プロパーとはどういう意味?プロパー社員の特徴や上手な付き合い方も

プロパーは、ビジネス上の会話やニュースで、よく見聞きする単語です。就職・転職活動中の場合は、「プロパー社員」が何を指すのか気になる人も多いでしょう。一般的なプロパーの使われ方と、プロパー社員の特徴を解説します。

プロパーとは?どういう意味?

社員研修

(出典) pixta.jp

プロパーとは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。英語が本来持つ意味と、日本での使われ方を確認しましょう。

分野によって意味合いが異なる

プロパーは英語の「proper」に由来する言葉です。英語のプロパーには本来「適切な・本来の・固有の」といった意味があり、さまざまな分野で使われています。

例えば小売・流通業界では、卸売業者から小売業者に直接卸される正規の商品を「プロパー商品」と呼びます。アパレル業界で使われる「プロパー価格」は、セールで割引く前の正規価格です。

「社会学プロパー」「経理のプロパー」のように、特定の分野に精通している人を指す際に使用するケースもあります。

ビジネスシーンでの使われ方

ビジネスシーンでプロパーといえば、一般的に「プロパー社員」を指します。プロパー社員とは、その企業が採用した正社員のことです。ただし誰をプロパー社員とするのかは、ケースバイケースです。

同じ正社員でも、新卒採用者を中途採用者と区別するケースもあれば、契約社員や派遣社員と区別するために、正社員全体をプロパー社員と呼ぶ場合もあります。

比較対象によって、プロパー社員と呼ばれる人の特性が変わると考えてよいでしょう。

プロパー社員の3つの意味

女子社員

(出典) pixta.jp

「プロパー社員」には主に3つの意味があります。それぞれの意味や、使う際の注意点を見ていきましょう。

新卒入社の社員の意味で使われる場合

新卒で入社した社員を、中途採用の社員と区別するためにプロパー社員と呼ぶケースがあります。社員を新卒と中途で区別する背景には、日本独特の採用方法が関係しています。

日本の企業では、毎年4月に新卒者を一斉雇用するのが基本です。新卒者は皆同じスタートラインに立ち、ほぼ同じように昇給や昇進を重ねて定年まで勤める前提となっています。

このため年齢やスキルが同じでも、長く働いている新卒と、入社したばかりの中途採用者との間で待遇に差が出る場合もあります。

こうした状況では、企業側も働く側も、新卒と中途の違いを意識せざるを得ないでしょう。なお海外企業には、日本のような新卒一斉採用はほとんどありません。プロパー社員という言葉が新卒者を指す意味で使われる国も、日本だけと覚えておきましょう。

正社員の意味で使われる場合

派遣社員や契約社員、パート勤務など非正規雇用の従業員が多い職場では、正社員が他の社員や取引先からプロパー社員と呼ばれるケースがよく見られます。この場合は、新卒・中途といった採用形態にかかわらず、正社員はすべてプロパー社員です。

正規雇用と非正規雇用では、給与・ボーナス・福利厚生などの待遇が異なるだけでなく、責任の範囲も違います。例えばチェーン店を展開する企業では、店舗スタッフは全員パートでも、店長は正社員が務めるというパターンが多いと考えられます。

自社雇用の社員の意味で使われる場合

3つ目は、自社で雇用した社員以外の人が常駐しているケースです。特定の業務に従事するために協力会社から来ている人や、グループ企業から出向している人が、常駐先の人をプロパー社員と呼ぶケースがあります。

この場合、プロパーに含まれるのは正社員だけではありません。契約社員やパートなども含め、その会社が雇用した従業員すべてがプロパーに該当します。

また常駐で働く人のほとんどは、自分の会社に戻れば違う意味でプロパーの立場になります。プロパー社員の意味は、採用形態や勤務形態、働く場所によって異なる点を押さえておきましょう。

プロパー社員のイメージ

ネクタイを整える男性社員

(出典) pixta.jp

日本では一般的に、プロパー社員といえば新卒入社の社員を指すケースが多いようです。新卒入社の社員に対する世間的なイメージを紹介します。

社内に多くの人脈を持っている

毎年4月に一斉雇用される新卒社員には、同期入社がたくさん存在します。このため新卒社員は中途採用者に比べて、最初から社内に多くの人脈を持つことが可能です。各部署に1人は知り合いがいて、お互いの業務を助け合うというケースも珍しくありません。

