内定の承諾メールの送り方やマナーは?例文や注意点とともに解説

転職活動で応募先の企業から内定をもらった場合、内定の承諾についてどのように連絡をするのが正解なのか、迷ってしまう人も多いでしょう。今回は内定を承諾するメールの送り方やマナー、注意点を例文とともに紹介します。

内定を承諾する前に確認するべきこと

スマホを手にしている女性の手元

(出典) photo-ac.com

まずは、企業から内定をもらったら、承諾の連絡をする前に確認すべき点について説明します。この事前確認を怠ると、入社後にトラブルになる可能性もあるため注意しましょう。

入社日や給与、休日などの労働条件

雇用契約を結ぶ際に、企業側は採用した人に対して労働条件を提示する義務があります。「労働条件通知書」「雇用契約書」「内定通知書」などと呼ばれる、労働契約の期間や勤務場所・業務内容・賃金などについて明記した書面を開示するのが一般的です。

いざ入社してみたら、聞いていた条件と違うなどというトラブルを避けるため、給与や休日、残業時間などの労働条件については、必ず内定承諾前に確認しましょう。

基本的に一度入社の意思を伝えたあとに労働条件の変更はできないため、不明点や疑問点があれば遠慮せずに聞いた方がお互いのためです。

他社の選考状況

転職活動は複数社の選考を同時並行で進める人も多いため、1社から内定をもらった際に、まだ他社の選考が進行中という状況が発生するケースもあるでしょう。

他社の選考結果を待ってからどちらに入社するかを決めたい場合は、他社の結果が出る日を確認して、その日まで待ってもらうように交渉する必要があります。

転職活動で複数社を受けることについては企業側も理解しているため、きちんと説明すれば受け入れてくれる場合も多いものです。

ただしその際に、他社が第一志望といった伝え方をするのはNGです。人生において重大な決断なのできちんと考えたいという気持ちを伝えましょう。また、内定を承諾してから他社の選考を受けるのはマナー違反なので、注意が必要です。

内定承諾メールを送る際のマナー

パソコンでメールを打っている手元

(出典) photo-ac.com

労働条件や他社の選考状況の確認が終わり、いよいよ入社する決意が固まったら内定承諾の連絡をします。内定承諾メールを送る際のマナーについて解説します。

企業からの連絡手段に合わせる

内定承諾の連絡は、電話で内定通知をもらったら電話で回答し、メールでもらったらメールで返信するなど、企業からの連絡スタイルに合わせるのが一般的です。

ただし、回答の仕方に正解はないため、「直接気持ちを伝えたいから電話する」や「電話をしたあとに念のためメールも送りたい」という方法もOKです。

また、電話をかけて担当者が不在だった場合には、メールで送っても失礼には当たりません。

1週間以内に返事する

企業から内定を通知される際に、多くの場合は内定承諾の返答期限が設定されます。返答期限は数日~1カ月など企業によって異なりますが、1週間程度であるケースが多いでしょう。

返答期限内であればいつ連絡をしても問題ありませんが、入社する気持ちに迷いがないならば、当日中に返事をすると企業からの印象もよいでしょう。

仮に他社の選考結果を待ちたいなど、期限内に返答できない理由がある場合は、内定先の企業に延期のお願いをする必要があります。延期してもらえたとしても、1週間以内を目安に返事をするのがマナーです。

ただし、返答期限の延長に関するお願いは、必ずしも了承されるわけではない点を覚えておきましょう。

お礼と意欲を伝える

内定承諾メールを送る際には、内定をもらったお礼と入社してからの仕事への意欲を伝えます。

採用担当者は、選考に多くの時間を割いて応募者と真剣に向き合っています。真剣に選考した結果、自分を採用しようと決めてくれたことに感謝の気持ちを持って、まずは「内定のご連絡を頂きありがとうございます。」とお礼を伝えましょう。

