大手に転職できる人の特徴は?転職成功に必要なコツもチェック

大手に転職できる人はどのような特徴を持っているのでしょうか?大手企業とは何かを定義した上で、大手企業への転職が難しい理由や、転職を成功させるためのコツについて解説します。転職活動前の準備についても知っておきましょう。

大手企業とは何かを確認

ファイルを手にしているビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」では、常用労働者の数が1,000人以上の企業を「大企業」としています。一方、「大手企業」については明確な定義が存在しません。まずは、この記事でいう大手企業の定義を明確にしていきます。

出典:賃金構造基本統計調査 調査の概要 用語解説|厚生労働省

業界内で存在感のある企業

この記事では、一般的によく知られている企業のことを大手企業と定義します。「〇〇業界大手」「大手〇〇企業」といわれるように、業界内でよく知られている企業のことです。

株式を上場しているか、従業員数がどれだけいるかなどは問いません。例えば、建設会社の竹中工務店や、ファスナーで有名なYKKはどちらも株式非上場企業ですが、業界内でよく知られているため大手企業といえます。

経営規模が大きな企業

大手企業はよく知られていることから顧客が集まりやすく、業界内でのシェアが高いのも特徴です。多くのシェアがある分、経営規模は同業他社と比べて大きい傾向があります。

ただし「〇%以上のシェアがあれば大手」といった明確な基準はありません。大手企業と判断されるかどうかは、同業他社との比較や顧客が受ける印象によって左右されるといえます。

大手企業に転職できる人の特徴

セミナーを受ける

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大手企業へはどのような人が転職できるのでしょうか?大手企業への転職に成功しやすい人の特徴を見ていきましょう。

業務に必要な専門性を持っている

業務に必要な知識・スキル・経験など専門性を持っている人は、大手企業への転職に成功しやすいといえます。

大手企業が経験者採用(中途採用)を行うときには、既存事業の拡大や新規事業への進出など、明確な目的を設けていることがほとんどです。この目的を達成するには、業務に必要なスキルなどを持つ人材を採用しなければなりません。

例えば、事業拡大のためにマネジメント経験のある人材を募集するときには、マネジメント経験が必須スキルとなるケースが多いでしょう。このとき採用されやすいのは、これからマネジメントにチャレンジしたいという人ではなく、すでにマネジメントで成果を出している人です。

ポテンシャルの高さや、分野を問わず生かせる能力よりも、専門性が評価されます。

1社で3年以上の勤務経験がある

大手企業への転職を目指す上では、勤続年数の長さもアピールポイントの1つです。

大手企業の中には、勤続年数の長さを書類選考の基準としている企業があります。例えば、「1社での勤続年数が3年以上あること」という基準を設けている企業もあるようです。

勤続年数が長ければ、採用担当者の「自社でも長く働いてくれるだろう」という判断から、採用につながることもあるでしょう。

大手企業への転職が難しい理由

履歴書とペン

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十分なスキルを持っていることや勤続年数の長さをアピールしたからといって、必ずしも大手企業への転職に成功するとは限りません。大手企業への転職が難しいのはなぜなのか、主な3つの理由を解説します。

倍率が高い

大手企業への転職が難しいのは、倍率が高いためです。知名度が高く事業規模の大きな大手企業は、転職を考えている人にとって魅力的な応募先といえます。企業の知名度や募集のタイミングによっては、求人に応募が殺到することもあるでしょう。

リクルートワークス研究所が2024年に発表した「第41回ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」によると、2025年3月卒の求職者1人当たりの求人倍率は、従業員が300人未満の企業は6.5倍であるのに対し、従業員が5,000人以上の企業は0.34倍との結果が出ています。

求人倍率が高い場合、必要なスキルを持っている人材はもちろん、それ以上のスキルを持つ人材が大勢集まることもあるでしょう。優秀な人材が集まりやすいため、業務の遂行に必要なスキルを持っているだけでは採用につながらないケースも少なくありません。

出典: 第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒) PDF2枚目|リクルートワークス研究所

求められるスキルが高い

求められるスキルが高いことも、大手企業への転職が難しい理由です。特定の業種で経験を積んだ人材を必要とする企業もあるため、そもそもスキルを満たすのが困難な可能性もあります。

経験者採用では、ポテンシャルではなくスキルを重視して採用が決まる傾向があるため、「これからチャレンジしたい」という未経験者や未経験に近い第二新卒者、入社年数の浅い人などは対象外であることも、転職成功につながりにくい理由です。

