転職がうまくいかないと思ったら?よくある原因や対策について解説

転職活動を頑張っているのに、なかなかうまくいかないと困っている人も多いのではないでしょうか?内定をもらうには面接対策はもちろん、時には会社選びから見直すことも必要です。転職がうまくいかない理由や、その対処法について見ていきましょう。

転職がうまくいかない主な原因【心構え編】

パソコンを前に悩む女性

(出典) photo-ac.com

転職先が決まらない理由としては、気持ちの準備がしっかりできていないことも挙げられます。応募の前に知っておきたい注意点をチェックしましょう。

自分のやりたいことが分かっていない

転職活動に臨む前には、自己分析を行うことが欠かせません。自分がやりたい仕事や、なぜ転職したいと思ったかを分かりやすく説明するためにも、まずは自分の希望をはっきりと定めましょう。

仕事を辞めた理由・転職したい理由が曖昧だと、採用担当者からの印象も悪くなってしまいます。志望動機を具体的な言葉にして伝えられるよう、自分の考えを文章にして整理することも大切です。

会社選びに問題がある

大手企業ばかりを選んで応募するのも、転職がうまくいかない原因の1つです。人気のある有名企業は当然倍率も高くなるため、内定をもらえる可能性も低いといえます。会社選びがあまりにも偏っていると、スムーズな転職はできません。

また、自分の希望する職種を限定して、転職活動を行っている人も多いでしょう。職種を限定していると、面接で聞かれることも似通ってくるため、知らないうちに同じ失敗を繰り返してしまっているケースもあります。

初めから応募する会社や職種を限定し過ぎず、豊富な選択肢に目を向けるようにしましょう。

転職がうまくいかない主な原因【選考編】

書類に目を通す女性

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自分では気を付けているつもりでも、選考の過程でミスをしている場合もあります。書類や面接でのよくある失敗を見ていきましょう。

必要書類の内容が不十分

基本的なことですが、応募に必要な書類の体裁を整えることは、重要なポイントです。誤字脱字が見られたり、びっしりと文字が書かれていたりすると、採用担当者に読みづらいと思われてしまいます。

せっかく時間をかけて文面を練っても、丁寧に記入しなければその内容は伝わりません。内容にこだわるのはもちろん、誰が見ても分かりやすい書類になるよう意識して作成しましょう。

また、転職活動では大量の書類を書くことになるため、志望動機を使い回している人もいるかもしれません。その会社に合った内容を書けていないことも、転職がうまくいかない原因の1つです。

面接の対策ができていない

書類審査は通過できるものの、面接がうまくいかないというのもよくあるパターンです。毎回のように面接で落ちてしまう人は、定番の質問にうまく答えられるよう練習しておきましょう。

前の仕事を辞めた理由や志望動機など、どの会社でも共通して聞かれる質問はいくつか存在します。よくある質問への準備ができていないと、適切な回答はできません。

面接官に質問されたときは、「何を聞かれているか」を冷静に判断してから答える必要があります。本番の受け答えを想定した対策を怠っていると、焦って失敗してしまう可能性が高くなるでしょう。

能力・スキルのアピール不足

転職がうまくいかない原因としては、自分の能力に対するアピール不足が挙げられます。専門的なスキルを持っているのであれば、書類や面接でそれを伝えなければなりません。

会社のニーズと自分の能力がマッチしていると感じたら、そのことを自らアピールすることが大切です。積極的に自分の良さを伝えることで、初めて相手に能力・スキルを理解してもらえます。

その会社の業務に全く関係のない資格・スキルを書いていたり、スキルに触れず一般的な志望動機を書いていたりするだけでは、魅力的な人材だと判断されにくいでしょう。

転職がうまくいかない人によくある特徴

椅子に座り面接を受ける女性

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転職がうまくいかない人には、共通した傾向があるようです。どんな特徴があるのか見ていきましょう。

何度も転職を繰り返している

これまでに何度も転職した経験がある人は、その経歴だけで敬遠されてしまうことがあります。1つの会社で働いている期間が短いと、忍耐力がないイメージを持たれてしまうためです。

