サービスカウンターは、店舗や施設において「総合的なサービス」を提供する場所です。サービスカウンターのスタッフは普段、どのような業務に従事しているのでしょうか?具体的な仕事内容やスタッフに求められるスキル、向いている人の特徴を解説します。
サービスカウンターの仕事内容「接客」
サービスカウンターには、日々多くの客が訪れます。サービスカウンターの主な仕事は「接客」で、フロア案内からクレーム処理まで、さまざまな業務をこなします。具体的な仕事内容を見ていきましょう。
売り場が分からない客にフロア案内をする
大型のスーパーやショッピングセンターには、サービスカウンターが設けられているのが一般的です。サービスカウンターは、店の顔でもあることから、困りごとがある顧客は真っ先にカウンターを訪れます。
サービスカウンターのメイン業務といえるのが「フロア案内」です。売り場が分からない顧客に場所を伝えたり、目的の商品があるコーナーまで案内したりします。
店舗によっては、高齢者や体が不自由な方の買い物を補助する「買い物の介助サービス」を提供しているところもあるようです。
接客のプロとして、顧客の快適な買い物を、あらゆる面からサポートするのがサービスカウンターの役目といえるでしょう。
さまざまな相談・クレーム対応
売り場やレジの従業員は、それぞれの業務に従事しているため、1人1人の顧客にじっくりと対応している時間がありません。そのため、顧客からの相談やクレームは、サービスカウンターが一手に引き受けます。
- クレーム対応(破損品・接客態度など)
- 迷子の案内
- 館内呼び出し
- 落し物・忘れ物の預かり
- 宅配便の発送
- 会員カードや電子マネーについての問い合わせ
クレーム対応は、サービスカウンターのスタッフが解決できるケースもあれば、スタッフのみでは収拾がつかないケースもあります。後者の場合、売り場の責任者や店長に連絡し、対応を引き継いでもらいます。
ギフト券やお中元・お歳暮の販売
お中元やお歳暮の対応もサービスカウンターで担うのが通常です。具体的には、顧客が贈答用として購入した商品を、丁寧に包装し、のし紙を掛けます。
のしの表書きを依頼される場合もあるため、のしの種類や書き方はしっかりと覚えておく必要があるでしょう。
また、各種ギフト券・たばこ・切手・はがき・印紙・粗大ゴミ処理券などは、売り場の商品棚には陳列していないところがほとんどなので、サービスカウンターで販売しているケースもあります。
独自のポイントカードや、電子マネーを導入している店舗では、カードの発行手続きも行います。
サービスカウンターの仕事「事務」
サービスカウンターのメイン業務は接客ですが、備品の発注や領収書の発行といった事務作業も担うのが一般的です。顧客や取引先から電話がかかってくることも多く、複数の業務を手際よくこなしていく必要があります。
在庫確認し備品を発注する
日常的に使う備品が不足すると、業務に支障を来します。常に在庫をチェックし、必要個数を発注するのもサービスカウンターの仕事です。
- 備品の在庫確認
- 備品の発注
- 備品の補充
特に、ビニール袋やPOP・商品券などはすぐに消耗してしまうため、必要数量や使用頻度などを考慮した上で発注しなければなりません。発注した備品の到着後は数量をチェックし、倉庫などで適切に管理します。
伝票処理や領収書の発行
サービスカウンターでは、伝票処理や領収書の発行も行います。「伝票処理」とは、取引内容(納品日・顧客名・商品名・数量など)を記載した伝票を作成する作業です。起票された伝票は、整理・集計され、最終的に決算書に転記されます。
サービスカウンターのスタッフには、経理担当のような高度な会計知識は要求されないものの、作業には正確さが求められます。小さなミスが命取りになることも珍しくありません。
また、客から領収書を求められた際は、その場で領収書を発行します。基本的にレジでも領収書の発行は可能ですが、手書き領収書が必要な場合は、サービスカウンターで対応するのが一般的です。
電話対応もある
電話対応もサービスカウンターの仕事です。顧客や取引先から問い合わせや、相談・クレームの電話などがかかってくるため、店舗の代表としてしっかりと受け答えをする必要があります。
