目指していた業種に就くために、キャリアチェンジを考える人は多くいます。未経験の業界に飛び込むキャリアチェンジは、何歳まで可能なのでしょうか。キャリアチェンジのメリット・デメリット・方法や、年齢との関係から成功させるポイントまで解説します。
キャリアチェンジのメリット
現職とは違う業界・職種に挑戦することで得られるメリットを紹介します。キャリアチェンジ後の新しい仕事で得られる刺激は、自分自身の成長にも大きく影響するでしょう。
憧れの仕事に就けるチャンス
キャリアチェンジすると、自分が目指していた仕事や、憧れていた仕事に就ける可能性があります。
誰もが第一志望の仕事に就いているわけではありません。新卒時に第一志望の企業から内定をもらえなかったり、キャリアを積む中で、自分が本当にやりたい仕事がわかってきたりするケースもあるでしょう。
妥協せずキャリアチェンジのために行動すれば、自分がやりたかった仕事や、挑戦したい仕事に携われるチャンスにつながります。
新しいスキルが身に付き成長できる
営業職ならコミュニケーション能力、事務職なら事務処理能力のように、業種や仕事内容によって、求められるスキルは変わります。そのため、キャリアチェンジすることで、新しいスキルや知識が身に付いていきます。
すでに身に付いているスキルにくわえ、新しい経験で身に付けられるスキルを合わせれば、人材としての希少性が上がるでしょう。
仕事の幅が広がったり、評価アップが期待できたりと、自分の成長にもつながります。
モチベーションが向上する
憧れていた仕事や、目指していた仕事に就くことで、仕事に対するやる気もアップしやすくなります。
キャリアチェンジを検討しているときは、現在の仕事に何らかの不満があり、モチベーションが低下している状態だといえます。しかし、キャリアチェンジすることで、モチベーションが向上すれば、仕事につながる勉強や資格取得にも前向きになれるでしょう。
仕事に対するモチベーションが向上することで、キャリアにも大きなプラスとなります。
キャリアチェンジのデメリット
キャリアチェンジすることは、メリットばかりではありません。デメリットも踏まえた上で、挑戦することが大切です。未経験の業種で生じるデメリットを見ていきましょう。
年収が下がるケースもある
経験者として転職する場合は、即戦力として採用されるのが一般的です。しかし、キャリアチェンジで未経験の業界に挑戦する場合は、今まで築いてきたスキルや経験が通用しにくいケースがあるでしょう。
キャリアチェンジで転職する場合は、多くの場合ポテンシャル採用です。そのため、年収が下がりやすい傾向にあるのがデメリットといえます。
キャリアチェンジ後に、現職と同レベルの、収入維持や収入アップは難しいことを覚悟しましょう。どこまでの年収ダウンなら許容できるのかも考えておく必要があります。
新たなスキルの習得に苦労する
異なる業種・職種にキャリアチェンジの場合、未経験者としてスタートすることになるため、新しいスキルを身に付けるには、大きな負荷がかかる可能性があります。
ノースキルの新人として入社する状態なので、その業界で働いている先輩や同僚から、大きく後れを取った状態でのスタートです。
先輩に追いつき、一人前になるには、それ相応の努力が求められます。
新しい環境にストレスを感じる
キャリアチェンジで職場が変わると、当然新しい環境に飛び込むことになります。職場環境や人間関係など、環境に変化が生じれば、慣れないことの連続にストレスを感じることもあるでしょう。
肉体労働から頭脳労働へ、または事務職から営業職へとキャリアチェンジする場合、働き方が大きく異なります。
職場環境や人間関係も大きく変わるため、人によっては、なかなかなじめないケースもあります。ストレスが大きすぎると「こんなはずではなかった」と、頭を抱えることになりかねません。
キャリアチェンジの方法
キャリアチェンジには、大きく分けて2つの方法があります。それぞれのメリットを把握し、自分が希望するキャリアチェンジを目指しましょう。
リスクを抑えたいなら社内転職を検討する
キャリアチェンジには、社内転職という選択肢も含まれます。社内転職とは、現職と同じ会社内で、異なる部署や職種を自ら希望し移動することです。
未経験で新しい企業に転職するよりも、ローリスクでキャリアチェンジが実現します。規模の大きな企業に勤めている場合、社内にはさまざまな職種があるので、社内転職を検討するのも1つの方法です。
勤める会社が変わらないため、転職に伴うリスクを限りなくゼロに近づけられる点や、給料アップまたは、据え置きを期待できる点が、社内転職のメリットです。
希望の企業や別業界に転職する
キャリアチェンジといえば、別企業への転職を思い浮かべる人が多いでしょう。今と異なる業界にチャレンジしたい場合、社内転職ではなく、別企業への転職を第一候補とするケースがほとんどです。
キャリアチェンジには、同じ業界で異なる職種に転職するケースと、全く異なる業界で異なる職種に転職するケースがあります。
別企業への転職なら、自分の希望に添った仕事に、転職できる可能性が高くなる点がメリットです。
キャリアチェンジで環境を変えたい、憧れの企業で働きたいと考えている場合は、別企業に転職するのがおすすめです。
キャリアチェンジと年齢の関係
現職とは全く違う業界・職種にキャリアチェンジするのに、適した年齢はあるのでしょうか。キャリアチェンジに適した年齢と、ハードルが上がる年齢について解説します。
キャリアチェンジはいつ頃がベスト?
