空間デザイナーの年収はどれくらい?収入を上げる方法も解説

空間デザイナーと聞いて、華やかで高収入なイメージを持つ人もいるでしょう。とはいえ、デザイン系の仕事に関わったことがないと、給与についてうまくイメージできないものです。空間デザイナーはどれくらいの年収を得られるのかを確認しましょう。

空間デザイナーの年収はいくら?

整理された部屋

(出典) photo-ac.com

空間デザイナーは幅広い仕事をする機会があり、多くの人と関わります。手掛ける仕事の範囲も広いので、多くの収入を期待する人は多いでしょう。目安として空間デザイナーを含むデザイナーの平均年収を、地域別・年代別・企業規模別に紹介します。

※「賃金構造基本統計調査」の各データは企業規模10人以上・一般労働者(フルタイム)・役職者以外のものを使用し、年代別の平均年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で算出

デザイナーの全国平均を確認

厚生労働省の「job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」によると、空間デザイナーが属する職種「インテリアコーディネーター(職業分類デザイナー)」の全国平均年収は、478.6万円です。

このデータには空間デザイナーだけでなく、さまざまな分野のデザイン業が含まれており、地域によっても以下のように年収が異なります。

  • 東京:502.5万円
  • 千葉:381.2万円
  • 神奈川県:468万円
  • 大阪府:567.5万円
  • 北海道:326.8万円
  • 福岡県:392.3万円

東京や大阪など大都市で活躍するデザイナーの年収は、日本の全国平均である443万円よりも高めです。

参考:
インテリアコーディネーター - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
令和3年分民間給与実態統計調査|国税庁

年齢別の年収の違い

空間デザイナーが含まれる職業分類「デザイナー」で、20〜50台の年代別の平均年収を見てみましょう。2021年の賃金構造基本統計調査によると次の通りです。

  • 20~24歳:313万500円
  • 25~29歳:404万1,600円
  • 30~34歳:440万7,900円
  • 35~39歳:476万8,300円
  • 40~44歳:560万9,800円
  • 45~49歳:532万2,600円
  • 50〜54歳:587万6,400円
  • 55〜59歳:637万8,200円

30代中盤ごろに、日本の全国平均である443万円に届く見込みです。どの職業にも共通しますが、駆け出しのときはなかなか年収が上がりませんが、経験年数が増えるにつれて年収が上がる傾向です。

参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表3 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

企業規模別の年収

2021年の賃金構造基本統計調査によると、同じ空間デザイナーが含まれる職業分類「デザイナー」でも、企業規模によって年収の違いが見られます。企業規模ごとの平均年収を見てみましょう。

  • 1,000人以上:578万1,700円
  • 100〜999人:428万3,300円
  • 10〜99人:391万3,300円

企業規模が大きいほど、多くの年収を得ていることが分かります。しかし、小規模な企業でも、大きな利益を得て従業員に高い水準の給与を支払う例もあり、一概に企業規模が大きいから年収が高いとは言い切れません。

参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表3 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

働き方や雇用形態による収入の違い

空間デザイナー

(出典) photo-ac.com

空間デザイナーが皆同じ給与をもらっているわけでなく、働き方や雇用形態によって年収が変わります。それぞれの違いを見ていきましょう。

デザイン事務所や企業の正社員

空間デザイナーが属する企業規模別の平均年収を見ると分かるように、規模の小さな企業に勤務する場合、年収が下がる傾向です。

ブランド力がある大企業には、一定数の固定客がいます。安定して大きな儲けが期待でき、結果的に高い水準の給与を従業員に与えられます。

一方で、デザイン事務所は事業規模が小さいケースが多く、大手の建築会社や住宅メーカーなどに勤務する場合に比べると、年収は低くなりがちです。高収入を得たければ大企業の正社員を狙うのが一般的ですが、競争率は高いといえます。

非正規雇用

空間デザイナーとしてのキャリアを積むには、アルバイトとして業界に飛び込む方法もあります。ただ、正社員と比べて待遇はよくない可能性は頭に入れておきましょう。

厚生労働省の資料「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」を見ると、職種を問わない「正社員・正職員」の賃金は月額32万3,400円です。

一方でアルバイトやパート・派遣などの「正社員・正職員以外」は21万6,700円と、大きな開きがあります。また、正社員は年齢とともに昇給しますが、非正規雇用の場合は長く勤めてもほとんど昇給がありません。

とはいえ、企業によっては正社員登用制度を導入している場合もあります。「まずは経験を積み、いずれは正規雇用に」と考えている人は、正社員登用制度の有無で求人をチェックするのも1つの方法です。

