バイトの志望動機でアピールするポイントは?職種別の例文も紹介

バイトの志望動機は、採用担当者が重視する項目です。採用してもらうには、やる気や熱意が伝わるような内容にしなければなりません。バイトの志望動機でアピールすべきポイントや、職種別の例文をチェックしましょう。

バイト先が志望動機から読み取りたいこと

電話を受ける女性店員

(出典) photo-ac.com

バイトの面接を受ける際に、なぜ志望動機が求められているのかを理解すると、作成しやすくなります。採用担当者が、志望動機から何を読み取ろうとしているのか見ていきましょう。

仕事への適性

志望動機を作成する目的は、「なぜその仕事を選んだのかを伝えるため」です。多くの企業が長く働き続けてくれる人材を求めており、志望動機を通じて仕事への適性や熱意を知りたがっています。

企業は、採用にかかるコストを無駄にしないために、できるだけよい人材を確保しなければなりません。自社とマッチングしない人材を雇っても早期に辞めてしまい、無駄になってしまいます。

志望動機の内容から、社風に合わない人や仕事への適性がない人、仕事に対する熱意が感じられない人を判断して、早期に辞められるリスクを避けようとしているのです。

自分都合だけでなくどのように働きたいのか

企業は志望動機から、どのような働きができるのかを知りたがっています。自分にとっての都合が中心で、企業にとってのメリットが全く見えてこない志望動機を書くと、よい印象を与えません。

「時給がよいから」「通いやすい立地だから」など、自分の都合だけしか書かれていないと、どのように貢献してくれるのかイメージが湧かず、採用に踏み切れない原因になります。

例えば、「客として足を運んだときに、とても気持ちのよい接客をしてもらったので、私もお客様をよい気分にさせられる接客をしたい」というような内容を加えれば、働く姿をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

また、志望動機が自分の都合のみだと「ほかに条件がよいバイト先があれば、そちらへ簡単に乗り換えるのではないか?」と思われてしまう心配もあります。

志望動機の書き方のポイント

志望動機欄

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志望動機に書くべき要素をしっかりと押さえておけば、働きたい気持ちを的確に伝えられるようになります。採用担当者に好印象を与える、志望動機の書き方を見ていきましょう。

仕事内容を理解する

希望する職種の仕事内容が分かっていないと、何をアピールすべきか分からず、採用する側が納得するような志望動機を書けません。まずは、希望する職種の仕事内容をとことん掘り下げてみましょう。

例えば、接客業と事務職では「向いている性格」が違います。接客業は人と接する職業ですから、人との交流が好きな人の方が楽しんで働きやすいでしょう。

一方、事務職はデスクワークが中心なので、コツコツと仕事をこなすことが得意な人や細かい作業でも丁寧に取り組める人の方が適性があると判断してもらえるはずです。

やったことがない職種だと、詳しい仕事内容をイメージするのが難しくなります。

同様の仕事の経験がある人に話を聞いたり、ネット上の口コミなどをチェックしたりして仕事に対するイメージを深掘りすることで、アピールすべきポイントが見えてくるでしょう。

職種にマッチした能力をアピール

仕事内容に対する理解が深まったら、その職種にマッチした能力を的確にアピールしましょう。

さまざまな長所や特技があっても、的外れなものをアピールしてしまうと「うちで働いてもらっても、能力を生かしてあげられない」と採用担当者に感じさせてしまいます。

例えば、接客業や営業職であれば「コミュニケーション能力」をアピールすると、好感を得やすいでしょう。オフィスで働く事務職なら、「パソコンスキル」がある人が採用されやすくなります。

経験や資格がなかったとしても、その職種に必要な能力に関する理解度が高い方が、採用後に育成しやすいと感じてもらえるため有利に働くはずです。

根拠となる具体的なエピソード

志望動機で自分の熱意をアピールする際に、根拠となるエピソードを伝えると「説得力」を持たせられます。

例えば、ペットショップでバイトをしたいと仮定しましょう。「動物が好き」と言うよりも「動物が好きで、亀や熱帯魚などを10年以上飼育している」というようにエピソードを伝えた方が、どれだけ動物が好きなのかを伝えられます。

熱心に自分の長所をアピールしたとしても、根拠が何もなければ熱意が空回りしてしまう原因になりかねません。具体的なエピソードを用意しておかないと、面接で深掘りされたときに答えられない状態に陥ることもあります。

文章量は300文字前後が目安

志望動機は、短すぎても長すぎてもよくありません。履歴書のデザインにもよりますが、文章量は200~300文字程度が適切です。志望動機を書く欄の「約8割」は埋めるようにしましょう。

