転職が怖いと感じる理由は?転職を成功させるための下準備もチェック

転職しようと思っても、不安で踏み切れない人も多いのではないでしょうか?転職が怖いと感じる原因はさまざまですが、正しい知識を身に付けることで対処できる場合もあります。転職活動の進め方や、不安を解消するための対処法を見ていきましょう。

転職するのが怖いのはなぜ?

パソコンを前に頭をかかる女性

(出典) photo-ac.com

そもそも、転職するのが怖いと感じるのはなぜなのでしょうか?転職に踏み切れない、主な理由を解説します。

新しい環境に行くのが怖い

転職するのを怖いと感じるのは、環境の変化に対する不安が1つの原因です。次の会社で、新しい仕事を問題なくこなせるかどうか不安になる人もいるでしょう。

新しい会社では、これまでと違った人間関係の中で働くことになります。転職を考える人は、職場の人間関係に悩んでいることも少なくないため、今度は無事になじめるかどうかも気になるでしょう。

また、新しい職場で自分のスキルが評価してもらえるか分からないことも、不安を感じる一因となります。

辞める意思を伝えるのが怖い

転職を考え始めた人にありがちなのが、なかなか退職について切り出せないというパターンです。

会社を辞めたいと思っていても、上司から引き止められたり、なぜ辞めるのかと問い詰められたりするのが怖くて、伝えられないことは珍しくありません。

人数が少ない職場であれば、自分が辞めることで周りに迷惑が掛かると感じる人もいるでしょう。辞めるのが申し訳ないと思っていると、転職活動にも悪影響が及んでしまいます。

転職を実現させるためには、退職したいと思っていることやその理由を、はっきりと言葉にすることが大切です。

転職に失敗しそうで怖い

より自分の希望に合った会社を見つけたと思っても、「転職に失敗したらどうしよう」と不安になる人もいるでしょう。

給与や待遇が今の職場より魅力的に見えたとしても、必ずしも転職した方が良い条件になるとは限りません。そのため、転職してから「前の職場で働いていた方がよかった」と後悔する人もいるのです。

転職先が決まった後や、会社選びをしているときに、もし失敗したらと恐怖を覚える人は少なくありません。「また転職したい」と思うことがないように、じっくりと時間をかけて会社を選ぶことが大切です。

自分に自信がなくて怖い

自分に自信を持てない性格の人は、転職の際に怖いと感じてしまいがちです。自分の能力やこれまでの経験に自信が持てず、「転職先が見つからないかもしれない」と不安に思う傾向があります。

このような考え方の人は、面接にも苦手意識があるため、きちんと受け答えができるか不安に思うかもしれません。面接では積極的に自分をアピールする必要があるため、事前に練習をしておくとよいでしょう。

自分に自信を持てずにいると、たとえやりたい仕事があっても、転職に踏み切れない可能性があります。やりがいのある仕事を見つけるためには、勇気を出して挑戦してみることも大切です。

転職が怖い気持ちへの対処法【メンタル編】

手帳に書きだす女性

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転職への不安を解消するためには、考え方を変えてみるのもよい方法です。ネガティブな気持ちに対処するポイントを解説します。

何に怖がっているのか明確にする

転職に対して理由の分からない恐怖を感じているなら、その原因を突き止めてみるのも効果的な方法です。自分が何を怖いと思っているのか理解することで、どのように解決すればよいのかが見えてきます。

よい転職先が見つけられるかが不安だったり、面接でうまく答えられるかが怖かったりと、人によって気になっているポイントは違うものです。原因を掘り下げることで、不安にどう対処していくかが決められます。

慎重に会社を選んだり、事前に面接の練習をしたりと、しっかり準備をすれば安心して転職活動に臨むことができます。自分が転職を恐れている理由を知って、転職活動に迷わず打ち込めるようにしましょう。

