人柄採用で見られているポイントは?書類選考や面接時の対策を紹介

企業によっては、採用の条件として「人柄採用」と公開しているケースがあります。人柄採用の意味や、人柄を重視する理由を確認しましょう。応募書類の基本的な書き方や、面接でのポイントも紹介します。落ちてしまう原因も見ていきましょう。

人柄採用とは?

書類をチェックする人事

(出典) pixta.jp

求人情報に人柄採用と書かれている場合、どのような採用方法を指すのでしょうか?概要と意味を解説します。

スキル・経験より人柄を重視

人柄採用は、「人柄」を重視する採用方法です。人柄といっても、面接官が応募者のプライベートな様子を知る方法はありません。あくまでも、応募書類に書かれていることや、面接で会ったときの印象で判断されます。

コミュニケーション能力や企業との相性、面接での態度が重視されると考えておきましょう。面接での回答がそのまま人柄として判断されるため、魅力的な人材だと思ってもらうためにも、面接前に十分なシミュレーションが必要です。

面接官が実際に見て、良い人材だと思えばスキル・経験が少し足りなくても、採用が決まる可能性があります。

人柄だけで決まるわけではない

人柄採用といっても、人柄以外の要素を軽視するわけではありません。スキル・経験も、重要なファクターです。特に、業務に欠かせない資格やスキルは、採用の方法を問わず重視されます。

人柄採用は、一般的な採用と比べると、人柄を重視しているという意味です。どのような採用方法であっても、人柄をまったく気にしない企業はほとんどありません。

多かれ少なかれ、「面接のときの印象が良かった」「熱意があり好感が持てた」といった理由が、採用の決め手になることはあります。人柄採用と明記されている求人は、その傾向が強いと考えられるでしょう。

企業が人柄採用を行う理由

面接風景

(出典) pixta.jp

企業はなぜ、人柄採用を行うのでしょうか?スキル・経験よりも、人柄を重視する主な理由を解説します。

実際に人柄を重視しているから

人柄は、仕事の結果にも影響を与えます。熱意があり、努力を苦にしない性格であれば、活躍のきっかけになるでしょう。人柄採用を行う企業は、魅力的な人材を確保したいと考え、人物面を重視しています。

たとえ素晴らしいスキルを持っていても、面接官とコミュニケーションが取れず、マナーが守れていない場合、人柄採用の企業では評価が低くなる可能性があります。

すでに働いている社員と気が合い、コミュニケーションが取れる人であれば、早くなじんで能力を発揮できるはずです。特に、人数が少なく周囲とうまくやっていけるかが重要視されやすい中小企業では、性格・相性を重視するケースも多いでしょう。

採用の間口を広げるため

スキル・経験を細かく指定すると、応募者が限定されます。人柄採用の企業は、入社後身に付けられるスキルを必須項目とせず、人柄で判断するところが特徴です。求人情報にも「人柄を重視する」と書かれているため、応募者が増えるでしょう。

多くの人に応募してもらい、採用の間口を広げるのが主な目的です。育成を急いでいない場合や、指導できる社員がそろっているなら、人柄を重視しても大きな問題はありません。

多くの人が応募すると、企業側の選択肢も広がります。応募者が少ないときや、スキルを持っている人の中で適切な人材が見つかりにくい場合は、育成を前提に募集するケースも増えるでしょう。

「人柄採用」応募書類のポイント

履歴書とペン

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人柄採用を明記している求人に応募する場合、履歴書の書き方によって印象が変わります。応募時のポイントと、アピール方法を確認しましょう。

充実した志望動機

志望動機を書く場合、人柄採用だからと特別に意識するポイントはありません。普段と同じように、なぜ応募したのか理由を書きましょう。

志望動機として書くべき内容は、「なぜ応募先を選んだのか」「なぜその職種を選んだのか」といった具体例です。条件や待遇の話題は避け、熱意が伝わるよう心掛けましょう。

もし、スキル・経験が足りないと考えているのであれば、志望動機を充実させると、採用担当者の目に留まる可能性が高くなります。人柄重視の採用だからこそ、「どうしても応募先に入社したい」という気持ちを伝えましょう。

熱意を感じる自己PR

「熱意」の有無は、人柄採用で重視されやすいポイントです。入社前の準備や心構えがしっかりできている人ほど、高く評価されます。

自己PRでは、自分の長所やスキルだけでなく、入社後のビジョンが具体的に書けていると、熱意が伝わるでしょう。

スキルを持っていなくてもやる気があれば、入社後に努力して身に付けられます。現在勉強している資格があれば、触れるのもよいでしょう。

手書きとパソコン作成について

履歴書は、原則手書きとパソコンどちらで作成しても問題ありません。しかし、手書きとパソコンでは、印象が変わります。

使い回しができない手書きの履歴書は、熱意や人柄を伝えやすい傾向です。パソコンがNGというわけではなく、業界や面接官の方針によってもどちらがよいかは変化するでしょう。

人柄を伝えたいと考えているなら、丁寧に手書きした履歴書を提出するのもおすすめです。注意点として、パソコンを使う業務の場合は、パソコン作成の方が評価される可能性があります。

