仕事についていけないのはなぜ?対処法や転職の判断基準を紹介

仕事についていけないと感じるときは、何らかの対策をしないと仕事を続けるのがつらくなってしまいます。仕事についていけない状態になってしまう理由や、そうなってしまった場合に行うべきこと、転職前にチェックしたい判断基準などを紹介します。

仕事についていけない理由

働く女性

(出典) photo-ac.com

人によって、仕事についていけないと感じる理由はさまざまです。どんな理由でついていけない人が多いのか、見ていきましょう。

スキルや体力が不足している

その仕事をする上で必要なスキルが足りないと、仕事についていけないと感じる原因になります。職種によっては、専門的な知識や優れた語学力が必要です。業務で求められるレベルが高いのに自分のスキルが足りていない場合は、仕事が滞ってしまいます。

また、体力の低下によっても、仕事についていけなくなったと感じやすいでしょう。肉体労働をしていない人でも、残業時間が長く十分な休息を取れない状態が続いていると、体力不足に陥ります。

20代で入社した頃は問題なく働けていたのに、30代・40代と年齢を重ねていくにつれ、徐々に仕事上の問題を感じるようになったのであれば、加齢による体力の低下が疑われます。

経験不足

その仕事をするために必要な素質や体力を備えていたとしても、経験が足りないと仕事についていけないと感じる原因になります。

未経験の業種に挑戦するときや、配置換えなどでこれまでと違う業務を担当することになったときは、経験不足による未熟さを感じやすいのです。

仕事に慣れないうちは分からないことが多く、失敗が続くと情けなさを感じて「ついていけない」「やめたい」などの気持ちが湧いてきやすいでしょう。

仕事ができるようになるには分からないことを1つずつ解消していき、経験を重ねる必要があります。

会社や上司との考え方が合わない

入社したときは、経営理念や社風を気に入って働いていたとしても、経営者の交代によって突然方針が変更になると、これまでとのやり方の違いについていけないと感じても不思議はありません。

会社の方針がずっと変わらなかったとしても、経験を重ねていくうちに自身の考えや理想が変化し、ついていけなくなるケースもあります。

また、上司との関係が悪かったり、モラハラが横行していたりすると安心して働けません。仕事をする上で上司の存在は大きく、リーダーシップのある上司であれば、多少の苦難があっても一緒に頑張ろうと思えるものです。

しかし、「学べるところが何もない」と感じるような出来事ばかりだと、一緒に仕事をするのがつらくなってしまうでしょう。

仕事についていけないと感じる瞬間とは

仕事に悩む男性

(出典) photo-ac.com

仕事に対するやる気はあっても、ついていけないと感じる瞬間があります。どんなときに、そう感じる人が多いのか見ていきましょう。

ミスが続いたとき

自分のミスが多く周囲に助けられる回数が増えていくと、仕事についていけないと感じ、落ち込んでしまいがちです。責任感が強い人だと、たとえ小さなミスであっても激しい罪悪感を抱いて、つらくなるでしょう。

自分のミスが原因で仕事に大きな穴を開けてしまったとなると、上司から叱責を受けたり、賞与の査定に関わってきたりします。

小さなミスでも、同じような失敗を繰り返していると周囲からの評価が下がりますし、自己評価も低くなる一方です。改善するには、ミスの原因を考え対処していかなければなりません。

時間内に仕事が終わらないとき

時間内に仕事が終わらないとき、仕事についていけないと感じる人は少なくありません。同僚たちと業務量が同じなのに、自分だけ残業している場合は特につらい気持ちが湧いてくるのです。

スキルや経験が不足していると、効率よく仕事ができずにその日のうちに仕事を終えられない状況に陥ります。また、自分だけが圧倒的に業務量が多く割り振られているときも、時間内に仕事を終えられません。

上司から期待されていたり、能力が高かったりする人は多くの仕事を任されます。自分が持っているキャパシティーをオーバーしてしまうと、仕事についていけないだけでなく、仕事をやめたいと感じる原因になるでしょう。

疲労が蓄積して体がつらいとき

体力がついていかず、体の疲れが取れないときは仕事についていけない状態に陥ります。業務が忙しく、十分な休息を取れないときも疲労が回復せず蓄積していくのです。

つらいのに休めない状況では、さらに体がつらくなる悪循環に陥ります。どんなに自分がやりたいと感じている仕事であっても、休みをしっかりと取れない環境では、体が参ってしまうでしょう。

