる仕事ができる人や尊敬する人をよく観察してみましょう。
理想とする人が定まったら、まねをすることから始めるといいでしょう。身近に仕事ができる人がいるならチームに参加するなど、可能であるならなるべく近くで仕事をします。
まねを繰り返しているうちに、徐々に自分らしい型ができてくるものです。慣れてきたら必要のない要素は捨てたり、自分なりに工夫したりすると独自の能力として定着していきます。
自己管理をしっかりと行う
自己管理ができていないと仕事で力を発揮できません。頻繁に遅刻したり勤務中に疲れた様子を見せたりしていては、周りから高い評価は得られません。そのためには睡眠・食事・運動に気を配って生活習慣を整えることが大切です。
正常な集中力や判断力を保つためには、適度な睡眠時間を確保することが重要です。睡眠時間に加えて睡眠の質も欠かせません。寝る前の習慣や枕などの寝具を見直すと質の良い睡眠につながります。
また朝食をしっかり取ることで脳の活性化につながるといわれています。1日の活力をつけるためには朝食をしっかりとることを心がけましょう。
運動は体力をつけるだけでなく、精神的な健康のためにも重要です。適度な運動をするとストレスの解消にもつながります。
仕事ができる人になるための習慣
仕事ができる人になるための方法は習慣化することで、大きな負荷を感じずに行うことが可能です。
目の前の小さなことから始める
スムーズに習慣化できるように、毎日できるような小さなことから始めてみるのがおすすめです。
うまく習慣化できなければ、さらに細かい習慣に分けたりハードルを下げたりしてみましょう。小さな習慣でも毎日こなせていることが自信につながり、モチベーションを維持できます。
さらに、達成できたことを記録して自分の頑張りを振り返ると、モチベーションアップにもつながるでしょう。
隙間時間を有効に活用する
時間は誰にとっても有限です。少しでもやりたいことや、やるべきことができるように、隙間時間を有効活用することが大切です。
メールの返信やちょっとした作業は、会議前の待ち時間や移動中にできます。通勤時間に読書や勉強をして、スキルアップのための努力をするのもいいでしょう。
また、スキマ時間に小さなタスクを終わらせることで、机に向かって仕事に取り組むときに、大きなタスクに集中して取り組めるというメリットもあります。与えられた時間の中で最大の成果を出せるように、隙間時間を上手に活用しましょう。
インプットしたらアウトプットも行う
論理的思考力や問題解決能力、コミュニケーション能力やプレゼン力は、業界・業種を問わず広く求められます。広い視野を持つことは、思考力やコミュニケーション能力を向上させるために役立つでしょう。興味のない分野にも目を向けることで新たな知識や考える力が身につきます。
ビジネスの基礎的な能力を身につけたり社会情勢に目を向けたりすることも大切です。
さまざまな知識を得たらインプットに加えて、アウトプットも心掛けましょう。
アウトプットを行うことで、学んだことが記憶に定着しやすくなったり、人に説明しやすくなったりします。学んだことをSNSで発信すれば人脈が広がることもあるかもしれません。
視野を広く持って学習を続け、アウトプットも合わせて行う習慣を身につけましょう。
「仕事ができる人」に近づいて、さらなる飛躍をしよう
仕事ができる人も、与えられた時間の中で日々コツコツと目の前の仕事に取り組み、改善に向けて努力しています。
仕事ができる人に近づくことで、会社内でのステップアップにつながることが期待できます。また社内に留まらず、自分の思い描く転職活動ができて、憧れの仕事や生活が待っているかもしれません。まずは小さな習慣を作ることから始めて、さらなる飛躍を目指しましょう。
コミュニケーションでまごころを伝える、ビジネスマナーの専門家。池坊短期大学教授。日本女子大学大学院人間社会研究科博士課程修了。勤務校でビジネスマナーやコミュニケーション、就職の面接対策講座を担当。企業や官庁関連機関で就労支援講座を行う。
All Aboutプロフィールページ
著書:
VUCA時代をよりよく生きるためのキャリア形成とコミュニケーションスキル(ナカニシヤ出版)
心地いい人がしている、人づきあいに役立つ習慣術(ぱる出版)
新社会人のためのビジネスマナー講座(ミネルヴァ書房)