失業保険でゆっくりしたいときは?条件や転職活動の進め方を紹介

退職後、失業保険をもらってゆっくりしたいときは、どうすればよいのでしょうか?ゆっくり転職活動を進める方法と、失業保険の給付条件を紹介します。ゆっくり転職活動を進める際の注意点や、失業保険をもらわずに休む方法も確認しましょう。

失業保険をもらってゆっくり転職活動できる?

失業保険

(出典) pixta.jp

退職後、失業保険を受け取りながらゆっくり転職活動はできるのでしょうか?失業保険の概要と併せて解説します。

失業保険給付の条件を満たせば可能

失業保険を受け取りながら、転職活動をゆっくり進めても問題はありません。じっくり考えて希望する仕事を探せば、納得のいく転職ができるでしょう。

給付の条件を満たしていれば、失業保険を受け取れます。原則、離職日の翌日から1年間は受給の申請が可能です。60歳以上の定年で離職した場合は、休養を挟んで申請期間の延長ができますが、一般的には1年間が上限です。

基本手当の所定給付日数は、退職理由や年齢、勤続年数によって変わります。いつまで受給できるのか、該当する給付日数を確認しておきましょう。

条件を満たしている間は、次の仕事が決まるまで失業保険を受けられます。

出典:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省

出典:ハローワークインターネットサービス-基本手当の所定給付日数

失業保険の給付条件

お札と電卓

(出典) pixta.jp

失業保険を受け取るには、条件があります。自分が条件を満たしているか確認した上で、申請をするか決めましょう。基本的な条件を解説します。

出典:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省

雇用保険加入と期間の条件を満たしている

勤務先で雇用保険に加入し、離職前2年間に被保険者期間が12カ月以上あることが、失業保険の給付条件です。

倒産・解雇などやむを得ない事情による離職は、離職前1年間に通算6カ月以上加入していれば失業保険が受け取れます。

また、失業状態と認められない場合は給付の対象外です。妊娠・出産・病気・けがなど、事情がある場合はそれぞれの状況に応じた保険・給付金を受け取りましょう。

休養を目的とした離職や、辞めた仕事以外に収入源がある場合も、失業状態とは認められません。

働く意志があり求職活動をしている

失業保険を受給するには、本人に働く意志があり求職活動をしていることが条件です。退職後、ハローワークで求職申し込みをしましょう。

併せて、失業保険受給の手続きも必要です。給付の条件を満たしていると判断されれば、手当が受け取れます。

引き続き受給するには、4週間に1回ハローワークに出向き、失業認定を受けましょう。失業認定には1カ月に2回、求職活動の実績が求められます。なお、初回に限り、求められる実績は1回です(2〜3カ月の給付制限がかかる自己都合退職者以外)。

求職活動の実績には、求人応募やセミナー参加、職業相談などが含まれます。求人情報の閲覧や応募の検討だけでは実績にならないため、注意しましょう。

出典:ハローワークインターネットサービス-雇用保険の具体的な手続き

転職活動をゆっくり進める方法

セミナーの様子

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時間をかけて転職活動を進めたいと考えている場合は、面接に応募する前に準備を始めましょう。求職活動の実績になる上、転職活動にも役立つ行動を紹介します。

セミナーや職業相談に参加する

ゆっくり転職活動を進めるのであれば、まずは転職活動の心構えやポイントを確認しておきましょう。

セミナーでは、転職活動に必要な知識・情報を身に付けられます。気になるセミナーが、求職活動実績の対象となっているかを確認し、参加証明が必要であればもらっておきましょう。

オンラインセミナーも開催されており、自宅でもさまざまな知識を身に付けられます。ハローワークが開催するセミナーに参加するのもよいでしょう。

また、ハローワークの職業相談も、求職活動の実績になります。面接の練習や履歴書の添削を受けておけば、転職活動もしやすくなるはずです。

職業訓練を受ける

専門的なスキルを持っていない場合や、これまでの経歴に不安があるときは、職業訓練を受けられる可能性があります。

職業訓練中は、失業保険の受給が可能です。訓練期間が長い場合は、給付の延長もできます。

学ぶことに抵抗がなく、新しいスキルを身に付けたいのであれば、職業訓練を検討しましょう。さまざまな訓練内容があり、適性のある仕事に就きやすくなります。

妥協せずに応募先を選ぶ

じっくり仕事探しをするのであれば、妥協せずに応募先を選びましょう。求職活動の実績は、セミナー参加や職業相談でもカウントされるため、理想的な企業だけを厳選して応募していても失業保険は受給できます。

