転職を考えているもののやりたい仕事がなく、転職に二の足を踏んでいる人もいるでしょう。やりたい仕事がなくても転職して大丈夫なのでしょうか?転職への気持ちの固め方や、やりたい仕事の見つけ方を紹介するので、参考にしてみてください。
やりたい仕事がない状態で転職はOK?
やりたい仕事がない状態で、転職をしてもよいものなのでしょうか?それを判断するために、考えるべきことを解説します。
転職したい理由を考える
転職を考えているものの、どんな仕事をしたいか分からないという人は、自分でもなぜ転職を考えているのかよく分かっていないのかもしれません。その状態で転職活動を行っても、うまくはいかないでしょう。
まずは、なぜ自分が転職したいのかを考える必要があります。転職をしたいのは、現在の職場や仕事に何かしらの不満・問題点があるからではないでしょうか?
『仕事がつまらない』など漠然とではなく、何が・なぜつまらないのかを具体的に突き詰めることが大切です。
転職したい理由をはっきりとさせることで、次の職場に求めるものや、自分がやりたい仕事が見えてくるかもしれません。
とりあえず転職「活動」をしてみる
転職サイトに登録したり、求人情報を探してみたりなど、とりあえず先に転職の『活動』だけしてみるのもおすすめです。転職サイトの登録は無料の上、実際に転職までする必要はありません。
転職活動を行っていく中で、さまざまな企業・業界の情報に触れられます。自分が今まで知らなかった企業や職種の求人が、多く出されていることに気付くでしょう。それが刺激となり、自分のやりたいことが分かるかもしれません。
1人で悩んでいても、なかなか答えは出ないものです。何かアクションを起こすことで、物事が進み始めるケースはよくあります。
やりたい仕事が見つからないのは普通?
やりたい仕事がないことを、ネガティブに考えている人もいるでしょう。しかし、決して悲観する必要はありません。
多くの人が悩むことの1つ
実は多くの人が、やりたい仕事がないことに悩んでいます。何かの目標から逆算して、今からアクションを起こしている人の方が少数派といえます。
そのため、やりたい仕事がないからと恥じる必要もなければ、自分を責める必要もありません。
転職が当たり前になった現代では、1つの会社で勤め上げるという価値観が変わりつつあります。また、インターネットの普及によりアクセスできる情報が増え、選択肢がありすぎる時代ともいえます。
そのような時代に生きる人にとっては、膨大な選択肢の中から1つを選ぶことは簡単ではないでしょう。
しかし、そこで立ち止まり続けるわけにはいきません。この機会に、自分を見つめ直しましょう。
「やりがい」を重視してみよう
やりたい仕事に就ければ、それに越したことはないかもしれませんが、やりたい仕事ではなく『やりがいのある仕事』を探してみるのもおすすめです。自分のやりたい仕事以外でも、やりがいを感じられれば楽しく働けます。
人が仕事にやりがいを感じる瞬間として多いのは、『感謝をされたとき』です。仕事を通じて、他人や社会に貢献できている実感を得られればやりがいを感じ、いつしかそれがやりたい仕事になっているかもしれません。
やりたい仕事ばかりにとらわれず、やりがいも重視してみましょう。
やりたい仕事が見つからない人の特徴
やりたい仕事がない人には、いくつか共通する特徴があります。3つの特徴を解説するので、自分に当てはまっていないか確認してみましょう。
自分に自信がない
自分に自信がない人は、やりたいと思う仕事があったとしても、『どうせ自分にはできない』と可能性にふたをしてしまう傾向にあります。
過去に仕事で大きなミスをしてしまったり、他人の評価を気にしすぎたりすることで、自信をなくしてしまった可能性が考えられます。
自分自身に批判的になるのは悪いことではありませんが、度が過ぎるとチャンスを逃してしまうでしょう。自信を取り戻すためには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。些細なことでも、自分を褒めることから始めてみましょう。
自分の将来が明確に見えない
やりたい仕事が見つからない人の中には、自分の将来像が見えていない人も多くいます。達成したい目標やなりたい自分像がないために、今何をするべきかが分からないのです。
