システムエンジニアの仕事内容をわかりやすく解説。なるための方法も

システムエンジニアはよく聞く職種ですが、具体的な仕事内容を理解している人は少ないかもしれません。これから目指す人にとっては、なり方やプログラマーとの違いも気になるポイントです。システムエンジニアの仕事内容についてわかりやすく解説します。

システムエンジニアの仕事内容とは?

パソコンをタイピングする男性

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアは、クライアントが求めるシステムを設計・開発する職種です。受注から保守まで順を追って、仕事内容を紹介します。

要求分析

システムエンジニアの仕事は、まずクライアントの要求を知ることから始まります。要求とは「業務効率の改善」や「新規ビジネスの立ち上げ」など、システム開発の目的です。

要求分析は、クライアントの要求に応えられるシステムの方向性を、エンジニアの視点で明確にする作業です。

クライアントがはっきり要求を言語化できるとは限りません。担当者の話はもちろん、現場の意見を集めたり業界事情を調べたりしながら、本当に必要な機能は何かを考え、提案する能力が問われます。

要件定義

要件定義は、システムをどのように構築するのかを決める作業です。システムの機能や性能を具体的に示し、開発にかかる時間と費用を見積もります。

実際の開発作業は、全て要件定義をもとに進められます。途中で手直しが発生して納期が遅れたり、予算が足りなくなったりしては、クライアントやメンバーの信頼を失いかねません。

システムエンジニアは、動作環境に不足はないか、エラーが出たときの対応をどうするかなど、細かい部分まで想定して要件定義を作成する必要があります。

基本設計・詳細設計

要件定義を終えたら、システムの設計に入ります。基本設計は管理画面の仕様や使える機能、ネットワーク構成など、システム全体の枠組みを決める工程です。システムを構築する人がイメージしやすいように、具体的な仕様に落とし込んでいきます。

詳細設計は、システムの構築作業を担うプログラマーに向けた工程です。基本設計で示した各機能について、処理方法やデータの扱い方をより詳しく決め、効率よくプログラミングできるようにしていきます。

プログラミング

プログラミングは詳細設計書をもとに、コードでコンピューターへの指示を記述し、目的通りに動作するよう、プログラムを作成する作業です。基本的には、機能ごとに担当のプログラマーに依頼する形を取り、システムエンジニアは全体を統括する立場に回ります。

ただし特殊なプログラムを作成するときや、人手が足りないとき、小規模なプロジェクトなどでは、システムエンジニアが直接プログラミングを担当するケースもあります。

テスト

納品前のテストも、システムエンジニアの大切な仕事です。テストは以下のように、開発の段階ごとに実施します。

  • 機能ごとの「単体テスト」
  • 機能を組み合わせた「結合テスト」
  • システム全体をチェックする「システムテスト」
  • 納品前の最終テスト

システムテストに合格しても、クライアントの環境によっては負荷が高くてうまく動作しなかったり、エラーが出たりする可能性があります。このため納品前には、必ずクライアントの環境に近い状況で動作を検証するのが基本です。

運用・保守

システムは、納品して終わりではありません。テストを通過し納品した後も、トラブルを防ぐための定期メンテナンスや、アップデートが必要です。

万が一不具合が見つかったり、システム障害が起きたりしたときは、正常に動作するように復旧させなくてはなりません。

このためシステムエンジニアは、開発責任者として運用・保守も担当するのが一般的です。

運用・保守には、納品したシステムが本来の目的を達成できているかどうかの、確認作業も含まれます。ユーザーの意見を取り入れ、使いやすいシステムに改良することで、よりクライアントからの信頼を得られるでしょう。

社内システムエンジニアの特徴

パソコンを持って打ち合わせをする二人

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアの勤務形態には「社内」と「客先常駐」の2種類があります。自分が働く場合、どちらがよいのか分からない人もいるでしょう。まずは社内システムエンジニアの特徴を解説します。

社内システムエンジニアの仕事内容

自社のシステム構築や運用保守にかかわる人を、社内システムエンジニアといいます。会社の経営戦略に沿ったシステムを構築し、業績アップや業務効率化に貢献するのが主な仕事です。

開発作業を外注する場合は依頼先との窓口として、内製する場合はプロジェクトチームの責任者として、開発の指揮をとります。

また社内システムエンジニアはITのプロとして、ネットワークやパソコンに関する社内からの問合せに対応することもあります。

社内システムエンジニアに向いている人

社内システムエンジニアは、他の社員の役に立つシステムを構築する仕事です。システムのおかげで営業成績が上がったり、無駄な残業が減ったりすれば、自分の仕事が会社の経営に深くかかわっていると実感できます。

