履歴書を郵送する場合は、送付状を入れるのがマナーです。しかし、送付状をどのように書くべきか、分からない人もいるのではないでしょうか?送付状は手書きにするべきなのかや書き方、注意点を解説します。マナーを守って送付状を作成しましょう。
履歴書の送付状は手書きの方がよい?
履歴書の送付状は、手書きで作るべきなのでしょうか?送付状の必要性や、郵送時のマナーも含めて解説します。
手書き・パソコン作成のどちらでもOK
結論からいうと、送付状の作成は手書き・パソコンのどちらでも問題ありません。近年では、修正のしやすさからパソコンで作成するケースが増えています。
一方で、手書きの方が丁寧な印象を与える場合もあります。手間を省きたい人にはパソコンでの作成が、字に自信があるなら手書きで作るのがおすすめです。
応募書類の中でも、選考に関係するのは履歴書と職務経歴書です。送付状を手書きにするかどうかで、迷いすぎないよう注意しましょう。
そもそも送付状は必要?
郵送するときは、送付状を添えるのがマナーです。面接当日に直接渡す場合は、送付状を作る必要はありません。送付状は挨拶状の役割を果たしており、直接渡せないときの挨拶代わりとなるためです。
また、送付状は同封されている書類の内容や、枚数を伝える役割も持ちます。送付状があることで、内容物が漏れなく入っているかを確認できるので、受け取った側にとっても便利です。
郵送時に送付状を添えることは、社会人としてのマナーと心得ておきましょう。
郵送するときのマナー
応募書類を郵送するときは、送付状を一番上に置き、履歴書・職務経歴書・そのほかの書類の順に封筒に入れましょう。折り目が付いたり雨にぬれたりしないように、書類は「A4の透明なクリアファイル」に入れるのがマナーです。
郵送するときは郵便局に持っていき、重さに応じた金額の切手を購入するのが確実です。ポストに入れる場合はあらかじめ切手を用意する必要がありますが、金額が足りないと返送されてしまいます。
どうしても郵便局に寄れない場合は、140円分の切手を買っておくと重量オーバーになることはほとんどないでしょう。
送付状の書き方
続いて、送付状の具体的な書き方を解説します。ただ送付状を添えるだけでなく、正しい方法で作成しましょう。
手書きは縦書き、パソコンは横書き
送付状を手書きするときは「縦書き」、パソコンで作る場合は「横書き」で作成するのが原則です。
いずれの場合も、用紙はA4またはB5サイズで、ほかの書類と合わせます。ビジネスシーンではA4が主流なので、特に理由がなければほかの書類もA4サイズでまとめましょう。
用紙は、ビジネスシーンに適したシンプルなものを選ぶのが望ましいですが、書きやすいように罫線が入っているものを選んでも問題ありません。ただし、色や柄の装飾が入っているものはNGです。
送付状に記載する内容
送付状には、以下の7点を記載します。
- 頭語と時候の挨拶
- 主文
- 末文
- 結語
- 送付年月日
- 署名
- 宛先
頭語とは書き出しの言葉のことで、「拝啓」を書きましょう。時候の挨拶も一緒に記載します。主文には、求人に応募する旨および応募書類を送付する旨を書きます。
末文には面接を希望していることを、結語には「敬具」を書き、頭語と対応させましょう。署名は、自分の名前のみを書きます。
宛先は個人宛なら「様」、組織宛なら「御中」と書く点も覚えておきましょう。これらの内容をA4用紙1枚にまとめます。
なお、送付状は黒ペンで書くのが原則です。また、履歴書と同じように修正液を使うのはNGです。書き間違えた場合は、新しく作り直しましょう。
送付状を書くときの注意点
送付状を書く際には、いくつか注意点があります。せっかく送付状を作ったのに印象を下げないよう、以下4つの点も押さえておく必要があります。
長々と自己PRをしない
合格したい気持ちが強いと、送付状にも自己PRを入れたくなる人もいるでしょう。一言簡単に入れる分にはよいですが、長々と書くのはNGです。むしろ、自己PRは入れなくても問題ありません。
送付状は、挨拶と内容物を知らせることが目的の書類です。送付状で長々と自己PRをするのは、本来の目的から外れた行為のため、印象を悪くする要因になります。
オリジナリティーを出して差別化したいかもしれませんが、それは履歴書や職務経歴書、面接で行うのが得策です。
経歴のフォローを入れない
経歴にブランクがあったり、短期間での離職が続いていたりする場合、フォローを入れたくなるかもしれません。しかし、送付状で経歴のフォローを入れるのは、かえって印象を悪くします。
送付状で経歴のフォローを入れるのは、言い訳と捉えられかねないためです。もしフォローを入れたい場合は、職務経歴書に記載しましょう。
その際も「言い訳」ではなく、「理由」を記載するのが基本です。介護や病気などやむを得ない理由があれば、くみ取ってくれるはずです。
希望の条件は書かない
挨拶状である送付状に自分の要求を記載することは、敬意に欠きます。どうしても譲れない条件がある場合は、履歴書の本人希望欄に記載しましょう。
確かに給与や休日、勤務地などの就業条件は、会社を判断するための重要な要素です。しかし、希望の条件は履歴書に書いてあれば見てくれるので、わざわざ送付状に記載する必要はありません。
定型文だけの文章はNG
インターネットで調べれば送付状のサンプルが多く見つかりますが、それを丸々コピーして作るのはおすすめできません。
定型文だけの送付状は手抜きだと思われ、かえって印象を悪くする可能性があるためです。定型文だけの書類を受け取って、うれしい人はいません。
オリジナリティーを過度に出す必要はありませんが、それでも1社1社丁寧に作っていることが分かるような内容にするのが望ましいでしょう。
定型文ばかりになっていると感じた場合は、長くならない範囲で自己PRや志望動機を入れると、熱意が伝わります。
履歴書の送付状は合否に関係する?
封筒に送付状を入れ忘れた場合や、書き方に誤りがあった場合、合否には影響するのでしょうか?送付状が合否に与える影響を解説します。
合否には直接関係しないことが多い
送付状の有無や、多少の記載ミスが選考に関係することは、ほとんどありません。選考に関係するのは、あくまで履歴書や職務経歴書だからです。
しかし、郵送時に送付状を入れないことはマナーに反しているため、余計なところで印象を悪くしないよう、入れておくのが無難といえます。
また、送付状を入れたからといって、色ペンで書いていたり修正液を使った跡があったりしても、マナーがなっていないと思われてしまう要因になります。
合否に関係ないからとないがしろにするのではなく、一般常識が身に付いていることをアピールする気持ちで作成しましょう。
書く手段よりもマナーを守ることが重要
送付状は、手書き・パソコン作成のいずれでも問題ありません。むしろ近年は利便性の観点から、パソコンの方が主流になりつつあります。重要なことは、手書きかどうかよりも、マナーを守って作られているかどうかです。
送付状の書き方は、ある程度フォーマット化されているので、型が分かれば書き方に迷うことはないでしょう。しかし、定型文オンリーになったり、逆にオリジナリティーを出そうとして型破りな書き方をしたりするのはNGです。
送付状は合否には関係しない書類なので、無難かつ丁寧に作っていることが分かれば十分です。この記事を参考に、正しい送付状の書き方をマスターしましょう。