看護師は本当に性格がきつい?向いている人・向いていない人の特徴も

看護師の性格がきついというのは本当なのでしょうか。「きつい性格でなければ看護師に向かないのでは?」と不安な人もいるかもしれません。看護師の性格がきついといわれる理由や、向いている人・向いていない人の特徴について解説します。

看護師の性格がきついといわれる理由は?

泣いている看護師

(出典) photo-ac.com

看護師の仕事を続けていると「性格がきつくなった」といわれる人もいるようです。なぜ看護師の性格はきついといわれるのでしょうか。理由を3つ挙げて説明します。

患者の命に関わる責任があるから

看護師は患者の命に関わる責任ある仕事なので、ささいなミスも許されません。複数の看護師が交代で患者の看護にあたるため、連絡事項などは簡潔に伝えることが重要です。

そのため、意図してきつい言い方をしていないにもかかわらず、相手にとってはきつく感じることも少なくありません。新人看護師に対しては「早く即戦力になってほしい」「仕事への責任感を持ってほしい」という思いから、どうしても厳しく指導してしまいがちです。

このことも、職場の上司や先輩看護師がきついと感じてしまう理由と考えられます。また、時には患者に対しても、健康や病気の回復のために厳しい態度を取らざるを得ない場合もあるので、きつい看護師だと思われてしまうことがあります。

忙しくて気持ちに余裕がないから

看護師の性格がきついといわれるのは、仕事が忙しくて態度や言い方に気を配る余裕がないことも理由の1つといえるでしょう。人手不足や重症患者が多い職場では、通常の看護業務だけでも多忙を極めることが少なくありません。

病棟勤務の場合は夜勤もあるため、忙しさに加え、生活リズムなども狂いがちになり、さらに余裕を持てなくなることもあるでしょう。

看護業務以外にも、勉強会や研修にも出席しなければならず、プライベートの時間が削られてしまいがちです。日頃のストレスがたまってしまい、無意識のうちに周りに当たってしまうこともあるかもしれません。

人間関係が難しい職場で働いているから

大きな病院などには、多種多様な診療科目がありますが、科目ごとに業務内容が異なるので、他の科目の看護師とはほとんど交流がありません。

閉鎖的な環境になりやすいため、人間関係が難しい職場の場合、コミュニケーションなどの改善が図れず、ギスギスする関係が続くこともあります。

看護師に限らず、人の悪口を言ったり、わざときつい言い方をしたりする人がいると、

その環境に影響されてしまい、意識しないうちにきつい性格になってしまっている場合もあるかもしれません。

看護師に向いている性格は?

前向きな表情の看護師

(出典) photo-ac.com

看護師がきついといわれるのは、仕事の特性や職場環境などが主な理由と考えられます。では、看護師に向いているのはどのような性格なのでしょうか。4つのタイプを挙げて説明します。

落ち込んでもすぐに切り替えられる人

看護師には、精神的強さのある人が向いています。看護師の仕事をしていると、患者が亡くなる場面に立ち会うことも多々あります。特に自分が看護していたり、仲良くなったりした患者の場合は、なおさら悲しくつらいものです。

しかし、気持ちを切り替えて次の仕事に取りかからなければなりません。新人看護師時代は、先輩や上司の指導も厳しくなりがちなので、叱られて落ち込んでしまう人もいるでしょう。

いつまでも落ち込んだ気持ちを引きずっていると、次のミスへとつながりかねません。いったんは落ち込んでも、うまく気持ちを切り替えられる人の方が向いているといえます。

コミュニケーション能力がある人

人と接するのが好きな人や、コミュニケーションを図るのが上手な人は、看護師に適しているといえます。看護師は、患者と直接関わるため、コミュニケーション能力の高い方が仕事をしやすいものです。

患者の話を聞くことも多いので、人の話を聞くのが好きなタイプなら苦になりません。また、他職種と連携するチーム医療では、看護師が中心となってスタッフ同士をつなぐため、コミュニケーション能力は不可欠です。

たとえ自分から積極的に話しかけられなくても、患者に寄り添う心を持ったり、相手の気持ちを読み取ったりできる人に向いています。

責任感や使命感は不可欠

命に関わる仕事をする看護師にとって、責任感の強さや使命感は不可欠です。どんなにルーティン化された仕事でも、小さな気の緩みから大きな医療ミスへとつながってしまう可能性があります。

常に責任感や緊張感を持って仕事に取り組みつつ、看護のスキルを磨くのも看護師の責任です。また、看護師のささいなひと言で深く傷ついたり、病気に対して悲観的になってしまったりする患者もいます。

日頃から自分の言葉に責任を持つことを忘れないようにしましょう。ただし、過剰な責任感や使命感を持つ必要はありません。全てを自分で背負ってしまわないバランスのよさも必要です。

向上心が高い人

向上心が高い人も看護師に向いています。看護師になったら、そこで勉強が終わりではありません。医療技術は常に進歩しているので、勉強を続けて新しい情報やスキルを身に付けるなど、アップデートしていくことが求められます。

研修や勉強会に参加することも多いので、向上心を持てない人にとっては、続けるのがつらい仕事と感じるでしょう。質の高い看護を提供できなくなったり、最新の医療機器の取り扱いに戸惑ったりして、業務を続けるのが困難になる可能性もあります。