自己分析・業界研究から始める

転職活動が初めての場合、何をすればよいのかが分からず、不安になる人も多いでしょう。面接を受ける前に入念な準備ができていれば、自信を持って転職活動に挑戦することができるはずです。

転職したいと思ったら、まずは自己分析から始める必要があります。自分の強みや興味のある仕事について見直すことで、これまでの経験に縛られず、より自分に合った仕事を見つけられるようになるでしょう。

また、自分に合った会社を探すためには、業界・企業研究に時間をかけることも欠かせません。求人サイトなどのサービスを利用して、幅広い求人に目を通し、細かい条件を見比べてみましょう。

転職が怖い気持ちへの対処法【実務編】

勉強をする女性

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スキルアップに取り組むことで、自信を持って転職活動に臨めるようになります。不安があるときに実践できる対策を見ていきましょう。

スキル・資格を取得する

転職へのネガティブな気持ちを断ち切るには、勉強に打ち込むのも1つの方法です。転職活動を有利に進められるだけでなく、自分に自信を持てるようになることが、資格を取る大きなメリットです。

簿記や宅地建物取引士など、専門性の高い資格であれば自分のスキルをアピールできます。履歴書に資格を記入することで、書類選考にも通りやすくなるでしょう。

履歴書には、志望している分野と関係する資格を書くのがポイントです。求人情報を見て、自分のやりたい業種にはどのような資格が必要か、チェックしておきましょう。

在職中に転職活動をする

退職してから転職活動をすると、長引いたときに「このまま転職先が決まらなかったらどうしよう」と追い詰められてしまいます。そうならないためにも、在職中に転職活動を進めることが大切です。

転職先が決まらないまま退職してしまった場合、収入がない状態で会社を探すことになります。経済的な不安があるため、早く次の職場を決めようと、会社選びを妥協してしまう可能性があるでしょう。

在職中に転職活動を行えば、難航しても「転職先が見つかるまでは、今の仕事を続ければよい」と考えることができ、余裕を持って進めることができるはずです。

転職経験者に相談する

転職が怖いと感じてしまうのは、転職活動についての知識がないのも原因です。実際に転職を経験した人の話を聞いたり、アドバイスをもらったりすれば、具体的なイメージを持つことができます。

転職にまつわる悩みに共感してもらえると、「自分以外の人も悩んでいるんだ」と気持ちが軽くなるはずです。実体験を参考にして、悩みを乗り越える方法を見つけてみましょう。

会社の同僚や先輩など、身近に転職した人がいる場合は話を聞くのもよい方法です。相談できそうな人が見つからないなら、インターネットで経験談を探す方法もあります。

メリット・デメリットを理解することも大切

パソコンを操作する女性

(出典) photo-ac.com

転職をすれば、必ずしも今よりよい働き方ができるとは限りません。転職をする前に、メリット・デメリットについて知っておきましょう。

行動しないと何も変わらないまま

そもそも、転職の意思を持っているのは、現在の職場に不満を感じているからでしょう。勇気が出ないからといって転職に踏み切れずにいると、給与や働き方に関する不満を抱えたまま仕事を続けることになります。

行動を起こさずにいるのは悪いこととはいえませんが、時には自ら動かなければ変化は起きません。後悔しないためにも、少しずつ転職の準備を始めてみましょう。

思い切って行動を起こすためには、転職についての知識や、失敗したときのリスクを知っておくことも必要です。転職によって得られるメリット・デメリットを意識することは、次への一歩を踏み出すための手助けになるでしょう。

