履歴書の趣味・特技欄で自己PRを!人事が注目するポイントとは?

履歴書には、趣味・特技を記載する欄があります。仕事や合否に何の関係があるのか、悩む人も多いのではないでしょうか?趣味・特技欄は記載する必要があるのかや書くべき内容、注意点を紹介します。採用担当者がチェックするポイントも確認しましょう。

履歴書の趣味・特技欄は埋めるべき?

履歴書とボールペン

(出典) photo-ac.com

履歴書の趣味・特技欄は何のためにあるのか、分からない人は少なくないでしょう。まずは、履歴書の趣味・特技欄を埋めるべき理由を解説します。

数少ない自己PRの欄

履歴書で自己PRができる項目は、それほど多くありません。ほとんどは学歴や個人情報が占めてしまうものです。その中で趣味・特技を書くことは、仕事に関係する能力・技術をアピールすることにつながります。

特定の習い事・スポーツをずっと続けている場合は、趣味・特技の欄に記入しましょう。子どもの頃から続けていることを添えるだけで、忍耐力があったり努力家であったりなどのイメージを与えられます。

また、語学学習や、IT系の資格取得について記載するのもよいでしょう。趣味・特技が思いつかない場合でも、自己PRとして記載できることはたくさんあります。

採用担当者に自分を印象付けられる

採用担当者は、数多くの履歴書を見ているものです。趣味・特技欄を軽く見るのではなく、しっかりと実のある趣味・特技を書くことで、採用担当者への印象も強くなるでしょう。

また、趣味・特技は面接の話題作りとしても役立ちます。担当者と同じような趣味を持っている場合、話が盛り上がることも考えられるでしょう。

採用担当者が趣味・特技欄で確認するポイント

クリップボードとペン持ったスーツの男性

(出典) photo-ac.com

採用担当者は、趣味・特技欄の何を見ているのでしょうか?採用担当者が確認しているポイントを押さえておくことで、どのような趣味・特技を書くべきかが見えてくるでしょう。

応募者の人柄を見ている

趣味・特技からは、人柄や考え方が分かります。採用担当者は、応募者がどんな人間性なのか、気になっているものです。

応募者の人柄を把握することで、自社に合った人材であるかどうか推し量っていることもあるでしょう。会社の同僚・先輩とうまくやっていけるのかを判断する一つの指標として、趣味・特技を見ているのです。

ただし、それだけで合否を決めるケースはあまりありません。悪印象を与えるものでなければ、積極的に記載しましょう。

面接時の話題にしたい

面接時の話題は、必ずしも仕事の話だけではありません。趣味・特技欄の内容も、面接で確認されることがあります。

趣味・特技欄に記載されている内容は、応募者にとって話しやすいカテゴリーです。好きなことに関する話題を出すことで、『緊張を解く』目的もあるでしょう。

採用担当者は、応募者の興味のある話題を振って話しやすくすることで、面接をスムーズに進めようとしています。そのため、記載した内容は覚えておき、面接で話題になる可能性も考慮しておきましょう。

好印象を与える趣味・特技の書き方

履歴書と封筒とボールペン

(出典) photo-ac.com

趣味・特技欄を読みやすく書くことで、採用担当者に好印象を与えることができます。具体的にどのように書くのがよいのか、主な方向性を紹介します。

簡潔に見やすく記入

趣味・特技欄を埋めるときは、読みやすさが重要です。手書き・パソコンどちらであっても、心掛けるポイントは変わりません。

箇条書きや補足説明用のカッコ書きを活用し、簡潔にまとめましょう。たくさん書けばよいというものではないため、だらだらとした印象にならないよう注意が必要です。

複数の趣味・特技があるときは改行も意識します。どれが趣味で、どれが特技なのか分かるように、読みやすい文字の大きさにしレイアウトで記載することも大切です。

それぞれの説明を付ける

趣味・特技は、『読書』や『スポーツ』など大きな分類に分けられます。個性的な趣味・特技であれば印象に残る可能性はありますが、独自性を意識するなら補足説明を入れましょう。

特に、多くの人が書くと思われる内容の場合は、補足説明が生きてきます。『読書』とだけ書いても個性は薄くなってしまうでしょう。

趣味が読書の場合、どんなジャンルの本を読むのか、頻度はどのくらいなのかなどを補足できるはずです。

スポーツが趣味であれば、アマチュアチームに入っている、趣味レベルなど、どのくらいのレベルなのかを記載できます。

カッコ書きで説明を入れると、見やすさと独自性を両方意識できるでしょう。採用担当者が面接の話題にするときも、踏み込んだ内容でコミュニケーションが取れるはずです。

仕事に関わる内容だとプラスの印象

せっかく履歴書に趣味・特技を書くなら、仕事に関する内容がおすすめです。外国の人とやりとりする機会がある仕事なら、語学系の資格や特技を記載すると好印象になります。

事務系であれば、簿記や経理に関するスキルを書くのもよいでしょう。営業関連なら、コミュニケーション能力をアピールできる趣味・特技が向いています。

業務内容だけでなく、会社の雰囲気を意識して趣味・特技をピックアップしてもよいでしょう。採用担当者に「我が社でもやっていけそうだな」と好印象を与えられるかもしれません。

注意したいNGな趣味・特技もチェック

麻雀道具と、その上に扇状に置かれた千円札

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履歴書にウソを書くのはNGですが、実際の趣味・特技であっても書かない方がよいものもあります。履歴書に書くにあたって、避けるべき趣味・特技を見ていきましょう。

