転職の選考辞退はメール連絡でも大丈夫?タイミングや書き方を紹介

転職活動では、複数の企業から内定をもらうケースがあります。状況によっては、選考の辞退を考えなければなりません。選考辞退の連絡方法や、メールで連絡する際の文例を紹介します。辞退の理由を告げるべきなのか、連絡時のポイントも知っておきましょう。

選考辞退はメール連絡でも大丈夫?

スマホを操作する男性

(出典) photo-ac.com

企業の選考や面接を辞退するとき、連絡方法は何がよいのでしょうか?メール連絡がマナー違反になるのか、気になる人もいるはずです。一般的な連絡方法と、メールを避けた方がよいケースについても紹介します。

電話・メールどちらでも可能

面接辞退の連絡は、電話とメールどちらでも問題ありません。メールの方がお互いに手間がかからず気を遣うことがないため、利用する人も多いでしょう。

本来、志望していたはずの企業にお断りの連絡を入れるのは、応募者にとっても負担が大きいものです。メールで連絡してもマナー違反ではないため、気まずい場合はメールを利用しましょう。

しかし電話で直接話をした方が、担当者に気持ちが伝わります。申し訳ない気持ちを伝えたいときは、電話で連絡する方がよいでしょう。また、面接まで時間がない場合は、電話が適しています。

選考直前や内定辞退の場合は電話連絡を

メールで選考辞退を伝えることはNGではないものの、状況によっては電話連絡を検討しましょう。電話はリアルタイムで連絡ができます。

面接まで数日しかない場合や、会社が休業日に入る直前など、早く辞退の意思を伝える必要がある場合は電話が最適です。

メールは、相手が読んでいるかどうか確認ができません。タイミングによっては、開封前に面接が始まる可能性もあります。無断欠席と誤解されないためにも、選考直前の辞退は電話で連絡しましょう。

そのほか、最終面接を通過した後に内定を辞退するときは電話が適しています。内定辞退の場合、企業は別の候補者を検討しなければなりません。辞退のメール連絡が認められている場合を除き、できるだけ早く誠意が伝わる方法で連絡しましょう。

無連絡での辞退は絶対NG

辞退の連絡が気まずいからと、企業からの連絡を無視するのはNGです。無断で面接を欠席すれば多くの人に迷惑をかけてしまいます。

あらかじめ辞退の連絡があれば、企業側も面接の時間調整や準備をする必要がありません。円滑な仕事ができるよう、配慮しましょう。

無連絡でのすっぽかしは、社会人としてのマナーに欠けています。今後その企業にかかわるつもりがなくても、取引先や顧客として出会う可能性も考えてマナーを守った対応を心がけましょう。

選考辞退を連絡するタイミング

手帳とスマホ

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選考辞退を企業に連絡するのは、いつが適しているのでしょうか?選考辞退の意思が確定してからの流れと、連絡する時間帯について解説します。

意思を固めたらできるだけ早く連絡

選考辞退を決めたなら、すみやかに連絡を入れましょう。時期によっては新しい候補者を繰り上げ合格にするなど、ほかの人の合否にも影響します。

早めに連絡を入れることで、面接官もスケジュール調整がしやすくなるでしょう。直前の取りやめに比べると、心証はよくなります。

ただし面接直前であっても、連絡は必須です。選考が進むほど、ほかの人への影響も大きくなります。企業側としても、選考辞退はよくある出来事です。早い段階での連絡の方が、採用が円滑に進みます。誠意が伝われば、問題なく受け入れてくれるでしょう。

営業時間内での連絡がベター

選考辞退を伝える際は、企業の営業時間内に連絡しましょう。メールの場合も、当日中にチェックしてもらえるよう営業時間内が適しています。

電話連絡の場合は、慌ただしくなる営業時間終了間際を避けましょう。業種によって繁忙時間帯は異なりますが、飲食業であればランチタイムとディナータイムを避けるといった配慮が必要です。

連絡する側の都合もありますが、お断りの連絡をするからには、相手を気遣った上で意思を伝えましょう。

転職活動の選考を辞退する際のポイント

通話している男性

(出典) photo-ac.com

転職活動では、複数の選考を同時に受けるケースもよくあります。辞退となった場合には、理由を告げるべきなのでしょうか?基本的な姿勢と、理由を質問されたときの対処法を知っておきましょう。