転職のメリット

代表的な転職のメリットは、以下の3点です。

  • キャリアアップの可能性がある
  • 新しい人間関係の中で仕事ができる
  • 以前と違う業務に挑戦できる

給与面に不満があり、年収アップを狙って転職を考える人も多いでしょう。転職先で結果を出すことによって、昇給だけでなくキャリアアップも見込めるかもしれません。

同僚や上司との関係にストレスを抱えている人は、会社を変えて人間関係をリセットすることもできます。環境を一新することで、新鮮な気持ちで仕事に取り組めるでしょう。

また、以前の会社とは違う業務に意欲を感じる人も存在します。モチベーションを高く保ちながら、これまで知らなかった分野にチャレンジできるのも転職をするメリットです。

転職のデメリット

転職によって発生するデメリットも確認しましょう。

  • 退職金・年金が減少する
  • 新しい環境になじめないこともある
  • 不満が解決しないこともある

転職をすることで生じる大きなデメリットが、退職金・企業年金が少なくなることです。これらの金額は勤続年数で決まるため、早期退職した人は定年退職と比べてもらえる額が減少します。

働く場所が変わると、人間関係も一からつくり上げることになるでしょう。新しい仕事や人間関係になかなかなじめず、かえって苦労することもあるようです。

また、転職したからといって、必ずしも全ての悩みが解決するわけではないことに注意しましょう。前の職場と同じようなことが起こると、転職した意味がなかったと感じるかもしれません。

転職の進め方【書類編】

履歴書を書く

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転職活動をする際には、必要な書類をそろえる必要があります。書類選考で気を付けたい、書類の書き方をチェックしましょう。

履歴書の書き方

転職活動をするには、必ず履歴書が必要になります。履歴書を書くときは、以下の3点に注意が必要です。

  • 志望動機や長所は結論から書く
  • 応募企業に合った内容を心掛ける
  • 見やすさを意識する

書類を書くときのポイントは、分かりやすさに気を配ることです。志望動機や自分の長所など、定番の質問は「結論」からスタートして、筋道立った文章を書けるよう工夫しましょう。

また、いくつもの会社に応募するために、大量の履歴書を書く人もいるはずです。時間がないからといっても文章の使い回しは避け、その会社に合った内容を練ることも重要なポイントです。

基本的なことですが、見やすさを重視することも忘れてはいけません。レイアウトにもこだわり、採用担当者に伝わりやすい書類を作成しましょう。

職務経歴書の書き方

転職の際には、履歴書に加えて職務経歴書を書くことになります。職務経歴書はこれまでの経歴を記入する書類ですが、履歴書に比べて自由度が高いため、初めて書く場合は戸惑う人も多いでしょう。

職務経歴書には、時系列に沿った「編年体式」と、仕事の分野に合わせた「キャリア式」の2通りの書き方があります。A4用紙1~2枚を使用して、職務経歴や自己アピールを記入しましょう。

自分のキャリアや、これまでの仕事で何をしてきたかを伝えられるのが、職務経歴書の特徴です。自分の経歴をリストアップし、応募する会社に関連する点があればしっかりとアピールする必要があります。

転職の進め方【面接編】

面接をする女性

(出典) photo-ac.com

転職を成功させるためには、面接対策を入念に行うことも大切です。面接の進め方を知り、本番で緊張せずに答えられるようにしましょう。

事前に面接の練習をしよう

練習せずに面接に臨むと、緊張もあってうまく受け答えができない恐れがあります。面接で聞かれることは、どの会社でもある程度共通しているため、前もって対策しておくと効果的です。

会社を志望した動機や退職の理由など、必ず聞かれる質問への答えは、声に出して読み上げる練習をしましょう。友人や家族に、面接官の役をしてもらうのも1つの方法です。

実戦的な練習ができる想定問答集を利用すると、さまざまな質問への対応方法が分かります。答えを丸暗記すると本番で対応できなくなる可能性があるため、自分の言葉で話すことも大切です。

転職の面接でよく聞かれる質問集

面接で聞かれる定番の質問としては、以下のような例が挙げられます。

  • 自己紹介
  • 転職しようと思った理由
  • 志望動機
  • 将来的なビジョン
  • 自分のスキル・強み
  • 成功・失敗体験

面接の最後に「何か質問はありますか?」と逆質問をされることもよくあります。「何もありません」と答えると印象が悪くなってしまうため、事前にいくつか聞きたいことを考えておきましょう。