空白が目立つと熱意がないと思われやすいですし、小さな文字で欄をびっしりと埋めてしまうと、読みやすさを考えていないと思われ評価が下がってしまうケースがあります。

300文字以内に「なぜその企業を選んだのか」「どのような働きができるのか」「採用後にかなえたいこと」などをバランスよく盛り込んで、仕事に対する熱意を伝えましょう。

応募理由別の志望動機

タイムカード

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応募理由は、人によってさまざまです。志望動機の書き方に迷ったときにチェックしたい、応募理由別の志望動機の書き方を見ていきましょう。

自宅から近い

自宅から近いバイト先を選ぶメリットは、大きいといえます。通勤時間が少なく済むので、時間を無駄にせず多くのシフトに入れます。

企業にとっても、交通費を抑えたり人手不足の解消に役立ったりと多くのメリットがあるので、アピールしやすい部分です。

【例文】

貴社は家から近く、徒歩で10分の場所にあります。学業との両立がしやすいと感じて志望しました。できれば、週に5回以上シフトに入りたいですが、臨機応変に対応したいと思っています。

学費や夢をかなえるためにお金を稼ぎたい

学費や生活費を稼ぐために働きたいという応募者の気持ちを知ることは、企業にとって意味があります。ただ何となく働きたいと言っている人よりも、目標や夢のために努力できる人を好ましいと感じる企業は少なくありません。

自分の都合だけでなく、どのように貢献できるのかも加えるようにしましょう。

【例文】

私の将来の夢は、自分の店を持つことです。貴店で働くことで開店資金をためながら、一流店の接客方法も学べると考えて志望しました。

高校在学時代から6年間、ファミリーレストランでの接客経験がありますので、これまでの経験を生かしつつステップアップしたいです。

 

【飲食店向け】バイトの志望動機

飲食店

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飲食店でのバイトを希望する場合、志望動機はどのように書くのが適切なのでしょうか?アピールすべきポイントや、志望動機の書き方を解説します。

人や料理が好きなことをアピール

飲食店は、店を訪れた人に料理を提供する場所なので、「人や料理が好きなこと」がアピールポイントになります。

単に人や料理が好きだと訴えるのではなく、「バイトしたい店の特徴」や「売りにしている料理」などの情報を調べて志望動機に生かし、なぜその店でなければならないのかを伝えましょう。

また、その店のコンセプトが何なのかを知ると、ミスマッチを防げるはずです。庶民的な店と高級店では目指すものが違う場合もあるので、バイトしたい店の研究を怠らないようにしましょう。

店のホームページがあれば、経営理念などから何を大切にしているのかを探れます。場合によっては、求める人材の姿なども記載されているので、参考にしましょう。

【例文】コミュニケーション能力を生かしたい

飲食店でのバイトは、料理を作る「キッチン係」なのか、料理を運んだり案内をしたりする「ホール係」なのかによっても、志望動機の書き方が変わります。

ホール係は直接人と関わる仕事なので、応募者のコミュニケーション能力の高さは大きな武器です。飲食店のホール係を目指す際の例文を見ていきましょう。

【例文】

貴店がコンセプトとして掲げている「食で多くの人を笑顔にしたい」という言葉を見て、自分と考えが合っていると感じたので志望しました。

私は高校1年生のときから6年間、家の近所にある喫茶店でのアルバイト経験があります。地域柄高齢のお客様が多く、メニューの内容を分かりやすく案内することを心掛けてきました。

いつも顔を合わせるお客様に「説明が分かりやすい」と言われ、感謝されたことが何よりもうれしかったです。貴店に採用されたら、これまでに培ってきたコミュニケーション能力を生かして、多くのお客様が心地よく過ごせるような接客がしたいです。

 

【コンビニ・スーパー向け】バイトの志望動機

スーパーのレジ

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コンビニやスーパーは営業時間が長く、バイトを掛け持ちしている人でもシフトに入りやすい特徴があります。コンビニ・スーパー向けの志望動機をチェックしましょう。

明るい接客や責任感が求められる

コンビニやスーパーは、調理・品出し・レジ打ちなどの幅広い仕事があります。元気に明るくあいさつできる人物や、お金を慎重に取り扱える責任感のある人が評価される傾向です。