選考辞退の理由は伝えなくてもOK

候補者側に、選考辞退の理由を伝える義務はありません。正直な理由を告げると気まずくなるケースでは、「都合により辞退させていただきたい」と内容をぼかしましょう。

選考の辞退は、原則的に自由です。採用する側は企業ですが、候補者側にも働く企業を選ぶ権利があります。理由を伝えなければ、辞退できないわけではありません。

しかし何が問題だったのか企業から尋ねられる可能性もあります。念のため、理由は考えておいた方がよいでしょう。

理由を質問されたら正直に答える

選考辞退の理由を聞かれた場合は、なるべく正直に答えましょう。事実と異なる理由を告げて、どこかでウソが発覚する方が気まずくなります。

多くの場合、採用担当者は今後に生かすために辞退の理由を確認します。同業他社との条件の差や、募集内容と面接時の条件の相違など、理由があれば伝えましょう。

理由は簡潔にまとめ、辞退となったことを申し訳なく思っている気持ちを表すことが大切です。

ただし正直な理由であっても、相手企業の悪口や批判は避けましょう。事実であったとしても、その企業で働く採用担当者の気分を害する可能性があります。

選考辞退メール作成のポイント

タイピングする男性

(出典) photo-ac.com

選考辞退の旨をメールで連絡する場合、文面に悩むケースもあるでしょう。件名や本文の一例と、基本的な作成方法を紹介します。

件名は内容が分かるように書く

採用担当者は、辞退の連絡以外にも多くのメールを受け取っています。早く内容を伝えるためには、件名の書き方も意識しましょう。

件名には、選考を辞退することと自分の氏名を入れます。一例として「営業職員募集の選考辞退の件(氏名)」のような形が分かりやすいでしょう。

日程が決まっていれば、次回の面接の日程を入れ「○月○日の面接辞退について (氏名)」とすると分かりやすいはずです。

採用担当者が件名を見てすぐに内容を判断できるよう心がけましょう。

本文は簡潔にまとめる

選考辞退のメールで採用担当者が知りたいことは、選考を辞退することと、その理由です。必要以上に長い前置きをせず、本文は簡潔にまとめましょう。基本的な構成と内容を紹介します。

文頭には、「株式会社○○ ○○部 ○○様」と宛先を書きましょう。「お世話になります」のような簡単なあいさつとあわせて、「面接を予定しておりました○○です」と氏名を名乗ります。

面接を辞退したい旨を一言でまとめ、お詫びの言葉も付け足しましょう。結びの言葉を添え、末尾には氏名・住所・連絡先といった個人を特定できる署名を追加します。

タイミングごとの退職辞退メール文面例

パソコンの前でノートにメモを取る手元

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辞退のタイミングによって、適切なメール文面は異なります。書類選考後・面接日程が決定した後・内定辞退など、それぞれのタイミング別に文例を見ていきましょう。

書類選考後に辞退する場合

書類選考の通過後、面接日程を調整しているタイミングでの辞退メールは、どのように作成すればよいのでしょうか?具体的な文例を紹介します。

「お世話になります。書類選考通過のご連絡、確認いたしました。○○○○と申します。都合により面接を辞退させていただきたく、メールをお送りしました。誠に申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします」

 

書類選考後は、まだ候補者も多く残っているため、比較的迷惑をかけにくいタイミングです。内容は簡潔で構いませんが、お詫びの言葉やあいさつを忘れないようにしましょう。

候補者が多いため、しっかり氏名を名乗り、個人を特定できるよう署名を追加します。

面接の日程決定後に辞退する場合

すでに面接の日程が決まっている場合には、すみやかに連絡します。数日後に迫っているなら、電話連絡の方がよいでしょう。また返信がないときは念のため、電話で一報を入れておくと安心です。

辞退メールの文例を紹介します。

「お世話になります。○月○日○時に面接予定の○○と申します。諸事情のため、面接を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。

日程を調整していただいたにもかかわらず、ご迷惑をおかけします。こちらの都合で申し訳ございませんが、ご了承のほどよろしくお願いいたします」

面接の予定を組んでもらっている以上、お詫びの気持ちを伝えましょう。

内定連絡後に辞退する場合

内定の連絡後、承諾前の辞退は電話またはメールで行います。可能な限りまずは電話を入れるのが望ましいですが、メールで連絡する場合の文例を紹介します。

「お忙しいところ恐れ入ります。先日、内定のご連絡をいただいた○○です。

大変申し訳ございませんが、内定を辞退したく連絡いたしました。同時期に複数の企業から内定をいただき、希望する仕事や適性を熟慮した結果です。お時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり申し訳ございません。

本来であれば直接ご連絡を差し上げるべきところ、メールでのご連絡となってしまったこともお詫び申し上げます。ご了承いただけますよう、お願いいたします」

内定の連絡があったということは、ほかの候補者が不採用となっている可能性があります。なるべく早く、納得感のある理由を伝える方がよいでしょう。

内定承諾後に辞退する場合

やむを得ない事情で、内定承諾後に辞退するケースも考えられます。内定承諾後の辞退も原則的には可能ですが、遅くとも入社日の14日前までに伝えないとトラブルにつながる可能性があるので、注意が必要です。

基本的にはまず電話でお詫びするのがマナーですが、メールでの連絡が必要になった場合の文例を紹介します。

「お世話になっております。先日、内定承諾書を提出しました○○です。

大変申し訳ございませんが、諸般の事情により内定を辞退したくご連絡いたしました。取り急ぎ、メールでご連絡させていただきます。

承諾後にこのようなご連絡となり、深くお詫び申し上げます。ご了承いただきますようお願いいたします」

内定辞退が法律上は問題ないとしても、承諾後では多くの人に迷惑がかかります。可能な限り承諾前によく考えるか、誠意を持って連絡をしましょう。

選考辞退を決めたら早急に連絡しよう

キーボードを打つ指

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選考辞退を決断したら、どのタイミングであってもすぐに連絡を入れましょう。ほかの候補者の選考にも影響する重大な内容のため、できる限り早く伝えるのがベターです。

基本的には電話とメールどちらでも構いませんが、面接直前や内定承諾後など、至急の連絡が必要なケースはまず電話をかけましょう。マナーを守った連絡と、早めの対応で誠意を見せられます。