働く女性必見の転職マニュアル。仕事の選び方から企業の見極め方まで

「やりがいのある仕事を見つけて、キャリアアップしたい!」と考える女性に向けて、転職を成功させる秘訣をまとめました。転職への不安を解消し、理想の仕事探しを始めてみませんか?女性におすすめの職種もあわせて紹介します。

女性の転職にベストなタイミングって?

パソコンで調べ物をする女性

(出典) photo-ac.com

転職のタイミングは人それぞれと分かっていても、一般的なベストタイミングを知りたくなるものです。まずは、転職を成功させた女性の平均年齢と、社会の変化について考えてみましょう。

女性の転職者の年齢と限界年齢

厚生労働省が発表した「令和3年上半期雇用動向調査結果の概況」を見ると、女性の一般労働者の転職入職率は、20~24歳が6.9%、25~29歳が6.8%、30~34歳が5.3%、35~39歳が4.5%、40~44歳も4.5%という数字になっています。このことから若年層だけではなく、35歳以上の女性も転職に成功していることがうかがえます。

以前は女性の転職は30歳までとする「女性30歳転職限界説」がよく聞かれましたが、今では40代や50代で転職する女性も珍しくありません。

転職の限界年齢はもはや普遍的なものではなく、社会の状況や個人のスキルによって変化するものとなったのです。

参考:令和3年上半期雇用動向調査結果の概況

年代別に見る転職のポイント

履歴書に書き込む

(出典) photo-ac.com

同じ女性の転職でも、年代によってアピールする部分は異なります。企業は中途採用者に何を求めているのか、年代別に転職活動のポイントを見ていきましょう。

20代女性が転職する場合

未経験の職種や業界への転職では、20代女性の転職のしやすさは抜きん出ています。

特に20代前半は第二新卒と呼ばれ、企業からも注目されやすいでしょう。1〜5年ほどの社会人経験を積み、一通りのマナー・スキルが身に付く時期と考えられるためです。

20代後半でも採用枠は大きいですが、第二新卒と比べてリーダーシップを求められるケースが増えてきます。

いずれにせよ、経験よりもポテンシャルを期待されていることが多いため、成長への意欲を見せることが転職成功への近道となるでしょう。

30代女性が転職する場合

30代女性の転職の難易度は、志望する職種と現職との関連によって大きく変わります。今の仕事と同様のスキルを生かせる企業であれば、即戦力として求められることも多いでしょう。

30代も未経験での転職は可能ですが、ポータブルスキルが身についていることが求められます。前職で培った知識や能力で活かせることがあればしっかりとアピールしましょう。ポータブルスキルとは、仕事の進め方や対人マネジメントなど、どの企業でも通用する知識・能力のことです。

もし現在の仕事で管理職を経験していれば、初めから管理職を狙えるポジションへ転職することも十分可能でしょう。

40代女性が転職する場合

40代女性の転職は、これまで培ってきたビジネススキルがものをいいます。個人の能力を重視する企業では、ポテンシャルよりも即戦力を求める傾向があるためです。

スキルの方向性と熟練度によっては、未経験職種へ転職することも不可能ではありません。その際にもこれまで培ってきたスキルや人脈などを活かせそうな業界や職種を探してみましょう。

こうした企業へ自分を売り込むには、まずキャリアの棚卸しをして、自分の経歴を正確に把握することが肝心です。転職希望の企業を徹底的に研究し、どのように貢献できるか明確にしておきましょう。

転職に失敗しがちな女性の傾向

スーツ姿の女性の後姿

(出典) photo-ac.com

転職した女性たちがみんな満足しているわけではなく、中には「失敗した」と思っている人もいます。その原因は、一体何なのでしょうか?

ポジティブな目的を持っていない

転職を後悔する大きな原因の1つに、ポジティブな目的を持っていないことが挙げられます。目的意識が曖昧だと、分かりやすい待遇面ばかりを重視してしまいがちです。

選んだ仕事がたまたま自分にぴったりであればよいのですが、その幸運にあずかれる可能性はそう高くはないでしょう。理想と異なるどころか、前職より不満をためてしまう結果にもなりかねません。

こうした失敗をしないためにも、現職の不満から解放される方法を明確にし、それをかなえられるかどうかを基準に次の仕事を選ぶ必要があるのです。

ライフステージの変化を考えていない

男性と比べると、女性は結婚・出産で生活が変わりやすいといえます。今は居心地のよい職場でも、数年先には働きにくくなっているかもしれません。

こうしたギャップを埋めるためには、徹底した企業研究が重要となります。待遇や職種が同じでも、社風・労働環境は企業によってさまざまです。

近年では、転職に活用できる口コミサイトやSNSも増えています。できる限り企業の情報や女性社員のリアルな声に目を通しておくようにしましょう。

自分の市場価値を客観視できていない

自分の市場価値を見誤っていると、なかなか転職先が決まりません。自己評価と企業が求める人材にギャップがあれば、ライバルを押しのけて採用を勝ち取ることは難しいでしょう。