仕事で忙しい日々を過ごすうちに、目の前のことで精一杯になり、将来にまで目を向けられていない人もいるでしょう。その結果、以前は目標があった人でも、いつしかそれを見失ってしまっているのかもしれません。
自分の将来にはやりたい仕事のヒントが隠れているので、それを見つける作業が必要です。
それなりに何でもこなせてしまう
それなりに何でもこなせてしまう人も、自分が一番やりたい仕事が分からない傾向にあります。何をしてもそれなりにできてしまうので、自分が得意なことや、情熱を持って取り組めることがなかなか見つからないケースです。
そのような器用貧乏なタイプには、仕事に慣れてこなせるようになると、仕事に飽きてしまう人もいます。
何でもできてしまう人は、何か『自分の強みを見つける』ことが重要です。そしてその強みを磨いていくことで、やりたい仕事や情熱を持って取り組める仕事が見つかるでしょう。
やりたい仕事が見つからない原因
やりたい仕事を見つけるには、まずはやりたい仕事がない原因を探る必要があります。やりたい仕事がない原因として、代表的なものを3つ解説します。
自己分析ができていない
人は意外にも、自分自身のことをよく分かっていないものです。そのため、本当は自分の得意なことや、やりたいことがあるにもかかわらず、それに気付いていない可能性があります。
自己分析は自分の強みや弱み、モチベーションの源泉を見つける作業です。自己分析の方法は多種多様ですが、過去を振り返り、感情が大きく動いた経験を深掘りするのが大まかなやり方です。
また、他人に自分のことを聞いてみるのも効果的でしょう。自分自身が見ている自分と、他人が見ている自分は異なることも多いものです。自分も知らなかった、意外な一面が見つかるかもしれません。
知っている仕事の幅が狭い
そもそも知っている仕事の種類が少なく、その選択肢の中にやりたい仕事がないという可能性も考えられます。
世の中には、1万を超える種類の仕事があります。1万以上もあるなら、1つくらいは自分がやりたい仕事があると思いませんか?
また、やりたいことはあるものの、それが仕事にならないと考えている場合もあるでしょう。しかし、そう判断するのはまだ早いかもしれません。
自分が好きなことややりたいことが仕事にできないか、徹底的に調べることが重要です。
仕事選びの基準が決まっていない
『やりたい仕事』について、自分の中で基準が定まっていない可能性もあります。基準がないなら、どれがやりたい仕事で、どれがやりたくない仕事かが判断できません。
仕事選びの基準とは、仕事に対して求めるものの優先順位のことです。仕事選びの基準は、『NEED』『CAN』『WANT』の大きく3つに分けられます。
- NEED:社会から求められていることを仕事にすること
- CAN:自分ができること、得意なことを仕事にすること
- WANT:自分がやりたいことを仕事にすること
この中のどれを仕事にしてもよいですが、3つの要素について、自分の中で優先順位をつけることが重要です。やりたいことが決まらない場合は、NEEDやCANを優先してもよいでしょう。
「楽しく働く」やりたい仕事の見つけ方
やりたい仕事の見つけ方を、3つ紹介します。いずれも試してみて、しっくりくるやり方でさらに深掘りをしてみるとよいでしょう。
今までの成功体験を洗い出す
過去の成功体験には、やりたい仕事のヒントが隠れています。今まで何かをやりきった経験や、成功した経験を振り返ってみましょう。そのような経験をしたとき、感情が大きく動いたはずです。
そのときどのような気持ちになったか、なぜ頑張れたのかを深掘りすると、自分のモチベーションの源泉が見えてきます。そして、自分がどのような環境や状況において、力を発揮するのかが分かります。
また、成功体験は自分の得意分野であることも少なくありません。自分の得意なことを仕事にすれば、結果を出しやすく、仕事を楽しめる可能性が高いでしょう。過去を振り返り、自分の強みを見つけてみるのもおすすめです。
将来なりたい自分から逆算
やりたい仕事を見つけるには、理想の将来像を思い描き、そこから逆算する方法もおすすめです。
