経歴詐称をしたらどうなる?経歴に自信がないときの対策も紹介

転職活動中、自分の経歴に自信がないことから「少しくらい詐称しても大丈夫かな?」と思っている人もいるかもしれません。経歴詐称はバレてしまうのか、バレたらどうなるのか、また経歴に自信がない場合の対処法を解説します。

転職での経歴詐称は結局分かる

履歴書

(出典) photo-ac.com

転職活動で経歴詐称をすると、発覚してしまうものなのでしょうか。経歴詐称をしてしまう人の心理もあわせて解説します。

詐称は発覚すると考えた方がいい

結論をいうと、経歴詐称はいつか必ず発覚すると思っておいた方が良いといえます。経歴詐称が起こる原因は主に2つで、書類の記入ミスによるものと故意に行うものです。

記入ミスとは、企業に在籍していた期間や資格の取得時期、派遣社員の場合は派遣元会社の記載を誤ってしまうことなどが挙げられます。たとえ故意でなかったとしても、間違った情報を記載している以上は経歴詐称となってしまいます。

自分を良く見せようとして意図的に正しくない経歴を申告することは、いわずもがなでしょう。

経歴詐称にあたる項目

資料をチェックする女性

(出典) photo-ac.com

自分を上手にアピールするために、正しい経歴にもとづいて少しばかり“盛る”ことは決して悪いことではありません。しかしそれが許されるのは事実の範囲内だからであり、事実と異なることをいえば、詐称になってしまいます。

転職活動で企業に伝える項目について、どのような行為が経歴詐称にあたるかを解説します。

学歴

学歴の詐称とは実際の出身校よりも知名度の高い大学を卒業していると偽ることや、高卒なのに大卒とうそをつくことなどが該当します。また浪人や留年を隠すために入学・卒業時期を偽ることも経歴詐称です。

職歴

職歴の詐称には、都合の悪い経歴を隠ぺいしたり、転職回数や在籍期間を偽ったりすることが挙げられます。具体的には、空白期間や早期退職をなかったかのように見せる、転職回数をごまかすために複数社の在籍期間をまとめて1社として書くなどが挙げられます。非正規雇用であったにもかかわらず、正社員と偽ることも経歴詐称です。

免許・資格

持っていない資格を持っていると申告する、実際に保有している点数や級を高く見せるといったことも経歴詐称にあたります。例えば、TOEICやTOEFLの点数を実際よりも高くしたり、2級までしか持っていない資格の1級を保有していると偽ったりすることです。

「入社後に取れば良い」と思っていても、その時点で保有していないのに持っていると申告するのはアウトです。なお自動車の運転免許を持っているかどうかを偽るのも経歴詐称にあたります。

年収

前職の年収は、転職先の給与を決める際のベンチマークとなります。年収はその人の能力を表すものであり、企業としては優秀な人材を確保するために前職以上の年収を提示することがよくあります。

そこを逆手にとり、年収交渉を有利に進めるために前職の年収を実際よりも高くいうことは経歴詐称です。

お金関係は特にトラブルの元になりやすい問題です。年収は残業代やボーナス、各種手当を含めた正確な金額を申告しましょう。

職位・業務内容

選考に通りやすくする、有利な条件で採用してもらおうとするために経験した業務やポジションを偽ることも経歴詐称です。具体的には、やったことのない業務をやったと偽る、管理した人数を実際より多くいう、役職についていた期間を実際より長くいうことが挙げられます。

確かにメンバーとして関わっていたものの、実態としてほとんど携わっていなかった業務をあたかも経験があるように主張することもNGです。

経歴をより魅力的に見せるのであれば、数字を使ってアピールするのがおすすめです。

経歴詐称が発覚する理由

資料チェックする女性

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経歴詐称はあらゆるきっかけで発覚します。どのような場面で経歴詐称が発覚するのかを解説します。

会社が行うリファレンスチェック

リファレンスチェックとは、応募者の前職の上司や同僚に、人となりや実績を確認する作業のことです。外資系企業では広く行われていますが、近年では国内企業でも実施するところがあるようです。

特に信用が重要視される金融業界や企業の管理・会計部門では、選考中にリファレンスチェックを行う場合があります。このとき、本人の主張と周囲の人の話がかみ合わず、経歴詐称が明るみに出ることがあります。

なお転職エージェントを利用している場合は、エージェントと企業の担当者が会話する中で発覚するケースも考えられるでしょう。

年末調整や雇用保険

年収や所属企業の詐称は、年末調整や雇用保険の加入手続きの際に発覚します。会社員の場合、年末に源泉徴収した税額と実際の所得税を照らし合わせ、差額を清算する年末調整が行われます。

年の途中に入社した場合も、年末調整では前職の給与を含めた1年間の所得を元に税金の計算を行うため、このタイミングで年収の詐称がバレるでしょう。

前職を退職する際は、雇用保険被保険者証が渡されます。転職先では、雇用保険の加入手続きをするためにこれを渡さなければなりません。雇用保険被保険者証には前職の企業名が書いてあるため、経歴詐称がバレるポイントの1つになります。

人と人のつながりからバレる

特に前職と同じ業界の企業に転職する場合、共通の知り合いをたどって経歴詐称がバレるケースがあります。同じ業界なら、取引先が同じだった、前職の会社に知り合いを持つ社員がいるというケースは珍しくありません。

この場合、当事者たちの何気ない会話から、うそが発覚することがあります。人づてでなくとも、普段の会話で自分のした発言が選考時でいっていたことと矛盾することで、うそが発覚するケースもあります。

業務をする中で、自分が詐称した実績と実際の能力にギャップが表れることで、疑われる可能性もあるでしょう。

経歴詐称が発覚するとどうなるのか?