生活資金に余裕があるなら、ゆっくり転職活動をしても大きな問題はありません。妥協せずに仕事探しができれば、理想の職場で働ける可能性が高くなり、転職が成功しやすくなります。

まずは自分が何を求めているのか、譲れない条件をピックアップしてみましょう。

ゆっくり転職活動したいときの注意点

男性の後姿

(出典) pixta.jp

失業保険を受給するとはいえ、ゆっくり転職活動を進めるとデメリットもあります。本当に時間をかけて転職活動をした方がよいのか、見極めるためにも注意点を把握しておきましょう。

生活費の心配がある

失業保険の基本手当は、働いているときの50~80%程度の金額です。退職前に支給されていた給与の金額や、年齢によって割合は変わります。

もらえる金額を単純計算するだけでなく、退職後に支払わなければならない保険料・税金があるかも、確認しておきましょう。

任意継続で社会保険に加入するケースや、国民健康保険に加入し直す場合、保険料を払わなければなりません。前年度の収入によっては、住民税もかかるでしょう。

減免や親族の扶養対象となりお金がかからないケースもありますが、事前に計算をしておかなければ、生活費が足りるのか判断できません。退職前に貯蓄をしておき、ゆとりを持つよう心掛けましょう。

履歴書の職歴に空白期間ができる

失業保険をもらってゆっくり転職活動をしていると、職歴に空白期間ができます。履歴書には、いつまで前職で働いていたか、職歴を書かなければなりません。退職から面接の応募まで時間が空いていると、不安視される可能性もあります。

応募者側はゆっくり転職活動をしているだけのつもりでも、企業が分かってくれるとは限りません。「何らかの問題があって、仕事が決まらないのではないか」と誤解されてしまうと、マイナスのイメージを与えてしまいます。

職業訓練や資格取得、留学など、納得できる理由があれば説明をおすすめします。失業期間が長引きすぎないよう、注意も必要です。

失業保険をもらわずゆっくり休む方法

ソファでスマホを操作する男性

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失業保険をもらえれば生活がしやすくなりますが、受給以外の方法でもゆっくり休養できます。特に、退職前に転職先を決めておきたい人や、求職活動をせずに休みたい人は、別の方法を検討しましょう。主な方法を紹介します。

有給休暇を活用する

有給休暇の取得は、労働者の権利です。退職を申し出てからであっても、取得できます。有給休暇は、人によって付与・残日数が異なりますが、最大では40日です。

退職前に転職先を探し、有給休暇を使い切ってから転職するのであれば、生活費の心配もほとんどないでしょう。

有給休暇を使い切るには、現職の引き継ぎをしっかり終わらせなければなりません。円満に退職できるよう、調整も必要です。転職先の入社日も、有給休暇を使い切った後の日程を申し出ましょう。

出典:労働問題Q&A 条文 | 鹿児島労働局

余裕のある日程で転職活動を進める

退職日と入社日の間に休養期間を設けると、ゆっくり休めます。有給休暇や失業保険のようにお金はもらえませんが、休みたいだけであれば問題ないでしょう。

新規開店のオープニングスタッフや、来年度の退職予定者の後任を求めているなど、余裕のある日程で募集をかけている求人もあります。求人をチェックするときは、入社予定日を確認した上で応募を検討しましょう。

転職先を決めてから退職する場合、失業保険の対象にはなりません。求職活動をせず、ゆっくり休んでから仕事探しを開始したい場合も、生活費の心配がないよう退職前に準備しておきましょう。

失業保険でゆっくりしたいなら支給条件をチェック

パソコンを操作する男性

(出典) pixta.jp

 

失業保険をもらってゆっくり転職活動したいときは、条件を確認した上で求職活動を始めましょう。最初にセミナー参加や職業相談をすれば、転職活動が進めやすくなります。妥協せず転職先を探すのもよいでしょう。

まずは、自分の理想となる企業を探すため、求人サイトで仕事を探すのもおすすめです。「スタンバイ」で求人を探し、応募すると求職活動の実績にもなります。

すぐに求職活動をしたくない場合は、有給休暇の活用や、休んでから求職活動を開始するなど、他の方法も検討しましょう。

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