仕事がしんどいと感じているなら、適切な対処法を知っておくことが重要です。原因がどこにあるのかを明確にすることで、取るべき行動が見えてくるでしょう。仕事がしんどいときの考え方や、適切な対処法について解説します。
あなたはこんな考え方をしてませんか?
仕事がしんどいと感じやすい人には、共通した特徴が見られます。自分に当てはまる特徴がないか、セルフチェックしてみましょう。
責任感が強く「しんどい=甘え」だと思う
仕事に対する責任感が強い人は、しんどい気持ちを甘えだと思いがちです。気持ちのどこかに隙があると感じ、根性がない・意志が弱いと自己嫌悪に陥ってしまいます。
「しんどい=甘え」だと思ってしまうと、自分自身を責めることになるため、仕事がつらくなる気持ちに罪悪感を抱いてしまうことすらあるでしょう。
しかし、仕事がしんどいと感じることは、決して甘えではありません。誰にでも起こり得ることであり、甘え以外の原因を突き止めてストレスを解消することが重要です。
心配性で気にしすぎてしまう
他人が何を考えているか気になってしまう心配性の人も、対人関係から仕事がしんどくなる傾向があります。自分の意見を自由に発言できず、ストレスをためてしまうのです。
心配性の人は、自分の発言が周囲にどう思われるのかを常に気にしています。表向きには何も言われなくても、内心は反対しているのではないかと考えてしまい、主張を我慢してしまいます。
ストレスを抱え込みやすい性格・思考の持ち主は、我慢によるストレスが一定レベルを超えると、仕事がしんどいと思うようになってしまうのです。
仕事がしんどくなる場合のよくある原因
仕事がしんどくなってしまうのには、いくつかの原因があります。ストレスを解消して仕事のしんどさを軽減するためにも、まずは原因が何かを考えることが重要です。
仕事内容のミスマッチ
今の職場で任されている仕事に不満がある場合、仕事をしんどいと思いがちです。仕事内容のミスマッチはやりがいの低下につながり、ストレスをためる原因になります。
自分がやりたかった仕事の担当になれなかったり、単純なルーティンワークを日々こなすだけだったりする場合、業務に不満がたまりやすくなるでしょう。
また、自分のスキルが業務を遂行できるレベルに達していないケースでも、ミスマッチが起こります。企業が採用時に、応募者のスキルを見誤った場合に発生し得るパターンです。
業務量が多い・労働環境が悪い
業務量が多すぎるケースでも、仕事がしんどくなってしまうでしょう。定時までに仕事が終わらなければ残業を余儀なくされ、残業が続くと心身ともに疲れていきます。
仕事を効率的に進められない人は、残業が多くなりがちです。周囲に比べて自分だけ明らかに担当業務が多い場合も、残業が増える原因になります。
また、過酷な労働環境下で働いていることも、仕事をしんどいと思う理由の1つに挙げられるでしょう。ノルマがきつすぎたり、休みを取得しにくかったりする環境では、ストレスがたまりやすくなります。
人間関係が悪い
仕事がしんどくなる原因には、人間関係の悪さもあります。上司や同僚との関係をうまく構築できていなければ、仕事自体は好きでもモチベーションが下がってしまうでしょう。
チームで仕事をする機会が多い人は、苦手な人と業務に取り組むときに気を遣ったり不満をためたりしがちです。常にストレスをコントロールする必要があるため、しんどさを感じやすくなります。
パワハラやセクハラなど、上司や同僚から何らかのハラスメント被害にあっている人は、職場に行くのも嫌になってしまうでしょう。
正当な評価がされない
会社から正当に評価されることで、仕事に対するモチベーションは高まっていくものです。努力が成果に結びつき、その成果が適正に評価されれば給与が上がり、やる気もアップします。
しかし、頑張って結果を出しても正当に評価されていないと感じれば、モチベーションは低下してしまいます。成果を認めてもらえない状況が続くと、仕事をしんどく思えてくるでしょう。
成果が評価されず、自分は必要とされていないのではないかという感情が湧いてくれば、自己嫌悪感が増幅してストレスの蓄積にもつながってしまいます。
ストレスがたまっている4つのサイン
仕事がしんどいと感じるのは、ストレスがたまっている証拠です。以下に挙げる4つのポイントをチェックし、ストレスがたまっていないか確かめましょう。
自己肯定感が下がり自信がない
仕事にやりがいを持てなかったり、楽しさを感じなかったりする状況では、小さなミスが誘発されやすくなります。ミスが続くと、注意や叱責を受けることもあるでしょう。
失敗して上司に怒られるたびに、自己肯定感は下がりやすくなります。自分を責めてしまって自信がなくなっていき、次第に仕事がしんどいと感じるようになってしまうのです。
