営業を辞めたいと感じたときの対処法は?理由・状況別に判断しよう

営業の仕事はやりがいがある反面、苦労も多い職種であるため、辞めたいと感じることもあるでしょう。営業を辞めたいと感じたときは、その理由によって適切な対応が異なります。転職と残留のどちらを選ぶか、転職するなら何の職種がよいのかなどを解説します。

営業を辞めたいと感じたらどうする?

後ろ姿のスーツの男性

(出典) photo-ac.com

営業の仕事を辞めたいと感じたとき、何から考えたらよいのでしょうか?冷静な判断をするために必要な、3ステップを解説します。

営業を辞めたい理由を書き出す

営業を辞めたいと思っているのは、仕事で大変な思いをして疲れているからでしょう。疲労がたまったり、状況的に追い込まれたりしたときは、なかなか落ち着いて頭を働かせられないものです。

まずは、紙とペンを用意して「なぜ営業の仕事を辞めたいのか」「今感じている気持ち」を書き出してみましょう。

もちろん、スマートフォンのメモ機能を使っても構いません。文字として書き出す作業を通して、頭の中を整理していきましょう。

また、辞めたい理由だけでなく「自分が本当は何をしたいのか」「どのような状態が望ましいと考えているのか」にも目を向けると、理由を明確化するのに役立ちます。

理由別の解決策を考える

適切な解決策は、理由や置かれている状況によって異なります。そのため、客観的に理由・状況を見つめ直して、合理的な解決策を導き出す作業が重要です。

営業を辞めたいと感じたとき、すぐに会社を辞めればよいわけではありません。単にスキルが足りないだけだったり、上司に相談して解決できそうな問題だったりするなら、そのまま仕事を続けた方がよい可能性があります。

現在の職場では十分に知識・スキルを得たと感じて、「新しい環境に挑戦したい」と思うなら、転職を前向きに考えるのもよいでしょう。

ただし、理由とそれに対応する解決策は、1対1しかないわけではありません。個別のケースに合わせて、自分なりに納得のいく道を選ぶことが大切です。

解決策の実現に向けて行動する

進みたい道が決まったら、解決策の実現に向けてすぐに動き出しましょう。結論を先延ばしにしていても、よいことはありません。

つらい状況が続いて八方ふさがりになるばかりか、転職の機会を逃してしまう恐れもあります。

具体的に考えられる行動としては、転職エージェントに登録して転職活動を始めたり、家族や友人に相談したり、仕事の目標を立てたりなどです。

働き方の工夫が必要なケース

スマホで通話する男性

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営業を辞めたいとき、最初に頭に浮かぶのは会社を辞めることでしょう。しかし、退職・転職が適切な解決策にならない場合もあります。

現在の会社に残って、自らの働き方を見直すステップを踏んだ方がよいケースを紹介します。

飛び込み営業がつらい

飛び込み営業では門前払いされることも多く、ときには罵声を浴びさせられる場合もあるでしょう。さらに、ノルマを達成できない日々が続くと、どうしても自己肯定感が下がり、精神的に追い込まれてしまいます。

加えて、歩合給の職場だと成果が給料に直結するため、大きなプレッシャーがのしかかるものです。

営業活動自体に抵抗を感じている場合は、考え方を変えればうまく適応できる可能性もあります。

飛び込み営業は「断られる前提」で考えていれば、メンタルへの影響を減らせるでしょう。ノルマに縛られすぎない心持ちも重要です。

もちろん、実現不可能なノルマを設定している職場で働いていたり、捉え方の工夫だけでは解決できなかったりする場合は、部署異動・転職の選択肢も考慮するとよいでしょう。

顧客にうまくアプローチできない

同僚は成果を上げているのにもかかわらず、自分は成果を上げられていない場合は、自らの営業スキルに改善の余地があります。

顧客とのコミュニケーションが苦手だったり、成果につなげられなかったりすると、どうしても苦手意識を感じてしまうでしょう。

コミュニケーションが苦手なら、相手の話を上手に聞く練習をしたり、信頼してもらえるように情報を適切に伝えるよう意識したりすることが大切です。

成果につなげられないなら、顧客視点で失敗の原因を分析したり、ノルマ達成のための計画を綿密に練ったりする必要があります。

部署異動・転職が必要なケース

パソコンを前に考え事をする女性

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そのまま同じ職場に居続けて努力をしても、問題が解決しない場合もあります。なるべく早く部署異動、あるいは転職をした方がよいケースを紹介します。

手法や商材が自分に合わない

営業の手法や商材は、多岐にわたります。手法としては、新規営業や深耕営業があります。深耕営業とは、既存顧客に対して新たなニーズを探るタイプの営業手法です。

商材も、有形商材と無形商材では大きな差があるほか、商材自体に知名度・魅力があるかによっても成果が左右されます。

自社の手法やサービスに魅力を感じられないなら、別のアプローチができるところに異動・転職するのがよいでしょう。

ただし、商材の魅力をきちんと把握できていないだけの場合もあるため、慎重な判断が必要です。

自分の未来が描けない

継続して働いていると、新しい知識の吸収・スキルアップに、限界を感じるようになることもあります。知識・スキルに磨きがかからないままだと、将来のキャリアステップが見えてこなくなり、不安な気持ちが募ってしまうものです。

