大学生になり、バイトでお小遣いを稼ごうと考えている人も多いでしょう。実際、大学生は毎月どのくらいの金額を稼いでいるのでしょうか?大学生バイトの平均月収や時給のほか、大学生におすすめのバイトも紹介するので参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 大学生のバイトの「平均月収」「平均勤務時間」「平均時給」
- 大学生バイトの平均月収は5万970円、平均勤務時間数は週12.1時間、平均時給は約1,053円です。
- 大学生が稼ぎやすいバイト
- 大学生のバイトには「居酒屋」「コンビニ」「塾講師」「コールセンター」など、さまざまな種類があります。
- 大学生バイトの注意点
- 大学生がバイトをする際は、年収や税金のほか、犯罪に加担する危険なバイトに注意が必要です。
大学生のバイト事情は?
大学生は1カ月でどのくらいのバイト代を稼いでいるのでしょうか。全国大学生活協同組合連合会が公表しているデータを基に、大学生のバイト事情について解説します。
出典:第60回学生生活実態調査 概要報告|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)
大学生のバイトの平均月収は5万970円
「全国大学生活協同組合連合会」が2025年に発表した「第60回学生生活実態調査 概要報告」によると、2024年の大学生のバイトの平均月収は5万970円でした。
この金額は、コロナ禍前の2019年の平均月収4万6,910円を大きく上回っており、大学生のバイト就労率の回復がうかがわれます。
また、居住形態別の平均や収入金額の分布は、以下のような結果でした。
【居住形態別平均月収】
- 自宅生:5万3,150円
- 下宿生:4万8,860円
- 寮生:4万6,200円
【収入金額分布】
■自宅生
- 1万~3万円未満:9.3%
- 3万~7万円未満:38.0%
- 7万円以上:19.8%
■下宿生
- 1万~3万円未満:10.3%
- 3万~7万円未満:38.9%
- 7万円以上:14.6%
大学生のバイトの平均勤務時間数
「第60回学生生活実態調査概要報告」によると、2024年の大学生バイトの平均勤務時間数は1週間で12.1時間でした。
また、厚生労働省の「令和4年度学生生活調査結果」を見ると、大学生(昼学部)の1週間の生活時間の中で、週1時間以上を費やしているのは「大学の授業」「大学の授業の予習・復習」「娯楽・交友」で、9割を超えていることが分かります。
この結果から、大学生にとってバイトの時間を確保することが、いかに難しい状況か推測されます。実際、全国大学生活協同組合連合会のアンケートにも、「大学の授業で忙しく、バイトとの両立で悩んだ」「勉強を優先したくてバイトに時間を割けなかった」などの声が寄せられていました。
出典:令和4年度学生生活調査・高等専門学校生生活調査・専門学校生生活調査 | JASSO
大学生のバイトの平均時給は約1,053円
全国大学生活協同組合連合会発表のデータを基に換算すると、2024年の大学生バイトの平均時給は約1,053円です。
平均月収(5万970円)÷(1週間の労働時間12.1時間×4)=1,053.099…
一方、厚生労働省の「令和6年度地域別最低賃金改定状況」によると、東京都の最低賃金時間額は1,163円です。近隣県では、埼玉県1,078円・千葉県1,076円・神奈川県1,162円となっています。
大学生の平均時給は、地域別に出されていないため一概にはいえないものの、地方では都市部の最低賃金時間額と比べて低い傾向にあるといえそうです。なお、過去3年間の平均時給の推移は以下のように換算され、平均時給自体は引き上がっていることが分かります。
- 2021年:約971円
- 2022年:約957円
- 2023年:約1,006円
大学生が稼ぎやすいバイト【接客】
接客業には、飲食系や販売職など、さまざまな種類があります。中でも、居酒屋やコンビニは大学生に人気のあるバイトです。
それぞれ高時給になる深夜帯のシフトがあり、効率良く稼げるのが魅力ですが、労働基準法によって18歳未満は22~5時までの勤務が禁止されているため注意しましょう。
居酒屋