必要な学歴が高い

大手企業が求人を出すと、応募が集まりやすい傾向があります。大量の応募書類をくまなくチェックするのが難しい場合、大手企業では学歴で応募者を絞り込むケースがあります。中には採用する大学を設定している企業もあるようです。

必要な学歴に達していない場合や、特定の大学出身でない場合には、書類選考から先に進めないケースがあることも、大手企業への転職が難しい理由です。

大手企業に転職するコツ

パソコンで作業をするスーツの人物

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大手企業への転職は難しい傾向があります。ただしコツを押さえておけば、成功の可能性を高められるでしょう。念入りに情報収集を行うことや、企業が求める人物像を理解することなど、大手企業への転職を成功させるための4つのコツを紹介します。

念入りに情報収集を行う

転職を成功させるためには、まず念入りに情報収集を行いましょう。大手企業へ転職したいと考えていても、求人情報を見つけられなければ応募できません。大手企業がどこで求人を出すことが多いのかを調べ、そこで求人を探す必要があります。

また求人へ応募するときには、企業に関する情報収集が必要です。どのような人材を求めているのか、なぜそのような人材を採用したいと考えているのか、今後どのような事業に力を入れようとしているのかなどを知った上で応募すると、効果的なアピールをしやすくなります。

求める人物像を理解する

志望している大手企業が、どのような人材を採用したいのかを理解することも重要なコツといえます。求めている人物像を把握しないまま応募すると、効果的なアピールにつながらない可能性があるためです。

企業が求めている人物像は、求人サイトや公式ホームページなどで確認できます。全体的な傾向として、経験者採用にはスペシャリストであることを求める企業が多いでしょう。

専門的なスキルのある人材を求めている企業に対しては、そのスキルを持っていることが分かるようにアピールすることが重要です。

組織風土の特徴を理解する

志望している大手企業の組織風土に関する理解も、大手企業への転職を成功させるコツです。組織風土について理解することで、自分に合う企業かどうかを判断した上で応募できます。

特に、転職で中小企業から大手企業を目指す場合、規模の違いによる組織風土の違いについても知っておきましょう。あらかじめ把握しておくことで、ミスマッチが起こりにくくなります。

採用人数が多い企業へ応募する

大手企業への転職を成功させるには、採用人数が多い企業へ応募することもコツといえます。採用人数が多ければ、その分倍率が下がり、転職しやすくなることが期待できるためです。

採用人数が増えやすいのは、事業拡大や新規事業をスタートするタイミングです。企業について情報収集をしていると、採用人数が増える企業を見つけられるかもしれません。

転職活動前の準備も重要

手帳に書き込む

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転職を成功させるには、転職活動を始める前の準備も必要です。これまで自分が何をしてきてどのようなことができるようになったのか、今後はどこで何をしたいのかなどを明確にすることで、希望のかなう転職につながります。

ここでは転職活動前に行いたい準備について見ていきましょう。

自分のスキルや経験を把握する

大手企業への転職を目指す上では、自分のスキルや経験について知ることが重要です。これまでにどのような経験をしたのか、それによりどのようなスキルや知識を獲得したのかを明確にします。

スキルや経験を把握するには、紙などに書き出すのがおすすめです。職種・経験・スキルなど項目を分けてこれまでに獲得したものを書いていくと、内容を把握しやすくなります。

1つずつ見返していくと、これまでは把握しきれていなかったスキルや経験から、思わぬアピールポイントが見つかるかもしれません。

キャリアや入社後の希望を明確にする

これからの希望を明確にすることもポイントです。「なぜ大手企業への転職を希望しているのか?」という質問に対し、キャリアに関する明確な答えを持てるとよいでしょう。

例えば、「大手企業へ転職して上流工程から開発に携わりたい」といったように希望が明確なエンジニアであれば、開発の上流工程を担っている企業を転職先に選べます。

反対に、「上流工程に携わりたい」とぼんやり考えつつも、希望として明確になっていない場合、上流工程からの開発を行っていない企業へ転職してしまうかもしれません。

希望を明確にしないまま転職活動に取り組むと、入社後に希望の仕事ができない事態も起こり得るので注意しましょう。

大手企業への転職活動は準備をして臨もう

ネクタイを整える

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一般的によく知られ、経営規模の比較的大きな大手企業に転職できるのは、必要なスキルや経験があり、1社での勤続年数が3年以上の人です。多くの求職者が集まりやすい大手企業の求人へ応募するときには、競争を勝ち抜くためのコツを押さえておきましょう。

念入りな情報収集や企業研究、応募の戦略も重要です。また事前準備として、自己分析によりこれまでに得たスキルや経験を把握し、希望のキャリアを明確にすることも欠かせません。

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