「またすぐに辞めてしまうのではないか」と思われると、内定ももらいにくくなります。転職は環境を変えるために効果的な手段ですが、何度も繰り返すとキャリアに悪影響が出てしまうのです。

このような場合、面接でも退職理由について聞かれる場面があるでしょう。「さまざまな仕事を経験してきた」というように、ポジティブに言い換えて回答することが大切です。

転職先への理想が高い

給与や待遇など、会社を探すときに重視したい条件は数多く存在します。前の会社より良い条件で働こうと、自分の描いた理想にこだわりすぎてしまうのも、転職がうまくいかない人によく見られる特徴です。

人によって優先する条件は違いますが、求める全てのことを満たしている会社はほとんど存在しません。転職をしても、必ずしも自分の望む待遇が実現するわけではないことを覚えておきましょう。

転職先に対する理想が高すぎると、自然と応募する求人の数も限られてしまいます。会社を選ぶときは、「自分が最も優先したい条件は何か」を考えてから選ぶとよいでしょう。

すぐ人のせいにしてしまいがち

仕事でミスをしたときに、責任を他人に押し付けやすい性格の人は、転職がうまくいかない傾向にあります。自分の失敗を認められない人は、責任と向き合わず逃げ出そうとしてしまうからです。

もちろん、人間関係に問題があって退職する人は多く存在します。しかし、「同僚との関係がうまくいかなかったから」「会社に問題があったから」などと言ってしまうと、責任感がない人だと思われてしまいます。

転職理由を説明するときは、自分にも至らぬ点があったかもしれないと謙虚な姿勢であることが大切です。原因の全てを自分以外のせいにするような他責思考は、転職活動にも悪影響を及ぼします。

転職の準備をせずに退職する

職場で強いストレスを感じているなら、とにかく早く退職したいと思う人もいるでしょう。しかし、後先考えずに仕事を辞めてしまうと、転職活動に苦労する可能性があります。

退職後に転職活動を始める人は、無収入の状態で仕事を探すことになるでしょう。なかなか就職先が決まらないと、焦って会社選びを妥協してしまうケースも珍しくありません。

転職活動をするときは気持ちに余裕を持って、じっくり取り組む必要があります。次に就職したい業種を考えたり、会社の候補をリストアップしたりと、仕事をしながら準備をするのもよい方法です。

転職がうまくいかないときの対処法【準備編】

パソコンを操作して調べ物をする女性

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転職を成功させるには、会社選びにこだわることも重要です。準備の段階から意識しておきたいポイントを紹介します。

事前に企業のリサーチをしておく

転職したい企業を選ぶ際に、職種を絞って複数の企業をリストアップしている人も多いでしょう。志望理由を答える前に、「なぜ競合他社ではなくその企業を選んだのか」を明確にしておく必要があります。

自ら志望して面接を受ける以上、その企業が取り扱っているサービス・商品について知っておくのは基本的なことです。その企業ならではの特徴を事前に調べ、はっきりとした理由を答えましょう。

企業に対する分析が不十分なままだと、何度面接を受けても具体的な受け答えができない可能性があります。自分の能力をアピールするためにも、その企業のニーズを理解することが大切です。

転職サイトで幅広く求人を探す

自己分析を行った後は、自分の特徴にマッチした求人を探してみましょう。転職サイトを利用することで、自力では探せなかった企業や興味のある仕事が見つかるかもしれません。

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自分のやりたい職種を明確にすることは大切ですが、時には絞り込み過ぎずに視野を広く持つことも必要です。ジャンルを問わず豊富な求人を扱っているのも、スタンバイならではの特徴です。

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転職がうまくいかない主な原因【面接編】

面接を受ける男性

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会社にうまく自分をアピールできないという人は、面接の対策も必要です。相手に好印象を与えられるポイントを解説します。

なぜ転職したいかをはっきり伝える

面接でよく聞かれる質問の1つに、「転職したいと思った理由」が挙げられます。前の会社の退職理由も答えることになるため、抜かりなく答えられるよう練習が必要です。

転職理由が曖昧だと、面接官からも好印象を持たれにくいでしょう。特に人間関係などのトラブルがあって転職する場合、説明の仕方によっては採用されにくくなることもあります。