コミュニケーションをうまく取れない人や、良好な人間関係をなかなか構築できない人も、自信をなくして自己否定の気持ちが強くなってしまう傾向があります。
孤立している
仕事で疲れがたまってくると、周囲に気を遣われる恐れがあります。話しかけられても疲労感から無愛想な対応になってしまうと、結果的に職場で孤立しかねません。
周囲から敬遠され孤立してしまえば、困ったときに助け舟を出してもらえなくなるでしょう。業務がたまっても1人でこなすしかなく、仕事が終わらずにますます疲労がたまっていきます。
孤立している状況は、決して人間関係が良好な状態とはいえないため、雰囲気の悪さを感じながら業務に取り組まなければなりません。その結果、仕事がしんどいと感じるようになるでしょう。
イライラしやすい
仕事量が増えて精神的に余裕がなくなると、イライラしやすくなります。時間内に業務を済ませられないことや、自分だけ仕事が多いことに、不満がたまりやすくなるのです。
イライラは、ミスや人間関係の悪化に直結します。失敗の連続や周囲とうまくいかないことがイライラをさらに募らせていき、悪循環に陥ってしまうでしょう。
何をやっても物事が順調に運ばれなくなるため、次第に仕事をしんどく思うようになってしまいます。自分がイライラしていると感じた場合は要注意です。
心身の不調がある
仕事がしんどいと感じる場合は、心身に不調があることも考えられます。身体的な疲労や精神的なストレスにより、常にだるさを感じている状態です。
心身の不調は、さまざまなことが原因で起こります。残業や休日出勤が多い場合、体の疲れがなかなか取れず、慢性的な疲労感が続くことになるでしょう。
また、精神的なストレスは嫌なことばかりが原因とは限りません。仕事にやりがいを感じられなかったり、将来的な不安を漠然と抱いていたりする状況でも、心に不調をきたしやすくなるものです。
個人でできる仕事のストレス解消方法
ストレス解消に大切なのは、気持ちを仕事から切り離すことと、自分の気持ちを整理することです。個人でもできる仕事のストレス解消方法を紹介します。
映画などの娯楽や、友人との会話を楽しむ
仕事のストレスを解消したいなら、趣味や娯楽を楽しむのがおすすめです。プライベートを充実させることで、仕事を忘れる時間が長くなりストレスの軽減につながります。
特に趣味がない人は、テレビで映画やアニメなどを鑑賞するとよいでしょう。笑ったり泣いたりして感情をアウトプットすれば、ストレスを解消しやすくなります。
また、気が合う友だちとおしゃべりを楽しむのもおすすめです。声を出して笑うことは、癒やしや幸福感を得やすくなるといわれているため、心から楽しめる時間を積極的に作りましょう。
不満を紙に書き出してみる
不満に感じていることを紙に書き出してみるのも、ストレス解消に有効な方法の1つです。自分の気持ちを整理することで、しんどさの漠然とした原因を明らかにできます。
何に悩んでいるのかがはっきりすれば、対処法を考えやすくなるでしょう。自分のことを俯瞰できるようになるため、感情のコントロールもしやすくなります。
不満を紙に書く際は、思ったことをそのままストレートに書くのがポイントです。自分の本心に触れることで、本当にやりたかったことが見つかる可能性もあります。
適度なエクササイズをする
適度に運動をすると、ストレスの軽減効果を期待できるといわれています。
筋トレをしたりジムに通ったりといった、本格的な運動をする必要はありません。ジョギングやウォーキングなど、できる範囲で軽い運動から始めてみるのがおすすめです。
家に閉じこもりがちな人は、運動をするために外出することで気分転換も図れます。サークルに所属すれば新たな交友関係が生まれ、プライベートがより充実するかもしれません。
信頼できる友人・上司に相談する
仕事の悩みでストレスを感じているなら、信頼できる友人に相談してみましょう。友人に本音を打ち明けることで、気持ちを整理しやすくなります。
第三者に悩みを話せば、自分だけでは気付けなかった考え方を知れる場合もあるでしょう。問題の捉え方が変わることで、ストレスを感じなくなるケースもあります。
具体的な悩みがある場合は、上司に相談するのもおすすめです。より働きやすい環境になるよう、上司の立場からさまざまな配慮をしてもらえる可能性があります。
会社に対してできる相談・対応
仕事に対する悩みが明確になっている場合は、会社に相談することで問題を解決できるケースがあります。会社に対してできる相談の内容を見ていきましょう。
リモートワークにできないか相談してみる
人間関係が悪いことで出社をしんどく感じているなら、リモートワークが可能かどうか相談してみましょう。リモートワークなら、嫌な人とのやりとりも最小限に減らせます。