最悪の場合、体を壊して働けなくなるリスクもあるので、休みをしっかりと取ることが必要です。

仕事についていけない状態を放置するリスク

悩む女性

(出典) photo-ac.com

仕事についていけなくても我慢していればよいと考えると、取り返しのつかないことになる場合があります。仕事についていけないことで生じるリスクを見ていきましょう。

目的意識が低下し仕事の効率がダウン

仕事についていけないまま働き続けると思考がまともに働かなくなり、何のために仕事をしているのか分からない状態に陥りがちです。

目的意識が低下すると仕事が手につかなくなったり、これまでうまくできていたことが急にできなくなったりして仕事の効率がダウンします。

仕事の効率が下がると、時間内に仕事が終わらなくなって残業が増えてしまいます。そうした状態が長引くほど、心身への負担が大きくなるので早めに対処するようにしましょう。

会社に行きたくなくなる

仕事のミスが多かったり、仕事量が多すぎて疲労がたまっていたりなどの理由で仕事についていけない状態が続くと、会社に行きたくなくなります。

会社に行くこと自体が苦痛になると、出社したいのにできない状態になることも珍しくありません。ストレスがたまった状態だと正常な判断をしにくく、仕事についていけない自分を責めすぎてしまいます。

会社に行きたくなくなるほど精神面や体力面が落ち込むと、退職の原因になるので、早めに対処しましょう。

仕事についていけないときにすべきこと

バインダーを見ながら説明する

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仕事についていけないときに何をすればよいのかが分かっていれば、状況を改善しやすくなります。何をすればよいのか、見ていきましょう。

原因を突き止める

仕事についていけない状態が続くと「やめたい」「自分はこの仕事に向いていないのではないか」というように、ネガティブな思考に陥りがちです。まずは、仕事についていけなくなっている原因を突き止めましょう。

原因が分からないまま突き進んでしまうと、やがて限界がやってきてしまいます。そうなる前に自分の仕事ぶりを客観的に振り返り、原因を探ってみましょう。

原因を探らずに環境が悪いと決めつけて転職をすると、同じ理由で再び仕事についていけなくなってしまうリスクがあります。

仕事のやり方を改める

ほかの同僚はスムーズに仕事ができているのに、自分だけができていないと感じているなら、仕事のやり方を改める必要があります。優先順位が分からずに仕事をしていたり、無駄な作業をしたりしていると効率よく進められません。

仕事がうまくいかないときは、たとえば、作業スペースが散らかっている・大雑把にやるべきところを丁寧にしすぎているなどの問題が考えられます。

優先順位を付けるのが難しいときは、その日にやるべきことをできるだけ細かく分解して、緊急度や重要度の高い順に整理していきましょう。

業務ごとにタスク化して、どのような手順で進めているのかを書き出してみると、無駄のある部分に気付けます。自分で判断できない場合は、周囲の意見を聞く姿勢も大事です。

スキルを身に付け経験を積む

必要なスキルが足りていなくて仕事についていけないのであれば、スキルを身に付ける努力をしましょう。業務に関する知識が足りない場合、マニュアルを読み込んだり先輩に指導を受けたりすれば改善できるはずです。

分からない部分を放置してしまうと、再び同じ壁にぶつかってしまうので、その仕事に詳しい人に質問して疑問点をなくすように努めます。

同じ失敗を繰り返してしまうときは、どうすればその失敗をせずに済むのか考えてみましょう。メモを取る・不明点を徹底的に洗い出す・勉強時間を増やすなどの工夫をすると、問題が解消する場合があります。

失敗から学び、改善点に取り組みながら仕事をしているうちに、経験が増えてスムーズに仕事ができるようになるでしょう。

上司に相談する、アドバイスをもらう

仕事についていけないときは上司に相談し、アドバイスをもらいましょう。黙っていると、問題がないと思われて放置されることがあります。

必要なスキルを身に付けていないのに大量の仕事を割り振られると、頑張っても追いつかない状態になりがちです。「成長してくれるはず」という期待感から、多くの仕事を任せようとする上司もいます。

限界を迎える前に自分から問題点を訴えることが大事ですが、「仕事が多くて終わらない」と伝えるだけでは不十分です。問題を訴えるだけでなく、どのような仕事のやり方をしているかも伝えて、どうすれば解決できるのかを相談しましょう。

仕事についていけないとき転職してもよい?

