仕事の疲れが取れないのはどうして?放置せずに適切な対処を!

仕事の疲れから元気がなくなってしまい、疲れの原因や解消法を知りたいと思っている人も多いでしょう。仕事に疲れる原因や疲れの予兆、解消法を解説します。効果的な休暇の過ごし方も紹介するので、参考にしましょう。

仕事に疲れる原因

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まずは、仕事に疲れているようなら原因を探ることが大切です。中でも代表的なものを4つ解説するので、自分に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

職場の人間関係がよくない

仕事をする上で、人間関係は避けては通れない要素の1つです。職場の人間関係は選べない以上、どうしても馬が合わない人も出てくるでしょう。

仮に自分はうまくやっていても、周りの人たちがギスギスしていると、自然と居心地が悪くなってしまいます。仕事上の何かのミスで、ある日を境に険悪なムードが漂うかもしれません。彼らの仲を取り持つために気を使っていると、知らず知らずのうちにストレスがたまってしまうでしょう。

極端に仲が悪いわけではなくとも、コミュニケーション不足もストレスの原因になります。その結果、慢性的な疲れが生じる可能性が考えられます。

仕事にやりがいを感じられない

仕事にやりがいを感じられないことも、疲れがたまる原因の1つです。なんのために仕事をしているのか、分からなくなっている人もいるのではないでしょうか。

来る日も来る日も、つまらないと思う作業を続けることは時間の無駄にも思えて、苦痛に感じるでしょう。

しかし、やりがいを感じられない原因は、必ずしも仕事内容や自分自身に問題があるとは限らず、相性が悪いだけの可能性もあります。なぜ仕事にやりがいを感じられないか、1度深掘りしてみるとよいでしょう。

給与・待遇に不満がある

給与や待遇は、仕事をする上での大きなモチベーションとなるでしょう。いくら仕事が楽しくてやりがいを感じていても、給与に満足がいかなければだんだんとやる気はなくなってしまいます。

成果を出しても給与がそれに反映されないと、正当な評価を受けていないと感じてしまう場合もあるでしょう。どんなに頑張っても、それが報われなければモチベーションを保つことは難しいものです。

結果的に、仕事を続ける意味が分からなくなり、ストレスに感じてしまうことが考えられます。

純粋に仕事が忙しすぎる

シンプルに仕事量が多いことが原因で、疲れがたまっていく人もいるでしょう。繁忙期などで一時的に忙しい場合ならまだしも、長時間労働が当たり前になっているなら問題です。

仕事が忙しい理由はいくつかあります。1つには人手不足が挙げられます。まずは人手が不足していると、少ない人数で膨大な業務量をこなす必要があるので、1人分の仕事量は多くなるのです。

また、上司や先輩が残っているから自分も残っているという人もいるでしょう。こうした空気は『長く働いた方がえらい』という前時代的な価値観が残る会社に多く見られます。

本当は帰りたいのに、上司や先輩の目が気になることもストレスの原因の1つです。

仕事に疲れたときのサイン

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仕事に疲れたときには、体や心がサインを発します。以下のような兆候が見られたら、もしかしたら疲れがたまっているかもしれません。

仕事に集中できない

疲れがたまると、仕事に集中しづらくなります。仕事中に関係のないことを考えたり、始業直後から退社時間が気になったりすることはないでしょうか。

集中していない状態で仕事をしてもミスをしやすく、注意されてさらにやる気がなくなるという悪循環に陥る可能性があります。

いまひとつ仕事に身が入らないと感じたら、それは疲れているサインかもしれません。

疲れているのに眠れない

仕事で大きなストレスを受けている場合や、緊張感が抜けていない場合は、疲れているのに寝つけないということが起こります。仮に眠れたとしても、眠りが浅かったり、うとうとしているだけだったりと、睡眠の質が悪くなります。

ときどき眠れなくなることは、誰にでもあることです。しかし、睡眠の不調が何週間も続くのであれば、体に異変が起きていると考えられます。

逆に寝ても寝ても疲れが取れないというのも、疲れがたまっているサインです。

原因不明の体調不良が続いている

慢性的な頭痛があったり、風邪をひきやすくなったりしていないでしょうか。また胃腸の調子が悪い、なんとなく倦怠感があるなど原因不明の体調不良が続く場合は、疲れがたまっている可能性があります。

