運送業はやめとけといわれる原因。ブラック企業の実態と見分け方

運送業には、よいイメージを持っていない人が多くいます。すべてイメージ通りでなくとも、ブラック企業と呼ばれる会社が運送業の中にあるのもまた事実です。ブラック企業の見分け方や、運送業がなぜ敬遠されがちなのかをまとめました。

運送業はやめとけといわれる理由は?

トラック

(出典) photo-ac.com

なぜ運送業は、敬遠されやすい仕事なのでしょうか。運送業が抱える問題点を勤務形態や健康面から解説します。

事故や交通違反のリスクがある

運送業は他の職業と比べ、長距離を車で運転することが多い仕事です。車で移動する時間が長ければ長いほど、運転中に事故が起きる確率は高くなるでしょう。

また、運送業の人が仕事で使うトラックは、通常の車よりもサイズが大きいため、歩行者や他の車とぶつかる可能性も高くなってしまいます。所属する会社次第では、事故で起きた損害を、ドライバーが負担するケースもあるようです。

同様に、交通違反というリスクも運送業の多くが抱える問題です。違反金を支払う以外にも、免許停止になった場合は、仕事自体ができなくなるためリスクが高いとされています。

拘束時間が長い

長距離を移動することが多い運送業の人は、拘束時間の長さもマイナスな印象を持たれる理由の1つです。

配送範囲が限定されている場合は、長距離移動は基本的にありません。しかし、配達には時間指定便があります。決められた時間に配達するまでは、仕事を切り上げられないケースもあり、拘束される時間が長くなる場合もあるでしょう。

あらかじめ、効率よく配送できるルートをシミュレーションしておくなどの対策が必要です。

体力的な負担が大きい

運送業の中でも、とりわけ重い荷物を運んでいる場合は、体力の消耗が激しいだけでなく、腰や膝へのダメージが甚大でしょう。

長時間運転するだけでも体への負担は大きいですが、到着した先で荷物を積み下ろす作業は、力に自信のある人でも重労働となります。年齢を重ね、体力が落ちてくると、力仕事がきつくなってくるのを想像できるでしょう。

長く働ける環境なのか、体に負担はかかりすぎないか、という観点で見ると、運送業はやめとけといわれる一因になると考えられます。

他にもある「やめとけ」といわれる原因

バインダーを手に指さす女性

(出典) photo-ac.com

運送業自体がブラック企業というわけではありません。しかし、中にはブラックな企業も存在しており、マイナスなイメージを持たれやすいのも事実です。運送業においてのブラック企業について解説します。

ブラック企業の存在

「整備管理者がいない」「雇用契約書がない」といったように、会社の条件として明らかに常識外の企業は残念ながら存在します。

業界のリサーチをしっかり行い比較検討すれば、ある程度はそういった会社を避けられます。

また、移動の際に高速道路を使用することがあります。そのとき、高速代を会社が支払わず、従業員に支払わせるようなところはブラック企業といえます。また重すぎる荷物を持ったことで体を痛めても、労災が使えないといったケースもあるようです。

業界全体に対するマイナスイメージがある

ブラック企業かどうかは会社によりますが、運送業界はマイナスな印象を抱きやすい業界です。

将来性や拘束時間に加え、力仕事ということもあり、体に負担をかけやすい大変な仕事というイメージが定着していると考えられます。

さらに「怖い人が多そう」「男女比の偏りが激しそう」といった偏見も加わり、業界へのマイナスイメージは強いものとなっているのでしょう。

ブラック企業の実態とは?

社内規則

(出典) photo-ac.com

ブラック企業と一口にいっても、どのようなところに問題がある企業なのかは、さまざまです。契約・労働条件の面からブラック企業の実態を解説します。

賃金の未払い

特に大手ではない企業にあるようですが、賃金の未払いが発生する企業はブラック企業といえます。雇用条件の基本として、賃金は定められた支払日に雇用側が支払わなければいけません。

経営難であったり、自転車操業になっていたりする会社では、賃金の支払いが遅れることがあるようです。あるいは、支払日に全額を渡さず、分割払いにするケースもあるでしょう。これらの状況に遭遇したら、労働基準監督署へ速やかに連絡し、解決してもらう必要があります。

「賃金は支払われているけど残業代が出ていない」というケースもブラック企業の特徴といえます。仮に歩合制であったとしても、労働時間が1日8時間・週40時間をオーバーしていれば残業代が請求できます。

請負契約のところも

雇用形態の違いによっては、残業代が支払われないケースもあります。通常の直接雇用であれば、残業代に加え、厚生年金や社会保険など、会社負担が義務付けられています。しかし、請負契約の場合は例外です。

請負契約では、それらの義務が会社側に発生しないため、結果として労働時間に対し安い賃金で働くことになりかねません。

雇用形態は、直接雇用・請負契約なのか、契約時にしっかり内容を確認しましょう。

休みが取れない

賃金以外に、休日がなかなか取得できなかったり、そもそも休日が少なかったりというのも、ブラック企業の特徴といえます。

法定労働時間は1日8時間と定められていますが、長距離運転するドライバーは、それ以上に働いていることが多く、休みが取得できないことも多々あります。職場によっては、1週間休みなしで勤務するところもあるようです。

有給休暇は労働者の権利ですが、それすら与えられていないか、あるいは制度はあっても使用を認められていないケースもあるでしょう。人手不足が主な原因といわれていますが、有給休暇は労働基準法で認められている労働者の権利なので、行使できない会社はブラック企業といえます。

ブラック企業を見分けるポイント

考えるビジネスマン

(出典) photo-ac.com

ブラック企業を避けるためには、どのようなポイントを重点的にチェックすればよいのでしょうか。求人で注目したいところを解説します。

常にドライバーを募集している

分かりやすい見分け方として、求人を見かける頻度があります。いつもドライバー募集をしているような会社は、就職した人がすぐにやめていった可能性が高いといえます。

社員が長く居着かず、求人広告が出たままのところは、応募の対象から外しておくのが得策です。

もしも、求人広告に記載されている給与が高くても、すぐに飛びつかず、一度冷静になって検討しましょう。過重労働・時間外労働のリスクも考えられます。

社員数やトラックのメンテナンス状況

会社のホームページがあれば、会社情報から社員数もチェックしておきましょう。大手企業であれば、さほど問題はないと考えられますが、小さな会社で社員数も少ない場合は、経営が安定していないケースもあります。

将来性・福利厚生が充実していない可能性もあるため、社員数の確認は大切です。社員が多いほど、働きやすく柔軟性がある会社とも考えられるので、休日が取得しやすいかもしれません。

会社が使っているトラックの外観を見てみるのも1つの方法です。大切な荷物を運ぶためのトラックが汚れたままになっていたり、整備が行き届いていなかったりする場合は、メンテナンス費用を捻出できない、または利益の追求のみを考えているともいえます。

ドライバーへの転職は会社選びが大切

夜の道路を走るトラック

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運送業へ転職する場合は、長距離移動による拘束時間の長さや、ブラックな企業もあるということを念頭に置く必要があります。

ブラック企業の特徴や傾向を事前に把握し、求人の段階でふるいにかけられれば、よい会社選びができるでしょう。

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