医療事務の仕事は大変?理由からやりがいメリットまで紹介

長期的なキャリアを築けることから人気の高い医療事務には、大変な仕事であるという声も聞かれます。医療事務が大変といわれる4つの理由を、やりがいやメリットも交えて紹介します。向いている人の特徴や、役立つ資格についても見ていきましょう。

医療事務の仕事が大変といわれる4つの理由

医療事務

(出典) photo-ac.com

なぜ医療事務の仕事は、大変といわれるのでしょうか?その理由は主に仕事内容にあります。医療事務で苦労する原因の中から、代表的なものを4つ見てみましょう。

覚えなければいけないことが多い

一口に医療事務といっても、その業務内容は受付・会計・レセプト業務・クラークなど多岐にわたります。大きな病院では分業体制が導入されている場合もありますが、病院・クリニックの規模によっては、1人で全てを担当するケースも少なくありません。

特に、各機関に対して診療報酬を請求するレセプト業務や、医師・看護師の事務作業をサポートするクラーク業務には、専門的な知識が求められます。医療事務の業務全般を一貫して担う場合は、専門的かつ幅広い知識の習得が欠かせません。

また、法改正をはじめ医療を取り巻く状況には変化が多いため、そのたびに覚えなければいけない内容が変わることも、医療事務が大変といわれる理由の1つです。

責任やプレッシャーを感じる

医療現場での仕事は患者の命に関わる場合もあるため、常に緊張感が求められます。医療事務は医師と違って治療行為をしないものの、カルテの作成や個人情報の入力で間違いが起きると、重大な医療ミスにつながる可能性もゼロではありません。

また、会計やレセプトなどお金に関する業務も多く、1つ1つの作業に細心の注意を払う必要があります。

健康・個人情報・金銭といった重要性の高いものを扱うために、大きな責任やプレッシャーがかかるのは、医療事務が大変だと感じる大きな要因です。

休みが取りづらい場合がある

土日休みのクリニックから夜間診療がある病院まで、医療事務として働ける場所の休診日・診療時間は幅広いのが特徴です。繁忙期や勤務体制も職場によって違います。

少数のスタッフで回しているクリニック・個人病院では、希望するタイミングで休みが取りづらい可能性があるでしょう。夜間診療がある大きな病院だと、休みが固定されず予定を立てにくいケースも考えられます。

また、レセプト業務は指定日までに提出しなければならず、月末に残業が増える可能性が高いでしょう。働く上でワークライフバランスを重視したい人は、事前にスタッフ数や勤務体制をチェックしておく必要があります。

クレーム対応が発生することもある

病院にかかる人は、基本的に何かしらの問題・不調を抱えています。体の不調が精神面にも影響し、待ち時間の長さや診察結果・医師から伝えられた内容に対して、過敏に反応してしまう人も少なくありません。

病院の窓口である医療事務スタッフにフラストレーションをぶつける患者もいるため、人によっては精神的にきついと感じる場面もあるでしょう。

自分に非はなくても謝罪が必要になることもあり、医療事務として働く人には、プロフェッショナルとして割り切って冷静に対応する姿勢が求められます。

大変な分だけやりがいのある医療事務

パソコンを操作する3人の看護師

(出典) photo-ac.com

医療事務の仕事には大変な部分が多い反面、やりがいも十分です。医療事務の仕事における大きなやりがいを、2つ紹介します。

多くの人の助けになれる

医療事務が診察・手術などの医療行為に携わることはありませんが、窓口として対応するだけでも間接的に多くの患者をサポートできます。

病院を訪れた人から直接感謝の気持ちを伝えられることも多く、人助けをしている喜びを感じながら働けるのは、大きなやりがいとなるでしょう。

また、医療事務は患者だけでなく、医師・看護師をサポートする役割も担うため、一緒に働く仲間から感謝されるシーンが多くあります。人の役に立つのが好きな人や社会に貢献したい人は特に、やりがいを感じられる仕事です。

専門的な知識を得て成長できる

医療事務の仕事では、一般的な事務スキルだけでなく、薬・治療・保険など医療に関する専門的な知識を育てられます。

特に医療の分野は生きていく上で役立つ知識です。新しい知識を習得することでやりがいを感じるとともに、自身の成長にもつながるでしょう。

覚えることが多く大変ではありますが、知識が増えれば増えるほど社会人としてのレベルアップも図れるのが魅力です。

また、今後ますますの高齢化が見込まれる現代において、医療に関わる人材は重宝されます。自身や周りの人がケガ・病気をしたときにも役立つため、積極的に知識を吸収しましょう。

医療事務として働く3つのメリットとは?