また、出社すること自体がしんどいときにも、リモートワークで働くのが有効です。例えば、通勤がかなりのストレスになっている場合は、リモートワークで通勤自体をなくせます。
ただしリモートワークの申し出は、会社の文化によっては単なるわがままとも捉えられかねないため、入念に準備して申し出ましょう。仕事の手順や計画を立てた上で、会社にとって有益であることをきちんと説明する必要があります。
業務量や就業時間の調整を希望する
業務量の多さで悩んでいる場合は、調整できないか上司に相談しましょう。就業時間内に終わらせることができる適切な業務量になるように、仕事の割り振りを再考してもらえる可能性があります。
ただし、業務量の多さに関しては、会社側の希望が反映されているケースがあることもポイントです。ほかにできる人がいない仕事が、自分に回ってきているだけの場合もあります。
「あなたにしかできない仕事ばかりだから、なんとか頑張ってほしい」と上司に言われれば、しんどい気持ちが消えてモチベーションアップにつながるかもしれません。相談してみて初めて分かることもあるのです。
その場合でも、残業時間が多くなりすぎないよう、上司と相談しつつ調整しながら仕事を進めていけるとよいでしょう。
部署の異動を希望する
人間関係や業務内容でしんどいときには、部署異動を希望するのも1つの手段です。働く環境や仕事の内容が大きく変わるため、ストレスの大幅な軽減を期待できます。
特に、人間関係が悪いことで悩んでいる場合、部署異動は問題の解消につながりやすいでしょう。普段一緒に働く周囲の人が、ガラリと変わるためです。
一方で、業務内容を理由に部署異動を希望する場合、異動先の新しい仕事に慣れる必要があります。必ずしもやりたい仕事ができる部署に、異動できるとは限らないことに注意が必要です。
もう限界!心が壊れそうになった人の対処法
精神的な不調で、ストレスが限界に達しそうな場合の対処法を紹介します。手遅れになる前に以下の方法を試してみましょう。
精神科を受診してみる
心が壊れそうになっているほどの不調を感じているなら、精神科を受診しましょう。心の不調が原因で体に症状が出ている場合は心療内科ですが、単に心の不調を診てもらいたいだけなら精神科を受診するのが正解です。
中には、精神科に行くことに抵抗を感じる人もいるでしょう。しかし、近頃では悩み相談があるときに精神科に行く人も多いため、まずは気軽に精神科で相談してみるのがおすすめです。
不調の程度によっては、医師に休職を勧められて診断書を書いてくれることもあります。自分から休職を言い出せない人も、医師の診断書があれば会社に話をしやすいでしょう。
メンタルの不調で仕事に支障が出る前に休職を
メンタルの不調が仕事に悪影響を与える前に、休職するのも1つの方法です。精神的なストレスで仕事ができなくなると、会社にも大きな迷惑をかけてしまいます。
休職中は心身の回復を最優先に考えながら、今後のこともゆっくりと検討しましょう。今の職場で働くことがしんどさの大きな原因になっているのなら、転職も視野に入れる必要があります。
ただし、すぐに退職を考えるのではなく、休職中に自分のキャリアについてじっくりと考えてみるのもよいでしょう。焦って転職すると、新しい環境に慣れる前に再びストレスを抱えてしまう恐れもあります。
退職代行サービスを使う手も
転職したくても、会社に退職の希望を言い出しにくかったり、退職希望を受理されなかったりする場合は、退職代行サービスの利用を検討してみましょう。
業者が会社とやりとりしてくれるだけでなく、場合によっては希望した日にすぐ辞められることも大きな特徴です。民法第628条では、「やむを得ない事由がある場合は、直ちに契約の解除をすることができる」と定められています。
精神的な不調をきたしていたり、ハラスメントを受けていたりなどの事実がある場合は、「やむを得ない事由」に該当する可能性が高いでしょう。
しかし、「やむを得ない事由」は明確に定められているわけではないので、弁護士のような有資格者が運営するサービスを選ぶことが大切です。退職代行する上で生じる法的な問題も、基本的に業者が対応してくれます。
また、業務の引き継ぎに関しても、退職代行サービスを使えば業者を通して引き継ぎをお願いできます。会社から電話がかかってきても応じず、業者に任せても大丈夫です。
退職後の会社との関係は険悪になる可能性が高くなりますが、どうしようもないときには自分を守ることを優先しましょう。
失敗しない転職をするコツ
仕事がしんどすぎて転職することを決めた人のために、注意すべきポイントを解説します。転職で失敗しないためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか?