賭け事を連想させる特技はNG

ギャンブル系の趣味・特技は、履歴書に記載しない方がよい内容です。応募先が賭け事に関係する会社であれば、好意的に受け止められることもあるかもしれません。しかし、それ以外の企業では難しいでしょう。

多くの場合、賭け事は金銭的なトラブルを連想させます。金銭の問題を抱えている、または今後問題が発生する可能性を考えると、採用を不安に感じるかもしれません。プライベートでは大きな問題にならないことでも、履歴書に書くのは控えましょう。

本人が賭け事から適切な距離を保ち、余裕資金で楽しんでいるとしても、採用担当者には判断が難しいはずです。マイナスイメージになる趣味・特技は、記載しない方がよいでしょう。

こだわりが強すぎるものは避ける

本当にこだわっているものがある場合、履歴書の趣味・特技として記載したくなるかもしれません。しかし、場合によっては採用担当者にポジティブな印象を与えにくいケースもあります。

例えば、よかれと思って特定のアイドル・スポーツチームの熱心なファンであることを記載しても、アイドル・スポーツ関連の仕事でない限り、業務に関係のない話と捉えられるかもしれません。

また、あまりにも変わった趣味や思想を持っていると、コミュニケーションに不安を感じるものです。面接で話題にしにくい内容は避け、印象のよい趣味・特技を選びましょう。

「特になし」は避けよう

適当なものが見つからないからといって何も書かないでいると、個性が埋没してしまいます。「真剣に自己分析ができない人」という印象を与える可能性もあるので、何かしらの趣味・特技は書くようにしましょう。

ただし、虚偽の記載はNGです。「趣味・特技だから分からないだろう」という考えはやめましょう。

ウソの内容を書いてしまうと、面接時のコミュニケーションがうまくいかないばかりか、ウソがバレたときに人間性を疑われかねません。そのため、本当に自分が好き・業務に生かせる内容を書くのが最低条件です。

趣味も特技もない場合はどうする?

ハテナマークと考え込むポーズをする人

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無趣味で、ほかの応募者と差別化できる特技も見つからないときは、趣味・特技欄に何を書けばよいのでしょうか?

何も思いつかないときは過去のことを思い返したり、自分のことをよく知る相手に聞いてみたりするのが効果的です。

過去を振り返って特技を見つける

趣味・特技が思いつかない場合、過去の経験を振り返ってみましょう。今まで経験したことの中には『得意だったこと』『好きだったこと』がいくつかあるはずです。好きだった科目やスポーツなど、何でも問題ありません。

現在は多忙でできていないことでも、得意なことは大幅には変わらないはずです。なるべく直近の趣味・特技を探す方が、面接で聞かれたときにも話しやすいでしょう。

それでも見つからないときは、もう少し前のことを思い出してみると、忘れていた趣味・特技が見つかる可能性があります。

身近な人に聞いてみる

家族や友人に聞いてみると、自分では気付いていなかった趣味・特技を知ることができるかもしれません。自分ではそれほど大したことがないと思っていたことでも、身近な人から見ると十分趣味・特技に見えている可能性はあります。

そのため、他者の声を聞いて掘り下げてみましょう。趣味・特技は、必ずしも深い知識が必要なものではありません。

過去の習い事や勉強の中にも、得意だった分野があるでしょう。自分が忘れているものを確認するには、身近な人に聞くのがおすすめです。

特別なことでなくても大丈夫

趣味・特技を記載するとき、客観的に見た実績を意識する必要はありません。素晴らしい実績がなくても、『自分の基準で得意なこと』であれば何でも記載できます。

例えば、『ピアノを5年間習っている』というだけでも、趣味・特技になります。幼い頃からずっとピアノを続けているのであれば、なおさら習得度に差があるはずです。

全くピアノに触れたことがない人からすると、十分な経験といえます。たとえ入賞経験や特別な才能がなくても、継続しているだけで趣味・特技なのです。

採用担当者は、趣味・特技から仕事につながる能力を見つけようとしています。習い事を継続してきた忍耐力や努力は、仕事の面でもアピールできる能力です。

「すごい」と言われるようなことでなくても、自分で少しでも「得意」と思えることがあれば、自信を持って趣味・特技と記載しましょう。

履歴書に空欄を作らずしっかり自己PRを!

笑顔で話すスーツの女性と、向かい側に座りファイルを持って話を聞く人

(出典) photo-ac.com

履歴書に趣味・特技欄があるときは、空欄にせずきちんと内容を書きましょう。採用担当者が、趣味・特技に興味を持つ可能性もあります。

趣味・特技自体が採用につながるわけではありませんが、仕事に関連する内容や能力をアピールできれば目に留まる確率は高くなるでしょう。

『特になし』で終わらせず、自己分析をして自己PRにつながる趣味・特技を見つけることが大切です。

小寺良二
【監修者】All About キャリアカウンセラー/起業・経営ガイド小寺良二

若者の就職支援を専門とするキャリアカウンセラー。アメリカの大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し100社以上の新卒・中途採用のコンサルティングを経験。独立後は採用と就職活動の双方を知る「若者就職支援のプロ」として官公庁や人材企業の若年就労支援プロジェクトに携わる。全国の大学で教員やキャリアカウンセラー向けの研修を行うなど、若者支援者の養成にも力を入れている。
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著書:
美文字履歴書の書き方&マナー