たとえ就職できたとしても、スキルが不足していれば、能力以上の仕事に苦しむことになります。逆に自分を過小評価していた場合は、仕事に物足りなさを感じることになるでしょう。

市場価値とは、専門性・能力・経験・実績・再現性の5要素から判断します。理想のポジションにいる同年代と比較し、自分を客観的に評価することが大切です。

転職に成功する女性はここが違う

前向きなイメージの女性

(出典) photo-ac.com

準備段階が、仕事探しの成否を分けるといっても過言ではありません。転職に成功した女性たちに共通する、3つの法則を紹介します。

「10年後の自分」のビジョンがある

順調にキャリアを積んでいく女性たちは、常に10年先を見越したキャリアプランを立てています。

例えば、結婚・出産後も腰を据えて働きたいと思う人は、労働環境の整った企業の正社員を目指すことが多いでしょう。

将来は手に職を付けて独立したいと考えて、資格取得の勉強ができるよう、残業の少ない職場を選ぶ人もいます。

10年後になりたい自分の姿がイメージできていると、今どの仕事に就くのがベストか見極めやすくなるのです。

転職先が決まってから退職する

仕事を続けながら転職活動をするメリットは、経済的にも精神的にも余裕を持てることです。収入減が断たれると、転職活動ができる期間が限られてしまいます。

集中して仕事を探したとしても、なかなか次の仕事が決まらないことも珍しくありません。「早く就職しなければ」という焦りで転職先を決めるのは、非常に危険です。

また、働いていない期間があることは評価を下げこそすれ、プラスになることはありません。今の仕事でスキルを磨きながら希望の求人を待った方が、理想の転職をかなえやすくなるでしょう。

自分に合った転職サービスを利用する

厚生労働省が行った2020年の「転職者実態調査の概況」によれば、約4割の転職者が転職サイトや求人情報専門誌などを利用していたとされています。

特にパソコン・スマホなどのICT機器の扱いに慣れた世代は、使い勝手のよい転職サイトで仕事を探す人が多いでしょう。

次いで多かったのが、ハローワークなどの公的機関で相談したケースです。キャリアコンサルティングを希望し、転職エージェントに相談した人もいます。

どの手段を利用するにしても、転職活動に割ける時間を考慮し、自分に最も合ったサービスを選ぶことが重要です。

参考:令和2年転職者実態調査の概況(3.転職について)|厚生労働省

女性が転職するなら転職サイトを活用しよう

パソコンとスマホを操作しながら目元を取る女性

(出典) photo-ac.com

転職サイトを活用する人が多いのは、それだけたくさんの利点があるからです。それでは、転職サイトで女性が得られるメリットとは、どのようなものでしょうか?

理想のワークライフバランスを追求できる

求人情報が豊富な転職サイトなら、理想のワークライフバランスを実現する仕事に出会える確率がぐっと高くなります。

女性が活躍する企業が増えてきたとはいえ、やはり男性と比較して女性は仕事への向き合い方が多様といえます。キャリア・プライベート・家庭の、どこに比重を置くかは人それぞれです。