「人柄採用」面接で意識するポイント

面接の様子

(出典) pixta.jp

面接では、面接官に人柄をチェックされます。意識するポイントと、注意点を確認しておきましょう。面接での態度・姿勢が評価されれば、採用にも近づきます。

礼儀正しさ・マナーを守るのは大前提

人柄には、ビジネスマナーが身に付いているかも含まれます。あいさつやお礼が伝えられたり、身だしなみを整えていたりなど、一見性格とは関連のない部分も評価の対象です。

仕事をする以上、取引先や顧客と接する機会もあり、礼儀正しく振る舞えるかは重要視されます。

面接の際は、入退室のお辞儀やあいさつ、お礼の言葉を忘れないようにしましょう。正しい敬語が使えているか、良い姿勢ではきはきと話せているかといった、話し方・態度の面も見られています。

明確なキャリアプランを準備

転職面接では、キャリアプランを質問されるケースが多くなっています。企業側は「社会人経験を持つ人材には、すぐに活躍してもらいたい」という思いも強く、明確なビジョンが求められるでしょう。

特に異業種転職の場合、具体的なプランを提示するには業界・企業研究が欠かせません。同業種であっても、今までのスキル・経験を今後の仕事にどう生かしていくか、具体的なプランを提示できれば強みになります。

面接前に自己分析・企業研究を行い、企業の体質に合うキャリアプランを組み立てましょう。キャリアプランの立て方が分からないときは、自己分析がおすすめです。入社してから、どのように仕事を進めていきたいと考えているのかを、自分に問いかけます。

自己分析シートやインターネット上のツールを活用すると、簡単に自分自身の傾向がつかめるでしょう。

素直さも重要

人柄採用では、少しスキルが足りない状態であっても、育成のしやすさを重視して採用が決まる傾向です。育成しやすいかどうかは、素直さが重要な要素となります。

素直な人は、周りの助言を受け入れ、知識を吸収できます。面接でも、素直な気持ちで回答しましょう。話を盛りすぎず、自然な印象で答えるのがポイントです。うそをつかず、正直に回答しましょう。

ビジネスでは、「前職のやり方に凝り固まっていない」「先輩・上司の意見を柔軟に受け入れる」といった性質が重要視されます。新しい環境に慣れるためにも、これまでの経験にこだわることなく柔軟な対応を心掛けましょう。

人柄採用なのに落ちたときの原因は?

落ち込むスーツの男性

(出典) pixta.jp

人柄を重視する採用なのに落ちてしまうと、自分の性格や対応に問題があったのかと悩んでしまう人もいるでしょう。なぜ落ちてしまうのか、主な原因を紹介します。

最低限のスキルに届いていなかった

人柄採用は、「なるべく人柄を重視」する採用の方法です。必須資格や業務に必要な最低限のスキルが身に付いていない状態では、落ちることもあり得ます。

企業が想定しているスキルがどの程度なのか、把握した上で応募を決めると失敗が少ないでしょう。企業が求めるレベルを判断するに当たって、役立つのが求人情報です。

「必須」「歓迎」「優遇」と書かれているスキルを持っていれば、採用の確率は上がります。反対に、書かれているスキルを持っていない場合は、やや不利になると考えておきましょう。

人柄だけで受かると考えず、企業が求めている人材を総合的に判断して応募を決めるのがポイントです。

企業が求める人材と異なっていた

「人柄」には、明確な判断基準がありません。性格的に魅力があるとしても、企業の求めるイメージと違った場合、落ちることも考えられます。明るくて性格が魅力的な人が、必ず受かるわけではありません。

社風や業務の適性を確認し、自分に合うかを客観的に判断できていれば、ミスマッチによる不採用は避けられるでしょう。

しかし、自分では合うと考えていても、既存社員や面接官との相性もあり、必ず採用されるとは限りません。人柄採用で落ちたとしても、「人柄が良くないと判断された」わけではないため、気持ちを切り替えましょう。

応募者が多すぎたケースも

応募者が多いときは、競争率が高くなり落ちる可能性も上がります。人柄に加えて、スキル・経験を併せ持つ人が応募している場合、優遇されるのは当然です。

スキルが足りないときは、人柄が良くても他の人との比較で不採用となる可能性があります。また、スキルが同程度であれば、より企業が求めるイメージに近い人が有利です。

人気の求人には魅力的な人材が集まり、よりいっそう基準が厳しくなるはずです。あくまでも、比較によって不採用となってしまっただけで、自分の性格や態度が悪かったわけではありません。

転職でも人柄採用の求人に応募してみよう

ネクタイを締める男性

(出典) pixta.jp

スキル・経験に不安があるときや、社会人経験が浅い時期の転職では、人柄採用の企業を検討するのがおすすめです。スキル・経験が浅くても、企業の判断で採用が決まる可能性があります。

「スタンバイ」でも、人柄重視の採用をしている企業を探せます。「人柄採用」のキーワードで検索すれば、簡単に絞り込めるでしょう。

コミュニケーション能力に自信がある人や、しっかりビジネスマナーを身に付けている人であれば、採用のチャンスが増えるはずです。

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