スーパーは部門ごとに担当が分かれていますが、コンビニはさまざまな仕事を同時進行しなければなりません。

どちらも店に買い物に来た客と接する機会が多く、明るい接客態度が求められます。小声でボソボソと喋り、何を言っているのか聞き取りにくい人だと採用されにくいでしょう。

品物の場所を聞かれたときや商品の受け渡しをするときなどに、「丁寧な言葉遣い」ができなければなりません。

【例文】真面目な性格が強み

コンビニやスーパーでは、たとえ単純作業でも真面目に取り組める人を求めています。真面目な性格を強みに、コンビニでのバイトを志望する際の例文を見ていきましょう。

【例文】

貴店は家から近いため、長く続けやすいと思い志望いたしました。私は性格が真面目だと評価されることが多く、前職では3年間、無遅刻無欠勤で過ごしました。

何事にも前向きに取り組めるところが、長所だと自負しています。単純作業や、立ちっぱなしの仕事でも苦になりません。

コンビニでの仕事は、1人で何役もこなさなければならず大変だと思いますが、真面目さを武器に1日でも早く1人前の仕事をこなせるように頑張りたいと思います。

 

【事務職向け】バイトの志望動機

事務職

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事務職は、デスクワークを希望する人にピッタリな仕事です。どのように志望動機を書けばよいのか、チェックしましょう。

パソコンスキル次第で即戦力に

事務職といってもさまざまな種類がありますが、「Word」や「Excel」などのパソコンソフトを使う作業が多く、バイトであってもある程度のパソコンスキルが求められます。

実務経験がなかったとしても、「パソコンの操作に慣れている点」をアピールするとよいでしょう。事務処理能力の高さやパソコンスキルを上手にアピールできれば、即戦力として採用される可能性が高まります。

また、デスクワークだけでなく、電話対応や来客対応などをする機会もあるので、ビジネスマナーを身に付けている人も採用されやすい傾向です。

【例文】バイト経験で得たビジネスマナーを生かしたい

営業事務を希望する場合を例にした、志望動機を見ていきましょう。

【例文】

私は前職で身に付けたビジネスマナーを生かせる仕事をしたいと考え、貴社での営業事務のアルバイトを志望します。未経験でも、研修制度が充実している貴社の方針にも魅力を感じました。

これまで、オフィスビルの受付係や空港ラウンジでの案内係などのアルバイトを経験してきました。企業にとって重要なお客様を案内する機会が多かったので、一般的なビジネスマナーは一通り身に付いています。

実務経験はありませんが、独学でマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)を取得していますので、パソコンの操作も積極的に行っていきたいです。

 

未経験のバイトをする場合の志望動機

面接を受ける女性

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未経験でも関係なく採用する方針の企業もありますが、一般的に経験者の方が有利になりやすいといえます。未経験のバイトに挑戦する場合の、志望動機のポイントや例文を見ていきましょう。

バイトに対する情熱をアピール

未経験のバイトに挑戦したいとき、これまでの経験をアピールしにくい場合があります。少しでも前職との関連性を見つけられればよいですが、うまくいかないときもあるでしょう。

未経験よりも経験者の方が、早く仕事を覚えられるので採用されやすい傾向がありますが、経験よりも「やる気」を重視している企業は少なくありません。バイトに対する熱意を上手にアピールすれば、有利に働くはずです。

「この人なら、活躍してくれそう」と、採用担当者に感じさせられるような志望動機を作成しましょう。

【例文】その企業でなければならない理由を伝えたい

好きな製品の販売元で、バイトをしたいと感じる人もいます。その企業に対する思い入れが大きければ、未経験であっても働きたいという熱意を伝えやすいはずです。未経験者が志望動機を書く際の、一例を見ていきましょう。

【例文】

私は貴社の製品が大好きで、90年代に発売された文房具を中心としたコレクターでもあります。今回、貴社の求人広告を発見したことに運命を感じ、応募しました。

販売の経験はありませんが、貴社の製品の魅力を多くの人に伝えられることに、大きく心を引かれています。学生時代に家庭教師のアルバイトをしていた経験があるので、相手をよく観察し、不明点を分かりやすく伝えられます。

さまざまな生徒を受け持ちましたが、ほぼ全員希望の学校に合格したことが自慢です。採用されたら、結果を出すまであきらめずに仕事に取り組みたいと思います。

 

バイトの職種に合った志望動機を書こう

履歴書書く女性

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志望動機は採用担当者が重視する部分なので、慎重に作成しなければなりません。自分の都合だけを書くと、どんな働き方をしてくれるのかイメージできず、採用されにくくなります。

どの企業にも通用するような内容を書くのではなく、希望するバイトの仕事内容に応じてアピールするポイントを変えると採用されやすくなるはずです。

働きたいという意志だけでなく、採用後にどのように貢献できるのかまで考えて志望動機を作成しましょう。