ダンサーは資格や免許が必要な職業ではありませんが、その分実績や経験がそのままキャリアになる職業です。ダンサーになるためには学校に通う他、プロダクションや事務所に所属する、コンテストに出て知名度を高めるなどの方法があります。まずは、ダンサーになる手段や方法を知り、どの分野で、どのようなダンサーを目指すのかを明確にしましょう。
この記事のポイント
- ダンサーになるには、さまざまな方法がある
- ダンサーになるには学校に通う、事務所に所属する、オーディションに合格する方法がある
- ダンサーと会社員を兼業している人も存在する
- ダンサーの収入や働き方は安定しているとはいい難いため、会社員と兼業する人もいる
- ダンスのスキル以外にも求められる資質がある
- 必要な資質は熱意、協調性、自己管理能力が必須
ダンサーになるには?
ダンサーになるために、特別な資格・免許は必要ありません。極端にいえば、自分で「ダンサーだ」と名乗れば、その日からダンサーになることは可能です。
しかしプロのダンサーとして本格的に活動するためには、コンテストでの受賞や、芸能事務所・プロダクションへの所属が重要になります。まずは、プロのダンサーを目指すための具体的な方法について見ていきましょう。
ダンススクールに通う
ダンサーになるにはダンススクールに通うのが一般的です。自宅や職場・学校から通いやすい場所を選ぶのも1つの手ですが、評判が良く、自分に合ったスクールを選べば、スキルの向上が見込めます。
ダンススクールでは、ダンスの基礎を学んだ後、徐々にステップやアイソレーションなどの細かいテクニックを学びます。
多くのスクールは初級・上級とレベル別にクラスが分かれており、自分に合ったペースで学習が可能です。また、現役のダンサーが講師を務めることが多く、プロに直接質問できる環境が整っているのも利点です。
さらに、定期的にイベントや発表会を開催しているスクールもあり、仲間と交流を深めたり、学校関係者とつながりを持てたりするメリットもあります。
ダンスを学べる学校に進学する
ダンスは民間のダンススクールだけでなく、高校や大学でも学べる場合があります。例えば「ダンス科」や、それに類する学部がある学校の場合は、授業として専門的に学ぶことが可能です。
ただし、学校によってはバレエやミュージカルなど特定のジャンルに特化している場合があるため、事前にカリキュラムをよく確認する必要があります。
学校でダンスを学べれば、放課後にスクールに通う時間が取れない人でも無理なくスキルアップが可能です。学費はかかりますが、長い目で見れば時間と費用の節約につながるでしょう。もちろん、学校とスクールの両方で学べば、より早く上達できます。
小学生や中学生の時点で「ダンサーになりたい」と決めているならば、ダンス科のある学校への進学は、夢を実現する近道になるかもしれません。
芸能事務所やプロダクションに所属する
芸能事務所やプロダクションに所属すると、ダンスの仕事を紹介してもらえる可能性が高まります。また業界関係者とコネクションを築けた際には、一般公募されないオーディションや仕事の話が舞い込むこともあります。
事務所に所属するアーティストのバックダンサーとして活動できるチャンスもあり、大きなステージに立つ経験を積めるかもしれません。
ただし、芸能事務所やプロダクションに入るには、厳しいオーディションを突破する必要があります。所属を目指すなら、しっかりと実力をつけておくことが大切です。
「まだ自信がない」と感じる人は、スクールや学校で学びながらスキルアップを目指しましょう。
オーディションやコンテストに応募する