まずは『10年後には〇〇のような人になっている』など、大きな目標を設定します。その後に、5年後の状態や達成すべきこと、3年後、1年後と大きな目標に対する小目標を設定しましょう。
そうすることで、今からどのような仕事に就くべきかが自然と見えてきます。その結果、今はさほどやりたいと感じない仕事をやることになったとしても、将来のためと考えれば前向きに仕事に取り組めるようになるでしょう。
やりたくない仕事も考えてみる
逆転の発想で、やりたくない仕事を考えてみることも有効です。転職サイトの求人などを見て、やりたくない仕事をピックアップしていきましょう。
そして、やりたくないと思う仕事の共通点を探します。その裏返しが、自分のやりたいことです。
例えば、給与の伸びしろが小さいことが嫌と感じるなら、インセンティブで稼げる営業職が向いているかもしれません。
また、コミュニケーションに苦手意識を持っているなら、1人で黙々と作業をするような仕事の方が、活躍できる可能性は高いでしょう。
ほかの方法で行き詰まったときは、別の角度から自分のやりたい仕事を探してみるのもおすすめです。
転職活動に関する疑問点もチェック
転職活動をする際の、よくある疑問に回答します。転職活動をスムーズに進めるために、しっかりと把握しておくことが大切です。
転職活動は在職中・辞めてからどっちがよい?
転職活動をする場合、仕事を辞める前と後のどちらがよいかは人それぞれで、どちらにもメリット・デメリットがあります。自分の状況・性格に合った方法で進めましょう。
在職中に転職活動をするメリットは、収入が途絶える心配がない点です。そのため、焦ることなくじっくりと転職活動を進められます。
しかし、働きながらの転職活動は、体力的に負担がかかります。計画的に進めないと、長期化の原因にもなるでしょう。
一方、退職後に転職活動をする場合は、転職活動に100%集中できることがメリットです。面接の日程も組みやすく、チャンスをつかみやすいでしょう。
ただし、退職後は収入がなくなるので、転職活動が長引くにつれて精神的な負担が大きくなっていく点がデメリットです。生活がままならなくなる焦りから、冷静な判断ができなくなる恐れがあります。
転職先を探す方法は?
転職先を探す方法はいくつかありますが、代表的なのは転職サイトと転職エージェントを利用することです。
転職サイトとは、求人の掲載に特化したサービスです。自分の希望条件でフィルタリングもできるので、すでにやりたいことがある程度固まっている人におすすめといえます。
転職エージェントは、担当のエージェントがキャリアの相談から内定までサポートしてくれるサービスです。
転職のプロが自分に合った企業を紹介してくれるため、1人で転職活動を進める自信がない人に適しています。もしかすると、自分が思ってもいなかった求人を紹介してくれる可能性もある点が魅力です。
転職サイトも転職エージェントも、登録および利用は無料でできるので、どちらも登録しておくと転職活動の幅が広がるでしょう。
転職について相談するなら誰がよい?
転職について相談するときは、できるだけ距離が近すぎない第三者の意見を求めることがポイントです。家族や上司に相談する場合は、親身になってくれやすいものの、感情的になって建設的な議論ができない可能性も考えられます。
特に上司に相談したときは、最悪の場合、転職活動を邪魔してきたり、会社での居心地を悪くしてきたりするかもしれません。
その点、転職エージェントなどの第三者は転職をサポートするのが仕事なので、自分にとって1番よいアドバイスをしてくれます。家族や上司には、転職の意思が固まった段階で、報告という形で話すのがおすすめです。
焦らずまずは自分と向き合ってみよう
やりたい仕事が見つからないまま転職活動をしても、よい結果は生まれにくいでしょう。まずは、自分がなぜ転職活動を考えているのかを、はっきりさせる必要があります。
また、やりたい仕事を見つけるためのアプローチはいくつかあります。それぞれ試してみて、自分に合った方法があればさらに深掘りしていきましょう。
何となく転職という選択肢が浮かんできたら、最初は自分と向き合い、今の自分は何を求めているのかを理解することが重要です。