このときの質問内容によって、企業分析ができているかどうかが試されます。公式サイトを見れば分かるような情報を聞くと、準備が足りないと判断されてしまうので気を付けましょう。

緊張をほぐす方法を考えておく

本番で緊張しやすい性格の人は、面接に苦手意識があるのではないでしょうか?リラックスして面接に臨むためには、自分なりの緊張をほぐす方法を知っておくのも有効です。

まずは、自分が緊張してしまう場面や、何にプレッシャーを感じるかを分析してみましょう。ストレッチや深呼吸など、緊張していると感じたときに行うルーティンを決めておくと、落ち着いて対処できます。

「緊張しています」と正直に面接官に伝えることで、逆に気持ちが落ち着く人もいるようです。「本番でうまく質問に答えられなくても仕方ない」と、割り切った考え方を持つのもよいでしょう。

退職時の引き止め対策もチェック

お辞儀をする女性

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会社に退職の意思を伝えた後、引き止めに遭うケースは少なくありません。スムーズに退職するためのコツを紹介します。

伝えるタイミングを選ぶ

退職時に引き止められるのを避けたいなら、「仕事を辞めたい」と上司に伝える時期に気を配ることもポイントです。

1年の中で忙しくなる時期は業種によっても違いますが、繁忙期に退職するのは避けましょう。ただでさえ人手が足りない時期に仕事を辞めようとすると、引き止められる可能性が高くなります。

また、忙しい時期に退職すると、同僚にも余計な負担をかけてしまいかねません。会社の都合を考えれば、異動の時期も避けておくのがおすすめです。

ゆっくりと話し合える時期を狙うことで、自分の気持ちを丁寧に伝えることができます。

早めに伝えて引き継ぎをしっかり行う

いきなり退職しようとすると、引き継ぎの時間を確保できず、引き止められる可能性が高くなります。

会社に迷惑を掛けずスムーズに退職したいと考えているなら、早いうちに退職の意思を伝えることが大切です。

退職までに期間があれば、後任に仕事を引き継ぐ時間に余裕を持てます。資料を作ったり、重要な事柄を直接説明したりと、引き継ぎに関する作業はいくつもあります。

自分が退職した後に、会社に残っている人が問題なく仕事を進められるよう、時間をかけて準備しましょう。

現職への不満を退職理由にしない

退職を引き止められた人の中には、退職の理由が原因となったケースもあるようです。会社に対する不満を理由にしてしまうと、改善策を提示されることがあります。

待遇や人間関係に悩んで退職を考える人は多いものですが、「条件を見直す」「部署異動させる」などと言われてしまうと、辞めにくくなりかねません。

また、会社への不満を理由にすると、円満退職が難しくなってしまいます。「キャリアアップを目指したいから」「目標があるから」など、ポジティブな理由を用意し、会社のせいではないことを強調するのもポイントです。

怖い気持ちを乗り越えて働きやすい環境を

デスクワークする女性

(出典) photo-ac.com

「新しい環境で働きたい」と真剣に考えているからこそ、転職が怖いと感じる人は数多く存在します。自分の能力に自信が持てなかったり、「転職先が決まらないのでは」と不安になったりと、原因はさまざまです。

転職にはデメリットも存在しますが、働き方を変えたいと思うなら自分から一歩を踏み出す必要があります。じっくりと準備を重ね、やりたいことや条件を考えながら会社を選びましょう。

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小松俊明
【監修者】All About 転職のノウハウ・外資転職ガイド小松俊明

国立大学法人東京海洋大学グローバル教育研究推進機構教授。サイバー大学客員教授を兼務。「できる上司は定時に帰る」「エンジニア55歳からの定年準備」「人材紹介の仕事がよくわかる本」他、キャリアやビジネススキル開発に関する著書がある。元外資系ヘッドハンターであり、企業の採用や人材育成事情に詳しい。
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著書:
人材紹介の仕事がよくわかる本
エンジニア55歳からの定年準備