システムの運用や問合せの過程で、他部署の社員と接する機会も多く、IT知識がない人にも誤解がないよう説明したり、関係者の意見調整をしたりするコミュニケーション力が必要です。

「縁の下の力持ち」タイプの人は、社内システムエンジニアの仕事にやりがいを感じられるでしょう。1つの会社で長く働くため、得意分野を作りたい人や、自社システムに関して全ての責任を持ちたい人にもおすすめです。

客先常駐システムエンジニアの特徴

タイピングする手元

(出典) photo-ac.com

客先常駐は、社内システムエンジニアに比べて、未経験者でも就職先を見つけやすいといわれています。「客先常駐」の仕事内容と、向いている人を見ていきましょう。

客先常駐システムエンジニアの仕事内容

客先常駐は自分の所属企業ではなく、別の企業に常駐する勤務形態です。特にIT系エンジニアに多く、業界ではSES (システムエンジニアリングサービス) と呼んでいます。

客先常駐の場合、システムエンジニアの就職先はSES専門企業です。SES企業を通して常駐先と契約し、一定期間その企業のシステム開発に携わります。

1つの常駐先との契約期間は、6カ月~3年ほどです。常駐先企業から評価されれば、さらに長く働ける可能性もあります。

客先常駐システムエンジニアに向いている人

客先常駐の魅力は、業界や規模が異なるさまざまな会社で働けることです。1社に長く勤める社内システムエンジニアに比べて、新しいスキルや知識に触れる機会が多く、人脈も広がります。

知らない人とのコミュニケーションが苦にならず、環境の変化を楽しめる人や、幅広いスキルを身に付けたい人は、客先常駐に向いているでしょう。

またIT系エンジニアは人手不足が続いており、SES企業の求人も多く見つかります。あまり経験のない人でも採用されやすく、システムエンジニア以外の仕事に携わるチャンスもあります。

未経験からシステムエンジニアを目指す場合は、まず客先常駐で経験を積むのも1つの方法です。

 

システムエンジニアになる方法

プログラミング画面

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアになるためには、何から始めればよいのでしょうか。未経験から目指す方法を見ていきます。

基礎的なIT知識を身に付ける

システムエンジニアには、ITに関する幅広い知識とスキルが求められます。システム開発を成功に導くために、プログラマーやその他エンジニアとして、現場で作業をこなしてきた経験も必要です。

効率よく経験を積みたいなら、システムエンジニアと密接にかかわる、プログラマーからスタートするのが近道です。まずはプログラミングやデータベース操作など、基礎的なスキルを学び、プログラマーとなって開発現場で経験を積むのが、堅実といえます。

資格を取得するのもおすすめ

プログラマーやシステムエンジニアになるために、専門の資格は不要です。しかし持っていると転職に有利な資格は、多数存在します。試験勉強を通して、必要な知識が自然に身に付くメリットもあるため、積極的に受験するとよいでしょう。

最初に取得するなら「基本情報技術者試験」がおすすめです。IT系スキルを証明する国家試験「情報処理技術者試験」の1つで、ITエンジニアの登竜門ともいわれています。

下記のように、システム開発で使用するOSやデータベース、プログラミング言語のスキルを認定する民間資格もあります。

  • Linux技術者認定試験
  • オラクルマスター
  • C言語プログラミング能力認定試験

参考:
制度の概要:基本情報技術者試験 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
IT資格といえば LinuC・Linux技術者認定試験 リナック | LPI Japan
ORACLE MASTER Portal・be an ORACLE MASTER・オラクル認定資格制度Oracle University
C言語プログラミング能力認定試験・JavaTMプログラミング能力認定試験資格検定のサーティファイ

システムエンジニアを目指そう

システムを組む男性

(出典) photo-ac.com

システムエンジニアは、クライアントが望むシステムを作り上げ、運用・保守まで一貫して責任を負う仕事です。

業務範囲は広く、仕事の内容も多岐にわたります。決して簡単ではありませんが、思い通りのシステムが完成したときの達成感は大きく、やりがいのある職種といえます。興味があるなら、挑戦する価値は十分あるでしょう。

システムエンジニアの求人を探すなら、「スタンバイ」がおすすめです。未経験可の求人も多く、地域や給与などこだわり条件を指定して、効率よく探せます。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら