保育士の転職におすすめの仕事は?可能性が広がる7選を紹介

保育士からの転職を考えていても、ほかの仕事ができるか不安と二の足を踏む人は多いでしょう。しかし保育士の資格や経験、身に付けたスキルは大きな武器になるのです。資格やスキルを生かせるおすすめの仕事を、転職のポイントと併せて紹介します。

保育士から別の仕事に転職できる?

考え事をする保育士

(出典) photo-ac.com

保育士から別の仕事への転職は、難しいと感じるかもしれません。ほかに資格がない、一般企業での就業経験がないことはキャリアチェンジを考える上での不安材料になり得ます。

保育士が違う職種に転身することは可能なのでしょうか?キャリアチェンジにあたって必要な行動とともに解説します。

保育士経験が役立つ仕事は多い

保育士の仕事を通じて得た経験は、他の仕事でも役立ちます。

保育士は、多くの子どもたちの世話を少人数で進めなくてはなりません。書類作成や保護者とのやり取りなど、同時に複数の仕事を抱えるケースもしばしばです。いくつもの仕事を進める手際のよさは、どのような職種でも必要とされます。

また、保育士の仕事では、毎日たくさんの子どもたちや同僚の保育士・保護者と接して関係を築くことが必要です。コミュニケーション能力が磨かれるため、受付や接客業といった対面の仕事でも重宝されるでしょう。

子どもたちの安全を守るという責任感の強さや、けがや体調不良といった突発的な事態に対応する臨機応変さは一般企業でも求められます。

キャリアチェンジにはスキルの習得が重要

保育士として働いた経験は、幅広い職種に役立ちます。とはいえ、全く別の仕事に転向するには、その業務をこなせるだけのスキル・知識が欠かせません。新たに習得する努力が必要です。

例えば事務職なら、ExcelやWordといったソフトを一通り操作できるようにしておかないと、多くの職場で苦労するでしょう。受付や接客なら、ビジネスマナーや敬語の使い方がなっていなければスタートラインに立てません。

自分の経験だけではカバーできない仕事を目指すなら、資格の取得もおすすめです。一定のスキルを証明できる上、資格取得のために勉強を続ける姿勢がアピールポイントになります。

保育士の資格を生かせるおすすめの転職先

ベビーシッターの女性

(出典) photo-ac.com

全く別の分野への転身は不安という人でも、保育士の資格と経験をそのまま生かせる同業種の職種なら、スムーズな転職が期待できるでしょう。具体的にどのような仕事があるのでしょうか?

ベビーシッター

ベビーシッターは、保護者の留守時に自宅を訪問して子どもの世話を請け負います。一緒に遊ぶほか、食事や排せつのサポート・寝かしつけ・学校や習い事の送迎など、仕事の内容はさまざまです。

保護者の体調不良時や急用があったときには、子どもの世話だけでなく家事を代行するケースもあります。

ベビーシッターそのものには資格が必要ありません。基本的に誰でもなれますが、ベビーシッターを派遣する会社には、保育士の資格を持っている方が魅力的な人材に映ります。子どもの発達や心理・接し方など、基本が身に付いていると判断されるためです。

保育ママや病児保育士

預ける保育園がどうしても見付からない保護者や、病気の子どもを預けたい保護者の力になれるのが、保育ママ(家庭的保育者)や病児保育士です。

保育ママは自宅や借りたスペースを利用して、主に2歳までの子どもを保育します。自治体の認定を受ければ、保育ママ1人につき3人まで(補助がいれば5人まで)預かりが可能です。認定基準や保育時間・保育料は、自治体によって異なります。

病児保育士は、病気や病気の回復期で登園・登校できない子どもの預かりや世話をする保育士です。病児保育には、保育園や医療機関の一画や専門の施設で行われる施設型と、子どもの自宅で世話をする訪問型があります。

訪問型の場合、子どもの体調を見ながら保育に携わるほか、状況に応じて医療機関に連絡したり付き添ったりするのも仕事の1つです。注意力や判断力に自信がある人に向いているでしょう。

参考:
家庭的保育事業(いわゆる「保育ママ」制度)について 東京都福祉保健局
東京都病児保育事業 東京都福祉保健局

ベビーホテルの保育士

ベビーホテルは「ホテル」とは付いていても、宿泊施設ではありません。認可外保育施設の1つで、20時以降の保育か宿泊での保育を常時行っている施設、または一時預かりの児童が半数以上の施設を指します。

通常の保育園と違って行事はなく、事務仕事も少なめです。プライベートの時間を削って、持ち帰り仕事をする必要もほとんどありません。深夜勤務が多くなれば、手当や時給の割り増しで収入アップも見込めます。

本人や家庭の事情で日中働くのが難しく、別の仕事を探している保育士におすすめです。クラス分けをしていないベビーホテルが多いため、年齢が幅広い子どもたちの世話をすることで経験を積めるメリットもあります。