打ち合わせをする白衣の男女

(出典) photo-ac.com

医療事務の人気が高いのは、やりがいはもちろん、長期的なキャリアを築く上でのメリットも大きいからです。医療事務として働くメリットを3つ紹介します。

ブランクができても復帰しやすくなる

医療事務は、結婚・出産などのライフイベントで働き方を変えることが多い女性にとって、特に活躍しやすい職種といえます。

医療事務として働くには知識や経験が必要となるため、過去に就業経験があれば、ブランクがあっても再就職しやすいのが特徴です。

未経験でも応募できる求人もありますが、就業経験は大きな強みになり、仕事の幅も選択肢も広がります。

ただし、長いブランク期間を経て復帰する場合は、医療事務に関わる最新の情報・法律について改めて学ぶ姿勢が必要です。

場所を問わず働けるスキルを習得できる

病院・クリニックは基本的にどの地域でも必要とされるので、将来的にも医療事務の需要がなくなる心配はほぼありません。高齢化が顕著な日本社会においては、医療関係の存在はますます重要になるでしょう。

また、景気・情勢に左右されることも少ないため、長く活躍し続けられるのも医療事務の特徴です。住む場所が変わっても仕事に困らないスキルを習得できることは、医療事務として働くメリットといえます。

自分に合った働き方がしやすい

医療事務の仕事には正社員だけでなく、派遣社員・アルバイト・パートなどさまざまな雇用形態があります。短時間勤務の選択肢もあり、自分に合った働き方を選びやすい点が大きなメリットです。

例えば、バリバリ働きたい人はフルタイムの正社員、結婚・出産を考えているなら一定期間ごとに働き方を変えられる派遣社員、親の介護で家を長く空けられない場合は短時間のアルバイトといったように、個人の事情に合わせて働き方を柔軟に選べます。

ただし、勤務先によっては、雇用形態ごとに任せられる業務の範囲が異なる場合も少なくありません。生活スタイルとチャレンジしたい仕事をどちらも考慮して、働き方を決めましょう。

医療事務の仕事に向いている人の特徴

資料に記入する白衣の女性

(出典) photo-ac.com

緊張感や専門的な知識が求められる医療事務は、誰にでもできる仕事ではありません。医療事務を目指す人は、紹介する特徴が自分に当てはまっているかチェックしてみましょう。

対面でのやりとりが好きな人

受付窓口は、患者と最初に対面するいわば「病院の顔」です。窓口の対応次第で病院全体の印象が左右されるといっても過言ではありません。

病院には、体調が悪く状況をうまく説明できない患者も訪れます。一方通行ではなく相手の気持ちに寄り添ったコミュニケーションを取れる人が、医療事務に向いているでしょう。

また、医療事務は患者だけでなく、医師・看護師とも円滑なコミュニケーションを取る必要があります。対面でのやりとりが好きで、コミュニケーション能力の高い人に向く仕事です。

基本的なパソコン操作に抵抗のない人

カルテの作成・予約管理・レセプト業務など、医療事務の仕事にパソコン操作は不可欠です。高度な技術は必要ない場合が多いものの、Word・Excelの基本操作ができる程度のパソコンスキルが求められます。

また、医療現場では1つの入力ミスが大きな過失につながる可能性があるため、迅速かつ正確なタイピングができる人も重宝されます。

タイピングは無料ソフトでも練習できます。未経験から挑戦したい人は特に、タイピングの技術を磨いておきましょう。

医療事務の大変さをカバーする資格3選

会議をする医療従事者たち

(出典) photo-ac.com

医療事務で求められる知識の量が多く、未経験で知識もない状態からのチャレンジでは、大変だと感じる場面が多くなるでしょう。働き始めてから苦労しないために、医療事務を目指す人が積極的に取得したい資格を紹介します。

医療事務技能審査試験(メディカル クラーク)

「医療事務技能審査試験(メディカル クラーク)」は、認知度が高く医療事務を目指す人の多くが受験する資格です。試験は実技I・学科・実技IIの3つで構成され、医療事務従事者として適正な能力があるかが判断されます。

合格すると、レセプト業務に関する知識から窓口業務の接遇まで、必要な能力を備えていることを証明できます。試験は毎月実施されていて合格率も比較的高いため、医療事務を目指す人はまず取得を目指すとよいでしょう。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

診療報酬請求事務能力認定試験

公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する「診療報酬請求事務能力認定試験」は、厚生労働省認定の資格試験です。

基礎的な用語から医療保険制度・診療報酬請求事務まで、幅広い知識が求められます。実技試験では実際にレセプトを作成するため、高度な技術が必要です。

合格率はおおむね30〜40%で推移しており簡単とはいえませんが、この資格を持っていると採用試験で有利になるだけでなく、給与額に反映される場合もあります。

入念な試験対策は必要になりますが、医療事務としてのスキルをしっかり証明できる資格が欲しい人は、取得を検討してみましょう。

診療報酬請求事務能力認定試験

医科医療事務管理士技能認定試験(医療事務管理士)

「医科医療事務管理士技能認定試験」は、日本初の医療事務の資格として長い歴史を持っています。合格すると「医療事務管理士」として、医療事務全般のスキルがあることを証明できる資格です。

医療保険制度や公費負担医療制度・レセプトに関する知識などを問う学科のほか、レセプト作成の実技試験もあります。しっかり対策すれば合格が難しい試験ではなく、オンラインで手軽に受験できるのも特徴です。

また、インターネット受験の場合は試験後すぐに結果が分かるため、資格取得を急ぎたい人にもおすすめです。

医科医療事務管理士技能認定試験

やりがいのある医療事務の仕事で活躍しよう

パソコンを見ている2人の医療従事者

(出典) photo-ac.com

医療事務は、人々の命や健康を守る助けとなる大切な仕事です。大変な面も多くありますが、その分やりがいやメリットも大きく、日々充実感を持って働ける魅力があります。

豊富な求人を掲載しているスタンバイなら、自分の希望に合った医療事務の仕事を探せます。勤務地や雇用形態・給与などの「こだわり条件」からも絞り込めるため、自分にぴったりの求人が見つかるはずです。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら