コールセンターの職種とは?業務内容別の解説やおすすめの資格も

コールセンターにはさまざまな職種があります。職種によって仕事内容が異なるため、コールセンターで働くことを考えている人は、あらかじめ違いを知っておきましょう。コールセンターの職種や業務内容別の違い、取得すると仕事に役立つ資格を紹介します。

コールセンターの職種は主に2つ

コールセンタースタッフ

(出典) photo-ac.com

コールセンターには電話応対を担当する「オペレーター」と「SV(スーパーバイザー)」という職種があります。それぞれの業務内容を具体的に解説します。

実際に電話業務を行う「オペレーター」

オペレーターとは、電話の応対を主な業務としている職種です。製品やサービスを提供している企業内のコールセンターで業務に当たる場合もあれば、企業のコールセンター部門を請け負っている専門サービス会社で勤務するケースもあります。

最近では、クラウド型のPBX(構内交換機)や、CTI(電話とコンピューターを統合するもの)などを活用し、在宅で仕事をするオペレーターも増えているようです。

オペレーターは、業務内容によって、さらに2種類に分けられます。顧客からの問い合わせ対応など、受信業務が専門のオペレーターは「インバウンド」、製品やサービスの紹介などで発信業務にも当たるオペレーターは「アウトバウンド」と呼ばれます。

管理職の「SV(スーパーバイザー)」

コールセンターのSV(スーパーバイザー)は、主にコールセンターで働いているオペレーターを管理する職種です。SV自身もオペレーターとしての経験があり、オペレーター業務に関する知識やスキルだけでなく、リーダーとしての資質も備えていると認められた存在です。

SV1人で、数名から20名程度のオペレーターをまとめているのが一般的で、オペレーターでは対応しきれないクレームなどへの応対や、オペレーターの育成・勤怠管理なども担当します。

企業から委託されているコールセンターの場合は、クライアント企業への対応もSVの担当となるのが一般的です。チーム全体のクオリティや、パフォーマンス分析から、オペレーターの採用計画・面接まで、幅広い業務を任されています。

インバウンドのコールセンターの職種

固定電話

(出典) photo-ac.com

インバウンドは、コールセンターの中でも受信専門で対応する業務です。顧客からのさまざまな相談や問い合わせに対応しており、企業によっては、お客様窓口と呼ばれることがあります。

インバウンドのコールセンターは「カスタマーサポート」「ヘルプデスク」「テクニカルサポート」などがあります。各職種の業務内容について具体的に見ていきましょう。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、既存顧客からの問い合わせに、電話・メール・チャットなどで対応する窓口です。カスタマーサポートの業務は、自社製品やサービスの使い方・不具合などのトラブルに対し、対処方法を伝えて問題を解決することを目的としています。

カスタマーサポートの対応次第で、顧客が企業に対して持つイメージが左右されやすいため、企業の顔ともいえる重要な職種です。質の高い対応をすれば、顧客満足度は上がり、企業のブランドイメージも高まるでしょう。

さまざまな顧客からの電話に対応する必要があるため、臨機応変な判断力やコミュニケーション能力などが求められます。カスタマーサポートは、企業の信頼度や収益にも大きく影響する重要な役割を果たしています。

ヘルプデスク

ヘルプデスクは、製品に関する技術的な問い合わせに対応する窓口です。電話以外に、メールやチャットなどでも対応しており、主にIT関連の製品やサービスのサポート窓口として設置されるのが一般的です。

自社システムを導入した顧客から不具合などの連絡があったときに、解決方法を伝えたり、故障の場合は修理センターなどへつないだりします。

テクニカルサポートと業務内容が似ている部分はありますが、ヘルプデスクはテクニカルサポートより広範囲な問い合わせに対応するのが異なる点です。

また、自社製品を購入した顧客への対応だけでなく、社内のシステム運用について、社員からの問い合わせに答える「社内ヘルプデスク」というポジションもあります。

テクニカルサポート

テクニカルサポートも、IT関連製品の操作方法や、不具合などの問い合わせに対応します。ヘルプデスクでは対応できない、高度な技術的問題を解決するために設置されていルケースがほとんどです。

電話やメールによる対応だけでなく、要請があればフィールドエンジニアやサービスエンジニアのように現地に出向いて、製品のサポートや使い方の説明などを担当します。

一般的な消費者からだけでなく、自社のサービスを導入した企業の情報システム担当や、SEなどからの問い合わせに対応することも少なくありません。

テクニカルサポートには、自社製品についての技術的な知識だけでなく、システム開発や運用など、SEレベルのスキルや経験などが求められる場合もあります。

アウトバウンドのコールセンターの職種

コールセンターの女性スタッフ

(出典) photo-ac.com

アウトバウンドとは、顧客に対する発信業務全般のことをいいます。新規顧客獲得のためだけでなく、既存の顧客に対してクロスセルやアップセルを狙って電話をかけることもあります。

「テレフォンアポインター」「テレマーケティング」「インサイドセールス」などが、アウトバウンドのコールセンターの主な職種です。それぞれの職種の業務内容を詳しく解説します。

テレフォンアポインター

テレフォンアポインターとは、新規顧客獲得を目的として電話をかける職種のことをいいます。一般家庭や企業などに電話し、商談や訪問のアポイントを取ります。その後、営業へ取り次ぐことが主な仕事の流れです。

顧客に対し、販売契約の約束を取り付けたり、資料送付などの了承を得たりもします。企業によっては、テレフォンアポインターに対して、顧客への架電数やアポイントの獲得件数などにノルマを設定しているところもあります。