また、明確なキャリアビジョンがないと、転職すること自体が目的になっていると捉えられかねません。なぜこの会社に転職したいのかを、分かりやすくポジティブに話せるように対策しましょう。

基本的なマナーに気を付ける

面接では、受け答えの内容はもちろん、最低限のマナーを守ることも重要なポイントです。初めから面接官に悪い印象を与えないよう、あいさつや話し方にも気を配りましょう。

スマホの電源は切っておく、面接官が入室したら立ち上がるなど、基本的なことを押さえるだけでも丁寧な印象を持たれます。髪型や服装など、身だしなみを整えておくことも大切です。

面接前の電話やメールでのやりとりから、すでにチェックは始まっていると考えましょう。面接当日だけでなく、会社に対しては礼儀正しい対応を心掛けるのが基本です。

転職を成功させるためのポイント3点

考え事をするスーツの男性

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転職がうまくいかないときは、つい失敗を引きずってしまうかもしれません。転職を成功させるために、気持ちを切り替える方法を紹介します。

自分を追い詰めないようにする

転職活動がうまくいかない時期が続くと、「自分には能力がないのかも」「必要とされていないのかも」と不安になることもあります。ネガティブな気持ちになったときは、自分を責めないことが大事です。

選考に落ちたからといって、自分自身が否定されたと考えるのはやめましょう。「この会社とは合わなかっただけ」「縁がなかっただけ」と捉えるようにして、ズルズルと引きずらずに切り替えていくことが大切です。

会社の採用担当者全員が、必ずしも人材を見極めるプロというわけではありません。今回は相性が悪かったと思って、自分に合った会社が見つかるまでチャレンジしてみましょう。

親しい人に相談してみる

失敗を繰り返して落ち込んでいると、視野が狭くなってしまいがちです。気分転換も兼ねて、家族や友人など親しい人に、転職について相談してみるのもよい方法といえます。

面接の受け答えや志望動機を、人にチェックしてもらうのもおすすめです。客観的な立場から見ることによって、自分では気付かなかった問題点が見つかるかもしれません。

自分をよく知る人だからこそ、自分の強みや向いている仕事についてアドバイスをもらえるのもメリットです。意外な仕事を提案されるかもしれませんが、率直な意見として参考にするとよいでしょう。

失敗を今後に生かすようにする

選考で落ちてしまったときは、ただ落ち込むだけでなく、何が悪かったかを考えることが欠かせません。原因が分析できていないと、何度も同じような失敗を繰り返して、転職活動が長引いてしまいます。

採用担当者の反応から、書類や面接の受け答えで何が足りなかったのかを考えてみましょう。うまく答えられなかった質問があれば、今後の面接対策に役立てることもできます。

きちんと反省して原因を洗い出すことで、自然と気持ちを切り替えることができます。自分の問題点がどこだったかを理解して、失敗を次の選考に生かしていきましょう。

転職がうまくいかないときは自分を見つめ直そう

ネクタイを締めるスーツの男性

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自分なりに転職活動を頑張っているつもりでも、なかなか内定がもらえない人も多いでしょう。転職がうまくいかずに焦るかもしれませんが、スムーズに次の仕事が決まる人はそう多くはありません。

転職に悩んだときは、自分が本当にやりたい仕事について考えてみることも大事です。自分の強みや興味のある分野を見直すことで、会社選びの方向性も変わってくるかもしれません。

希望する条件に当てはまる会社が見つからないときは、転職サイトを利用してみるのもよい方法です。行き詰まったときにはアドバイスをもらいながら、失敗を今後に生かしていきましょう。

小松俊明
【監修者】All About 転職のノウハウ・外資転職ガイド小松俊明

国立大学法人東京海洋大学グローバル教育研究推進機構教授。サイバー大学客員教授を兼務。「できる上司は定時に帰る」「エンジニア55歳からの定年準備」「人材紹介の仕事がよくわかる本」他、キャリアやビジネススキル開発に関する著書がある。元外資系ヘッドハンターであり、企業の採用や人材育成事情に詳しい。
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著書:
人材紹介の仕事がよくわかる本
エンジニア55歳からの定年準備