居酒屋バイトの仕事内容は、ホール業務とキッチン業務に分かれます。店によっては、店外でチラシを配ることもあるでしょう。居酒屋のバイトでは、週末や夜間は時給が上がることも多く、シフトの入れ方によっては効率的に稼げるのが魅力です。
また、バイト仲間には同年代の人も多くなる傾向があり、和気あいあいとした雰囲気で働きながら、学外に交友関係を広げられるというメリットもあります。接客の基本マナーやコミュニケーション能力が求められる仕事なので、人と接することが得意な人に向いているバイトです。
コンビニ
コンビニバイトの仕事は、レジ業務・商品の陳列や補充・清掃・公共料金の支払い代行・宅配便の受付など、幅広いのが特徴です。慣れるまでは大変ですが、一度覚えてしまえば段取りよく仕事ができるようになるでしょう。
コンビニは24時間営業の店舗が多く、早朝・深夜の時間帯のシフトがあるため、授業やサークルなどと両立しやすいのが魅力です。コンビニでは、さまざまな利用客を相手にするので、コミュニケーション能力の高さが求められます。
また、忙しい時間帯にはレジ業務や商品陳列、在庫管理などの仕事を同時にやらなければならないため、柔軟に対応できる人に向いているでしょう。
カラオケ
カラオケ店では、主にフロントでの受付や精算・ドリンクやフードの提供・清掃・機器のトラブル対応などの仕事を担当します。24時間営業や深夜営業を行っている店舗もあり、シフトの自由度も高いのがメリットです。
平日の昼間などは比較的暇なことが多かったり、髪形などのルールがそれほど厳しくなかったりといった特徴もあります。従業員割引で利用できる店舗も多く、音楽・カラオケが好きな人は楽しく働けるでしょう。
ただし、複数のフロアがある店舗では、飲食のサービスや清掃のために階段を上り下りしなければならず、ある程度の体力が必要です。
大学生が稼ぎやすいバイト【教育】
教育系のバイトには、塾講師や試験監督などの仕事があります。以下、具体的な仕事内容や向いている人の特徴を見ていきましょう。
塾講師
塾講師は、比較的高時給になる傾向があり、大学生に人気のバイトの1つです。小・中・高校生を対象に、英語や数学などの教科を教えるのが主な仕事です。個別指導か集団指導かによって、業務内容は異なります。
集団指導の場合、教科の指導だけでなく、クラス全体をまとめたり、学習進度を管理したりすることも必要です。勤務時間が夕方以降のことが多く、授業と両立しやすい点が魅力といえます。
塾講師のバイトは、人に教えたり子どもと関わったりするのが好きな人に向いています。教育に興味がある人・教師を目指している人にとっては、将来役立つ貴重な経験となるでしょう。ただし、担当する科目に関する専門的な知識など、一定の学力が求められます。
試験監督
試験監督のバイトは、単発で募集されることが多い仕事です。主な業務は、試験会場での受験生への案内・試験用紙の配布や回収・不正行為の監視などです。仕事場所や業務内容は、試験によってその都度異なります。
未経験でも始めやすく、単発なので学業や他のバイトと両立しやすいのが魅力です。ただし、長時間勤務になることが多く、仕事中はただ座っていたり立っていたりするだけになる場合もあり、人によっては退屈だと感じるかもしれません。
自分のミスによって、受験生の将来を左右してしまう可能性もあるため、真面目で責任感のある人・冷静に対処できる人に向いています。また、静かな環境で働きたい人にもおすすめです。
大学生が稼ぎやすいバイト【事務・軽作業】
事務仕事や黙々と作業するのが好きな人には、コールセンターや引っ越しのバイトがおすすめです。以下、それぞれの仕事の特徴やメリットを見ていきましょう。
コールセンター
コールセンターの業務には、顧客からの電話問い合わせに対応する「インバウンド」と、自分から発信する「アウトバウンド」の2種類があります。
仕事内容はそれぞれ異なりますが、どちらもマニュアルやトークスクリプトが用意されていることが多く、未経験でも始めやすいのが特徴です。シフトの自由度が比較的高く、敬語やビジネスマナーが身に付く点も魅力でしょう。
他のバイトに比べて、時給が高くなる傾向もあります。電話での会話がメインとなるので、コミュニケーション能力の高い人に向いている仕事です。ただし、クレーム対応が発生することもあるため、ストレス耐性の低い人にはきつく感じられるかもしれません。
