内定のお礼メールは送るべき?書き方やマナー、例文を紹介

企業から内定の連絡をもらったら、マナーとしてお礼メールを送った方がよいのでしょうか?本命の企業からの連絡を待っているときにはどう書いたらよいのか、分からない人もいるかもしれません。内定のお礼メールを書く際のマナーや例文を紹介します。

内定のお礼メールは送るもの?

スマホを操作する手元

(出典) photo-ac.com

内定をもらったら、お礼メールは送るものなのでしょうか?お礼メールを送らないとマナー違反になってしまうのではないかと思いながらも、メールを送るのを迷っている人もいるかもしれません。

結論からいうと、内定のお礼メールは送るのがおすすめです。その理由を詳しく説明していきます。

送ると丁寧な印象を与えられる

内定をもらったらお礼のメールを必ず送らなければいけない、というルールはありません。しかし、一言お礼のメールを送るだけで丁寧な人という印象になり、入社後も気持ちよく仕事を始められます。

電話で連絡をもらったときはその場でお礼を言えるので、必ずしもメールを送る必要はないですが、メールで再度感謝の気持ちを伝えても失礼には当たりません。

他社の結果待ちなどでいったん内定を保留したいときも、お礼メールを送ってその旨を伝えておくのがマナーです。

内定のお礼メールを送るときのポイント

スマホとパソコン

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内定のお礼メールを送るときは、どのようなことに注意したらよいのでしょうか?お礼メールを送信する際のポイントを、5つ挙げながら説明します。

メールの件名は変えずに返信する

内定通知がメールで来たときは、そのメールに返信すればOKです。その際は、企業の採用担当者から来たメールの件名を変えずに返信しましょう。

件名に「Re:」と付いていると自分が送ったメールへの返信だと分かるので、担当者の目にも留まりやすくなります。

もし新規に作成して送るときは「内定のお礼」などのような件名にして、お礼のメールだと分かるようにしましょう。

会社名や担当者名は略さずに書く

メールの宛名や本文などに会社名や担当者名を書くときは、株式会社を(株)と書いたり、部署名や役職名が抜けてしまったりしないよう注意しましょう。

面接で何度か会っているうちに親近感が湧いたとしても、担当者の敬称は「さん」ではなく「様」と書きます。

宛名では「様」と書いても、本文の中で「〇〇さん」と書いてしまう人もいるので気を付けましょう。

承諾を保留するときは回答する日を伝える

他社からの結果待ちで入社の決断を保留したいときは、お礼メールでその旨を伝えておくことが必要です。

その場合は内定のお礼に加えて、保留する理由と回答期限を明記します。保留理由には、他社からの返答待ちと書いてもマナー違反にはなりません。

また一般的に、内定の承諾を保留できる期限は「1週間程度」といわれれいます。入社する意思がなくなったとしても、回答期限内に必ず再度連絡しましょう。

内定を辞退する場合はお詫びの言葉を入れる

内定を辞退したいときは、内定のお礼を述べた後に、辞退することをはっきり伝えましょう。辞退する理由とお詫びの言葉を述べた上で、誠意を込めて丁寧に謝罪することが大切です。

内定を辞退すれば、採用担当者とは今後直接会わないかもしれませんが、この先入社を選んだ企業と取引する可能性がないとも限りません。

貴重な時間を割いて面接をしてもらえただけでなく、必要な人材として能力を評価されたことへの感謝と謝罪の気持ちを真摯に伝えるのは、社会人としてのマナーです。

遅くとも翌日中には送る

お礼メールを送るときは、内定の連絡をもらったその日のうちに送信するのがマナーです。何も連絡をしないと、内定の通知を送った担当者にはメールがきちんと届いたのかや、内容に目を通したのかが分かりません。

そのため、お礼メールは感謝の気持ちを伝えるだけでなく、連絡を受け取ったことを知らせる役割もあるといえます。

当日中に送れない場合は、遅くとも翌日中には送りましょう。その際は、連絡が遅れてしまったことのお詫びを、忘れずに書き添えることが大切です。

内定のお礼メールの書き方

タイピングをしている手元

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内定をもらったことへのお礼を、どう書けばよいのか分からない人もいるかもしれません。ここでは、内定のお礼メールを書くときのポイントを順番に解説していきます。

あいさつ文を入れる

メールの場合、手紙を書くときのように「拝啓」「敬具」などの頭語や結語を入れる必要はありません。

時候のあいさつの代わりに、「いつもお世話になっております」のようなシンプルなあいさつ文から始めます。

あいさつ文の後は、自分の名前を名乗りましょう。

内定のお礼を伝える

続いて、内定をもらったことへの感謝の言葉を書きましょう。「この度は内定をいただき、大変光栄に思っております」と、選考に通った喜びをストレートに書いてOKです。

「家族ともども喜んでおります」などのように具体的に書くと、内定をもらってうれしい気持ちがさらに伝わりやすくなるでしょう。

ほかにも、「選考していただき感謝しております」「貴社の内定をいただけて、大変光栄に思っております」「採用のお知らせをいただき、大変うれしく思っております」なども、喜びや感謝の気持ちを伝える表現として使えます。

