家庭教師になるには?仕事の見つけ方と勉強以外に必要な知識を紹介

家庭教師とは

家庭教師

(出典) photo-ac.com

おもに小学生から高校生に対して、各家庭で勉強を教える教師のことを指します。一般的に、学習塾の講師同様、学校の授業の不足を補ったり、受験勉強を指導して志望校に合格させたりすることが主な仕事です。学業や本業の傍らにアルバイトとして家庭教師を務める大学生や社会人もいれば、専業のプロ家庭教師として働いている人もいます。

家庭教師の業務形態

子供に勉強を教える

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家庭教師は、その業務形態によって、企業から家庭に派遣される家庭教師と、個人で家庭と契約する家庭教師の2つに分けられます。

企業から派遣される家庭教師は「家庭教師センター」と呼ばれる派遣会社に所属し、保護者から依頼のあった家庭に行き、学習指導を行います。派遣会社にも、指導の管理や講師のバックアップ、家庭に対するフォローまでを行う会社、教材販売事業者が教材をセット販売する会社などさまざまな種類があります。

一方、個人契約の家庭教師は、紹介や仲介サイトなどを使って、個人契約先を探す営業活動が必要です。家庭教師の仲介を行う会社への登録や、友人・知人からの紹介などにより、直接保護者と契約をして生徒指導を行います。専門学校生や大学生などのアルバイトの場合は、学校からの紹介で契約に至るケースもあります。

家庭教師の仕事内容

勉強する女性

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おもに小学生から高校生の各学年の生徒に対して苦手科目の克服から受験対策まで、各家庭の学習ニーズに対応していきます。科目は、国語、算数(数学)、理科(化学・物理など)、社会(地理・世界史・日本史など)、英語、小論文のほか、音楽や書道などの実技教科の指導が求められることもあります。家庭教師は、登録する派遣会社または保護者と相談のうえ、これらの科目のうち指導可能な科目に対応するのが一般的です。

また、社会人を対象に大学の再受験や、英検、TOEIC、TOEFLなどの英語資格、公務員試験、教員採用試験対策などの指導を行う場合もあります。最近では、料理やスポーツ、音楽など、趣味の分野で活躍する家庭教師が増えてきています。

家庭教師になるには

考える男性

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家庭教師として働くための資格は必要ありませんが、一般的には、生徒の志望校以上の学力および学歴が求められます。中学受験、高校受験、大学受験の生徒を受け持つ場合には、それぞれの受験システムや試験の出題傾向についてよく理解しなければなりません。また、登録する派遣会社によっては、生徒や保護者への接し方、指導方法、ビジネスマナーなどの研修を受けて、勉強面以外の知識やスキルを身につける必要があります。

企業から派遣される家庭教師の場合は、まず家庭教師として会社に登録することで、指導を希望する生徒を紹介してもらえるという仕組みです。その後、マッチングが成立した場合に、実際の指導がスタートします。登録にあたっては、面接やテストを行う派遣会社が大半です。個人契約の場合は、家庭教師の仲介を行う会社への登録や、友人・知人からの紹介などによって生徒を探す必要があります。

学力以外で求められるスキル

会話する大人と子供

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家庭教師になるには有名な大学に行っている人ほど有利ですが、学力が高いだけでは務まらない仕事です。学力以外で、どんなスキルが求められるのか見ていきましょう。

コミュニケーションスキル

家庭教師にはコミュニケーションスキルが必要です。生徒の学力を伸ばすには、「何が分からないか」「どんなことに悩んでいるのか」などを聞き出し、解決へと導かなければなりません。

生徒が先生に対しコミュニケーションの取りづらさを感じていると心を開いてくれず、うまく教えられなくなるでしょう。生徒のやる気をそぐようなことを言ってしまうと、勉強が遅れる原因になることもあります。

個人差はありますが、年齢が離れた家庭教師に対し警戒心を抱く子どももいるので、相手の立場になって接する姿勢が重要です。

また、ほとんどの場合、家庭教師を依頼するのは保護者です。家庭教師は生徒だけでなく保護者にも指導法や進捗状況を伝える機会が多いため、コミュニケーションスキルは不可欠だといえます。

指導力

コミュニケーションスキルが高い人は、生徒に早く打ち解けてもらって仲よくなれます。しかし、肝心の指導力がなければうまく学力を伸ばしてあげられません。

家庭教師の目的は生徒に勉強方法に関するアドバイスを与えて、学力を向上させることです。ただ教えるだけでなく、学力を伸ばすために必要な学習法を考えて対処する必要があります。

「生徒1人1人の学力に合う参考書や問題」を選んで、指導しなければなりません。どんな問題をやらせるかだけでなく、その生徒が自分で解決する能力を高めるには何が必要なのかを考えて、取り組む能力も求められます。

スケジュール管理能力

家庭教師の仕事はスケジュール管理が付き物です。自身のスケジュール管理はもちろん、生徒の学習の進め方を指導するにあたって、「何がどこまで進んでいるのか」を把握していなければなりません。

生徒のやる気や自主性を育てるために、自分で学習プランを立てさせてアドバイスする形式を採用する家庭教師もいます。

家庭教師には生徒のお手本になるような行動が求められるので、しっかりとスケジュールを管理する能力が必要です。遅刻や欠勤などが多いと、生徒はもちろん保護者の信頼を得られません。

受け持つ生徒の数が多ければ多いほど、自身のスケジュール管理は大変です。アルバイトとして家庭教師をする場合も同様で、本業に遅れが出ないように私生活もしっかりと管理しなければなりません。

我慢強さ

家庭教師の仕事は生徒の成果が出るまでじっと見守らなければならないことがあり、ある程度の我慢強さが必要です。

教えればすぐにできるようになるとは限らず、ある生徒に試して成果があった指導法でも、ほかの生徒には通用しないことがあります。場合によっては、何度も同じことを教えなければならないでしょう。

時には、やる気のない生徒に対して苛立ちを覚えることもあるかもしれませんが、表には出さずじっと耐えなければなりません。結果が出ないからといって、焦らせるような言動をしてしまうと生徒や保護者からの信頼を失ってしまいます。

平均的な時給は?

時給のイメージ

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家庭教師はアルバイトのなかでも高額なことで知られ、受け持つ人数にもよりますが、大学生でも十数万を稼げる場合もあります。

家庭教師の仕事はほかの一般的なアルバイトに比べて高額で、大手の家庭教師派遣会社でアルバイトをする際の平均時給は「2000円前後」です。

生徒の学年、受け持つ人数、指導力、生徒や保護者からの評判など、さまざまな要素によって時給が決定されます。実力がある家庭教師は、1コマで5000円以上を稼ぐことも珍しくありません。

一般的に、高学年になるほど時給が高くなる傾向です。小学生・中学生よりも、大学受験を控えた高校生を受け持つときの方が高額に設定されています。

目的によっても異なり、小学生であっても中学受験を目指すような場合と基礎学力を伸ばす場合とでは、時給に違いが出る場合もあるでしょう。

また、小学生の兄弟2人をまとめて受け持つ場合、1対1で教えるときよりも時給が高くなるのが一般的です。

家庭教師の求人傾向

家庭教師

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家庭教師の求人は、アルバイトやパートとしての採用が多く、現役の大学生や専門学校生も求人対象となりますが、なかには正社員としての採用となる求人もあります。採用にあたっては、塾講師や各学校の教師など、先生としての指導経験が重宝されます。

出典:
家庭教師のトライ
学研の家庭教師
家庭教師のあすなろ