例えば、新しい服を買いたいときは、さまざまな方向性のショップが集まる大型モールの方が、より多くの女性を満足させるでしょう。

これと同じように、仕事を探したいときは求人の絶対数が多い転職サービスを選ぶことが得策です。

自分の目で企業を選べる

「仕事選びは結婚相手を選ぶことに似ている」といわれます。ならば転職活動は受け身ではなく、能動的に自分にふさわしい仕事を探すべきでしょう。

転職サイトなら、まるでお見合い相手の身上書を見比べるように、さまざまな求人情報を比較検討できます。

また、転職サイトには、ハローワークや転職エージェントのように仲介役がいません。そのため、キャリア的に適性がなくても、気になった仕事にチャレンジしやすいのです。

未経験の仕事や異業種への転職を希望している女性にとっても、積極的に利用したいツールといえるでしょう。

転職活動とプライベートを両立できる

「1日の時間が足りない」と感じている女性は少なくありません。時間をやりくりして転職活動するには、自分のペースで仕事を探せる転職サイトがぴったりです。

隙間時間を有効に使って仕事を探せるため、今の仕事はもちろん、プライベートを犠牲にすることもなく転職活動を続けられます。

資格の勉強をしている人・子育て中の人・大切な趣味を持っている人などは、まずは転職サイトに登録して仕事探しを始めてみてはいかがでしょうか。

女性向け転職サイトの選び方

パソコンとスマホで調べ物をする女性

(出典) photo-ac.com

一口に転職サイトといっても、どのサイトも同じというわけではありません。女性が仕事を探しやすい転職サイトの特徴を押さえておきましょう。

女性に人気の求人が豊富

転職サイトのランキングサイトもありますが、人気だけで選ぶのはおすすめできません。転職サイトによっては、求人の得意分野や向いている年齢層に偏りがあるためです。

効率よく転職活動を進めるためにも、仕事選びの選択肢が広がる転職サイトを選びましょう。重要なのは公開されている求人数と、自分に合った求人があることの2点です。

また、転職サイトは幅広い求人を取り扱う「総合型」と、専門性の高い「特化型」に分類されます。まずは、求人が豊富な総合型転職サイトに登録するとよいでしょう。

女性目線の情報が手に入る

政界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数2021」によると、経済分野における日本の男女格差は156カ国中117位と、国際的に見て差が大きいとされています。

つまり企業によっては、いまだに男社会が根付いているということです。真剣に職場を探すとなると、女性社員の労働環境の実態調査が欠かせません。

企業が提示する求人情報には、そこまで踏み込んだ情報は記載されていないでしょう。そこで活用したいのが、実際に働いている人・働いていた人の口コミ情報です。

こうした内情がうかがえるコンテンツのある転職サイトを利用すると、理想と現実のギャップを小さくできるでしょう。

参考:「共同参画」2021年5月号 | 内閣府男女共同参画局

最適な求人に出会える「スタンバイ」

「スタンバイ」は、1,000万件以上の求人数(2020年8月時点)から検索できる転職サイトです。

国内最大級のポータルサイト・Yahoo! Japanの「Yahoo! しごとカタログ」とサービス提携しており、職種を問わない豊富な求人で転職者の注目を集めています。

Yahoo! Japan IDを持っていれば、新着求人のお知らせメール受信のほか、社員の口コミや年収情報のリサーチもできます。

こだわり検索で産休・育休取得実績のある企業を絞り込めるため、将来的に出産を希望する女性の仕事探しにもおすすめです。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら

女性が自分の適職を見極める3つの基準

手帳に記入する女性

(出典) photo-ac.com

自分の適職を見つけることは、実はそんなに難しいことではありません。キャリアの方向性に迷っている人は、ここで紹介するポイントを参考にしてみましょう。

魅力を感じる仕事内容

第一に、仕事内容に興味を持てる職種を選びましょう。興味もやりがいもない仕事を続けていくのは、苦痛以外の何者でもありません。

できるかどうかではなく、やりたいと思えるかどうかが大切です。興味や憧れの対象は変わっても、その方向性や人の性質は変わりにくいものです。今好きだと思えることを基準にしましょう。

とはいえ、全てが魅力的な仕事に就くというのは、あまり現実的ではありません。好きな部分と嫌いな部分を比べて、よいイメージが勝ったのなら、自分に合った仕事だといえます。

第三者から評価された分野

特別に好きなことが思い当たらないという場合は、過去に褒められた経験を振り返ってみましょう。評価されることの多かった仕事は、適職になりやすいのです。

人は誰しも承認欲求を持っています。褒められればやる気が増し、さらに満足のいく仕上がりを求めるでしょう。結果として、不満は最小限に楽しく仕事を続けられます。

目に見える成果だけでなく、その人の性質もスキルのうちです。例えば、誰とでも分け隔てなく仲良くできる人は、社交性の高さを販売職や営業職で生かせるかもしれません。

将来の理想像につながる仕事

どんなことでも、今の自分が経験することが未来の自分につながります。将来の理想像に近づくためには、何を達成すべきなのでしょうか?

人生における仕事の位置付けは、人によって違います。キャリアを積み上げたい人なら、必要なスキルを磨ける仕事に満足感を覚えるでしょう。

プライベートを充実させたい人には、キャリアアップできる忙しいポストよりも、時間で公私をはっきり区別できる仕事が向いています。

譲れない条件をクリアしているものが、今の自分にふさわしい仕事です。

女性に人気の職種

事務作業をしている女性

(出典) photo-ac.com

仕事選びに迷ったときは、人気の職種から探してみる方法もあります。今まで視野に入っていなかった職種が、生涯の仕事になるかもしれません。

やりがいを感じやすい「MR」

MRとは「Medical Representative(医薬情報担当者)」の略名です。医療業界の営業職であり、一般のドラッグストアでは取り扱えない医薬品を、医療従事者に紹介して実際の処方へつなげます。

