コワーキングスペースとシェアオフィスの違いは?メリットや注意点も

リモートワーク・テレワークの導入が進む中、会社や自宅以外のスペースで働く人も増えています。コワーキングスペースやシェアオフィスも、そのようなワークスペースの1つです。それぞれの違いやメリット、利用する際の注意点について解説します。

コワーキングスペースとシェアオフィスの違いは?

ワーキングスペース

(出典) pixta.jp

コワーキングスペースやシェアオフィスは、自宅以外の場所で仕事をする人から選ばれているワークスペースの代表例です。まずは、それぞれの特徴や向いている人について見ていきましょう。

コワーキングスペースの特徴

コワーキングスペースとは、多種多様な職種の人が、共用するワークスペースのことです。フリーアドレス制を採用しているところがほとんどで、利用者は空いている席やスペースを自由に使って仕事ができます。

ソファ席・テーブル席など、作業するスペースの配置や空間デザインも、施設によってさまざまです。FAXやコピー機など、仕事に必要なインフラが整っているほか、無料で利用できるドリンクコーナーが設置されているところも多くあります。

コワーキングスペースの大きな特徴は、コミュニティーの形成に軸を置いていることです。そのため、他の利用者との交流や情報交換の場としても活用できます。

コワーキングスペースに向いている人

コワーキングスペースは、フリーランスやノマドワーカーなど、働く場所を自由に選べる人に向いています。

自宅で作業しているだけでは得られない情報を、収集できることもあるため、新たなアイデアやビジネスチャンスを求めている人にもおすすめです。

また、起業・独立を目指している人にも向いています。コワーキングスペースを上手に活用することで、初期費用を抑えながら準備を進められるでしょう。

ほかには、リモートワーク・テレワークが許可されている会社員の、ワークスペースとしても適しています。自宅では集中して作業できない人や、営業職であれば、外回り中の移動時間を有効活用したい人などにも有用です。

シェアオフィスの特徴

シェアオフィスとは、複数の企業・団体で共用するワークスペースのことをいいます。一般的なオフィスに必要な環境が整っており、デスク・椅子などの基本的な設備のほか、会議室の利用も可能です。

有人受付や電話対応などのサービスを提供しているところや、法人登記の際の登録住所として利用できる施設も多くあります。

コワーキングスペースとの違いは、人とのつながりよりも、作業場の確保に重点を置いている点です。企業が事業の拠点として利用するために、提供されている場所だと考えてよいでしょう。

シェアオフィスに向いている人

シェアオフィスは、費用を抑えながらオフィスを構えたい人に向いています。一般的なレンタルオフィスに比べ、初期費用も削減できるため、新しく事業を始めたいスタートアップやベンチャー企業向きといえるでしょう。

リモートワークの本格的な導入に伴って、本社機能を移管したり、サテライトオフィスとして活用したりしている企業も多いようです。

また、個人事業主にも向いています。自宅では来客に対応できない人や、オフィスを構えることで企業としての信頼感を高めたい人にとって、うってつけの場所といえるでしょう。

コワーキングスペースのメリット・デメリット

テレワークをする女性

(出典) pixta.jp

コワーキングスペースには、自宅やその他の場所にはない利便性がある一方で、ワークスペースとして共用することによる注意点もあります。どのようなメリット・デメリットがあるのか、見ていきましょう。

コワーキングスペースのメリット

コワーキングスペースでは、コストを抑えながら作業場を確保できます。多種多様な職種の人が集まるため、新たな人脈を築きやすいのも、コワーキングスペースならではのメリットです。

利用者同士の交流を通じて、新しいビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。さらに、インターネット回線・コピー機といった仕事に必要なインフラが整っているため、カフェなどに比べて作業しやすいでしょう。

打ち合わせ場所として使えるスペースがある施設なら、会議・ミーティングの場としても活用できます。

コワーキングスペースのデメリット

他の利用者の会話や出入りが気になって、仕事に集中できないと感じる人もいます。フリーアドレス制の場合は、混雑時に席を確保できない可能性もあるでしょう。

施設によっては作業スペースが狭く、仕事がしにくいと感じる人もいるようです。また、利用者同士がコミュニケーションを図りやすい半面、プライバシーの確保が難しいというデメリットもあります。