事務所に所属しなくても、オーディションやコンテストで実績を積み、自分の名前を広めることで仕事につながる場合があります。特にコンテストでの受賞歴があると、業界の関係者から注目され、声がかかる機会も増えるでしょう。
実際にアルバイトをしながらコンテストに挑戦し、少しずつ知名度を上げて仕事を得るダンサーも少なくありません。地道な努力が必要ですが、確実に実力をアピールできる手段の1つです。
ダンサーの仕事の主な種類
「ダンサー」といっても、活躍の場や求められるスキルはさまざまです。ステージダンサーやバックダンサー、テーマパークのダンサー、振付師やダンスインストラクターなどがダンサーの種類として挙げられます。
ダンサーになるには、最初に自分の理想とするダンサー像を決定することが大切です。ここで、それぞれのダンサーについて深掘りしていきましょう。
ステージダンサー
「ダンサー」と聞いて多くの人がイメージするのは、ステージ上で活躍するステージダンサーではないでしょうか。その名の通り、ライブやコンサートなどのステージ上でパフォーマンスをするのがステージダンサーです。
ステージダンサーはアーティストのミュージックビデオ・映画に出演する場合も少なくありません。そしてダンスのジャンルも多岐にわたり、ロック・ジャズはもちろん、バレエ・日本舞踊などの伝統的なジャンルでも活躍できる可能性があります。
なお、バックダンサーとの大きな違いは、ステージダンサー自身がメインとしてパフォーマンスをする点にあります。
バックダンサー
バックダンサーは、アーティスト・メインのダンサーを引き立てる役割を担うポジションです。自身が主役となる機会は少ないですが、楽曲や演出の魅力を最大限に引き出す重要なポジションでもあります。
バックダンサーはチームで踊ることが多く、振り付けをそろえるために、他のダンサーと息を合わせる必要があります。そのため、ダンススキルだけでなく、周囲とコミュニケーションを図る力も求められるでしょう。
ステージの成功に向けて関係者と協力し、一体感のあるパフォーマンスを作り上げることが、バックダンサーの大きなやりがいです。
テーマパークのダンサー
テーマパークや遊園地では、パレードやショーが開催されることが多く、ダンサーは欠かせない存在です。テーマパークダンサーは、ダンスの技術に加えて、キャラクターを演じる表現力・演技力も求められるのが特徴です。
また、ショーやパレードは多くのスタッフと連携して作り上げるため、コミュニケーション能力も重要になります。
テーマパークのダンサーは、観客に夢・感動を届ける仕事です。観客に楽しんでもらうためには、テーマパークのイメージを理解した上で体現し、高いクオリティのパフォーマンスを提供できる理解力と表現力を身につけることが大切です。
振付師
ダンサーに振り付けを考え、指導するのが振付師の仕事です。振付師自身もダンサーでありますが、踊るだけでなく、ダンスの構成を考える力が求められます。
また、振付師とはいえ単に振りを考えるだけではありません。アーティストの世界観や映像作品の雰囲気をくみ取り、魅力を最大限に引き出す振り付けを創造する力も重要です。また、自分の考えたダンスを相手に伝え、指導する能力も不可欠です。
ダンスインストラクター
ダンスインストラクターは、講師としてダンスを指導し、次世代のダンサーを育てる仕事です。生徒にダンスを教えるということで、指導力やコミュニケーション能力も必須です。
また、さまざまなジャンルのダンス技術だけでなく、体の仕組みやメンタルトレーニングなどの専門知識を身につけることも大切です。そのため、体育会系の大学や専門学校などを卒業した人も多くいるでしょう。
ダンサーの収入で生計を立てていける?