配属先でも新人として先輩や上司と深く関わっているため、他部署に異動した後も元の部署とのつながりを生かして業務を遂行できます。

中途採用の場合は一から人脈を築く必要がある点を考えると、プロパー社員のアドバンテージは大きいと考えてよいでしょう。

愛社精神や忠誠心が強い

入社以来、ずっとその企業で経験を積んできた人は、愛社精神や会社への帰属意識が強い傾向にあります。新卒採用者のほとんどは、入社後に研修を受けたり、上司や先輩に仕事のやり方を教えてもらったりしながら社会人として成長していきます。

このため自分を一人前に育ててくれた会社に対して、恩返しする気持ちで働く人も少なくありません。また日本独特の年功序列制度を重んじる企業では、長く働けばそれなりに昇給・昇進が見込めます。

もっとも長く働けるプロパー社員は、会社への帰属意識が強くなりやすいといえるでしょう。

プロパー社員の特徴

ミーティングの様子

(出典) pixta.jp

中途採用で正社員を目指す人は、新卒プロパー社員と良好な関係を築けるかどうか不安に思うかもしれません。プロパー社員の特徴を理解して、上手に付き合いましょう。まずはプロパー社員の特徴を紹介します。

給与や待遇の面で優遇を受けられる

プロパー社員は、中途採用に比べて給与面で優遇される傾向にあります。日本の企業では、昇給や昇進の基準に勤続年数が加味されるケースが多く、長く働いている人ほど有利になるのです。

退職金もほとんどの場合在籍年数に応じて決まるため、新卒から定年まで働き続けたプロパー社員の方が高額になるケースが多いでしょう。

なお中途採用でも、正規雇用なら契約社員や派遣社員に比べて好待遇が期待できます。スキルによっては昇給・昇進のチャンスもあり、勤続年数が長くなればプロパー社員とあまり変わらない退職金を受け取ることも可能です。

周囲に支援や協力を求めやすい

周囲からの支援や協力を受けやすいのも、プロパー社員のメリットです。企業規模にもよるものの、プロパー社員は入社した時点で何人もの知り合いができます。

歓迎会や研修などで親しく交流する機会も多く、仕事の悩みを相談できる環境が自然にできあがっていきます。

長く働いていれば他部署の社員や上司、役員などとの信頼関係も深まり、困ったときに助けてもらえる可能性が高くなるでしょう。

中途採用の場合は社内での人脈を築くまでに時間がかかるため、自ら積極的にアプローチして会社に溶け込む努力が求められます。

プロパー社員と上手に付き合うには

握手をする二人の男性

(出典) pixta.jp

待遇面や人脈形成の面でメリットがあるプロパー社員には、仕事がしやすい環境が用意されているといえるでしょう。自分が中途で入社した場合、生え抜きの新卒入社プロパー社員とはどのように付き合えばよいのでしょうか。

プロパー社員のマイナス面も把握し、良い人間関係を構築する参考にしましょう。

積極的な交流が大切

1つの会社で長く働いているプロパー社員は、会社の方針がすべての判断基準になりがちです。その結果、考え方が保守的になり、新しい価値観や発想が生まれにくくなるでしょう。

同じメンバーで仕事をしているため人間関係にも変化が乏しく、プロパー社員同士で派閥を作ったり、他の社員が馴染めない雰囲気を醸し出したりするケースも少なくありません。

会社によってはそんな問題を解決するために、プロパー社員と中途採用者が交流できる施策に力をいれているところもあります。例えばプロパー社員とのラフに交流できるスポーツ大会や社員旅行などです。

上記以外にもプロパー社員が中途採用者をサポートする仕組みを整えている会社もあります。プロパー社員と交流ができる場があれば積極的に参加をしたり、自分からコミュニケーションを取っていったりすることが大切です。

プロパー社員の分類や特徴を理解しよう

円陣を組む社員

(出典) pixta.jp

プロパー社員は、一般的に正社員を他の社員と区別する際に使う言葉です。区別する対象は採用形態や雇用形態により異なりますが、日本では新卒採用の正社員を指すケースが目立ちます。

中途採用を目指す人は、プロパー社員の特徴をあらかじめ理解しておくと、入社後にスムーズに関係を構築できるでしょう。

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