参考:令和3年 地域児童福祉事業等調査結果の概況|厚生労働省

保育や子ども関連の企業

保育や子ども関連の事業を展開している企業なら、保育士の資格だけでなく現場での経験も生かせます。直接触れ合うことはなくても、子どもたちの成長をサポートできるのは大きな魅力です。

保育士専門の人材派遣会社でのコーディネーターや営業職も、選択肢の1つです。実際に転職を経験した人なら、もっとキャリアを積みたい、待遇のよい職場に転職したいといった保育士の気持ちに共感できるでしょう。

スキルや就くポジション次第で収入アップを期待できるのが、一般企業に就職するメリットです。待遇面で保育士からの転身を考えていた人には、よい選択肢になります。

保育士におすすめの未経験からできる仕事

車いすを押すヘルパーの女性

(出典) photo-ac.com

分野が別でも、保育士がキャリアチェンジしやすい仕事はあります。内容に保育士と共通点があったり、保育士の経験を通じて身に付けたスキルが役立ったりする仕事です。どのような職種が挙げられるのかを見ていきましょう。

事務・受付

デスクワークや来客対応がほとんどの事務や受付は、保育士よりも体力的な負担が少ないのが特徴です。子どもたちと全力で遊んだり、抱っこやおんぶしたりするのが辛くなってきた人に適しています。

子どもたちの世話をしながら連絡帳を書いたり書類を作成したりするといった、マルチタスクの経験が生かせるでしょう。

事務では、パソコンでの書類作成やデータ入力といったスキルが求められるケースが少なくありません。ExcelやWordの基本操作ができれば十分な仕事は多くありますが、自信のない人はパソコン教室や独学で学んでおくと安心です。

受付を希望する場合は、接遇マナーも身に付けておきましょう。

介護福祉士やホームヘルパー

介護福祉士やホームヘルパー(訪問介護員)は、自分や家族以外の人の世話をする点で保育士と共通しています。対象となるのは高齢者や障害者です。

通常、介護福祉士の受験資格を得るには、2年制の養成施設を卒業する必要があります。

しかし都道府県知事の指定する保育士養成施設(大学や短期大学・専門学校)を卒業した保育士は、履修科目が一部免除されるため最短1年で受験が可能です(保育士試験を受けて保育士資格を取得した人は2年以上)。

ホームヘルパーになる方法は、「介護職員初任者研修」で、規定の研修を修了することです。3年の実務経験を積んで「介護福祉士実務者研修」を受け、介護福祉士に合格することで介護福祉士の資格を得る道もあります。

参考:
[介護福祉士国家試験]受験資格:養成施設ルート図:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
よくある質問 Q&A | 介養協 - 公益社団法人 日本介護福祉士養成施設協会

サービス業

人と接するのが好き、保育士時代に磨いたコミュニケーションスキルを生かしたいという人には、サービス業がよいでしょう。

特に、顧客に直接サービスを提供するホテルや旅館のスタッフ・各種販売員が適しています。立ち仕事も少なくないので、体力に自信のある人におすすめです。

サービス業には、自分のスキルで顧客をサポートし役に立てるという、保育士の仕事に通じる部分もあります。提供するサービスに対して顧客から感謝や喜びの言葉をもらえれば、やりがいを感じられるでしょう。

サービス業には、経験や資格の有無を問わない求人も数多くあります。保育士以外の仕事が初めてで不安という人でも安心です。

保育士が転職する前に考えたいこと

パソコンを前に考え事をする女性

(出典) photo-ac.com

保育士から他の仕事への転職は十分に可能です。ただ、深く考えずにキャリアチェンジしてしまうと、後悔する可能性があります。実際の行動に移る前に、本当に保育士ではなく別の職種に変える必要があるのかを考えてみましょう。

辞めたいのは保育士か今の職場なのか

転職を検討しているなら、保育士という仕事を辞めたいのか、今の職場を辞めたいのかをまず明確にする必要があります。

今の職場の人間関係や労働環境・保育に対する考え方などが合わないという悩みは、ほかの保育園などに移ることで改善が期待できるものです。保育士の仕事自体は好きで続けたいのなら、職種ではなく職場を変えることを選択肢に入れましょう。

他の仕事を考えたいのは、保育士の仕事自体が辛く感じられるケースです。職場を変えれば一時的に辞めたい気持ちは収まるかもしれませんが、いずれ同じ悩みに突き当たる可能性があります。

「本当はどうしたいのか?」と自分に向き合うことで、次に踏み出す一歩が見えてくるでしょう。

保育士からの転職を成功させよう

履歴書とペン

(出典) photo-ac.com

保育士として子どもたちの世話をした経験や、身に付けたスキルは大きな財産です。転職活動の際には、保育士の資格やスキルを生かした同業種の仕事はもちろん、別の分野でもアピールポイントになります。

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