解雇予告通知書を見せる女性

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もし経歴詐称が発覚した場合は、どうなるのでしょうか。知られてしまった場合のリスクを2つ紹介します。

内定取り消し・解雇

前提として、経歴詐称は犯罪には該当しません。しかし経歴詐称をして内定をもらっていた場合は、取り消しになる可能性が高いでしょう。企業はその人の経歴を評価して内定を出していたので、それが虚偽であれば判断の根拠が覆るためです。

入社済みの場合は、解雇処分が考えられます。ほとんどの場合、入社時に締結する雇用契約書には虚偽の主張をしていないことを宣言する旨が含まれており、それに違反するためです。

また就業規則で経歴詐称についての処置を規定している場合は、それに従って処分を受けることになるでしょう。

周りからの信用がなくなる

仮に解雇にならなかったとしても、経歴詐称が発覚したときのデメリットは大きいでしょう。会社内で「経歴詐称をした人」というレッテルを貼られ、信用を失ってしまうためです。

業務は問題なく遂行できていたとしても、会社での居心地は悪くなってしまいます。その後ろめたさから、自ら退職を申し出ることになるかもしれません。

目の前の内定を取るためについたうその代償は大きいといえます。こういった意味でも、経歴詐称はしないほうが賢明でしょう。

経歴に自信がないときの対策

パソコンを操作する男性

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経歴詐称が悪いことと理解していても、自分の経歴に自信を持てず、どうすれば良いかわからない人もいるでしょう。経歴詐称をせずに、自分の経歴を生かす方法を3つ紹介します。

経歴に応じた求人を探す

自分の経歴に合った求人であれば、経験の不足やスキルの低さはデメリットにならないでしょう。経歴に自信を持てないと感じている人は、もしかしたら理想が高すぎるのかもしれません。

自分の持っているスキルと企業が求めているものにギャップを感じることで、自信をなくしてしまうのでしょう。

しかし経歴に自信がなくても、転職に成功している人は多くいます。そのような人は未経験OKの求人や、入社後に資格取得やスキルアップが見込める求人に応募しています。

特に20代のうちはポテンシャルを見込んで採用してくれる場合も多いので、ハードルを下げて求人を探してみましょう。正社員をはじめ、さまざまな雇用形態に対応した求人サイト「スタンバイ」で、条件や希望に見合った職探しをしてみるのもおすすめです。

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経験やスキル以外のアピールポイントを探す

事実として語れる経験やスキルがない場合は、それ以外のアピールポイントを探してみましょう。具体的には、業務をするときに工夫したことや、それによる成功体験などを語るのがおすすめです。

自分の長所をアピールするといい換えることもできます。実績とまではいえなくとも、具体的なエピソードと一緒に長所を語れば十分にアピールは可能です。

また、仕事で学んだことを話すのも良いでしょう。ただ仕事をこなす人よりも、何かを学び取ろうという姿勢で取り組んでいる人の方が、伸びしろがあるためです。

フリーター歴が長い場合

フリーター歴が長い場合は、どのようにフォローをするかで懸念を払拭できます。

フリーターだった期間が長いと、会社員としての社会人経験が浅いと思われたり、計画性のなさを疑われたりするのではないかと心配に思う人もいるでしょう。

フリーター歴を偽ることは経歴詐称になるため、事実として記載するしかありません。しかしフリーターをしていた合理的な理由を説明できれば、マイナス評価をある程度回避できるでしょう。

例えば「資格の勉強時間を確保するために、勤務時間の融通を利かせる必要があった」と説明できれば、目的意識を持って過ごしていたことをアピールできます。

うっかりミスでの詐称にも注意を!

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故意であっても、うっかりミスであっても、事実と異なる申告をすれば経歴詐称になります。経歴詐称にあたるものには、学歴や職歴だけでなく、資格や年収、経験した業務内容があります。

経歴詐称をしても、さまざまなきっかけで知られてしまうことになるので、やめた方が良いでしょう。もし経歴詐称が発覚すると、内定の取り消しや解雇などの処分を受ける可能性が高くなります。

経歴に自信がない場合は、自分に見合った求人に応募したり、経歴以外の長所をアピールしたりするのがおすすめです。フリーターの場合は、納得のいく理由を説明できれば懸念を払拭できるでしょう。