ダンサーの仕事は安定しているとはいい切れないため、ダンサーだけで生活できるのか不安に思う人も多いかもしれません。
ここからは、ダンサーとして収入を得ている人の平均年収を紹介します。厳しい職種ではありますが、努力や経験で収入は変わってきます。
ダンサー収入の目安
ダンサーといっても、活動内容によって収入は大きく異なります。スタンバイに掲載された2025年2月1日~2月28日のダンサー求人の統計を見てみましょう。
正社員で働いているダンサーの平均年収は383万円、年収の中央値は379万円でした。また、アルバイトやパートの場合、平均時給が1,690円、時給中央値が1,441円です。
ダンサーは会社員と違い、仕事の受け方次第で収入が大きく変わる職業です。スキルや知名度、実績があれば年収1,000万円を超えることも可能ですが、仕事がなければ、ほぼ無収入になるリスクもあります。
ダンサーとして生計を立てるには、夢を持ち続けながらコツコツとキャリアを積み、スキルアップを続けることが大切です。
会社員として働きながらダンスを続ける道もある
ダンサーは収入が安定しにくいため、特に活動を始めたての時期は生活が厳しくなる可能性があります。
事務所に所属したり、テーマパークに勤めたりすることで安定した収入を得られる場合もありますが、それがかなわない場合はダンサーだけで生活するのは難しいかもしれません。さらに、イベントへの遠征費など、活動にかかる費用を自費で負担することもあります。
これらの負担をカバーするために、会社員として働きながらダンサーを続ける人も存在します。
ダンサーの仕事を優先したい場合は、フルタイム勤務ではなく、週3日・短時間勤務など柔軟な働き方を選ぶのも1つの方法です。安定した収入を確保しながらダンスを続けることで、長く活動を続けやすくなるでしょう。
ダンサーとして働く上で必要な3つの資質
ダンサーとして成功するには、さまざまな能力が求められます。ダンスのスキルはもちろん、「熱意」「協調性」「自己管理能力」といった資質も重要です。ここからは、これらの資質について詳しく見ていきましょう。
将来ダンサーとして活躍したい方は、ダンスの技術だけでなくこれらの資質もしっかり磨いていくと、ダンサーへの道もスムーズになるかもしれません。
ダンスを続ける熱意がある
どのような状況においても、ダンスを続ける強い熱意が必要です。活動をしていれば、挫折・スランプに陥ることもあるでしょう。それでも「ダンスが好き」という気持ちを持ち続けることが大切です。
また、熱意のあるダンサーの踊りは、観客の心を引きつけます。また、情熱を持ち続けることで、新しいジャンルに挑戦する意欲も湧き、成長し続けられます。まずは、自分がどれだけダンスに熱意を持っているのか、自問してみるのもよいでしょう。
チームとしての協調性がある
「メインダンサーだから個性だけあれば良い」と考える人もいるかもしれません。しかし、メインで踊る立場でも、他のダンサーの支えがあってこそ輝けるものです。
またバックダンサーやテーマパークダンサーとして活動する場合は、なおさらチームワークが重要になります。メインダンサーを引き立てたり、テーマパークの世界観を表現したりするためには、周囲と息を合わせて踊ることが不可欠です。
自分だけが目立とうとせず、全体のバランスを取ることが、ダンサーに必要な協調性といえます。
自己管理能力が高い
ダンサーにとって、体は資本です。ときには激しいステージを何度もこなさなければならず、過酷な環境に耐えられる体力が求められます。そのため、日ごろからしっかりと自己管理をすることが求められます。
まず、十分な睡眠を確保し、体をしっかり休めることが大切です。睡眠は体調を整えるだけでなく、メンタルの安定にもつながります。また、バランスの取れた食事を意識することで、免疫力を高め、病気になりにくい体を作れます。
さらに、感染症対策として衛生管理を徹底し、健康を維持することも重要です。適度に太陽の光を浴びながら散歩するのも、体調管理に役立ちます。
ダンサーとして長く活躍するために、自分の体を大切にすることを常に意識しましょう。
夢のダンサーへの一歩を踏み出そう
ダンサーとして活躍するには、ダンスの技術とともに熱意・協調性・自己管理能力も必要です。そしてダンサーを目指す場合は、どのジャンルのダンスが好きか、どのスタイルが自分に合っているかを考えてみましょう。
次に、そのジャンルのダンスを本格的に学べる環境を探すことが大切です。専門学校に通う・レッスンを受ける・オーディションに挑戦するなど、自分に合った方法で将来のための一歩を踏み出しましょう。
国内最大級の仕事・求人情報一括検索サイト「スタンバイ」ではダンサーの仕事を多数掲載しています。「ダンサーとしての仕事を探したい」という人は、ぜひ一度チェックしてみましょう。