これは、自分では疲れていないと思っている人にも当てはまります。また病院にかかっても、原因が分からずじまいになるケースもあるようです。

この場合、すでに体調に不調をきたしているため、放っておくのは危険でしょう。より深刻な病気に罹ってしまう前に、早急に何かしらの対策を打つ必要があります。何よりも、疲れがたまっていると自覚することが大切です。

仕事に疲れたと感じるときの対処法

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疲れがたまっている場合は、疲れを取り除く必要があります。疲れを取るためのアイデアを4つ紹介するので、1つずつ試してみてはいかがでしょうか。

身体を動かしてリフレッシュする

運動不足気味の人は、思い切って体を動かしてみましょう。体を動かすことは、身体的な健康を取り戻せるだけでなく、精神面にも効果が期待できます。

スポーツに集中することで、一時的にでも仕事のことを忘れられます。スポーツといっても激しいことをする必要はなく、ジョギングやヨガなど無理のない範囲でできるもので問題ありません。

毎日運動をする必要はありませんが、できるかぎり継続的に行うのが望ましいでしょう。体もほぐれて、悩み事からも解放されるので、普段体を動かす機会が少ない人におすすめです。

有給休暇などで仕事から離れる

体調がすぐれない場合は、有給休暇などでまとまった休みを取り、仕事から距離を置いてみましょう。週末の休みだけでは疲れが十分に取れない可能性があります。

疲れを放置すると、より深刻な体調不良を起こしたり、仕事で致命的なミスを起こしてしまうことも考えられます。週末だけで疲れが取れない場合は、しばらく体を休ませることで、また仕事への英気を養うことができるでしょう。

ただし有給休暇を取得するときは事前に申請をし、休暇中の業務の引き継ぎをお願いすることが大切です。業務を滞らせてしまうなど、職場の人に迷惑をかけることでストレスをためてしまったら本末転倒です。

専門家や周りに相談する

周りの人に、普段の悩みや愚痴を打ち明けるだけでも、気分は軽くなります。また第三者の客観的な意見を聞くことで、悩みが解決に向かうかもしれません。

普段抱えている悩みやストレスを、自分1人でため込んでいるなら、ぜひ信頼できる周りの人にさらけ出してみましょう。1人で考えていても、答えが見えないどころか、より泥沼にはまってしまうかもしれません。

しかし、体調不良などすでに心身に影響が出ている場合は、医師や専門家に相談することをおすすめします。適切な対策を打たないと、状況がさらに悪化する可能性があります。

転職を視野に入れる

疲れを取るための方法をいろいろと実践してみたものの、快方に向かう様子が見られない場合、転職を視野に入れた方がよいかもしれません。仕事に行くことを考えると憂鬱な気分になるなど、職場自体にトラウマがある場合は、職場を変えることが解決策になり得ます。

しかし、勢いに任せて転職することはおすすめできません。よく考えずに転職をすると、転職先でもまた同じ問題を抱える可能性があるためです。

疲れの原因は本当に職場にあるのか、職場を変えれば疲れの原因を取り除けるのかを、慎重に検討する必要があります。ただしすでに心身に不調をきたしている場合は、すぐに退職をした方がよいケースもあります。

仕事の疲れをとる休暇の過ごし方

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休暇の過ごし方によって、疲れをうまく取れる人もいれば、そうでない人もいます。仕事の疲れを取るのにおすすめの休暇の過ごし方を解説するので、疲れが取れず悩んでいる人は、ぜひ実践してみましょう。

やりたいことを無理なくやってみる

疲れを上手に取るには、心と体の両方の疲れをバランスよく取る必要があります。休みの日には、基本的には好きなことをして過ごすことがリラックスにつながります。

精神的な疲れを取るために、運動やカラオケなどでストレス発散をする人も多いでしょう。このようなアクティブな方法では、確かに心は軽くなるかもしれませんが、体に疲労がたまってしまう可能性もあります。