社員証を見せる女性

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転職は環境を変えるために手っ取り早い方法ですが、安易に実行すると後悔します。仕事についていけないときは、転職してもよいのでしょうか。

原因を客観的に判断し検討する

仕事についていけないときは、原因が自分にあるのか環境にあるのかによって転職すべきかどうかが変わります。

スキルや経験が足りない場合、問題は自分にあるといえます。継続して仕事に取り組みつつスキルを向上させる努力を行えば、問題が解決する可能性は高いでしょう。

また、努力不足を自覚しており、いつも似たような理由で転職を繰り返している場合も自分に原因があると考えられるでしょう。

感情的になっているときは正常な判断ができません。なぜ仕事についていけないのかを客観視できないと、誤った判断をしてしまいます。

自分を客観視するには、仕事上の悩みを紙に全て書き出して、何につらさを感じているのかを突き止める方法がおすすめです。

スキルが足りないときは勉強する

仕事についていけない理由を客観的に判断した上で、スキル不足だと感じたなら、すぐに仕事を辞めてしまうのはリスクが高いといえます。なぜなら、成長するチャンスを自ら放棄することになってしまうからです。

転職したとしてもスキル不足が原因で、同じ失敗を繰り返してしまうかもしれません。スキルが足りないときは成長するチャンスだと考え、勉強しましょう。

上司や先輩などに仕事のやり方を見てもらって改善点がないか指摘してもらうなど、やれることはたくさんあるはずです。目標設定が高すぎると挫折する原因になるので、簡単にクリアできそうなものから取り組んでいきましょう。

目標をクリアする度にモチベーションが上がり、だんだんとスキルが身に付いていきます。最初は達成が困難だと感じていたことでも、乗り越えられるようになるでしょう。

転職の判断基準

履歴書を持つ男性

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仕事がうまくいかない状態が続いていても、転職すべきか判断できない人もいるでしょう。転職は大きな決断なので、なかなか決心がつかないものです。仕事についていけないとき、転職の判断基準となるものを紹介します。

努力が不足していないか

仕事についていけず転職を考えたときに、自分の努力が不足しているという実感があるなら、転職はおすすめできません。時間がたってから「あのとき、もっと頑張ればよかった」と、後悔することになるからです。

まだ努力できるというなら、勉強時間を確保してスキルアップを目指す方法をおすすめします。優秀な人のやり方を見て学んだり、上司に意見を仰いだりしてスキルの向上を目指しましょう。

もし、努力の余地が残されていないと感じるなら、その仕事における自分の能力が限界に達していると考えられます。今よりも自分の能力を生かせそうな、ほかの仕事を選んだ方が活躍できるでしょう。

仕事内容と体力が合っているか

体力がなくなったことが原因で仕事についていけなくなった場合は、転職のタイミングが来たと判断できます。20代の頃はよくても40代・50代と年齢を重ねるうちに、どんどん体力が厳しくなっていくことが一般的です。

病気や年齢などが原因で体力不足を感じているなら、努力しても改善は難しく、無理をすれば体を壊す可能性もあります。

長らく現場で働いていた経験があるなら、これまでの実績を生かしてマネジメントの仕事に転職すれば、体力的な負担が減りキャリアアップも目指せます。

残業が多すぎて体がついていかない場合も、転職で環境を変えると状況を改善できる可能性が高いでしょう。

会社の方針と自分の目指すものは合っているか

自分で解決できない問題が大きい場合は、転職を視野に入れましょう。会社の方針と自分の目指すものが食い違ってきたときは、共感できる方針の会社に転職した方が状況が改善する可能性が高いといえます。

また、業務量が多すぎて対応し切れない問題を上司に訴えているのに、全く改善する姿勢が見られない場合は、自分1人の努力で状況を変えるのは難しいでしょう。人員をこれ以上増やさないなどの方針がある場合、上司としても動きようがありません。

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仕事についていけないときは成長のチャンス!

笑顔の働く女性

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仕事についていけないときは、何が原因なのかをはっきりさせて対処しましょう。スキルや経験が不足しているとうまくいかないので、焦らずに勉強し経験を重ねていくことが大事です。あきらめてしまうと、成長のチャンスを逃してしまいます。

会社の方針についていけなかったり、体力不足が原因だったりする場合、転職を視野に入れた方が新しい会社で活躍できるはずです。

個人の能力に関係なく業務量が多すぎる場合、上司に相談しても改善の余地がないなら、体を壊してしまう前に働く場所を変えた方がよいでしょう。

水野順子
【監修者】All About 女性の転職・女性のキャリアプランガイド水野順子

官公庁、企業人事、人材紹介会社勤務を経て、キャリアカウンセラーとして独立。こころとキャリアの専門家として、女性のキャリアデザイン、ダイバーシティ、女性の働き方を中心に幅広く活動中。今までに20000人以上をカウンセリング。
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