引っ越し
引っ越しバイトは、家具や荷物の運搬やトラックへの積み込み・荷降ろし、引っ越し先での配置作業などをする仕事です。基本的に日給制で、即日払いされるケースもあります。
単発や短期のバイトも多く、大学生活との両立もしやすいでしょう。また、急な出費ですぐにお金が欲しい人にもおすすめです。
特別なスキルは不要ですが、肉体労働になるため、体力に自信がある人・体を動かすのが好きな人に向いています。チームで協力して作業を進めるため、コミュニケーション能力や協調性のある人が活躍しやすい仕事です。
大学生が稼ぎやすいバイト【その他】
大学生が稼ぎやすいバイトには、ほかにもアミューズメント施設のスタッフや警備などがあります。どのような仕事なのか、詳しく見ていきましょう。
アミューズメント施設
アミューズメント施設には、遊園地・テーマパーク・ゲームセンター・パチンコ店・ボウリング場など、さまざまな場所があります。仕事内容は施設によって異なりますが、接客・機械のメンテナンス・施設内の巡回・清掃などが主な業務です。
場合によっては、チケット販売・景品の補充や交換・施設内のレストランでの接客などを担当することもあるでしょう。バイトの募集も多く、同年代と楽しく働けるのが魅力です。
アミューズメント施設では利用客に楽しんでもらうため、明るく元気な対応ができる人・接客が好きな人に向いています。
警備
警備のバイトには、大きく分けて施設警備・交通誘導・雑踏警備の3種類があります。
施設警備は、オフィスビルや商業施設などの防犯・防災を目的とした仕事です。施設に常駐して人の出入りを管理したり、施設内を巡回して安全を確認したりします。
交通誘導は、工事現場などでの交通事故防止のために、車両や人を誘導する仕事です。雑踏警備は、イベント会場などで来場者の誘導や会場内の巡回警備を行います。
警備バイトは、時期を問わず求人が多く、シフトの調整もしやすいのが魅力です。事故防止を目的とした仕事なので、責任感の強い人に向いています。また、長時間立ちっぱなしの業務も多いため、体力に自信のある人におすすめです。
大学生がバイトする際の注意点
最後に、大学生がバイトする際の注意点についても知っておきましょう。主な注意点を、2つ挙げて解説します。
年収や税金に注意する
年収が103万円を超えると、給与に所得税が課されます。扶養控除から外れるため、扶養者の納税額が増える可能性もあるでしょう。
勤労学生控除を受けると、年収130万円以下であれば本人の所得税は免除されますが、扶養控除を受けられるのは年収103万円までです。
また、複数のバイトを掛け持ちしている人や、バイト先で年末調整を受けられない場合は、確定申告が必要になるケースもあります。確定申告が必要なのに行わずにいると、無申告加算税・延滞税などのペナルティーを受ける可能性もあるので、必ず申告しましょう。
出典:No.1180 扶養控除|国税庁
出典:No.1175 勤労学生控除|国税庁
出典:確定申告が必要な方|国税庁
時給だけを見て決めない
バイト先を決める際は、時給だけを見るのではなく、仕事内容・勤務条件などの募集要項をしっかり確認することが大切です。中には、他の仕事に比べて高時給なバイトもありますが、時給が高いのにはそれなりの理由があります。
例えば、体力的にきつい・専門性が高い・責任が大きいなど、さまざまなケースがあるでしょう。高時給のバイトを始める場合は、時給が高い理由に納得した上で応募することが大切です。
また、中には詐欺などの犯罪に加担してしまう危険なバイトもあります。一度引き受けてしまうと辞められなくなったり、罪に問われたりする可能性があるので、関わらないようにしましょう。
自分に合ったバイトで効率良く稼ごう
大学生になると交友関係も広がり、娯楽やサークル活動などに必要な資金をバイトで稼ぐ人も多くいます。親元を離れて生活を始める人の中には、バイト代を生活費に充てる人もいるでしょう。
大学生になると、バイトの選択肢もぐっと増えます。また、中には高時給で効率的に稼げるバイトも少なくありません。紹介した内容を参考にして、自分に合ったバイトを見つけてみましょう。
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