PC画面ののぞき見によって情報が漏えいするほか、離席時に盗難の被害に遭うなど、セキュリティー上のリスクにも注意が必要です。

シェアオフィスのメリット・デメリット

シェアオフィス

(出典) pixta.jp

シェアオフィスには、一般的なレンタルオフィスにはないメリットがある一方で、複数の企業が共用することで生まれるデメリットも存在します。具体的に見ていきましょう。

シェアオフィスのメリット

シェアオフィスは、個別にオフィスを借りるよりも、賃料・光熱費などの固定費を削減できるのが利点です。仕事に必要な設備・環境が整っているため、初期費用を抑えられるほか、すぐに業務を開始できるというメリットもあります。

コスト面で都心に拠点を構えるのが難しい人にとっても、低予算で利用できるシェアオフィスなら実現可能です。オフィスサイズも自由に変更できるので、従業員の人数・事業規模に応じた広さを確保できます。

また、シェアしている他の企業との情報交換によって、新たな事業やビジネスチャンスを広げられる可能性もあるでしょう。

シェアオフィスのデメリット

複数の企業と同じスペースを共用するため、セキュリティー上のリスクがあります。PC画面からの情報漏えいの危険性があるほか、打ち合わせ・電話などの会話から、知られたくない内容を他の利用者に聞かれてしまう恐れもあるでしょう。

機密情報を取り扱う企業にとっては、プライバシーの確保が難しい点がネックといえます。自社だけのスペースではないため、気が散って仕事に集中できない人もいるかもしれません。

また、オフィス内のデザイン・内装などは自由に決められないので、自分の好みに合わない可能性もあります。

コワーキングスペース・シェアオフィスの注意点

コワーキングスペース

(出典) pixta.jp

コワーキングスペースやシェアオフィスの利用を検討している人は、注意点についても知っておきましょう。快適に活用するためのポイントも含めて解説します。

利用の目的を明確にしておく

コワーキングスペースやシェアオフィスを有効に活用するためには、利用目的を明確にしておくことが大切です。

例えば、作業場として決まった場所を確保したい人には、シェアオフィスが適しています。一方、働く場所を決めず、フレキシブルに利用したい人なら、コワーキングスペースの方が向いているでしょう。

また、ワークスペースの広さや利用できる時間帯などが、自分の求める働き方に合っているかどうかを確認しておくことも必要です。

マナーを守る

コワーキングスペースやシェアオフィスは、マナーを守って利用しましょう。多くの人が共用する場所では、周囲の人に対する配慮が求められます。

例えば、共用スペースでの電話が禁止されている施設もあるため、仕事をする上で電話でのやりとりが欠かせない人は、事前に確認しておくことが必要です。

他の利用者とコミュニケーションを取る際は、周囲の人の迷惑にならないよう声のボリュームにも注意しましょう。共用スペース・設備の使い方に関するルールについて、利用前にチェックしておくことが大切です。

設備やサービスをチェックしておく

仕事に必要な環境が整っているか、設備やサービスの内容をチェックしておきましょう。顧客対応や打ち合わせにも使いたい人は、作業スペースだけでなく、会議室・ミーティングルームなどについても確認しておく必要があります。

また、料金プランの内容についても調べておくのがおすすめです。シェアオフィスの中には、法人登記用の住所利用や、郵便物の受け取りサービスが別料金になっているケースもあるので注意しましょう。

気分をリフレッシュできる空間などもあると、快適に利用できます。

自分に合ったワークスペースを見つけよう

テレワークをする女性

(出典) pixta.jp

コワーキングスペースやシェアオフィスは、リモートワークで働く人や起業している人におすすめのワークスペースです。

施設によってサービスの特徴や違いがあるので、自分に合ったワークスペースを見つけましょう。ただし、会社員の場合は、会社がコワーキングスペースやシェアオフィスの利用を許可しているか、確認しておくことが必要です。

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