また、「1日でも早く活躍したい」や「貢献できるよう努力する」など、入社してからの意欲を伝えて締めるのが一般的です。

内定承諾メールの例文

パソコンを操作しながら手書きでメモを取るスーツの男性

(出典) photo-ac.com

続いて、実際に企業に送る内定承諾メールの例文を紹介します。内定をすぐに承諾する場合と保留後に承諾する場合の2つのパターンがあるため、状況に合わせて使い分けましょう。

すぐに承諾する場合

企業から内定の通知をもらってすぐに承諾する場合は、「内定へのお礼」「内定承諾の意思」「入社後の意欲」を簡潔にまとめます。

【例文】

株式会社○○
人事部 ○○様

大変お世話になっております。
貴社の中途採用に応募しました○○(氏名)です。

この度は内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
貴社からの内定を謹んでお受けいたします。

1日も早く貴社で活躍できるよう努めて参りますので、
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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氏名

住所

電話番号

メールアドレス

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保留後に返信する場合

内定の通知をもらったあとに一旦保留してから承諾メールを送る場合には、「猶予をもらったことへのお礼と謝罪」「内定承諾の意思」「入社後の意欲」を伝えるのが基本です。

【例文】

株式会社○○
人事部 ○○様

大変お世話になっております。
貴社の中途採用に応募しました○○です。

この度は内定の回答期限について、猶予を頂きましてありがとうございます。
検討の結果、是非貴社で働かせて頂きたいと考えております。

こちらの都合で回答まで時間を頂き、申し訳ございませんでした。
1日も早く貴社で活躍できるよう努めて参りますので、
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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氏名

住所

電話番号

メールアドレス

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内定承諾メールを送る際の注意点

メールを打とうとしている手元

(出典) photo-ac.com

最後に、内定承諾メールを送る際の注意点について説明します。企業が内定を出したことを後悔することのないよう、きちんとマナーを守った内定承諾メールを送りましょう。

件名は変更しない

企業からの内定通知メールに返信をする際には、件名は変更せず「Re:元の件名」で返信するのが正しい形です。

採用担当者は毎日多くのメールを受信しているので、件名を変更してしまうと他のメールに紛れてしまったり、迷惑メールと間違えられてしまったりする可能性があります。

気を遣ったつもりが採用担当者の手間を増やしてしまいかねないため、件名には手を加えないようにしましょう。また、メール本文も引用して返信すると、一目で内容が分かりやすくなります。

メールのアカウント名は本名にする

Gメールや携帯キャリアメールなど、送信者の欄に登録アカウント名が表示される場合、自身の表示名は本名にしておくのがビジネスマナーです。

ニックネームやプライベートで使うアカウント名で登録していると、誰だか分からないだけでなく、インターネットのリテラシーが低いを与えてしまう可能性があります。

企業にメールを送る前に、自分や友人などに一度メールを送ってみて、アカウント名を確認すると安心です。

現職のメールアドレスは使用しない

仕事をしながら転職活動をしている場合でも、現職のメールアドレスを使用して応募先の企業とやりとりするのは控えましょう。

仕事中に転職活動をしている不真面目な社員という印象を抱かれ、新しい会社に入社しても適当に仕事をされるのではという不信感を与える可能性があります。

現職が忙しく、どうしても業務中にやりとりしないと時間がないという場合は、会社のアドレスからではなく携帯から連絡するのが無難です。

マナーを守って内定承諾メールを送ろう

スマホとパソコン

(出典) photo-ac.com

転職先への内定承諾メールは、人生における新たな一歩への幕開けとなる大事な連絡です。これから一緒に働いていく会社に対して、選考への感謝の気持ちや今後頑張っていきたいという想いを込めて送りましょう。

マナーや注意点を守ったメールを送ることで、やはり内定を出してよかったと企業側に再認識してもらえるかもしれません。転職先で幸先のいいスタートを切れるように、正しい内定承諾メールを送信しましょう。