また、アポイントを獲得した数に合わせて、インセンティブを設けている企業も多く、頑張って成果を出せば高収入を狙える職種といえそうです。

テレマーケティング

テレマーケティングとは顧客に電話をかけて、製品やサービスを案内する職種のことです。テレフォンアポインターとも似ていますが、テレフォンアポインターの架電先が新規顧客なのに対し、テレマーケティングは既存顧客や、自社製品に興味を持っている見込み客が対象となる点が異なります。

また、テレマーケティングでは製品を購入した顧客に対して、利用状況や満足度に関するヒアリングやアンケートを取るケースもあります。

製品や、サービスの改善・顧客満足度・ロイヤルティの向上を目的としているため、営業というよりは、マーケティング的な位置付けになるでしょう。

インサイドセールス

インサイドセールスは、見込み客に対して非対面営業をします。顧客との連絡ツールには、電話やメールだけでなく、SNSやWeb会議システムなどを使う場合があります。

相手のニーズをヒアリングする業務も含まれるため、テレマーケティングとも似ていますが、大きな違いは顧客との関係性を構築する役割がある点です。

成約できそうな顧客を営業担当へつなぐだけでなく、見込みが低い顧客に対してもメールや電話などでコンタクトを取ります。しっかりと関係をつなぎとめておくのがインサイドセールスの仕事の1つです。

コールセンターに向いている人

コールセンターのスタッフ

(出典) photo-ac.com

コールセンターには、さまざまな職種があります。共通して向いているのはどのような人でしょうか。主な特徴を2つ挙げて解説します。

柔軟な対応力がある人

インバウンド・アウトバウンドを含め、コールセンターの職種は柔軟な対応力が必要とされます。コールセンターのオペレーター業務には、製品やサービスに関する情報が記載されているマニュアルや、通話をスムーズに進めるためのトークスクリプトなどが用意されているのが一般的です。

通常は、マニュアルやトークスクリプトを見れば対応できるものですが、決まった流れ通りにいかないケースが多々あります。そのようなときにも慌てず、柔軟に対応できる人は、コールセンターの業務に向いているといえます。

また、場合によってはクレームに発展してしまうことも少なくありません。自分だけでは対応が難しいと思ったときに、早急にSVへ引き継ぐなど、臨機応変に判断できる人が向いているでしょう。

デスクワークが苦にならない人

コールセンターの仕事は、電話に対応しながらパソコンへ入力するなど、事務職に近いので、デスクワークが好きな人に向いているでしょう。パソコンの操作はありますが、簡単な文字入力やマウス操作ができれば問題ありません。

ただし、業務中はほとんど座りっぱなしになるため、じっと座って仕事をするのが苦手な人には難しいでしょう。外に出て体を動かす仕事が好きな人より、1つのことに集中するのが得意な人に向いているといえます。

コールセンター業務に生かせる資格

パソコンとヘッドセット

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コールセンターのオペレーターは、資格がなくても就ける職種です。しかし、資格を取得しておくと、自身のスキルアップや将来的なキャリアアップに役立つ可能性があります。コールセンターの業務に生かせる資格を3つ紹介します。

コンタクトセンター検定試験(コン検)

コンタクトセンター検定試験(コン検)は、コールセンター業務における顧客対応力の高さを認定する検定試験です。オペレーターとSVを対象にした試験は、3段階のレベルに分かれており、非対面コミュニケーションに必要な知識や、専門性の高い顧客対応・マネジメントなどのスキルを学びます。

顧客対応力やコールセンターの品質向上などのために、研修ツールとして導入している企業もあります。資格を取得しておけば、転職活動の際にスキルのアピールに役立つでしょう。

コンタクトセンター試験(コン検)|一般社団法人 日本コンタクトセンター教育検定協会

電話応対技能検定(もしもし検定)

電話応対技能検定(もしもし検定)は、電話応対業務の即戦力となる社内指導者の育成を目的とした検定制度です。電話応対に関するマナーや、日本語の基礎知識に加えて、臨機応変な対応力など、ビジネス上のコミュニケーション全般のスキルが身に付きます。

4級から1級までのレベルに分かれており、敬語や言葉遣いの基本から、電話応対の基礎や応用・クレーム電話への対応・法的知識まで、コールセンター業務に必要なスキルや技術を学べるのが特徴です。

電話応対技能検定(もしもし検定)|公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会

CSスペシャリスト検定

CSスペシャリスト検定は、顧客満足度(Customer Satisfaction)を理論的に体系化し、習熟度を測定する民間検定資格です。

検定にはベーシック・プロフェッショナル・スペシャリストの3つのレベルがあり、顧客満足度についての理解から、難易度の高いクレーム対応のスキルや、CSマネジメントまで学べます。

資格を取得することによって、コールセンター業務にとって欠かせない顧客満足度を経営戦略の目線から理解し、電話応対の現場で生かせるでしょう。

CSスペシャリスト検定|一般社団法人 CSスペシャリスト検定協会

自分に合ったコールセンターを探そう

コールセンターの女性

(出典) photo-ac.com

コールセンターの職種は、業務内容によってカスタマーサポートや、テレフォンアポインターなどあります。職種によって業務内容や、必要なスキルが違うので、自分に合ったコールセンターを選ぶのが大切です。

コールセンターで働く際に資格は必要ありません。しかし、資格を取得しておくと、スキルアップやキャリアアップに役立つでしょう。

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