専門性の高い知識が必要とされるため、他業種の営業職よりも給与の水準は高めです。人々を救う医療の一端を担う仕事だけに、やりがいを実感しやすいでしょう。経験を積めば、医療業界の別職種へのキャリアチェンジも可能です。

MRに向いているのは、多くの営業職と同様に、同僚と競って数字を追える負けず嫌いな人です。情報収集が得意であったり、多くの施設に足を運ぶ行動力であったりも、MR向きの素質といえます。

安定の働きやすさ「経理事務」

事務職は全般的に女性人気が高い傾向ですが、中でも経理事務は安定性が抜群です。どのような企業であっても経理業務は必ず発生するため、経験を積めばあらゆる企業へ転職できます。

専門性は高いものの、仕事のスタイルとしてはほかの事務職と変わりはありません。比較的残業が発生しにくく、プライベートとの両立もかなえられます。

経理事務に向いているのは、数字に強く、データ集計やルーティンワークが得意な人です。些細なミスも許されない仕事であるため、集中力と正確性が求められます。

センスを生かせる「インテリアコーディネーター」

インテリアコーディネーターとは、「ポップで若者受けしやすい感じ」「北欧風で明るい雰囲気」といった漠然とした内装イメージを、自分のセンスで形にしていく仕事です。

活躍できる業界には、ハウスメーカー・家具メーカー・デパートといった商業施設などがあります。

クライアントからの聞き取りが必須となるため、人と接することが好きな人や、聞き上手な人が向いているでしょう。また、デザインには流行があるため、トレンドに敏感なことも重要な資質といえます。

インテリアコーディネーターになるには、インテリア業界での経験が必須です。未経験で転職するのならば、最初は接客や販売スタッフから始めて経験を積むことになるでしょう。

ステップアップできる職種

カウンセリングをしているエステティシャン

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ライフステージの変化に対応できるよう、手に職を付けたいと考える女性も多いようです。現場で使えるスキルを磨き、ステップアップできる職種を紹介します。

いずれは独立開業も「エステティシャン」

エステティシャンは、美容業界の中でも注目の職種です。国家資格は必要なく、働きながら知識・技術を身に付けられます。

未経験からでもチャレンジしやすい仕事で、異業種からの転職もさほど難しくはありません。エステサロン・リラクゼーションサロンのほか、ホテル・スパなど、活躍の場は多岐にわたります。

しかし、華やかなイメージの反面、個人のスキルが問われるシビアな職種でもあります。施術とカウンセリングが主な仕事となるため、高い美意識と人に寄り添う共感力が必須といえるでしょう。

結婚・出産後に自宅で小さなエステサロンを始める女性も多く、独立開業を目指すなら候補に入れておきたい職種といえます。

実力次第で収入アップ「WEBデザイナー」

「いずれ在宅で働きたい」と考えているなら、WEBデザイナーという道もあります。自分のペースで仕事ができるため、家事・子育てと仕事を両立しやすいでしょう。

WEBデザイナーの仕事の醍醐味は、自分の仕事の成果がはっきりと見えるところです。デザインが多くの人の目に留まり、高く評価されたときには大きな達成感が得られます。

1人でコツコツ行う工程が多いため、地道な作業が苦にならない人に向いているでしょう。また、技術はどんどん進化していくため、常に勉強し続ける向上心も欠かせません。

未経験OKの求人は20代向けがほとんどですが、最低限の知識を学んでおけば、30代での異業種転職もできるでしょう。

ますます需要が高まる「介護職」

未経験からでも転職しやすい職種の1つに、介護職が挙げられます。高齢化が進むにつれ、医療福祉業界における女性のニーズは、ますます高まっていくでしょう。

介護は、日常生活でサポートが必要な人々を支える仕事です。ほんのわずかな不注意が命に関わる事故につながりかねないため、細やかな気配りができる人に適しています。

入社直後は、先輩の介護職員が付いて実務指導にあたります。いきなり1人で放り出されるわけではないので、未経験者でも安心して働けるでしょう。

介護業界でステップアップしたいなら、働きながら「介護福祉士」を目指すのがおすすめです。必要な実務経験を満たし実務者研修を修了すれば、誰でも受験資格を得られます。

女性が働きやすい企業の見極め方

パソコンを見て考える女性

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女性の転職において、業種や職種と同じくらい重要視すべきなのが労働環境です。働きやすい職場を選べるように、企業の体質を見極めるポイントを紹介します。