疲れをうまく取るには、体に負荷をかけすぎない程度に、やりたいことをやるのがおすすめです。

寝だめや休み中ごろごろするのはNG

平日の寝不足を週末で取り戻そうと、寝だめをする人もいるのではないでしょうか。しかし寝すぎることで、逆に体調を崩すこともあるのでおすすめできません。

週末に寝すぎると、そこで生活リズムが崩れてしまい、より一層疲労感が生まれてしまいます。平日と休日の起床時間の差は、長くても2時間以内に収めるのが理想です。

また一日中ゴロゴロするのも、逆効果になる可能性があります。体をまったく動かさないと適度な疲労もたまらないため、睡眠に支障をきたしてしまいます。休みの日でもある程度体を動かして、あえて疲れさせることで熟睡できるでしょう。

仕事に疲れて転職先を選ぶときのポイント

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自分の力では仕事の疲れから解放されない場合、転職を考える人も多いでしょう。しかし転職活動を慎重に行わないと、問題の解決に至らない可能性があります。転職先を選ぶときのポイントを3つ解説するので、しっかりと押さえておきましょう。

身体への負担が少ない会社を選ぶ

常態化した長時間勤務により疲弊している場合、転職先は体への負荷が少ないところを選ぶ必要があります。労働時間が疲れの原因の場合は、転職先の残業時間や休日出勤の有無は要チェックです。

フレックス制や裁量労働制を取り入れている会社なら、出社時間をコントロールしやすく、身体への負荷もある程度抑えることができるでしょう。

しかし勤務時間は短くても、仕事そのものが重労働の可能性もあります。勤務時間だけでなく、仕事内容も合わせてチェックしておきたいところです。

職場の環境や雰囲気をチェック

人間関係によって大きなストレスを抱えていた場合は、職場の環境や雰囲気をよく吟味した方がよいでしょう。もっとも、職場の人間関係は入社してからでないと分かりませんが、入社前に分かる情報でもある程度傾向をつかむことはできます。

年齢層に偏りがなく、社員の勤続年数が長い会社は、比較的人間関係がスムーズになりやすいと考えられそうです。年齢層に偏りがあると、価値観も偏ってしまっている可能性があります。特に自分の年齢と平均年齢に乖離がある場合、価値観の違いからギスギスしてしまうかもしれません。

そのため、どの年齢層の社員も満遍なく在籍している会社で、なおかつ社員が長く働いているところなら、人間関係が良好であることが期待できます。

通勤時間も意識する

条件のよい転職先が見つかったとしても、通勤時間が長くなりすぎる場合はいったん保留することをおすすめします。通勤時も疲労やストレスをためる原因になるためです。

毎朝ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に乗るだけで、体力は削られてしまうものです。また通勤時間が長いと、その分朝早く起きる必要があり、睡眠時間を十分に確保できない原因にもなります。

そのほかの条件は申し分なく、通勤時間だけがネックになっている場合は、引っ越しをするのも1つの手です。また昨今ではテレワークを推進している会社も多いので、転職先を探す際の条件に入れてもよいでしょう。

疲れを癒すには正確な原因の把握も重要

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人によって疲れの原因はさまざまです。仕事での疲れが取れない場合、まずはその原因を探ることが大切です。人間関係でストレスがたまっている、長時間労働で心身ともに疲弊している、あるいは仕事をやる意味を見いだせなくなってしまっているかもしれません。

週末の休みだけでは疲れが取れない場合は、思い切ってまとまった休みを取るのもよいでしょう。しかし休日を過ごすときは、寝だめや一日中ゴロゴロすることは避けるべきです。

転職を検討している場合は、同じことが起こらないよう、自分が抱えている悩みを解決できる職場を探すことが大切です。

大美賀直子
【監修者】All About 公認心理師・産業カウンセラー / ストレスガイド大美賀直子

メンタルケア・コンサルタント。公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラーの資格を持ち、カウンセラー、作家、セミナー講師として活動する。現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法を解説。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。
All Aboutプロフィールページ

著書:
どうして会社に行くのが嫌なのか なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか? 大人になっても思春期な女子たち