言葉遣いの丁寧さはもちろんのこと、問い合わせ内容に対する回答の正確さや、スピーディーさなども気をつけたいポイントです。サービスカウンターの電話マナーが悪ければ、店全体の印象に大きく影響するでしょう。
「購入したばかりの食品が腐っていた」「売り場の店員の態度が悪い」といったクレームや、厳しい言葉もあり、客の心情を考えながら臨機応変に対応する能力が求められます。
サービスカウンターに向いている人
サービスカウンターのスタッフは、接客と事務の両方をこなす必要があります。「接客が苦手」「面倒な事務はしたくない」という人には務まらない仕事であることは明らかでしょう。サービスカウンターに向いている人の2つの特徴を解説します。
人と関わるのが苦にならない人
サービスカウンターには、日々さまざまな顧客が訪れます。接客業は、おもてなしが基本なので「人と関わるのが好きな人」「人の役に立つことに喜びを感じる人」に向いているといえます。
言葉遣いや社会人としてのマナーは、後からでも身に付けられますが、人と関わるのが好きかどうかは、その人の性格によるところが大きいのが実情です。
「初対面の人と話をするのが得意ではない」「1人で黙々と作業する方が好き」という人の場合、サービスカウンターにはあまり向いていないかもしれません。
細かい作業が得意な人
大ざっぱな人よりも、細かい作業が得意な人の方がサービスカウンターに向いているでしょう。
伝票処理や在庫管理といった事務作業では、細かなところにもよく気が付く、几帳面さが求められます。高度な会計知識は不要ですが、数字や反復作業に苦手意識がなく、短時間で正確に作業を遂行できる能力が必要です。
また、包装作業を任せられることも多いため、手先が器用な人の方が重宝されます。お中元やお歳暮の時期は、サービスカウンターに多くの人が並ぶため、短時間で美しく包装しなければなりません。
細かい作業が苦手な人にとっては、ハードルが高いですが「接客が好きで、細かい作業も得意」という人には天職となる可能性があります。
サービスカウンターに求められるスキル
サービスカウンターのスタッフには、さまざまなスキルが求められます。中でも「コミュニケーション能力」と「柔軟な対応力」は必須のスキルといっても過言ではありません。
コミュニケーション能力
人と関わる接客業には、コミュニケーション能力が欠かせません。コミュニケーション能力というと「話が上手な人」と思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、コミュニケーションとは、会話のキャッチボールです。一方的に話をするだけでなく、相手の話を傾聴する能力や、真のニーズを理解する能力も含まれます。
サービスカウンターには老若男女が訪れるため、言葉・表情・声のトーンなどを上手にコントロールしながら、相手に合ったコミュニケーションを図るのが肝要です。
コミュニケーション能力に付随して、以下のようなスキルも身に付けておくとよいでしょう。
- 社会人としての正しい言葉遣い
- 相手の立場に立って分かりやすく説明する能力
- 店の顔としての丁寧な立ち居振る舞い
柔軟な対応力
店舗ごとに決められた接客マニュアルはあるものの、問い合わせや相談内容は、客ごとに異なります。マニュアルで対処しきれないケースも多々あるため「お客様の立場に立った柔軟な対応力」が問われます。
何事にも臨機応変に対応できる人は、物事を客観的に判断できる能力にも長けています。トラブルがあっても慌てふためかず、状況に応じて正しい判断ができるでしょう。
言葉遣いや知識を身に付けるのと違い、対応力は一朝一夕に培われるものではありません。最初のうちはマニュアル通りの対応しかできなくても、サービスカウンターの仕事を通して、徐々にスキルが磨かれていくでしょう。
幅広い業務を行うサービスカウンターに挑戦してみよう
サービスカウンターのスタッフは、多くの業務を同時にこなす必要があります。コミュニケーション能力や柔軟な対応力はもちろん、目の前の業務を迅速にこなしていく手際のよさも求められます。
人と関わるのが好きな人で、事務作業が苦にならない人であれば、サービスカウンターの仕事が未経験でも採用される可能性があるでしょう。サービスカウンターの仕事に興味がある人は、国内最大級の仕事・求人探しサイト「スタンバイ」で求人をチェックしてみましょう。