転職応募書類の略歴の書き方とは。記載内容や注意点を解説

転職活動時の応募書類には、学歴・職歴を書く欄があります。履歴書の経歴欄や、職務経歴書の略歴には何を書けばよいのでしょうか?基本的な略歴の書き方と、具体例を解説します。略歴を作成する際に、気になる疑問についても見ていきましょう。

履歴書と職務経歴書に書く経歴の違い

履歴書と封筒とペン

(出典) photo-ac.com

略歴とは「おおまかにまとめた経歴」のことです。履歴書と職務経歴書には、それぞれ経歴を書く欄があります。履歴書と職務経歴書では略歴の書き方が異なるため、まずは違いを見ていきましょう。

履歴書には学歴・経歴を時系列で記載

履歴書には、学歴と職歴を古い順に記載します。学歴とこれまでの職歴を全て書くスタイルです。

会社名や入退社の履歴、具体的な業務内容などを数行でまとめます。履歴書の経歴欄は、簡潔にまとめるのが一般的です。

転職回数が多い場合には、全て記載しつつ簡略化も求められます。職歴が多いからと完全に省略するのはNGです。採用の判断にかかわる経歴を書いていない場合、経歴詐称を疑われる可能性もあります。

職務経歴書は略歴を記載

職務経歴書には、「略歴」と「具体的な職務経歴」を記載します。ここでの略歴は「職務要約」とも呼ばれ、職務経歴を簡単にまとめたものです。

履歴書に書く経歴とは異なり、職務経歴の中で担当者に特に見てもらいたい部分を抜き出し、簡潔にまとめます。経歴の羅列ではなく、自分のキャリアの要約という要素が強いと考えましょう。

略歴は必要に応じて記載します。必須情報ではありませんが、採用担当者がこれまでの職歴をすぐに判断できるよう、つけておく方が親切です。転職を重ねている場合は職歴が長くなるため、略歴がある方がよいでしょう。

そのほか、育児・療養・独立などで職歴に間が空いている人は、状況を説明するためにも略歴が必要です。略歴欄をポジティブに記載すると、印象アップもねらえます。

略歴に記載する内容と具体例

履歴書や職務経歴書などの形式を問わず、略歴を求められた場合は最低限「最終学歴」と「職歴」「会社や業務について簡単にまとめた内容」を記載するようにしましょう。

【略歴の具体例】
2017年3月 ○○大学○○学部○○科 卒業
2018年4月 株式会社○○ 入社
○○部で総務事務を○年間担当

メールや応募フォームに略歴を記載するよう指示があった場合は、簡単な自己PRを添えると、具体的な業務内容や志望動機が分かりやすくなります。退職経験がある場合は、退職した年・月と「一身上の都合により退職」のように退職理由を記載しましょう。

略歴作成のポイント

職歴欄

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履歴書の経歴欄や、そのほかの書類に略歴を書くよう求められた場合、何か注意点はあるのでしょうか?基本的なポイントを解説します。

学校名や会社名は全て正式名称で書く

略歴には、時系列で入学・卒業・入社・退社の情報を全て記載します。高校卒業からの学歴および職歴を記載するのが一般的です。学校名や会社名は、「○○県立○○高等学校」「○○株式会社」など、正式名称を使いましょう。

「○○高校」「○○(株)」といった略称は避け、正式名称が分からない場合は調べた上で記載します。大学名や会社名には長いものも多く、普段は通称を使うケースもあるでしょう。

履歴書や職務経歴書は、採用担当者が必ずチェックする書類です。印象を下げないよう、正しい名称や言葉遣いを意識しましょう。

数字表記や和暦・西暦は統一する

転職の際に提出する書類には、数字や年号を書く欄があります。和暦・西暦のどちらを使うかは、原則自由です。提出する書類内で表記が統一されていれば、どちらでも問題ありません。

略歴にも、入退社の年・月を記載します。どちらの暦を使うのかについては、経歴部分だけでなく書類全体で統一しましょう。和暦・西暦が混在していると、読みにくくなってしまいます。

転職時に使用する書類は、横書きが主流です。数字表記は算用数字が見やすいでしょう。固有名詞などで漢数字を使うケースを除き、統一します。

略歴についてのよくある疑問

履歴書とペンと封筒

(出典) photo-ac.com

学歴・職歴を記載する略歴は、これまでの経歴が増えるほど記載事項が多くなります。転職回数が多い場合や、書きたくない経歴がある場合はどうすればよいのか確認しましょう。

職歴が多くて全て入らない場合は?

転職回数が多い人は、履歴書に全ての経歴が書ききれないというケースがあります。数行足りない程度であれば、経歴欄の多い履歴書を選んで対応しましょう。

履歴書は「経歴欄に全ての職歴を書く」ことが基本です。どうしても書ききれない場合は、内容に合わせて工夫します。

退職の回数が多いケースでは、「○年○月入社(○年○月退職)」といったように、1行で入社・退社について書くこともできるでしょう。また、詳しく書きたい職歴が一部に限られる場合は、履歴書の下部に省略した職歴をまとめます。

そのほか、「省略した経歴は職務経歴書に記載」と誘導し、制限のない職務経歴書を活用する方法も検討しましょう。

短期間で離職したことを省略可能?

学歴、職歴は、原則的に省略できません。短期間での離職も、正直に記載しましょう。省略すると、ウソをついたと判断される可能性があります。

学歴やこれまでの経歴は、会社側が採用の可否を判断するための大切な情報です。ウソの情報を書くだけでなく、必要な情報を書かないケースも経歴詐称になります。

後日ネガティブな情報が発覚した場合、トラブルが起きる可能性も考えておきましょう。選考がスムーズに進んでいても、選考中止や内定取り消しにつながります。

転職活動の略歴は正しく簡潔にまとめよう

履歴書を書く手元

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転職活動時には、履歴書や職務経歴書にこれまでの経歴を書く欄があります。経歴を簡単にまとめた「略歴」を書く際には、書類の形式に合わせて必要な情報をまとめましょう。

学校名・会社名は正式名称を使い、数字や和暦・西暦は統一します。学歴と職歴は、転職活動でも重視されるポイントです。正しい情報を簡潔に記載しましょう。