特にルート営業のようなルーティーンワークが続いていると、変化を感じられず、仕事にやりがいを見出せなくなるでしょう。

現状に甘んじていては、周囲から取り残されてしまいかねません。自身の市場価値を上げるためにも、新たなチャレンジが必要です。

悪質・違法な環境で働いている

どのような理由であっても、現職を続ける余地はまだあります。しかし、職場環境が悪質・違法な場合は、すぐにでも退職に踏み切った方がよいでしょう。もちろん、退職後のビジョンを描いておくことは必要です。

営業職で頻繁に見られる悪質な環境として、長時間労働が挙げられます。接待をしたりノルマを達成したりするために、時間外労働・休日出勤が増えてしまうのです。時間外労働・休日出勤自体は違法ではありませんが、一定の上限が設定されています。

上限を超えた過酷な労働環境や残業代の不払いはもちろん、現実的でないノルマを課してパワハラをする行為も言語道断です。モラハラやセクハラも当然、許される所業ではありません。

営業職の退職後に考えられる選択肢

履歴書とペン

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実際に営業職を辞める流れになった場合、すぐに次の転職先を探すことになるでしょう。

転職先としての選択肢は、主に2つです。2つの選択肢に関して、メリット・デメリットを解説します。

別の会社の営業職に転職する

転職先の有力候補はやはり、同じ営業職のポジションでしょう。営業職の経験があるため、転職のハードルが低く、比較的早く転職先が見つかる可能性が高いといえます。ただし、営業職自体に抵抗がある人には不向きの選択肢です。

同じ営業職でも会社によって、職場の環境や営業のアプローチ方法はさまざまです。

業務の幅が広く激務になりやすい「人材系の営業職」のほか、成果主義の傾向が強い「生命保険会社の営業職」、ノルマ設定が厳しい「不動産会社の営業職」として働いていた人にとっては、職場を変えるだけで悩みが解決する可能性があります。

別の職種に転職する

営業職の仕事が肌に合わないと感じているなら、別の職種に転職するのがおすすめです。

顧客とのコミュニケーションが苦手だったり、ノルマありきの仕事だとストレスがたまりやすかったりする人は、別の職種の方が実力を発揮できるかもしれません。

ただし、同じ営業職に転職する場合と比べて、転職のハードルが高くなる可能性はあります。また、以前よりも給料が下がることがある点も留意しておきましょう。

営業職経験者におすすめの職種

パソコンを前に考え事をする男性

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営業職から別の職種に転職する場合でも、やみくもに求人へ応募すればよいわけではありません。ある程度職種を絞って探すことが必要です。

営業職の経験者にとって、転職ハードルが比較的低い職種を解説します。

営業事務

最初におすすめする職種は、営業事務です。営業事務は、資料の作成・商材の管理・受発注などを通して、営業職をサポートする仕事を行います。

営業に関わる仕事であるため、営業職としての経験を存分に生かせます。また、顧客と頻繁に直接対面する必要はないため、顧客対応やノルマ達成が苦手な人にとってバランスのよい職種といえるでしょう。

販売員

営業職としての経験は、営業とは異なる分野でも生かせます。販売員も営業職と同じように、顧客を相手にする仕事であるため、これまでに培ったスキルが役に立ちます。

営業職との大きな違いは、「商品に興味を持っている顧客の対応をする点」です。営業職では、商材を知らない顧客に対してアプローチすることも珍しくないでしょう。

しかし販売員は、興味を持って店舗に足を運んでいる人を相手にするため、成果につながる可能性が高いといえます。

人事

営業職の経験がある人にとっては、人事も転職ハードルの低い職種の1つです。人事の仕事では、社員の個人情報を管理・活用します。

営業職として顧客情報の管理をしていたなら、応募先企業にその経験を伝えれば、信頼に足る人物だと認識してもらえるでしょう。

人事は、企業のコアともいえる人材を取り扱う仕事です。営業職では目の前のノルマ達成に意識が向く傾向がありますが、人事は仕事を通して会社全体を見る目も身に付けられます。

キャリアアップを重要視する人にとって、メリットの多い選択肢といえるでしょう。

営業を辞めたい理由を知るところから始めよう

デスクで指を組む男性

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営業を辞めたいと感じたときは、まず自分がなぜそう思うのか、理由を探るところから始めましょう。今の仕事に対する認識を明確にしたところで、初めて必要な行動が明確になります。

現職に限界を感じたときは、転職の選択肢も視野に入れましょう。同じ営業職はもちろん、営業事務・販売員・人事への転職も実現可能です。

転職先を探すときは、「スタンバイ」を利用するのがおすすめです。営業職をはじめ、さまざまな職種の求人をチェックできます。

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