風邪をひいたら会社を何日休む?急に休む場合に必要な配慮も確認

風邪をひいたとき、会社を何日休むのが一般的なのでしょうか?目安となる日数や、会社を休む基準をチェックしましょう。また、体調が悪いとはいえ、同じ職場のメンバーに対する配慮は必要です。トラブルを避けられるよう、具体的な注意点も紹介します。

風邪をひいたら何日休むべき?

体調の悪い男性

(出典) pixta.jp

風邪で会社を休む場合、何日休めばよいのでしょうか?無理に出社すると体調が悪化する恐れや、同じ職場のメンバーに感染が広がることも考えられます。

まずは、風邪で休む日数の目安や、法律で休むよう決められている疾病について見ていきましょう。

症状がなくなってから3日程度が目安

「風邪くらいで休めない」と、体調の悪さを感じながらも出社するケースもあるかもしれません。特に期限が迫っている仕事を抱えているときや、日程をずらせないアポイントメントがあるときには、「絶対に休めない」と無理に出社することもあるでしょう。

しかし、熱・咳など風邪の症状があるときに出社すると、仕事の効率が悪くなりやすいだけでなく、体調をさらに崩して回復までの期間が長引くことも考えられます。

また、周囲に風邪をうつしてしまうこともあるかもしれません。風邪で具合が悪いときには、無理せず休むのが得策です。

職場復帰の目安としては、発症してから5~8日経過していることや、薬を使わずに症状が出なくなってから3日程度経過していることが挙げられます。

法律で休むよう決まっている疾病

体調不良が単なる風邪ではない場合、法律で休まなければならないケースもある点に注意が必要です。

例えば、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の第6条では、感染症が細かく分類されています。

指定の感染症にかかった場合、厚生労働省令の定める期間内は、省令で定める業務へ従事できない決まりです(第18条2項)。

また「労働安全衛生規則」でも、伝染性の疾病や働くことで悪化する恐れのある疾病、厚生労働大臣の定める疾病の場合には、仕事を休むよう定められています。

出典:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第6条 | e-Gov法令検索

出典:労働安全衛生規則 第3節 第61条 | e-Gov法令検索

会社を休む基準をチェック

発熱

(出典) pixta.jp

風邪であっても「鼻水が少し出る」「喉が少し痛む」という程度であれば、仕事に支障がない場合もあります。

具体的にどの程度の症状が出たら、会社を休むべきなのでしょうか?判断しやすくなるよう、会社を休む基準を紹介します。

37.5度以上の発熱

会社を休む基準として分かりやすいのは、37.5度以上の発熱です。37.5度を超えていると、医師は何らかの病気を疑います。体温を測って37.5度以上あるときには、会社を休んだ方がよいでしょう。

体温が38度を超える高熱の場合には、風邪以外の疾病の疑いがあります。会社を休むだけでなく、併せて医療機関を受診すると安心です。

咳が続いているとき

咳が出ているときは、周りへ風邪が感染する危険性があります。職場で風邪が広がらないよう、休んだ方がよいでしょう。

長い期間ずっと咳が続く場合には、風邪以外の疾病が潜んでいることも考えられます。風邪をきっかけに、気管支や肺に細菌・ウイルスの影響が及んでいる可能性もあるため、「咳くらい大丈夫」と軽く考えず、医療機関を受診するのがおすすめです。

風邪で休むときは連絡が必須

体調不良の連絡

(出典) pixta.jp

仕事の効率が落ちやすいことや、周りへ感染が広がる恐れがあることから、風邪をひいたら休むのが適切です。

ただし、無断で休んではいけません。適切な方法で連絡できるよう、連絡をするときに役立つ例文を紹介します。

会社のルールに従って連絡する

風邪で休むときの連絡は、会社で設けられているルールにのっとって行います。電話・メール・チャットツールのどれを使うのか、また誰に宛てて連絡すればよいのかなどが、決まっているはずです。

発症したのが終業後や休日で、指定の方法で連絡が取れない場合には、上司・同僚など直接連絡できる人へ相談します。前日から体調が悪いときには、休むかどうかを早めに判断し連絡するとスムーズです。

電話での連絡の仕方

電話で連絡するときには、始業の10~15分前を目安に、直属の上司宛てにかけましょう。以下の例文のように、現在の体調を報告し、休んでもよいか確認します。このとき、通院の予定や翌日以降の対応についても相談しておくと安心です。

おはようございます。昨日の就寝前ごろから熱が出始め、本日は出勤が難しい状況です。申し訳ありませんが、お休みをいただいてもよろしいでしょうか?