向上心が高い人や、何にでも興味を持って取り組める好奇心旺盛な人なら、新しい知識を身に付けるための勉強にも意欲的に取り組めるでしょう。

 

性格が合わない先輩看護師や同僚への対処法

悩む男女の看護師

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看護師には本来きつい性格の人ばかりがいるわけではありません。しかし、中にはどうしても性格が合わないと感じる先輩や同僚もいるでしょう。

とはいえ、同じ職場にいれば、全く顔を合わさずに仕事をするわけにもいきません。性格が合わない看護師への対処法を3つ紹介します。

そういう性格だと割り切って付き合う

性格が合わない人に対して「そういう性格だ」と割り切って気にしないのも大切です。性格が合うか合わないかは価値観の違いでもあるので、相手を変えることは困難です。

自分と考え方が違うだけで、必ずしも相手が間違っていたり、わざと意地悪なことをいったりしているとも限りません。きつい言い方に感じても、悪気がない場合や、正しい指摘をしているケースもあります。

割り切ることは大事ですが、指摘された内容を全て聞き流すのはよくありません。いったん冷静に受け止めて、適切に対処するのがおすすめです。

距離を取って接する

明らかに性格が悪かったり、意地悪な言い方をしたりする人とは、一定の距離を保って接しましょう。しかし、看護師の仕事にとって、報告や業務の引き継ぎは不可欠です。

苦手なタイプだからといって、コミュニケーションを全く取らないのでは、仕事に影響が出てしまします。あくまでも仕事上の人間関係と割り切り、必要最低限のコミュニケーションだけ取るのが、社会人としても適切な対応方法です。

どうしてもストレスに感じるときは、職場とは関係ないプライベートな場面で、友人などに愚痴を聞いてもらうのもよいでしょう。

上司や同僚に相談する

どうしても密なコミュニケーションを取らなければならない場合や、相手の性格の悪さに限界を感じたときは、信頼できる友人や、職場の上司に相談してみるのも1つの方法です。

その人に対して、他の人も同じように感じているかもしれません。1人で考え込むとストレスがたまりますが、同僚と悩みを共有すれば、気持ちも切り替えられるでしょう。

相手の立場的にパワハラかもしれないと感じたときや、仕事に支障が出そうなほど悩んでいるときは、すぐに上司に相談し、解決を目指します。

看護師に向いていない性格は?

泣いている看護師

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性格的に、看護師の仕事にはどうしても向いていないという人もいます。どのような性格の人が向いていないのか、具体的に見ていきましょう。

気持ちを引きずりやすい人

看護師は非常に忙しく、体力面だけでなく精神的な疲労も感じやすい仕事です。

患者の最期に立ち会うことも少なくないので、無力感を抱いたり、ミスを引きずったりといった場面で気持ちの切り替えがうまくできない人は、看護師の仕事でストレスを溜めやすいでしょう。

ミスに対して叱られたときに、気持ちを引きずったままでいると、同じような失敗を繰り返すだけでなく、大きな事故へとつながる可能性もあります。

気持ちを引きずりやすいタイプなら、ゆっくり深呼吸したり、意識して笑顔を作ってみたりするなど、自分なりのリフレッシュする方法を身に付けておくのもおすすめです。

他人に興味を持てない人

看護師にはコミュニケーション力が不可欠なため、他人に対して興味を持てない人や、人間関係の構築が苦手という人には難しい仕事といえるでしょう。医師の治療の補助だけでなく、患者や家族への心理的なサポートも看護師の仕事です。

他人に興味を持てないと、相手の気持ちを想像したり、共感したりしにくく、適切にサポートするのが困難です。生活指導などのために患者と会話する必要もあるので、相手の話を聞くのが苦手な人にとっては苦痛に感じる仕事でしょう。

他人に興味を持てないと、コミュニケーションも図りにくいため、職場の人間関係にも苦労すると考えられます。

看護師は性格がきついというわけではない

パソコンを見ながら悩む看護師

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看護師の仕事は責任が重く、体力的・精神的な負担やプレッシャーが大きいものです。仕事量も多く、業務をスムーズに進めるためには、ついついきつく感じる言い方をしてしまうこともあるでしょう。

しかし、裏を返せばそれだけ熱心に仕事に取り組んでいるからともいえます。厳しい指導や指示を受けたときにも、上手に気持ちを切り替えられる性格の人なら、責任感や使命感のある看護師になれるはずです。

どうしても看護師に向かないと思ったときは、自分に合った職場を探してみましょう。新しい職場探しには、求人数の豊富なスタンバイがおすすめです。

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古市菜緒
【監修者】バースコンサルタント代表、助産師・看護師・保健師古市菜緒

助産師として1万件以上の出産に携わり、8千人以上の方を対象に産前・産後のセミナー講師を務める。海外での生活を機にバースコンサルタントを起ち上げ、現在「妊娠・出産・育児」関連のサービスの提供、アドバイスを行う。関連記事の執筆・監修、商品・サービスの監修、産院のコンサルタント、国・自治体の母子保健関連施策などに従事。

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