キャリアチェンジに適している年代は、20代後半といわれています。
キャリアチェンジの場合、基本的に未経験の人を採用するのがほとんどです。20代後半なら、ある程度のビジネスマナーが備わっており、スキルの吸収力が高く、ゆくゆくは戦力になってくれるだろうと、企業は期待します。
20代前半では、ビジネスマナーに関する不安や、スキル不足・忍耐力がないと思われやすく、敬遠されるケースが多い年代ともいえます。
30代以降は、即戦力として求められる傾向にあるため、未経験者を採用する企業は、多くないのが実情です。
30代・40代でのキャリアチェンジは可能?
30代・40代でもキャリアチェンジは可能です。ただし、若い世代に比べてハードルが上がります。企業側は、30代・40代に対してスキルや実務経験が身に付いている即戦力を求める傾向にあるため、未経験者の選考通過率が少ないかもしれません。本来であれば年齢による差別はNGですが、「年上の未経験者に仕事を教えづらい」といった実情も可能性としては考えられます。
ですが、業界・職種にとらわれずに生かせる、交渉力やマネジメント能力があれば、キャリアチェンジの際もアピールポイントになります。
キャリアチェンジを成功させるポイント
現職とは全く違う業界・職種を目指してキャリアチェンジするからには、成功させたいものです。キャリアチェンジで後悔しないよう、押さえておきたいポイントを紹介します。
転職を目指す理由を明確化する
「キャリアチェンジのデメリット」で解説したように、キャリアチェンジにはリスクやデメリットもあります。
キャリアチェンジを目指して努力を重ねても、必ずしも理想の仕事に就けるとは限りません。また、理想の仕事に就けたとしても、中途半端な気持ちでは「こんなはずではなかった」と後悔する可能性もあります。
キャリアチェンジを成功させるためには、転職を目指す理由を明確にしましょう。
「なぜキャリアチェンジを目指すのか」「希望職種に就いてどうキャリアアップしていくのか」をはっきりさせれば、自分の意思も定まり、やるべきことを明確化できます。
自分のスキルを棚卸しする
現時点で、自分がどのようなスキルや知識を持っているのか、棚卸しをしてみましょう。
新しい業界・職種にチャレンジする場合、今まで培ってきたスキルや知識が全て通用しなくなるわけではありません。キャリアチェンジしても、活用できるスキルや、知識があるケースも考えられます。
例えば、コミュニケーション能力や、問題解決能力・交渉力などはどの業種でも生かせるスキルといえます。論理的思考や、プレゼンスキル・リーダーシップなども、汎用性の高いスキルです。
どのような環境でも活用できるスキルのことを「ポータブルスキル」といいます。新しい業界・職種ならではのスキルがなくても、ポータブルスキルがあれば、多くの企業で必要とされる人材になれるでしょう。
希望の業界や職種について徹底的に調べる
キャリアチェンジするにあたって、憧れだけで業種・職種を決めると、後悔する可能性があります。「こんなはずではなかった」と思ってしまうのを防止するためにも、目指す業界や職種について、徹底的にリサーチしましょう。
実務経験がない点をカバーするためにも、希望の業界・職種についての業務内容や、実態を把握する必要があります。どのようなスキルや人材が求められているのか、必要な資格があるのかなど、しっかり調べておきましょう。
キャリアチェンジで理想のビジネスライフを目指そう
キャリアチェンジは、経験してきた仕事では得られなかったスキルや知識が身に付いたり、モチベーションが向上して、自分のキャリアにプラスになったりというメリットがあります。
一方で、年収が下がったり、未経験の業界で新たなスキルを習得するのに苦労したりと、新しい環境にストレスを感じてしまうものです。
キャリアチェンジ後に後悔しないために「なぜ転職を目指しているのか」「転職後にも使えるスキルが自分にあるか」など、振り返りましょう。
希望の業界・職種について徹底的に調べたり、自分のやるべきことを明確化したり、しっかり準備し、理想のビジネスライフを目指しましょう。
もっと自分の適性を生かせる仕事にキャリアチェンジしたい人は、スタンバイで仕事を探してみるのもおすすめです。