適性検査「玉手箱」とは?問題の傾向と対策のポイントをチェック

転職や就職活動の際、玉手箱という適性検査を受けることがあります。言語や計数、英語、性格テストといったジャンルがあり、短い時間で多くの問題を解かなければならないテストです。どういった問題の傾向があるか、事前にできる対策は何かを解説しましょう。

玉手箱とは?

パソコン作業中

(出典) photo-ac.com

玉手箱は適性検査の一種ですが、具体的にどのような検査なのでしょうか。テストの形式について紹介していきます。

SPIに次ぐメジャーな適性検査

玉手箱は日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。

適性検査は、企業にとってふさわしい人材かチェックするために行われ、他に有名な検査としてはSPIが挙げられます。業種は関係なく、幅広い企業が就職・転職試験の一環として適性検査を行っています。

玉手箱には大きく分けて能力テストと性格テストがあり、能力テストはそこから言語、計数といったジャンルに分かれます。

英語を選択するかどうかは企業にもよりますが、英語が苦手という人はあらかじめしっかり勉強しておきましょう。

テスト形式について

玉手箱は、基本的に自宅で受ける形式のwebテストです。自宅で受ける方法以外にテストセンターでの受検も可能となっています。

出題形式は言語や計数、英語といった科目があり、その中でいくつかの問題形式に分かれている構成です。例えば英語であれば、長文読解、論理的読解といった形式があります。

同形式の問題の中で、1種類の問題が繰り返されることが玉手箱の特徴であり、長文読解の場合は長文を読んだ上で設問に答える問題だけが出てきます。

制限時間が短く設定されていることが多いのも、玉手箱の特徴の1つです。スピーディーに問題を解いていく能力が求められます。

玉手箱で出題されるテストの種類

勉強のイメージ

(出典) photo-ac.com

玉手箱では、どのような内容の問題が出されるのでしょうか。ジャンルごとに詳しく見ていきましょう。

言語問題

言語問題は「論理的読解」「趣旨判定」「趣旨把握」に分かれており、基本はどれも長文を読んで、それに対して出題されるという形式です。

例えば論理的読解であれば、一定量の長文をまず読み、その後に続く設問それぞれの内容が正しいか間違っているか、あるいは判断できないかを選択していきます。

問題の量が多く、例えば8つほどの長文に対する選択問題24問程度が出題され、これを10〜15分ほどでやらなければいけません。1つ1つに時間をかけているとあっという間に時間オーバーになってしまうため、少しでも多くの問題を解きにかかるようにしましょう。

計数問題

計数問題は、四則逆算と図表の読み取り、表の空欄推測といった3つのカテゴリーに分かれています。方程式の空欄となる数字を計算するのが四則逆算、図表から数値を読み取るのが図表の読み取り、表の空欄に入る数値を推測するのが表の空欄推測です。

例題としては、「40×○÷0.2=50」といった問題が出題され、○には何が入るかを選択肢から選ぶといった形になります。

計数問題は電卓の利用が可能なため、必ず手元に用意しておきましょう。また、電卓の打ち間違えがないよう普段から電卓に慣れておくことも大切です。

英語の問題

英語問題には大きく2つの種類があり、「論理的読解」「長文読解」に分けられています。どちらも長い英文を読み内容を理解しなければ解けないため、基本的な英語力が必要です。

論理的読解は長文を読んで正誤を判断する問題で、読解力はもちろん論理的な思考力も求められます。

長文読解では、長い英文に関する問題を数多く答えなければいけないため、素早く英文を読み進める力が必要です。

性格テスト

性格テストに特徴的なパターンはないので、直感に従って回答していきましょう。設問数が68問と多く、回答時間は20分ほどなので、ある程度のスピードも求められます。

しかし適当に答えると正しい適性が導き出せなかったり、面接での回答と整合性がなくなって信用を落としたりというデメリットが生じる恐れがあります。

応募先の企業が求める人物像にある程度だけ寄り添った答えを選ぶ程度であれば問題ありませんが、わざとらしく合わせすぎるのは控えましょう。

玉手箱の対策方法とは

カフェで勉強をする女性

(出典) photo-ac.com

玉手箱の対策には、どういった方法があるでしょうか。具体的な対策法をいくつか紹介します。

問題集を繰り返し解く

基本的には、問題集を解いて出題形式に慣れるという対策が有効です。問題集には大抵解説もついているため、基本的な対策がしっかり行えるでしょう。

一度解いて分からなかった問題は、解説を読んで繰り返し解き、出題形式自体に慣れるのが有効です。

問題数をこなすことで、自分の得意ジャンル・不得意ジャンルを把握できてくるでしょう。特に正解率が悪かった不得意なジャンルを集中してこなせば、苦手の克服につながります。

また、得意ジャンルも並行して反復することで、より短い時間で正確に解けるようになり、制限時間内にテストを終えられるようになります。

性格テストのために自己分析を

性格テストのコツは自分を過度に飾ろうとしないことです。無理に企業に合わせすぎると、回答に矛盾が出てきて企業に見抜かれてしまいます。

なるべく素直に、直感で答えましょう。しかし実際は、設問数が多くて時間内にすべて直感で答えるのが難しいケースもあります。

そんなときに困らないよう、あらかじめ自己分析をして、自分の性格の傾向をつかんでおくと有利です。

自分が今まで困難に直面したときや何かを達成したときなど、大きく感情が動いた出来事を思い出します。そのときの行動を思い返し、そこから長所や短所を導き出すことで深く自己分析ができるでしょう。

事前対策のポイント

キーボードと電卓

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事前対策をしておけば、数多くの問題を前にしても焦らずに済みます。事前に立てられる対策をいくつか紹介しましょう。

パソコン・電卓に慣れておくことが重要

玉手箱は基本的にWEBテストなので、パソコンでの入力に慣れておくことも重要です。例えば特定の問題を後回しにしたいとき、ペーパー試験でははなくWEBでの回答となるため、前のページには1ページずつしか戻せません。

あらかじめどの問題を飛ばしたかを手元に記録しておくなどの対策を講じて、パソコンを使った問題の進め方に慣れておきましょう。

計数問題では電卓が使えますが、こちらも入力に手間取ると有効活用できないため、パソコンの操作と合わせて慣れておくのが大事です。計算結果を一時的に記憶しておけるメモリー機能など、普段あまり使用しない機能も使えるよう練習しておくと役立ちます。

問題を解く時間を意識する

玉手箱はどのジャンルも時間制限が厳しく、スピードを意識して問題を解かなければいけません。

練習のときから1問にどれだけかかるのか測って確認していき、時間が足りないようであれば速読の練習をするといった対策を立てましょう。

英語問題の場合、英単語をできるだけ多く覚えることで読むスピードも上がり、結果として時間短縮となります。

早めの対策で余裕をもってテストを受けよう

パソコンを使って勉強する男性

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玉手箱は、SPIと並んで多くの企業で導入されている適性検査です。webで行われるテストのため、パソコンの操作に慣れておくことが大切になってきます。

問題のジャンルは限られているものの、問題数と制限時間が厳しく、1問あたりにかけられる時間は短いのが特徴です。

問題集を買って繰り返し解く、速読力を身に付けるなどの対策をしてテストに挑むようにしましょう。

また性格分析は自分を飾りすぎずに、素直な気持ちで答えることが大切です。問題集をやってみてすぐに答えられない場合は、自己分析から見直してみると時間短縮につながります。