実力が認められれば、正社員になって安定した収入を得られるでしょう。

参考:令和3年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省

空間デザイナーが年収を上げるには

お札と電卓

(出典) photo-ac.com

空間デザイナーとして多くの稼ぎを得たい人は、年収をアップさせるポイントを押さえておきましょう。年収を増やすために必要な方法を紹介します。

センスを磨いて人気を獲得する

空間デザイナーになっても、無名のうちは高い年収を得られません。しかし、努力次第で収入が伸びる見込みはあります。

デザインしたものが何らかの賞をもらったり一定の人気を獲得したりすると、デザイナーとしての地位が上がって高収入を得やすくなるでしょう。

自社の施設や自宅を少しでもよりよい空間にしたいと考え、知名度のある人にデザインを任せたいと思うクライアントは少なくありません。ただし、有名になるのは簡単ではなく、センスを磨いて経験を積んでいくことが必要です。

専門的な資格を取得する

特定の資格がなくても空間デザイナーとして働けますが、資格を持っていると有利になる場合もあります。デザインや建築に関連する資格を持つ人を対象に、求人を出す企業は珍しくありません。

空間デザインに役立つ専門的な資格を持っていると、仕事の幅が広がり年収アップにつながります。

例えば、建築士・福祉住環境コーディネーター・照明コンサルタント・インテリアコーディネーターといった資格は、空間デザイナーとの関連性が高く、持っていると有利です。

参考:
公益財団法人 建築技術教育普及センター
東京商工会議所検定サイト | 福祉住環境コーディネーター検定試験
基礎講座のご案内 | 一般社団法人 照明学会
公益社団法人インテリア産業協会

実力をつけて独立を目指す

デザイン事務所やメーカーなどに勤務し、空間デザイナーとして十分な実力をつけた後は、独立して自分で開業する方法もあります。

空間デザイナーは実力主義の仕事です。「この人にデザインを任せたい」と思ってもらえるような有名デザイナーになれば、独立後に高収入が期待できます。

独立すると、所属していた企業では扱わなかった幅広い仕事に挑戦できるところも魅力です。

ただし、軌道に乗るまでは収入が不安定になる場合が多い点に注意しましょう。成功するにはデザイナーとしての能力だけでなく、経営の能力もやりながら身につけることが求められます。

空間デザイナーの将来性

インテリアコーディネーター

(出典) photo-ac.com

空間デザイナーになるには、厳しい下積み時代を耐え抜きながら勉強を続ける覚悟も必要です。将来的に仕事がなくなり、努力が無駄になってしまったという結果は避けたいところです。空間デザイナーの将来性について確認しましょう。

あらゆる空間作りで活躍し需要は高い傾向

空間デザイナーは顧客の要望に応じて、さまざまな空間を作ります。住宅やオフィスなど多くの場所で快適さを求めるニーズは高まっており、空間デザイナーが活躍するチャンスです。

また、新型コロナウイルス感染症の流行でテレワークの機会が増え、オフィスのあり方を見直す企業が増えました。空いたスペースの使い道を考える企業にとって、空間デザイナーは不可欠な存在になったといえます。

高齢化の加速に伴う施設のバリアフリー化や、空き家のリノベーションなどの需要も高く、空間デザイナーが活躍する機会は今後も多い見込みです。

資源の使い方が成功のカギを握る?

近年は顧客のニーズを満たすだけでなく、環境保護の観点から地球環境にも配慮した空間デザインが求められる傾向です。資源の無駄遣いだと感じさせるような空間を作ってしてしまうと、思わぬ反感を買う恐れがあります。

スマホを使って個人が自由に発信できるようになった昨今は、SNSで取り上げられて話題になるケースも多いことに注意しましょう。反対によい意味で話題になる空間デザインを作れれば、高い評価が期待できます。

実力次第で高収入を目指せる空間デザイナー

インテリアデザイナー

(出典) photo-ac.com

空間作りのプロである空間デザイナーは、実力次第で年収を大きく伸ばせる可能性がある職業です。経験を積んで人気を獲得していけば、日本人の全国平均年収より高い収入を目指すことも夢ではありません。

空間デザイナーの仕事内容は多岐にわたるため、建築やインテリア関連の資格を持っていると仕事に生かせます。

その人にしか生み出せない、オリジナリティのある空間を作り出せるようになれば、独立して成功する道も開けるでしょう。

スタンバイでは、空間デザイナーを求めている企業の求人情報を探せます。条件を細かく絞って検索できるので、理想に合った職場を探す際にぜひご利用ください。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら