給料が振り込まれないときの対処法を紹介。解決しないときの相談先も

給料日になっても口座に給料が振り込まれていないと、焦ってしまう人が多いかもしれません。勤務先に対する疑いもわいてくるでしょう。給料が振り込まれていないときに、まず確認したいポイントや自分でできる対処法、相談先まで解説します。

この記事のポイント

給料が振り込まれていないときは何を確認すればいい?
雇用契約書の給与の支払期日や給与明細などを確認し、時間をおいて口座を確認しましょう。
給料日に給料が振り込まれなかったときは?
勤務先に事情を聞き、状況に応じて給与未払いの証拠を集めます。支払いがなければ請求書を勤務先に送りましょう。
給料を振り込んでもらえないときの相談先は?
勤務先とやりとりしても解決しない場合の相談先として、労働基準監督署や弁護士が挙げられます。

給料が振り込まれていないときの確認ポイント

通帳を見て悩む女性

(出典) pixta.jp

給料日になっても口座にお金が振り込まれていないと、生活への不安はもちろん、勤務先への疑念もわいてきます。ただ、必ずしも勤務先の問題で振り込まれていないとは限りません。

まずは給料が振り込まれていないと思ったときに、確認したいポイントを3つ紹介します。

雇用契約書や給与明細を確認

労働契約を結ぶに当たって、賃金の支払期日は書面の交付(労働者側の希望があればFAXや電子メールも可)で明示するよう、労働基準法や労働基準法施行規則で義務づけられています。そのため、雇用契約書(労働契約書)を確認すれば、本当に今日が給料日なのかが分かります。

例えば毎月給料日だった日が今月は休日だった場合、自分では前日に振り込まれると思っていても、雇用契約書を見ると翌日に規定されていたというケースもまれにあるでしょう。

日付だけであれば、過去の給与明細や銀行口座の入出金履歴でも確認が可能です。自分が給料日を勘違いしていた可能性もあるため、給料が振り込まれていないと思ったら「今日が本当に給料日なのか」という点を確認しましょう。

出典:労働基準法 第15条1項|e-Gov 法令検索
出典:労働基準法施行規則 第5条1項3号・第5条4項|e-Gov 法令検索

時間をおいて再度口座を確認

間違いなく今日が給料日だと確認できたときに試したいのが、時間をおいて再度口座を確認することです。午前中に口座を確認した場合、勤務先の振込手続きや銀行側の処理が遅れていて、まだ振り込まれていない可能性もあります。

厚生労働省では、所定の給料日の午前10時頃までに給料を引き出せる状態にするよう通達を出していますが、通達には法的な拘束力がありません。何らかの事情により手続きが遅れているという可能性も考えられます。

多くの銀行は15時まで営業しているため、15時過ぎまで待って再度口座を確認してみましょう。ネットバンクをはじめ24時間営業している銀行を振込先として指定している場合は、給料日いっぱい待ってから次のアクションを考えます。

出典:賃金の口座振込み等について|厚生労働省 P.2 4

自分だけが振り込まれていないのか確認

給料日中に振り込まれなかったときは、振り込まれなかったのが自分だけなのか、職場の他の人たちもなのかという点を確認しましょう。

自分だけの場合に考えられるのは、システム障害など銀行側の問題で振り込みが反映されていない可能性です。銀行からのメールや公式ホームページの情報で問題が起きていないかチェックしましょう。

他の人も振り込まれていないなら、会社側の問題である可能性が高いと考えられます。会社側の問題なら給与未払いとなるため、対処が必要です。

給料日中に振り込まれなかったときの対処法

スマートフォンで電話をするスーツの男性

(出典) pixta.jp

給料日いっぱい待っても振り込まれず、銀行の問題でもない場合はどうすればよいのでしょうか。給料を振り込んでもらうために、自分でできる行動を3つ紹介します。

勤務先に連絡して状況を聞く

所定の給料日に給料を振り込まないのは、労働基準法違反です。労働基準法には「一定期日払いの原則」という決まりがあり、1日でも振り込みが遅れると労働基準法に従っていないと見なされます。

とはいえ、今後も働く勤務先とトラブルになりたくない場合、すぐ法的手段に出るのは得策とはいえません。まず勤務先に連絡して給料が振り込まれていないことを伝え、振り込まれていない理由といつ振り込まれるのかを聞いてみましょう。