入社後の意欲を伝える

感謝の言葉に次いで、入社してから仕事を頑張りたいという意欲や意気込みも書きましょう。たとえ入社前の不安があっても、そのことを書くとあまりよい印象を与えないので、書かない方が無難です。

「一日も早くご期待に添えるよう精一杯努力いたします」「貴社の戦力として活躍できるよう一生懸命頑張ります」などのような、前向きな表現をすると好印象を与えられます。

お礼メールを送る時点ではまだ正式に入社したわけではないため、入社する企業のことを「我が社」や「自社」とはいわず、「貴社」とするのが正しい書き方です。

定型句で締めくくり、署名も入れる

あいさつ文・感謝・入社後の意気込みを書いたら、本文の最後に「今後ともよろしくお願いいたします」などの定型句を入れて締めくくりましょう。

メールの最後には、「署名」を入力します。署名に必要な情報は、名前・住所・電話番号・メールアドレスです。

電話番号には固定電話だけでなく、携帯電話の番号も入れておきましょう。メールアドレスは前職の会社用アドレスではなく、個人で使っているものにします。

【ケース別】内定のお礼メールの例文

タブレットで文章を打ち込む

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実際の内定のお礼メールはどのように書けばよいのか、例文を紹介しながら説明していきます。内定を承諾する場合・保留する場合・辞退する場合の、3パターンに分けて見ていきましょう。

内定を承諾する場合の例文

内定を承諾するときはお礼を述べた後に、入社してからの抱負や意気込みも書くようにすると印象もよくなります。後日あらためて内定承諾書を提出することもあるため、お礼メールでは「取り急ぎメールで連絡します」と一筆入れてもよいでしょう。

【例文】

〇〇株式会社
総務部人事課
△△様

いつも大変お世話になっております。
内定のご連絡をいただいた〇〇と申します。

先日はお忙しい中、面接のお時間を割いていただきありがとうございました。

本日採用内定のご連絡をいただきましたことを、心よりお礼申し上げます。家族も貴社への入社を喜んでおり、感謝の気持ちが増しております。

入社後はこれまでの経験を生かし、一日も早く戦力となって貴社に貢献できるよう努力していきたい所存です。どうぞご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

この度は誠にありがとうございました。
まずは取り急ぎメールにてお礼申し上げます。

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名前
住所
電話番号
個人メールアドレス
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内定を保留にしたい場合の例文

他社からの連絡を待ってから入社を検討したいときは、いつまでに回答するか期限を明記します。遅くとも「1週間以内」には連絡するのがマナーです。保留にしてほしい理由も書きましょう。

【例文】

〇〇株式会社
人事部採用担当
△△様

いつも大変お世話になっております。
先ほど内定のご連絡をいただいた〇〇と申します。

この度は採用の内定をいただき誠にありがとうございました。
面接にも貴重なお時間を割いていただいたことを感謝しております。

大変恐縮ではございますが、現在他社からの選考結果の連絡も待っている状況でして、入社のお返事を〇月〇日まで待っていただくことは可能でしょうか。

貴社には大変魅力を感じておりますが、全ての結果が出た上で慎重に決めたいと考えております。

ご迷惑をおかけして申し訳ありません。何卒ご理解をいただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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氏名
住所
電話番号
個人メールアドレス
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内定を辞退する場合の例文

内定を辞退するときは内定への感謝を伝えた後、辞退することに対して誠意を持ってお詫びすることが大切です。

辞退する理由を「他社に入社するため」と書いても失礼には当たりません。転職活動の際に数社の面接を受けるのはよくあることなので、採用担当者も納得してくれるでしょう。

【例文】

〇〇株式会社
人事部採用課
△△様

いつも大変お世話になっております。
先ほど内定のご連絡をいただいた〇〇と申します。

この度は採用内定をいただき、誠に感謝しております。
せっかく採用を決めていただいたところ大変心苦しいのですが、今回貴社の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

面接では貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました。△△様をはじめ、選考の際にお会いした方々とのお話を通じ、貴社の社風や業務内容に大変魅力を感じたのですが、自分の適性を考えた上で今回の決断にいたりました。

このような結果となり誠に申し訳ありません。心からお詫び申し上げます。

本来であれば直接お詫びに伺うところではございますが、メールでのご連絡となりますことをご容赦ください。

末筆になりますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

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氏名
住所
電話番号
個人メールアドレス
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内定のお礼メールは当日中に送信しよう

パソコン前でスマホを操作する人

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内定の連絡をもらったら、なるべく早くお礼のメールを送りましょう。面接で貴重な時間を割いてもらったことへの感謝も伝えると丁寧な人という印象になり、採用を決定した担当者も気持ちよく入社の準備を進められるはずです。

転職活動では複数の企業の面接を受けるのが一般的なので、万が一内定を辞退することになっても、しっかりお礼とお詫びの気持ちを伝えれば問題はありません。どのような場合でも、相手への誠意を持って早急に連絡することが大切です。