本日通院し、明日には出勤できる予定でおります。ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

引き継ぎが必要な業務についても、このタイミングで相談しましょう。引き継ぎの量が多いときや注意点があるときには、抜け漏れなく伝えられるようメールで送るのもよい方法です。

メールでの連絡の仕方

メールで連絡をする場合にも、伝える内容は基本的に電話と同じです。現在の体調・休んでもよいかの確認・通院の予定・明日以降の対応・業務の引き継ぎなどについて、記載します。

ポイントは、件名のみで用件が分かるようにすることです。以下の例文を参考に、メールを作成しましょう。

(件名)風邪による欠勤のご連絡:〇〇課〇〇

〇〇課長 おはようございます。〇〇です。

昨日の就寝前より熱が出始め、本日は出勤できない状況です。申し訳ありませんが、本日はお休みをいただいてもよろしいでしょうか。本日中に病院で診てもらいます。

本日締め切りの業務はありませんので、明日以降順次対応いたします。

大変申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

風邪で休む場合の注意点

体調を崩している女性

(出典) pixta.jp

風邪で休むときには、周りへの配慮を忘れないことが重要です。トラブルを避けられるよう、具体的な注意点を押さえておきましょう。

忘れずに引き継ぎをする

仕事の中には、どうしても日程をずらせないものもあります。自分が休んでも、締め切りやアポイントメントの日程を変更できない場合には、業務の引き継ぎが必要です。

引き継ぎが簡単に終わる内容であれば、電話でさっと伝えるだけでも問題ありません。しかし、引き継ぐ業務が複雑な場合や、複数あり口頭で伝えるには時間がかかる場合などは、メール・FAXのような見返せる形態で伝えると分かりやすくなります。

トラブルを避けるためにも、誤解を招かない表現で正しく内容を伝えることがポイントです。

連絡に対応できるようにする

休んでいるときに、急ぎの連絡が入ることもあります。引き継ぎの内容や、顧客からの問い合わせに対する質問などです。

早いタイミングで対応できるよう、スマホは枕元に置いておくとよいでしょう。小まめにメールのチェックをしておくと、見逃さずに済みます。

欠勤の連絡メールに対する返信は、できる範囲ですれば問題ありません。体調が落ち着いたタイミングで返信しましょう。

病院で診察を受ける

発熱しても、すぐに熱が下がり快方へ向かうなら風邪の可能性が高いため、すぐに出勤できるようになることも少なくありません。しかし、単なる風邪ではなく他の疾病の場合には、1日休んだだけでは体調が回復しないこともあります。

早い段階で回復しないようであれば、医療機関で診察を受けると安心です。会社によっては、2日以上連続で休むときに、診断書の提出が必要な場合もあります。

あらかじめ勤務先のルールを調べておき、医療機関へかかるタイミングで、必要に応じて診断書の発行依頼も行いましょう。

出勤したときにはお礼のあいさつをする

風邪が治って出勤したら、上司・同僚へあいさつをしましょう。休んでいる間の感謝やおわびを伝えることで、円滑に仕事を進めやすくなります。

休んだ分を挽回できるよう頑張る旨も、伝えるのがおすすめです。風邪で体調を崩して休んだ場合、おわびの品は要りません。

休み中に代わってもらった分、職場のメンバーが体調を崩したときには、積極的にカバーすることも大切です。

仮病は使わない

仮病を使うと、ばれたときに信頼を失います。風邪をひいていないのに、「風邪で熱がある」とうそをつくのはやめましょう。

中には、社員が仮病を使っているのではないかとSNSをチェックしたり、親しい人物に休んでいるときの動向調査を依頼したりしている会社もあります。

仮病ではなくても、疑われる可能性があるため、休み中のSNSでの発信や不要な外出などは控えるのが賢明です。

風邪をひいたときの休みの扱いは?

有給休暇

(出典) pixta.jp

風邪をひいて休むと、その休みはどのように扱われるのでしょうか?2つのよくあるケースについて紹介します。

有給休暇に振り替えるケース

体調が悪く休んだ日を、有給休暇に振り替えるというのはよくあるケースです。有給休暇の取得は労働者の権利のため、風邪をひいたときにも使えます。

ただし、有給休暇の取得は原則として事前申請です。会社によっては、風邪で休んだ日を有給休暇に振り替えられないかもしれません。

病気で休んだ後に有給休暇に振り替えるという処理を慣行的に行ってきた会社や、就業規則に「急病の場合は有給休暇の事後申請を認める」と明記している会社であれば、風邪で休んでも有給休暇を使えます。

療養のための休暇制度があるケース

会社によっては有給休暇とは別に、急病のときに使える独自の休暇制度を定めているケースもあります。風邪で休むときに、療養のための休暇制度を使えれば、十分な休みを確保できます。

勤務先に休暇制度があれば、有給休暇を使い切っていても、体調が回復するまでゆっくり休めるでしょう。利用できる休暇制度の有無を、事前に確認しておくと安心です。

風邪をひいたら周りへ配慮しつつ療養しよう

眠っている男性

(出典) pixta.jp

風邪をひいたときに休む日数は、薬なしで症状が出なくなってから3日間程度が目安です。休むときには、電話・メールなど定められている方法で、体調が悪く休む旨を連絡します。

業務の引き継ぎや急ぎの連絡への対応など、職場のメンバーへの配慮も必要です。風邪が治り出勤したときには、感謝やおわびのあいさつもしましょう。

症状が出ているときに無理して出勤すると、体調の悪化や職場での感染拡大を引き起こしかねません。周りへ配慮しつつ、早く復帰できるよう療養することが大切です。