理由や振り込まれる時期に納得できた場合、それまで待てば法的対処をすることなく問題が解決します。

出典:労働基準法 第24条2項|e-Gov 法令検索

トラブルの可能性があれば証拠を集める

勤務先に連絡しても電話やメールの応答がない・未払いの理由が明確でない・支払いに応じないなど、トラブルになる可能性が高いケースも考えられます。

このような場合、外部にも相談できるように給与未払いの証拠を集めておきましょう。具体的には以下のようなものが、給与未払いの証拠となります。

  • タイムカード
  • 勤怠管理システムの記録
  • シフト表
  • 過去の給与明細書
  • 雇用契約書

自分で未払い給与の請求書を送るときにも、上記の証拠を一緒に提出するとスムーズに解決できる可能性が高くなります。

請求書を内容証明郵便で勤務先に送る

勤務先に連絡しても給料が振り込まれない場合、支払われるべき給料の請求書を内容証明郵便で送ることで支払いに応じてもらえるケースがあります。

内容証明郵便で送れば、もし支払いに応じてもらえず法的手段をとることになった場合、未払い給与の請求をしたことの証明にもなります。

内容証明郵便とは、日付・内容・送り主・宛先を、差出人が作成した謄本によって日本郵政が証明してくれるサービスです。電子内容証明サービス(e内容証明)では、内容証明を24時間受け付けています。

請求書に記載する内容は、在籍中であれば以下の通りです。

  • 自分が勤務先の会社と労働契約を結んでいること
  • 在籍期間
  • 未払いの給料がいつからいつまでのものか
  • 未払い給与の金額
  • 給与未払いの期間、所定労働時間たしかに労働を提供していたこと
  • 支払いに応じない場合は労働基準監督署への申告、労働裁判や訴訟など法的手続きをとる意向があること

給与未払いの証拠を集められていた場合、それも一緒に送りましょう。

出典:内容証明 | 日本郵便株式会社

勤務先とのやりとりで解決しないときの相談先

若い男性弁護士

(出典) pixta.jp

勤務先へ連絡したり請求書を送ったりしても給料を振り込んでもらえないケースも、中にはあります。自分で請求書を作成するのが難しい、証拠を集められず請求書の送付で解決するか不安という人もいるでしょう。

そんなときは第三者に相談するのが賢明です。給料が振り込まれない場合の相談先を紹介します。

労働基準監督署

労働基準監督署は、管轄しているエリアの事業所が労働関連の法令を守っているかを監督・監視している機関です。労働基準監督署に給料の未払いを申告することで、調査や是正勧告をしてくれます。

労働基準監督署に出向く際は、集めた証拠を持っていくと対応してもらいやすいでしょう。ただし、労働基準監督署がしてくれるのは個人の問題を解決するための働きかけではなく、あくまで「是正勧告」という事業所への行政指導です。

会社が勧告を受けても給料を振り込まなければ、労働基準監督署にそれ以上動いてもらうのは難しい場合もあるため、確実に解決できるとは限りません。

弁護士

次のようなケースでは、弁護士に相談するのがおすすめです。

  • 請求しても給料を振り込んでもらえず法的対応をとりたい
  • 自分で請求するのが不安
  • 労働基準監督署の是正勧告を受けても勤務先が支払いに応じない

労働者と会社の間のトラブルを短期間で解決する労働裁判や、刑事告訴・民事訴訟など、個人では難しい裁判の対応を任せられます。

労働裁判や訴訟までは考えていない場合も、弁護士が間に入るだけでスムーズに交渉が進みだすケースも少なくありません。

給料が振り込まれないときは状況に応じた対応を

通帳を見る男性

(出典) pixta.jp

給料日になっても給料が振り込まれていないと思ったら、まずは給料日を確認した上で時間をおいて口座を見てみましょう。自分だけが振り込まれていないのかも確認できれば、会社側の問題かどうかが分かります。

会社側の問題であれば給与未払いの状態です。勤務先に事情を聞く・未払いの証拠を集めておく・請求書を送るといった、自分でできる対処法にまずは取りかかりましょう。それでも解決しない場合は、労働基準監督署や弁護士への相談も視野に入ります。

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