まずはゆっくり療養
転職することを決めたら、まずはゆっくりと療養して回復しましょう。特に、精神的な不調でダメージを受けた人は、療養に専念することが大切です。
療養のために退職する場合、転職までにブランクができてしまうことを不安に思う人もいるでしょう。確かに無収入の時期ができる上、ブランクが長いほど転職も不利になります。
しかし、ダメージが回復する前に慌てて転職活動を行うと、転職先でも十分に働けない恐れがあります。転職で失敗しないためにも、まずはしっかり休むことが重要です。
やりたいこと・嫌なことの軸を明確に
転職活動中に企業を探す際は、前の職場で嫌だったことを明確にし、同じ条件の転職先を選ばないようにしましょう。企業研究を徹底すれば、ある程度のことは分かります。
人間関係で前の職場がしんどくなった場合、求人だけでは判断しにくいため、面接や職場の様子を見た上で判断してみるのもよいでしょう。
また、嫌なことだけでなく、やりたいことをはっきりさせておくのも大切です。自己分析を入念に行い、自分の好きなことや得意なことを軸に転職先を探しましょう。
早期退職した場合、質問対策をしておこう
前の職場を短期間で退職した場合は、転職活動で不利になるケースがあります。自社でも早期に辞められてしまうのではないかと、採用担当者に思われてしまうためです。
ただし、離職理由の内容や伝え方によっては、早期退職の悪影響を最小限に抑えられます。前の会社でパワハラを受けていたり、労働環境が悪かったりした場合は、正直に伝えるとよいでしょう。
また、前向きな離職理由なら、逆に印象をアップさせることも可能です。自分のやりたいこと・自信のあるスキル・キャリアビジョンなどを絡めて、ポジティブな理由を考えてみましょう。
今の仕事のモチベーションを上げる対処法
仕事がしんどい人の中には、今の仕事を続けたい人もいるでしょう。仕事がつまらなくてしんどい場合に、やる気を回復するヒントを紹介します。
適度に休暇を取る
仕事がしんどくてつらいと感じているのなら、オンとオフの切り替えができているかチェックしましょう。働き詰めで息抜きができていない恐れがあります。
人の心や体は、自分でも気付かないうちにストレスがたまっていくものです。適度にガス抜きを行わなければ、自分では大丈夫だと思っていても、急にやる気がなくなってしまいます。
つらいと感じるときには適度に休暇を取り、リフレッシュの時間に充てましょう。有給休暇を上手に活用し、連休を確保して長めに休むのもおすすめです。
仕事終わりに楽しみな予定を入れる
仕事自体に楽しみを見出せない場合は、自分へのご褒美を設定するのもよいでしょう。楽しみにできる予定を仕事終わりに入れれば、自分なりに仕事を頑張れます。
温泉・エステ・ショッピング・外食など、自分が楽しめるものなら何でも構いません。ご褒美に使う金額は、無駄遣いにならない範囲で決めましょう。
仕事終わりのご褒美は、定期的に設定するのがおすすめです。仕事がしんどくてもご褒美を楽しみにできれば、今の仕事を辞めずに済むでしょう。
小さな目標を設定し、達成していく
仕事や人生に目標がない人は、日々の業務を頑張れなくなってしまいがちです。目標を立てればゴールに向かって頑張れる上、達成感を味わってやる気も出てきます。
いきなり大きな目標を立てるのではなく、まずは小さな目標から設定してみましょう。少し頑張ればクリアできる目標なら、日々の中で達成感を味わえます。
仕事に関係する目標が立てられないのであれば、日常生活の中で目標を立ててみましょう。成功体験を積み重ねていけば自信が生まれ、大きな目標も設定できるようになります。
自分で仕事を見つけて能動的に動いてみる
仕事が単純でつまらない人は、業務効率を上げるために自ら仕事を提案するのもおすすめです。自分なりに仕事を見つけて能動的に動けば、やる気が出やすくなります。
例えば、業務効率が悪いと感じている部分があるなら、業務の仕組み化を考えてみましょう。ツールを導入して単純作業を自動化すれば、作業が楽になり業務のスピードも上がります。
中小企業やベンチャー企業など規模が小さい企業の場合、従業員の意見が通ることもあるでしょう。積極的に提案することで評価が上がれば、しんどさも解消されます。
仕事がしんどいと感じたら適切な対処を
仕事がしんどくなると疲れがたまっていき、最終的に体調やメンタルを崩してしまう恐れがあります。ストレス解消方法を試したり、会社に相談したりするなど、手遅れになる前に適切に対処することが重要です。
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