離職率と定着率をチェック

女性の働きやすさを判断するバロメーターの1つに、離職率と定着率があります。女性社員の離職率が高い企業は、労働環境が整っていない可能性が高いということです。

厚生労働省が発表した2020年度の「雇用動向調査結果の概要」によると、女性の離職率は「15.9%」でした。もし希望する企業の離職率がこの数字よりも低いのであれば、比較的働きやすい会社だと考えられるでしょう。

定着率を調べるには、企業の口コミを集めているサイトが便利です。社員全体はもちろんですが、できれば女性社員の定着率に注目しましょう。

参考:令和2年雇用動向調査結果の概要 入職と離職の推移(図1-3 性別入職率・離職率の推移)|厚生労働省

女性社員と女性管理職比率を確認

次に確認しておきたいのが、女性管理職の比率です。管理職に女性が1人もいない場合、その企業でキャリアアップするのは難しいかもしれません。

ただし、IT関係や製造業など、もともと女性が少ない職場もあります。こうした企業の働きやすさを、女性管理職の有無だけで判断するのは早計です。

その場合は自分と同世代の女性社員が、どのようなポジションで働いているのか調べてみましょう。女性が男性と変わらない仕事を任せられていれば、能力を公平に評価する会社だと考えられます。

子育て支援制度の実績を調査

産休・育休制度や時短勤務制度があるかどうかも、働きやすさの目安になるでしょう。サポート体制が整っている会社は、女性でもキャリアを積みやすいといえます。

今は結婚・出産を考えていなくても、状況が今後どのように変わっていくかは予想できません。

また、制度の有無だけではなく、実際に利用されているかどうかも調べておきましょう。制度が形だけのものとなっている場合もあるため、実績をリサーチしておくと安心です。

女性の転職でよくある疑問

手帳に記入する女性

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転職活動を始めると、不安だったり分からなかったりすることが増えてくるでしょう。これからの転職活動に役立つよう、転職を考える女性が抱きやすい疑問に回答します。

転職を迷ったときはどうする?

転職は簡単に決心できることではありません。転職したい気持ちはあっても、不安からなかなか行動に移せないという人も多いでしょう。

そんなときは、自己分析や転職サイトへの登録など、第三者が介入しない範囲で転職活動を始めてみるのがおすすめです。キャリアプランの見直しをする中で、新しい気付きが生まれることもあります。

転職活動をしたからといって、必ずしも転職しなければいけないわけではありません。今の仕事を続けるにせよ転職するにせよ、一歩踏み出して自分の気持ちをはっきりさせましょう。

転職しやすい時期はいつごろ?

転職しやすい時期とは、すなわち求人が増える時期です。企業は繁忙期を避けて求人を出すため、年度が切り替わる直前の「3月」や上半期に入る「9月」は、ほかの月に比べて求人が多くなる傾向があります。

応募する前に十分なリサーチ期間を取れるよう、2月・8月の頭から情報収集を始めるとよいでしょう。また、ボーナス後に退職する社員の人員補充が始まる、1月・7月も狙い目です。

ただし、これは一般的なタイミングであり、業種によって求人を出すタイミングは異なります。希望の業界があれば、ボーナスが出る月や繁忙期が何月にあたるのか調べておくとよいでしょう。

転職回数が多いと印象が悪くなる?

転職回数の多さが必ずしもマイナスになるわけではありませんが、短期間で何度も転職している場合、習熟度が不足していると捉えられることもあります。

一般的に1つの企業で3年間働くことが、基礎が身に付く目安だと考えられているためです。一方で、転職回数は採用に影響しないとする企業も少なくありません。

むしろ回数よりも、転職した理由の方が重要視されます。何度か転職経験がある場合、企業が納得するような、向上心がうかがえる退職理由をまとめておくことが肝心です。

用意周到な準備で転職を成功へ導いて

前向きな印象を受ける女性

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仕事もプライベートも全ては地続きになっていて、転職したからといってキャリアがゼロになるわけではありません。むしろ、将来の可能性を広げることもあるのです。

フルタイムで働く女性にとって、仕事をしている時間は生活の大半を占めています。自分の価値観に合った仕事が、人生を充実させるといっても過言ではありません。

転職を成功させる秘訣は、人生の最優先事項を決めることです。自己分析とキャリアプランの見直しができたら、心から打ち込める仕事を見つけにいきましょう。

水野順子
【監修者】All About 女性の転職・女性のキャリアプランガイド水野順子

官公庁、企業人事、人材紹介会社勤務を経て、キャリアカウンセラーとして独立。こころとキャリアの専門家として、女性のキャリアデザイン、ダイバーシティ、女性の働き方を中心に幅広く活動中。今までに20000人以上をカウンセリング。
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